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糖質制限食とGI値
おはようございます。

今回は、れっきーさんから、糖質制限食とGI値についてコメント・質問をいただきました。

糖質制限食とGI値
糖質制限食について質問があります。

肉類には糖質は含まれてませんがGI値でいうと例えば豚肉は46です。
また、フルーツ類には糖質が多く含まれていますがオレンジのGI値は31です。
糖質制限食を実施するとGI値が若干高い肉類(例えば豚肉)を食べてOKでも、GI値の低いフルーツ類(例えばオレンジ)は食べれません。

糖質制限食においてGI値のことは無視しても良いのでしょうか?
2008/06/24(火) 23:07:16 | URL | れっきー』


れっきーさん。コメントありがとうございます。

GIは正常人では参考になりますが、糖尿人では、あまり参考になりません。糖尿人では、GIよりも食品に含まれる糖質のグラム数が大事です。

1gの糖質が、2型糖尿人の血糖値を約3mg上昇させ、1型糖尿人の血糖値を5mg上昇させます。低GIの食品でも、糖質が主成分の食品を普通に摂取すれば、糖尿人では血糖値は200mgを超えてきます。

それから、GIは研究者によりばらつきますが、豚肉が46ということはありません。GI値は、糖質50gを含む食品を摂取して基準となる食品と比較して決定します。

糖質50gを含む豚肉というと、5kg以上はありますね。ヾ(゜▽゜)
いったいどうやって食べて計算したのでしょうね? (∵)?

つまり、GI値というものは、あくまでも糖質が主成分の食物を対象にしたものであり、脂質やタンパク質が主成分の食品は、対象外で計算不能です。従って、牛肉や豚肉や魚などのGI値は、ないと思っていただいて結構です。

http://www.mendosa.com/GI_GL_Carb_data.xls.

このサイトは、David Mendosaという、「ミスターGI」とも呼べるマニアックなおじさんが運営していて、およそGIのことならなんでも載っています。英文ですが、お暇なときに覗いてみてください。

なお果物に関しては、GI値は低いのですが、糖質は含んでますので、糖尿人は摂取するにしても少量にとどめた方がよいですね。果物に関しては7.8のブログもご参照くださいね。

江部康二


以下、以前に掲載したGIに関するブログを再掲します。

<グリセミック・インデックス:glycemic index:GI:血糖指数>

2007年06月13日 (水) | 編集 |

おはようございます。今朝も京都は良い天気です。梅雨がなかなかきませんね。琵琶湖の貯水量もそろそろピンチだそうです。
 
さて今回は、グリセミック・インデックス(以下GI)のお話です。GIは血糖上昇反応度とも言われています。一時流行した低インスリンダイエットの本などにGIのことも載っていたので、聞いたことのある方、またご存知の方もおられるでしょう。

GIというのは、糖質50gを含む食品を摂取した後の血糖値の上昇カーブを2時間追って、 基準となる食品(ブドウ糖50g)を摂取した後の血糖値の上昇カーブの面積と比較し、パーセントで表した数値のことです。 (´・⊇・`)


GIの算出方法
 
     糖質50gを含有する食品摂取後
      2時間までの血糖曲線下面積
GI=─────────────────────── ×100
    糖質50gを含有する基準食(ブドウ糖)
    摂取後2時間までの血糖曲線下面積


何やよくわかりませんよね。グラフにするともう少しわかりやすいのですが、実は私パソコン苦手なもので写真や絵を貼り付ける技が・・・すいません。 (*- -)(*_ _)

拒否反応を起こしかけている皆さんのために簡潔に言うと、GIの数値が高ければ血糖値を上昇させやすい食品であり、GIの数値が低ければ血糖値を上昇させにくい食品であるということです。

GIが高い食品ほど血糖が急激に上昇し、ブドウ糖スパイクを生じます。実際、2種類の同じカロリーの糖質(たとえば玄米と白米)を摂取しても、血糖値の上がり方はそれぞれ異なります。GIの数値は、70以上は高い、56~69が中等度、GI55以下は低い、と評価されています。ちなみに玄米のGIは50で、白米は70です。その他、ブドウ糖や白パンのGIは100、豆類は30、乳製品は35くらいです。

