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糖質制限食16年間実践中の江部康二の2018年10月の検査データ
こんにちは。

今回の記事は、
2002年(52歳)糖尿病発覚以来
スーパー糖質制限食を16年間実践中の、
江部康二の2018年10月の検査データの報告と解説です。

2002年6月に糖尿病確定診断で、HbA1cは6.7%でした。
このとき、体重は67kg、身長は167cm。
内臓脂肪CTは126cm2 (100未満正常)。
血圧は140-150/90前後 → 外来終了時は180/100。

スーパー糖質制限食を実践して、1ヶ月後にはHbA1cは基準値内になり、
半年後には体重は10kg減少して57kgとなり、
血圧も120~130/80程度と、正常化しました。
そのまま2018年10月まで、血圧と体重は維持です。

HbA1cは2002年7月には、6.0%となり、
2002年8月以降は、ずっと5.6%~5.9%で、
2018年10月まで16年間経過しています。

内臓脂肪CTは、2004年10月には、71 cm2となっています。

<スーパー糖質制限食実践時の血液・尿検査データの推移>

①血糖値は糖質制限食実践時にリアルタイムに改善します。
②スーパー糖質制限食なら、HbA1cは月に1~2%改善します。
③中性脂肪も速やかに改善します。
④HDLコレステロールは増加しますが、増加の程度と速度に個人差があります。
⑤LDLコレステロールは低下・不変・上昇と個人差があります。
 上昇した人も半年〜1年~2年、3年、数年くらいで落ち着くことが多いですが、
 個人差があります。
⑥総コレステロールは、低下・不変・上昇と個人差があります。
 上昇した人も半年〜1年~2年、3年、数年くらいで落ち着くことが多いですが、
個人差があります。
⑦尿酸も低下・不変・上昇と個人差があります。
 上昇した場合は、ほとんどが摂取エネルギー不足が原因です。
⑧尿素窒素はやや増加傾向になる人が多いですが、そのうち落ちつくことが多いです。
⑨クレアチニンは不変です。
⑩血清シスタチンCも不変です。
⑪血清カリウムも不変です。
⑫血中ケトン体は基準値より高値となりますが、生理的なもので心配ありません。
⑬尿中ケトン体は当初3カ月〜半年は陽性になりますが、その後陰性になることが多いです。
⑭脂肪肝に付随するGPTやγGTP値も改善します。
⑮TSH、FT4、FT3も不変です。


上記に記載していない血液検査や尿検査については、
糖質制限食開始前後で差はありません。
以下は私の最新の検査データです。


<江部康二の2018年10月(68歳)の検査データ>

HbA1c:5.9%(4.6~6.2)
GA(グリコアルブミン):13.4%(11.6~16.0)

空腹時血糖値:94mg(60~109)
空腹時インスリン:1.2μU/ml(3~15)

TSH:1.14(0.34~3.88)
F-T4:1.2(0.8~1.8)
F-T3:2.7(2.1~4.0)

中性脂肪:49mg(50~149)
総コレステロール:243mg(150~219)
HDL-コレステロール:89mg(40~85)
LDL-コレステロール:138mg(140mg未満)
尿酸:3.5mg(3.4~7.0)
BUN:17.8mg(8~20)
クレアチニン:0.69mg(0.6~1.1)→ eGFR:86.7ml/min./1.73m2
血清シスタチンC:0.65mg(0.61~1.00) → eGFR:114.8ml/min./1.73m2
GOT:23(9~38)
GTP:17(5~39)
γGTP:36(84以下)
総タンパク:6.6g(6.5~8.3)
アルブミン:4.5g(3.8~5.3)

血色素量:15.0(13~17)
白血球数:5500(3900~9800)
赤血球数:471(400~560)

総ケトン体:660μM/L(26~122μM/L) 糖質制限食中は生理的で正常値
アセト酢酸:117M/L(13~69)
3ヒドロキシ酪酸:543μM/L(76以下)

尿中アセトン体:陰性
尿アルブミン定量精密・クレアチニン補正値:3.3(30以下)


68歳現在
歯は全部残っていて虫歯はありません。
聴力低下もありません。
目は裸眼で広辞苑が読めます。
夜間の尿もゼロです。
身長も縮んでいません。
皮膚のAGEs検査は、52歳レベルです。
病気なしで定期的内服薬はゼロです。

