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LDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪。善玉。悪玉。
こんにちは。

相変わらず、コレステロールに関する質問が多いので考察してみます。

一般に、LDLコレステロール値が140mg/dl以上あると、
基準値(140mg未満)よりは高値なので、
ほとんどの医師からは画一的な指導で
140mg/dl未満に下げるよう注意されると思います。
食事療法で改善がなければ、スタチン系薬剤などを処方されることが多いです。

確かに、日本動脈硬化学会のガイドラインに従えばそうなるのだと思います。
しかし、現時点で、相変わらず、日本動脈硬化学会と日本脂質栄養学会が
バトル中であり、前者はコレステロール値は低いほど良いとし、
後者は、コレステロール値が高いほうが長生きという
全く異なる見解をだしています。
世界的にも、日本と同様、コレステロール低下派の医師と
コレステロールは高値でOKという立場の医師が対立している状況です。

ここで冷静に考えてみると、
LDLコレステロールは一般に悪玉、HDLコレステロールは善玉とされていますが、
これは正確ではありません。

標準の大きさのLDLコレステロールは、
コレステロールという細胞膜の原料を肝臓から末梢組織に運ぶ、
重要な役割を果たしていて、当然これは善玉です。

LDLコレステロールの中で、
小さくて比重の重いタイプが「小粒子LDLコレステロール」です。
この小粒子LDLコレステロールこそが、
真の悪玉の『酸化LDLコレステロール』に変換されやすい悪玉です。

HDLコレステロール(正常値40~98)が低値で、
中性脂肪(正常値50~149)が高値だと、
小粒子LDLコレステロールが多くなり危険です。

HDLコレステロールが60mg/dl以上で、
中性脂肪が80mg/dl以下なら
小粒子LDLコレステロールはほとんどありません。

HDLコレステロールが60mg/dl以上で、
中性脂肪が60mg/dl以下なら
小粒子LDLコレステロールは、皆無です。
従ってLDLコレステロールが高値でも、
それは標準の大きさの善玉です。


スーパー糖質制限食実践なら、
HDLコレステロールが60mg/dl以上で、
中性脂肪が60~80mg/dl以下になっていくと思いますので
LDLコレステロールは善玉ばかりです。


以下の論文は、コレステロール関連の医学論文で
よく引用される信頼度の高い論文です。

Circulation. 1990 Aug;82(2):495-506.
Atherogenic lipoprotein phenotype. A proposed genetic marker for coronary heart disease risk.
Austin MA1, King MC, Vranizan KM, Krauss RM.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/2372896
https://www.ahajournals.org/doi/pdf/10.1161/01.CIR.82.2.495


この論文によると、
中性脂肪が60mg/dl以下の場合、LDLコレステロールは
phenotype A (標準の大きさのLDLコレステロール)がほぼ全てであり、
phenotypeB(小粒子LDLコレステロール)は
ほぼなしです。
そして、HDLコレステロールが60mg/dlを超える場合も
小粒子LDLコレステロールはほぼありません。

パターンBを呈する人では、
冠動脈疾患の相対リスクがパターンAの約3倍高いことが報告されています。

このようにLDLコレステロールには善玉と悪玉があるので、
十把一絡げに悪玉コレステロールと呼ぶのはよろしくないのです。


標準の大きさのLDLコレステローには、肝臓から細胞膜の原料であるコレステロールを
末梢組織に運ぶ大切な役割があり、なくてはならないもので、善玉なのです。

そして、中性脂肪値が、60mg以下で、HDLコレステロールが60mg/dl以上なら、
小粒子LDLコレステロールはほぼ皆無です。
スーパー糖質セイゲニストなら、皆この好ましいパターンになります。

例えば江部康二の2018年10月の血清脂質データは
▽中性脂肪:49mg/dl(正常値50~149)
▽HDL-コレステロール:89mg/dl(正常値40~98)
▽LDL-コレステロール:138mg/dl(正常値140未満)

です。
従ってLDLコレステロールは全て標準の大きさの善玉です。

江部康二
コメント
お疲れ様です
先生の記事の
「HDLコレステロールが60mg/dl以上で、
中性脂肪が60mg/dl以下なら
小粒子LDLコレステロールは、皆無です。
従ってLDLコレステロールが高値でも、
それは標準の大きさの善玉です。」

