2018年10月25日 (木)
こんばんは。
逆流性食道炎は、酸性の胃液やそれと混ざった食物が、食道に逆流して食道が炎症を起こし、
胸やけや胸の痛みなどを生じる病気です。
逆流性食道炎の症状を訴える患者さんのほとんどが、
糖質制限食開始後、リアルタイムに改善します。 (⌒o⌒)v
当初、私自身が信じられなかったのですが、もう200人以上に試してみて、
脂っこいものより炭水化物が胸やけを起こす真犯人と確信しました。
ここまでくると、逆流性食道炎は、
炭水化物の過剰摂取が根本要因である可能性が極めて高いと思います。
700万年の人類の歴史のなかで、
特に精製炭水化物を大量に常食し始めたここ200~300年に発症した
特殊な病気の一つが逆流性食道炎です。
一番印象的だったのは、中学校の頃から、
毎日昼食後1時間と夕食後1時間に、必ず胸やけがあった30代の男性患者さんです。
胸やけ以外は、何の病気も症状もありません。
特に、カレーライスの日は最悪で、夕食後1時間に加えて、
夜中の1時にも胸やけがあって苦しんだそうです。
この患者さんに、ブログ読者の皆さんでの成功経験があったので、
「騙されたと思って兎に角スーパー糖質制限食を試してごらん?」
と奨めてみました。
2週間後の外来診察で、糖質制限食開始当日から、
20年来の胸やけが一切消失したという驚きの報告をしていただきました。ヾ(゜▽゜)
カレーライスというのは、<ご飯+カレールーの小麦粉>で二重の糖質なので、
寿司飯と共に最も血糖値を上げやすい食材です。σ(=_=;)ヾ
食後1時間ですから、糖尿人でない正常人でも、
グルコースミニスパイクを生じた時に代謝の乱れがあり、
何らかの機転で逆流性食道炎の症状を引き起こすのでしょうが、
その機序はまだよくわかりません。
「饅頭1個だと胸やけなしだけど、2個だと胸やけ必発」という人もあり、
個人の糖質摂取許容量の限界を超えると、
胃酸が出過ぎて胸やけを生じるような気もします。
逆流性食道炎を生じる限界の糖質摂取許容量には個人差があるようです。
結論です。
逆流性食道炎の症状は、糖質制限食でリアルタイムに改善する例がほとんどです。
言い換えれば、糖質の過剰摂取が逆流性食道炎の原因の可能性が高いです。
何故、糖質摂取で胸やけが生じるかは、まだよくわかりません。
しかしながら、狩猟・採集時代のご先祖に胸やけなどあるはずもないので、
「過剰糖質に対する拒否反応」が逆流性食道炎であり、
「こんなもの要らない」という身体の悲鳴のように思えます。
江部康二
逆流性食道炎は、酸性の胃液やそれと混ざった食物が、食道に逆流して食道が炎症を起こし、
胸やけや胸の痛みなどを生じる病気です。
逆流性食道炎の症状を訴える患者さんのほとんどが、
糖質制限食開始後、リアルタイムに改善します。 (⌒o⌒)v
当初、私自身が信じられなかったのですが、もう200人以上に試してみて、
脂っこいものより炭水化物が胸やけを起こす真犯人と確信しました。
ここまでくると、逆流性食道炎は、
炭水化物の過剰摂取が根本要因である可能性が極めて高いと思います。
700万年の人類の歴史のなかで、
特に精製炭水化物を大量に常食し始めたここ200~300年に発症した
特殊な病気の一つが逆流性食道炎です。
一番印象的だったのは、中学校の頃から、
毎日昼食後1時間と夕食後1時間に、必ず胸やけがあった30代の男性患者さんです。
胸やけ以外は、何の病気も症状もありません。
特に、カレーライスの日は最悪で、夕食後1時間に加えて、
夜中の1時にも胸やけがあって苦しんだそうです。
この患者さんに、ブログ読者の皆さんでの成功経験があったので、
「騙されたと思って兎に角スーパー糖質制限食を試してごらん?」
と奨めてみました。
2週間後の外来診察で、糖質制限食開始当日から、
20年来の胸やけが一切消失したという驚きの報告をしていただきました。ヾ(゜▽゜)
カレーライスというのは、<ご飯+カレールーの小麦粉>で二重の糖質なので、
寿司飯と共に最も血糖値を上げやすい食材です。σ(=_=;)ヾ
食後1時間ですから、糖尿人でない正常人でも、
グルコースミニスパイクを生じた時に代謝の乱れがあり、
何らかの機転で逆流性食道炎の症状を引き起こすのでしょうが、
その機序はまだよくわかりません。
「饅頭1個だと胸やけなしだけど、2個だと胸やけ必発」という人もあり、
個人の糖質摂取許容量の限界を超えると、
胃酸が出過ぎて胸やけを生じるような気もします。
逆流性食道炎を生じる限界の糖質摂取許容量には個人差があるようです。
結論です。
逆流性食道炎の症状は、糖質制限食でリアルタイムに改善する例がほとんどです。
言い換えれば、糖質の過剰摂取が逆流性食道炎の原因の可能性が高いです。
何故、糖質摂取で胸やけが生じるかは、まだよくわかりません。
しかしながら、狩猟・採集時代のご先祖に胸やけなどあるはずもないので、