HbA1cは正常範囲内ですがやや高めのほうです。
空腹時血糖値が、正常範囲内でやや高め(正常高値)であることを反映しています。
まあ、糖尿病歴、16年ですから仕方ありませんね。
とは言いながら、最近は、早朝空腹時血糖値が、
80mg台や90mg台もあるようになったので2ヶ月後のHbA1cが楽しみです。

GAは正常範囲内で、上限には大分余裕があります。
これは、スーパー糖質制限食により食後高血糖がほとんどないためと思われます。
即ち「糖化」は正常人並みあるいはそれ以上に予防できていると考えられます。

甲状腺機能は、16年間常に、正常です。

総コレステロール値は、心血管疾患との関連性は無く、
脂質異常症の2007年以降のガイドラインから外れているので特に問題はありません。
HDL-コレステロールはやや多めで、LDL-コレステロールは基準値内です。
中性脂肪値が低く、HDL-Cが多いので、
小粒子LDL-Cはほとんどない良好なパターンです。
中性脂肪値49mg/dlなら、論文的には小粒子LDL-Cは皆無です。

スーパー糖質制限食なので、高タンパク・高脂質食なのですが、
尿酸は基準値よりやや低いですね。
尿酸は抗酸化物質でもあるのですが、
スーパー糖質制限食実践で、私の身体には酸化ストレスが極めて少ないので
尿酸も少ないのだと思われます。
尿酸も食べ物由来は2割程度であとは個人の体質ですのでこんなものでしょう。

高タンパク食ですが、BUNもクレアチニンもシスタチンCも正常です。

焼酎などよく飲む割には肝機能も全く正常です。 (^_^)

インスリンは、基礎分泌が1.2μU/mlと基準値の半分以下ですが、
空腹時血糖値が94mg/dlなので問題ないです。
むしろ少ないインスリン分泌量で、
血糖値は正常なので好ましいパターンと言えます。
狩猟・採集時代のご先祖のインスリン分泌も、こんなものだった可能性が高いです。

血糖値がコントロールできている限り、インスリン分泌は少なければ少ないほど
身体には優しいのです。
過剰のインスリンは百害あって一利なしです。

血中βヒドロキシ酪酸:543μM/L(76以下)と、
一般的基準値に比べればかなり高値ですが、
尿中のアセトン体(ケトン体の一種)は陰性です。

これは、スーパー糖質制限食実践で、心筋・骨格筋などの体細胞が、
日常的に効率良くケトン体をエネルギー源として利用するようになったため、
尿中に排泄されないのだと考えられます。

即ち、私の血中ケトン体値は、あくまで生理的範囲のもので、
インスリン作用は一定確保されていて、血糖値も94mgと正常です。

見方を変えれば、農耕以前の人類皆糖質制限食だった頃は、
私のような血中ケトン体値のデータが当たり前で、
人類の標準だったと考えられます。

スーパー糖質制限食実践中の人の血中βヒドロキシ酪酸の標準値は、
200~800~1200μM/Lくらいと考えられますが、
3ヶ月くらい経過すると、上述のように尿中ケトン体は陰性になります。

ケトン食レベルの人達の、血中βヒドロキシ酪酸は、
3000~5000μM/Lレベルですが、尿中ケトン体は、常に陽性です。

なお、糖質制限食開始直後は、血中ケトン体の上昇に伴い、
尿中のケトン体も陽性となります。
徐々にケトン体の利用効率が良くなるに従い、
尿中ケトン体は減っていき、やがて陰性となります。


江部康二
コメント
著書拝読中
江部先生、新著刊行おめでとうございます。
主人の為に購入してさっそく読み始めたところです。
私自身はもう一年ほど糖質制限をおりまして、検査数値も下記のようです。
→50前半女性154㎝
・・201707開始前65㎏
HbA1c=6.90
中性脂肪=121.00
HDL=28.00
LDL=136.00
・・201808後55㎏
空腹時血糖値=146
HbA1c=5.90
インシュリン濃度23.8μU/ml(2.2~12.4基準値)
中性脂肪=125.00
HDL=35.0
LDL=106.00
HDLは体質の為かなかなか高くならず、またインシュリン濃度が高いのと
朝の血糖値がいつも高い(100~140)のが心配ではあるのですが、
このまま継続していこうと思っているところです。
主人が同年代ですが、ハードな肉体労働のためか、数値上はLDL値が高いだけで
他は問題ありません。
ですがこれからの健康の為にぜひ糖質制限をしてもらいたくて
御著書を購入いたしました。
本嫌いなので、思ったより文章が多いこの本を、
何とか読んでもらおうと今お薦め中です!
でも文体が読みやすく、具体的なのでとてもわかりやすいです。
いつも分かり易いブログをありがとうございます。これからも宜しくお願いします。
PS直近の検査数値を拝見しましたが、
いつもこんなにたくさんの検査項目を調べるのですか?
境界型の私達ですと、どの程度の検査項目で必要なのでしょうか?
宜しくご教示ください。
2018/10/21(Sun) 15:58 | URL | hanamizuki | 【編集
Re: 著書拝読中
hanamizuki さん