これは非常にわかりやすいですね。
早速ノートに記載させていただきました。
しっかし、糖質制限を始めた当初の自分も数値に振り回されていましたからね。
毎度、コレステロールの質問を拝見するたびに、初心に返って自分の自信を確信に変えることができます。
ありがとうございます。
2018/10/30(Tue) 22:05 | URL | クワトロ | 【編集
Google検索と食品の糖質について
トルティーヤチップスの糖質
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-4708.html
について、

Googleにフィードバックし、誤り(炭水化物)を指摘しましたが、
その後修正(更生)されませんでした。

原因を考えたところ、主なソース(Source)つまり出どころ(出典)が、USDA( Food Composition Databases (アメリカ合衆国農務省))のため、日本の食品成分との考えが一部違うこと(糖類の表示が必須)だと思われます。

つまり、sugars(糖類)を糖質(Googleの翻訳ミス)としてしまったことです。

USDAによりますと、トルティーヤチップスの食品成分は
Voul per 100g
・Water:1.30g
・Energy:465kcal
・Protein:8.70g
・total lipid(Fat):15.20g
・Carbohydrate,by difference:73.40g
・Fiber,total difference:5.7g
・Sugars,total:0.53g
でしたが
https://ndb.nal.usda.gov/ndb/foods/show/43566?fgcd=&manu=&format=&count=&max=25&offset=&sort=default&order=asc&qlookup=43566&ds=&qt=&qp=&qa=&qn=&q=&ing=
Google検索では、
https://www.google.co.jp/search?sourceid=navclient&aq=hts&oq=&hl=ja&ie=UTF-8&rlz=1T4GGHP_jaJP461JP462&q=%e3%83%88%e3%83%ab%e3%83%86%e3%82%a3%e3%83%bc%e3%83%a4%e3%83%81%e3%83%83%e3%83%97%e3%82%b9%e3%81%ae%e7%b3%96%e8%b3%aa
糖質0.5g/100g(四捨五入)となっていました。

私を含め多くの人は、「トルティーヤチップスの糖質」に関して、あまり関心を持たないとおもいますので、それほど影響はないと思います。

これが、ラーメンやハンバーガーだったらどうでしょう。

ラーメンのGoogle検索、食物繊維 2.3 g・糖質 1.6 g
https://www.google.co.jp/search?sourceid=navclient&aq=&oq=ra-&hl=ja&ie=UTF-8&rlz=1T4GGHP_jaJP461JP462&q=%e3%83%a9%e3%83%bc%e3%83%a1%e3%83%b3&gs_l=hp..0.0i4l5.0.0.0.162625………..0.YGadj0JKUVM

ハンバーガーのGoogle検索、食物繊維 0.9 g ・糖質 4.2 g
https://www.google.co.jp/search?sourceid=navclient&hl=ja&ie=UTF-8&rlz=1T4GGHP_jaJP461JP462&q=%e3%83%8f%e3%83%b3%e3%83%90%e3%83%bc%e3%82%ac%e3%83%bc
Source:USDA

(出典)USDA( Food Composition Databases (アメリカ合衆国農務省))
○ラーメン
Voul per 100g
・Water:g:1.30g
・Energy:kcal:465g
・Protein:g:8.70g
・total lipid(Fat):15.20g
・Carbohydrate,by difference:73.40g
・Fiber,total difference:5.7g
・Sugars,total:0.53g
https://ndb.nal.usda.gov/ndb/foods/show/06583?fgcd=&manu=&format=&count=&max=25&offset=&sort=default&order=asc&qlookup=06583&ds=&qt=&qp=&qa=&qn=&q=&ing=

○ハンバーガー
Voul per 100g
・Water:?g
・Energy:294kcal
・Protein:17g
・total lipid(Fat):14g
・Carbohydrate,by difference:24g
・Fiber,total difference:0.9g
・Sugars,total:4.2g
https://ndb.nal.usda.gov/ndb/search/list?qlookup=21110

上記の他、日本標準食品成分表に記載のない食品にUSDA( Food Composition Databases (アメリカ合衆国農務省))のデータ(Source)がつかわれているようです。

●参考にさせていただいたサイト

〇マック チーズバーガー(食品成分)
http://www.mcdonalds.co.jp/quality/basic_information/menu_info.php?mid=1020
(から栄養情報をクリックしてください)