「過剰糖質に対する拒否反応」が逆流性食道炎であり、
「こんなもの要らない」という身体の悲鳴のように思えます。
江部康二
スーパー糖質制限を続けて5年ほどになる者(50代)です。夜寝ている間の胃酸の逆流は、年々悪化しています。起きている間には胃酸の逆流は起こりません。今年になって、頭の方を10cmから15cm高くして寝ても、寝て数時間で、のどや口の中の違和感がはじまるようになったので、消化器内科で処方を受けるようになりました。典型的に、「油脂や肉を少なめ」になどといわれましたので、糖質制限との関係で従うつもりはないです。今回の記事では、糖質のみが逆流性食道炎の根本原因とのことですが、わたしだけかもしれませんが、下部食道の筋肉のゆるみでも、胃酸は逆流するようになると考えられますが、いかがでしょうか。
2018/10/26(Fri) 05:56 | URL | 夜 | 【編集】
私も糖質制限を初めてすぐに逆流性食道炎が改善しました。スーパー糖質制限11ヶ月ですが、その間、一度も胸焼けはありません。因みに脂質のエネルギー比率は70%以上です。脂質は胸焼けとは関係なさそうです。
2018/10/26(Fri) 08:12 | URL | 西村典彦 | 【編集】
2018/10/26(Fri) 09:02 | URL | | 【編集】
私は1年弱前にこちらのブログを知り、コメントにて江部先生やドクターシミズ氏のご助言を頂き逆食に関しては全く症状が無くなりました。
一部バレット食道化している箇所が有り改善しない箇所もありますが、胃酸の逆流はなくなり、のどの違和感もほとんど解消しました。
その際、PPI服用を中止するに当たってその離脱作用による症状悪化はありましたが、こちらのコメントでご助言いただき、半月程度で感じなくなりました。
もしこちらに出会えなかったとしたら、今でも私は服薬を続けていたと思います。
本当に感謝しかありません。
で、便乗で申し訳ないのですが、スーパー糖質制限開始からちょうど1年経過し、体重は13kgほど落ち、体調もほぼ問題なくケトン体も高値なのですが、その間一貫してLDLコレステロールと尿酸値が上昇しており、それだけなら気にしないのですが今回の検査で中性脂肪が大幅に上昇しました。
これは単純に肉や脂質の摂り過ぎなのでしょうか。食生活的にはそう考えられます。
ただ、体重や体脂肪率はその間も低下し続けています。
とりあえず肉類と油(オリーブオイルとココナッツオイル)を減らして数ヶ月様子を見てみようと考えています。
一部バレット食道化している箇所が有り改善しない箇所もありますが、胃酸の逆流はなくなり、のどの違和感もほとんど解消しました。
その際、PPI服用を中止するに当たってその離脱作用による症状悪化はありましたが、こちらのコメントでご助言いただき、半月程度で感じなくなりました。
もしこちらに出会えなかったとしたら、今でも私は服薬を続けていたと思います。
本当に感謝しかありません。
で、便乗で申し訳ないのですが、スーパー糖質制限開始からちょうど1年経過し、体重は13kgほど落ち、体調もほぼ問題なくケトン体も高値なのですが、その間一貫してLDLコレステロールと尿酸値が上昇しており、それだけなら気にしないのですが今回の検査で中性脂肪が大幅に上昇しました。
これは単純に肉や脂質の摂り過ぎなのでしょうか。食生活的にはそう考えられます。
ただ、体重や体脂肪率はその間も低下し続けています。
とりあえず肉類と油(オリーブオイルとココナッツオイル)を減らして数ヶ月様子を見てみようと考えています。
2018/10/26(Fri) 10:07 | URL | ねけ | 【編集】
質問させてください。
私の知人(糖尿病の大先輩,50代男性)とても節制をしており、HbA1cも5.0前後です。節制をしておられるからか、スタイルもよいです。
この知人の言っていることが正しいか教えてください。
この知人は月に一度、糖質制限を何も考えずに好きなものを食べていい日を設定しています。ただし、アルコールを摂取した後だといいます。
アルコールを飲んだ後だと、糖質をどれだけ摂取してとほとんど血糖値が上がらないといいます。確かにリブレセンサーのデータも見せてもらいましたが、その様に見えました。
お酒に酔うとなぜこうなるのか、そして知人の体にはどのような変化が起きているのか、また体にどのような負担があるのか教えてください。
私の知人(糖尿病の大先輩,50代男性)とても節制をしており、HbA1cも5.0前後です。節制をしておられるからか、スタイルもよいです。
この知人の言っていることが正しいか教えてください。
この知人は月に一度、糖質制限を何も考えずに好きなものを食べていい日を設定しています。ただし、アルコールを摂取した後だといいます。