糖尿病でない人は、玄米などGIの低いものを主食としていればブドウ糖スパイクは小さく、代謝が安定するというわけです。

しかし、GIに関して一般に言われてる数値は正常人のもので、糖尿人にはあてはまりません。糖尿病の人は玄米などGIの低いものを食べたとしても、200以上のブドウ糖スパイクを起こしてしまうことを、私達は高雄病院の200人以上のデータで確認しています。

一方糖尿人おいても、GIの高い白パンのほうが玄米より血糖値をさらに上昇させやすいということはあります。

また、現在のGIの数値は主に欧米人のデータで、日本人のものではありませんので、日本人のGIを調べようという動きもあります。もともとジェンキンスが62品目の数字を出し、現在International table of GIというアメリカ栄養学会の出したリストで600種類の食品に関するデータが出ています。50gのブドウ糖を基準にしたものと、白パン50gを基準にしたもので、おなじ食品でもGIが異なります。

それからライスとバターライスを比べたら、バターライスのほうがGIが低いというように食品の組み合わせでも違いが生じます。

GIというのは、糖質を含む食品、例えばニンジンならニンジンだけを単品で食べてみて計測した数値です。実際の食事では何種類か一緒に食品を食べますから、GIはあくまでも実験室的なデータですね。

このように見てくるとGIは正常人ではあるていど参考にはなりますが、確定的なものではありません。

まして、糖尿人においてはGIはあてにならず、糖質のグラム数の計算のほうが重要です。そこで糖質制限食の出番となるわけです。糖質制限食ならば、糖尿人においても血糖値の上下動は極めて少なくなり、薬に頼ることなく良好なコントロールが期待できます。

江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
1単位のインスリンで どれだけ下がるのか?
先生 こんばんは☆いつもブログ拝見させていただいております☆先日、東京講演会での資料プリントと 自分でまとめたレポートを 職場仲間にコピーしてあげたら、すごく興味をもってくれたらしく、またレポートも『よくまとまってる』と 誉めてもらえました☆職場仲間は ダイエットに糖質制限を始めましたよ☆じわじわとではありますが、自分も周りに糖質制限食を広めるお手伝いをしていきたいと思っています☆


さて、今回 またまたお馬鹿なみやびの話を聞いてください。

今朝は血糖値が213mg/dlもありました。最近 真面目に糖質制限してたのに、今朝はまたずいぶんと上がってしまい、理由がわからず 納得もいかず 凹みました。

朝7時半頃、ノボラピッド300を3単位打ちました。食事はとってません(危険なやり方ですが)。その後 仕事に行き、約5時間後 昼食前に測ったら166mg/dlでした(まだ これでも高い…)

何気なくとった行動でしたが、どうやら自分で実験していたようです(笑)家に帰って計算してみたら、朝から昼で47mg/dl下がってました。これは、1単位のインスリンで15~16mg/dl下がったと解釈しても良いでしょうか?インスリンの効き具合が、自分の身体では 1単位でいつもこのくらいと考えても良いでしょうか?

東京講演会で 先生とお話させていただいたとき、糖質のカウントをすることと 『1単位のインスリンで どれくらい下がるかは個人差があるから、自分の身体で計算してみるといいですよ』と 先生からご教示いただいたことを、ふと思い出したのです。

それとも、体型によってインスリンの効き具合が異なるように、その日の体調でも下がり具合は異なるのでしょうか?

夜打ちの 30ミックスでも、同じような計算で良いですか?

質問ばかりになってしまい 申し訳ありません。お忙しい中恐縮ですが、ご教示いただけたらと思います。
2008/07/09(Wed) 19:51 | URL | みやび | 【編集
Re: <強度の肥満症治療と糖質制限について>
やざきさん。

肥満の治療食には「糖質制限食」が最適です。

「やせる食べかた」東洋経済新報社

がわかりやすいので、ご一読ください。

おかずばかり食べれば、カロリー計算なしで、8-9割の人は減量できます。

1割くらい大食タイプの人がいますが、この場合常識的カロリー1800くらいを目安としてください。

運動は、今の体重では膝に負担がかかるので、歩行くらいからぼちぼち始めて下さい。
2010/10/17(Sun) 20:34 | URL | ドクター江部 | 【編集
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