拙著のご購入、ありがとうございます。

空腹時血糖値=146
HbA1c=5.90
インシュリン濃度23.8μU/ml(2.2~12.4基準値)


HbA1cは著明改善で、体重も10kg減少ですので、とても良くなっています。
HDL-Cも大分増えてあと少しで基準値です。
ただ、インスリン濃度がとても高いので、インスリン抵抗性がまだあります。
154cm。55kg。BMIは23.2です。

もう3kgくらい減量して、インスリン抵抗性がなくなれば
早朝空腹時血糖値も下がってくると思います。

私の検査は、いろんな病気がある糖質セイゲニストの皆さんの参考になるように、できるだけ多めにしています。
個別の患者さんの検査は、的を絞って実施します。

hanamizuki さんは、年に一回の健康診断と

3~6ヶ月に一回、HbA1c、空腹時血糖値、LDL-C、HDL-C、中性脂肪などでOKと思います。
2018/10/21(Sun) 18:36 | URL | ドクター江部 | 【編集
著書拝読中
江部先生、さっそくご回答いただきありがとうございます。
やはり体重はもう少し減らす余地があるのですね。歩数を増やして頑張ります。
とても参考になるご回答をありがとうございました。
2018/10/21(Sun) 18:49 | URL | hanamizuki | 【編集
江部先生の健康が伺えて、納得です!!
都内河北 鈴木です。

本日も、江部先生近況の身体数値読み、私自身の為にもなり、安堵する内容です!!

私は、江部先生「糖質制限理論」を知り、
実践で「1日で血糖値改善を体感して」、
糖尿病21年間重症化
(右眼失明・緑内障発症・脳梗塞発症・インスリン投与)して行く身が、
3ヵ月足らずでインスリン自主離脱し、
ヘモグロビン正常化!!しました。

2年足らずで、自身人体実験しながらも、
「糖尿病服用薬、全て自主離脱!!」

2年後、
眼科眼底検査で、左目に高血糖の記憶などが有りましたが、右目のレ~ザ~手術痕など全て「皆無の眼底検査・希少結果!!」
*眼科院長は、現在も眼底検査して不思議そうにしてます!!

4年後、
「脳梗塞・頸動脈プラ~ク減少希少改善結果!!」
*脳神経外科院長も、驚いていました!!

現在8年目に入りましたが、当時の通院病院担当医は2005年転移時から
「医療世界情報・隠蔽されていました!!」

その通院病院は、
病院経営者・「都内の病院関係組織・会長!!」
担当医・「日本糖尿病学会・公認担当医!!」
です!!

私は、会席調理師でしたが、
調理師界も時代進化している事は、
社会状況から理解可能かと思います。

ネットなら理解できる
「世界にカロリ~制限理論を信奉している国は有りますか??」です!!

本日の江部先生の様に「自身の身体状況を提示できる医療者はいるのか??」と、
江部先生の再三の提示には、
私は安堵し、心安らぎます!!