アルコールを飲んだ後だと、糖質をどれだけ摂取してとほとんど血糖値が上がらないといいます。確かにリブレセンサーのデータも見せてもらいましたが、その様に見えました。
お酒に酔うとなぜこうなるのか、そして知人の体にはどのような変化が起きているのか、また体にどのような負担があるのか教えてください。
2018/10/26(Fri) 12:58 | URL | ぽんちょ | 【編集】
扁桃腺肥大、これに伴う口呼吸(鼻呼吸ができないから)もリアルタイム改善します。
脂漏性皮膚炎も顔がリアルタイム改善しました。
脂漏性皮膚炎も顔がリアルタイム改善しました。
2018/10/26(Fri) 14:14 | URL | らこ | 【編集】
夜 さん
仰る通りと思います。
下部食道の筋肉のゆるみがあれば、物理機械的に逆流する可能性があると思います。
仰る通りと思います。
下部食道の筋肉のゆるみがあれば、物理機械的に逆流する可能性があると思います。
2018/10/26(Fri) 18:47 | URL | ドクター江部 | 【編集】
西村典彦 さん
コメントありがとうございます。
逆流性食道炎の改善、良かったです。
脂質70%以上の糖質制限食で、逆流性食道炎が起こらないのなら
少なくとも西村さんにおいては、脂質は胸焼けとは無関係ですね。
コメントありがとうございます。
逆流性食道炎の改善、良かったです。
脂質70%以上の糖質制限食で、逆流性食道炎が起こらないのなら
少なくとも西村さんにおいては、脂質は胸焼けとは無関係ですね。
2018/10/26(Fri) 18:50 | URL | ドクター江部 | 【編集】
興味深い情報をありがとうございます。
『インスリン経口摂取で「殺害」はできません』
その通りと思います。
2018/10/26(Fri) 19:01 | URL | ドクター江部 | 【編集】
ねけ さん
いつも記載していますように、
HDLコレステロールが60mg以上あり、中性脂肪が80mg以下なら
LDLコレステロールは全て標準の大きさの善玉で、悪玉の小粒子LDLコレステロールはないので
心配要りません。
中性脂肪値に関しては、10時間以上の絶食で、朝の数値を測定しましょう。
尿酸値の上昇は、低カロリー過ぎる可能性があるので、注意しましょう。
いつも記載していますように、
HDLコレステロールが60mg以上あり、中性脂肪が80mg以下なら
LDLコレステロールは全て標準の大きさの善玉で、悪玉の小粒子LDLコレステロールはないので
心配要りません。
中性脂肪値に関しては、10時間以上の絶食で、朝の数値を測定しましょう。
尿酸値の上昇は、低カロリー過ぎる可能性があるので、注意しましょう。
2018/10/26(Fri) 19:05 | URL | ドクター江部 | 【編集】
ぽんちょ さん
血中アルコール濃度が高い間は、
糖新生に関わる酵素が、アルコール分解にまわるので
糖新生ができません。
その分血糖値が上がりにくくなります。
血中アルコール濃度が高い間は、
糖新生に関わる酵素が、アルコール分解にまわるので
糖新生ができません。
その分血糖値が上がりにくくなります。
2018/10/26(Fri) 19:08 | URL | ドクター江部 | 【編集】
らこ さん
糖質制限食で素晴らしい改善ですね。
糖質制限食で素晴らしい改善ですね。
2018/10/26(Fri) 19:09 | URL | ドクター江部 | 【編集】
スーパー糖質制限を始めて2カ月で、体重は7kg減りました。ただ数年前に改善された逆流性食道炎が再発。食道に物が詰まる症状ですが、これも胸やけの一種と聞きました。脂肪分を減らすなど食生活の改善をとアドバイスされていますが、高脂質を実践していましたので迷います。先生の記事を読むとむしろ改善された方々が多い様子。私の場合、考えられる再発の可能性が、他にあるでしょうか。
2018/12/31(Mon) 10:58 | URL | kako | 【編集】
kako さん
食道に物がつまる症状だけなら『胸やけ』ではありません。
胸やけがないなら、
逆流性食道炎ではない可能性が高いです。
一度、胃カメラをして、食道と胃を検査されては如何でしょう。
食道に物がつまる症状だけなら『胸やけ』ではありません。
胸やけがないなら、
逆流性食道炎ではない可能性が高いです。
一度、胃カメラをして、食道と胃を検査されては如何でしょう。
2018/12/31(Mon) 11:22 | URL | ドクター江部 | 【編集】
先生。お返事ありがとうございます。胸やけも少しありますが、胃カメラで検査をしようと思います。
2018/12/31(Mon) 14:56 | URL | kayo | 【編集】
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