〇Carbohydrate,by difference
https://www.encyclopedia.com/education/dictionaries-thesauruses-pictures-and-press-releases/carbohydrate-difference
食物と栄養辞書
© A Dictionary of Food and Nutrition 2005, originally published by Oxford University Press 2005. ©オックスフォード大学出版会2005年に最初に出版された2005年食品と栄養辞典。
(翻訳)
差による炭水化物
食物中に存在する様々な炭水化物を決定することは歴史的に困難であり、測定されたタンパク質 、 脂肪 、 灰分 、および水を総重量から差し引くことによってしばしば近似が行われた。 差による炭水化物は、栄養的に利用可能な炭水化物(デキストリン、デンプン、および糖)の合計である。 栄養的に利用できない炭水化物(ペントサン、ペクチン、ヘミセルロース、およびセルロース)および有機酸およびリグニンなどの非炭水化物を含む。

〇Sugars:糖類
https://ejje.weblio.jp/content/sugars

〇内科医Mのブログ 成分表示の英語
http://www.mizuno.tokyo/2015/06/blog-post_39.html

〇江部先生のブログ 2015年04月10日 (金)
炭水化物の定義、日本とオーストラリアの違い
本文とyoshimiさんのコメント
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-3340.html#comment
2018/10/30(Tue) 23:52 | URL | オスティナート | 【編集
Google検索と食品の糖質についてその2
前回のコメントを変更させてください。

●変更前
(出典)USDA( Food Composition Databases (アメリカ合衆国農務省))
○ラーメン
Voul per 100g
・Water:g:1.30g
・Energy:kcal:465g
・Protein:g:8.70g
・total lipid(Fat):15.20g
・Carbohydrate,by difference:73.40g
・Fiber,total difference:5.7g
・Sugars,total:0.53g

●変更後
(出典)USDA( Food Composition Databases (アメリカ合衆国農務省))
○ラーメン
Voul per 100g
・Water:g:6.52g
・Energy:kcal:440g
・Protein:g:10.17g
・total lipid(Fat):17.59g
・Carbohydrate,by difference:60.26g
・Fiber,total difference:2.9g
・Sugars,total:1.98g
2018/10/31(Wed) 00:34 | URL | オスティナート | 【編集
ありがとうございます。
おはようございます。
コレステロールにつきまして、分かりやすくご説明くださりありがとうございます。
2018/10/31(Wed) 04:46 | URL | 感謝 | 【編集
糖質オフアドバイザー資格取得講座
いろいろなビジネスチャンスがあるのですね。
https://www.c-c-j.com/course/products/food/carbohydrate/
2018/10/31(Wed) 09:03 | URL | yanosono | 【編集
LDLコレステロールにはもう悩みません
いつもブログ更新ありがとうございます。

>中性脂肪が60mg/dl以下の場合、LDLコレステロールは
>phenotype A (標準の大きさのLDLコレステロール)がほぼ全てであり、
>phenotypeB(小粒子LDLコレステロール)はほぼなしです。
>そして、HDLコレステロールが60mg/dlを超える場合も
>小粒子LDLコレステロールはほぼありません。

Austinの論文は
https://www.ahajournals.org/doi/pdf/10.1161/01.CIR.82.2.495
からpdfでみることができますね。
この論文の図2、3をみると、先生のおっしゃることがよく理解できます。

こうなると、われわれ糖質セイゲニストはLDLに悩む必要はないといえそうですね。まあ、家族性高コレステロール血症を見つける意味はあるかな。

ところで、前からの疑問なのですが、メタボリックシンドロームの診断基準をみると、まず腹囲の上限があり、それに加えて血圧、脂質、血糖のうち2つ以上が異常で判断されます。
脂質の判断対象は中性脂肪とHDLのみであり、LDLが含まれていません。これはなぜでしょうか?もし、先生のお考えをきかせていただければうれしいですが。
2018/10/31(Wed) 10:38 | URL | SHUKAN | 【編集
江部先生こんにちは。いつも勉強させて頂いております。ありがとうございます。
ガシュツにかんして疑問があり教えて頂きたくてコメントしました。

ガシュツはとても苦く、これっぽっちも甘くないのですが以下の糖質があるようです。

ガジュツを飲んでの食後血糖値は測ったことはことはありませんのでわからないのですが。

安易は疑問で申し訳ありませんが、教えて頂ければ幸いです。よろしくお願いいたします。

100mlあたりの栄養成分
水分3.2g/たんぱく質12.0g/脂質3.2g/糖質72.7g/食物繊維3.2g/灰分5.7g/ナトリウム143mg/カリウム2260mg/カルシウム111mg/マグネシウム165mg/リン428mg/鉄3.43mg/亜鉛11.8mg/クルクミン1.9mg
2018/10/31(Wed) 12:43 | URL | かんぞう | 【編集
このサイトに江部先生は関与していますか??
https://locabo-dieter.com/how-to-locabo/
糖質制限ダイエットのやり方は3種類あるので、決めよう

プチ スタンダード スーパーの分類は江部先生のオリジナルですよね。
こちらのサイトに先生は関与されていますか?