私は、江部先生「糖質制限理論」実践8年目の現在、
後遺症の眼、脳梗塞の既存の規定薬だけで、
後は、人類食生活に害毒作用あり不要な「糖質摂取を控えてるだけです!!」

内科数値は、多少の変動は有りますが「糖尿病薬は全て無しです!!」

そして体調は日増しに、後遺症は眼、脳梗塞は有りますが、
「体調快調です!!」

江部先生には、何の御礼もできない生活状況ですが、
「生還、覚醒」して行く事に感謝は尽きません!!
ありがとうございます!!
敬具



2018/10/21(Sun) 19:27 | URL | 都内河北 鈴木 | 【編集
おはようございます
標準病(笑)
糖質制限スーパー<標準タイプですが、6年目。
レベルは48になりました。

当初、数値に振り回され相談相手なく、不安でしたが、ようやく自分の身体という相談相手を見つけ落ち着きました。
さて、LDLですが、私は高いタイプで、糖質制限を始めて193まで上昇。後は170前後を維持。HDLは103。
ただ、TGが40前後と低く、身体も全くもって問題ありません。
気合を入れて10g/毎食に制限すれば、TGは35ほどまで低下できます。
他の必要なコレステロールはほとんど変わらないですね。
ここでBMIの数値に振り回されることになりますが、体重は48キロで推移。
糖質を少し多めにすればすぐに体重は50キロくらいにはなります。
ただ、身体が49キロ前後を適度と定めているらしく、それに従っています。
食べることは好きな方なので、カロリーはかなり多いと思います。
このブログに至り、常に勉強させていただいてありがとうございます。
そして、読者の方々の実体験のコメントにより、糖質制限の深い自信へとつながっております。
周りにはいまだに変人扱いですが、それでもかなり変化したと思います。
これからも皆々様よろしくお願いします。
2018/10/22(Mon) 06:45 | URL | クワトロ | 【編集
追伸
もう一つ報告をさせていただきます。
LDLですが、糖質制限している人は、
LDL高値タイプでは痩せやすい人が多いのでしょうか。
というは、消費カロリー比率で、基礎代謝は70%だと学びました。
運動は20%くらいで、残りは食事性熱産生熱・・でしたっけ?その比率。
多くは内臓のエネルギーに使われ、一生懸命仕事をする細胞が多く、輸送車であるLDLがフル活動していると勝手に考えてみました。
痩せてなくても、痩せやすいタイプなのでは?
という感じですが、いかがなものでしょう。
2018/10/22(Mon) 07:35 | URL | クワトロ | 【編集
いつも参考になります
先生の血液検査の数値は、いつも参考になります。
自分の数値と比較しながら、いい点と悪い点が確認できます。
また、糖尿病人として、こういった食生活をしていけば、安定した数値が残せるという道標にもなり助かっています。
お陰様で、私も血糖値の上下はありながら、比較的安定した数値を残せております。
これからも、色々なご教授を宜しくお願い致します。
2018/10/22(Mon) 08:04 | URL | Hiroshi | 【編集
Re: おはようございます
クワトロ さん

<LDL:170前後。HDL:103。TG:40前後>


なら、少粒子LDL-Cは皆無であり、全く問題ないです。
LDL-Cはすべて標準の大きさの善玉です。

摂取カロリーは、厚生労働省のいう『推定エネルギー必要量』が目安です。

体重は、BMIが20以上25未満で、その人の体調が一番よいあたりが目安です。
2018/10/22(Mon) 18:48 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 追伸
クワトロさん

一般に基礎代謝は、全消費エネルギーの70%くらとされていますが、
当然運動量が多いと基礎代謝の占める比率は減るので、個人差があるでしょうね。

次に、
人体の基礎代謝の比率に関して、いろんなデータがネット上で出回っています。

その中で一番信頼できるデータが、

<人における組織・器官の代謝率>
肝臓27%、脳19%、心臓7%、腎臓10%、筋肉18%、その他19% 


であり、「 FAO/WHO/UNU合同特別専門委員会報告」1989、13ページのTABLE 2に記載されています。
空ふK時や睡眠時のエネルギー源は、<脂肪酸-ケトン体エネルギーシステム>がメインと思います。

LDL-C値に関しては、様々な要素が関与するし、単純には言えません。
ともあれ、少粒子LDL-Cさえなければ問題ないです。
2018/10/22(Mon) 19:08 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 江部先生の健康が伺えて、納得です!!
都内河北 鈴木 さん

私の検査データが、一定の参考になれば幸いです。
体調は日増しに快調で良かったです。
2018/10/22(Mon) 19:10 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: いつも参考になります
Hiroshi さん

糖質制限食で、血糖コントロール安定で、良かったですね。
2018/10/22(Mon) 19:11 | URL | ドクター江部 | 【編集
詳細な回答、ありがとうございます
各器官の消費カロリー比率は不勉強でした。
ありがとうございます。
2018/10/22(Mon) 21:20 | URL | クワトロ | 【編集
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