もし、ご存じなかったらビジネス上の問題になりませんかね?
2018/10/31(Wed) 13:42 | URL | yanosono | 【編集
Re: Google検索と食品の糖質について
オスティナート さん

詳しい情報をありがとうございます。

英語には、糖質という言葉がないのです。

それで、「available carbohydrate」が糖質ということになります。
すなわち、炭水化物から食物繊維を除いたもののことであり、意味は糖質ということとなります。
2018/10/31(Wed) 17:43 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 糖質オフアドバイザー資格取得講座
yanosono さん

まったく知りませんでした。

いやはやいろいろありますね。
2018/10/31(Wed) 17:48 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: LDLコレステロールにはもう悩みません
SHUKAN さん

情報をありがとうございます。
早速、記事にpdfのアドレスを追加します。

「こうなると、われわれ糖質セイゲニストはLDLに悩む必要はないといえそうですね。」
そのように思います。

動脈硬化学会的には、
LDLコレステロールは当然良くないとして、それ以外にも危険因子があると言いたいようです。

2007年04月25日
メタボリックシンドロームは高LDLコレステロールから独立した危険因子で、両者の合併は動脈硬化のリスクをより高める 日本動脈硬化学会「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2007年版」発行
2018/10/31(Wed) 17:59 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: タイトルなし
かんぞう さん

ガジュツは漢方薬で、煎じて使うこともあり、「駆瘀血剤」として使用されます。

http://yakushima-ukon.com/?mode=f10
ガジュツ(紫ウコン)


この商品は、一日に10粒くらいが常容量で、2.5g/日ですので問題ないと思います。
2018/10/31(Wed) 18:20 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: このサイトに江部先生は関与していますか??
yanosono さん

関与していません。

プチ スタンダード スーパー糖質制限食の分類は、確かに私のオリジナルですが、
残念ながら登録商標にはならないようです。

2018/10/31(Wed) 18:25 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: Re: LDLコレステロールにはもう悩みません
さっそくのお返事ありがとうございました。

日本動脈硬化学会では高LDLコレステロールをメタボリックシンドロームとは独立に重要視しているのですね。

LDLなどの診断基準をみるときは、これからは糖質を沢山摂っている人のデータだと思うようにします。
2018/10/31(Wed) 21:15 | URL | SHUKAN | 【編集
ふと思うのですが
テレビ等のメディアで,「糖質制限」への否定的意見を声高に主張する医師などの「学識経験者」たちは、今後、ご自分が糖尿病等の生活習慣病と診断されたとき、どうするのでしょうか。

その場合であっても、カロリーベースで50%以上の糖質を摂取し続けていくと宣言するならば、その「特攻精神」はある意味、立派というべきでしょうね。それはそれでスジが通っていますから。
2018/11/01(Thu) 11:52 | URL | 山本 凛太郎 | 【編集
2018/10/31(Wed) 18:20

早速のお返事ありがとうございました!お返事が遅れてすみません。
一日の摂取量で見れば問題ないということですね。ありがとうございました。
2018/11/01(Thu) 17:31 | URL | かんぞう | 【編集
Re: タイトルなし
山本 凛太郎 さん

同感です。
まあ、糖質制限反対派医師が、カロリー制限高糖質食を食べて
特攻・玉砕で合併症になるのは、自己責任で仕方ないと思います。

しかし、糖尿病患者さんに、従来の糖尿病食(カロリー制限高糖質食)を食べさせて
「食後高血糖」と「血糖変動幅増大」を起こし、酸化ストレスリスクを生じさせて、
毎年新たに
16000人以上の人工透析、
3000人以上の失明、
3000人以上の下肢切断、
を発症させているのは、
おおいに問題と思います。

2018/11/01(Thu) 18:09 | URL | ドクター江部 | 【編集
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