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ジャディアンス(SGLT2阻害剤)とアカルボース(α-GI薬)。
【18/10/02 もちこ

ジャディアンスについて質問です。
始めまして。いつも本やブログを拝見し、勉強させて頂いています。
現在ジャディアンス25mgとアカルボース100mgを飲んでいます。
プチ~スタンダード糖質制限で数値は改善されました。

空腹時160→100前後、
HbA1c8.4→6.0

朝のみごはんを子供茶碗1杯食べて、
昼は主食なし、もしくは低糖質のパンを食事の後に。
夜は完全に主食抜きです。
ご飯を食べた時の血糖値のピークは160前後
食べない、もしくは低糖質パンの時は115~130位です。
大体食事を始めて1時間半後がピークで
3時間後には100前後に落ち着いています。
これは、2種の薬の効果が表れていると考えてよろしいでしょうか?

ジャディアンスは血糖値が170とか180以上になった時だけ作用すると聞いたことがあるのですが、
そこまで上がらない場合は意味がないという事でしょうか?
糖質制限をする1年程前から飲んでおり、体重も減りましたので止めて体重もA1cもリバウンドするのではないかと不安です。
ご助言いただけましたらうれしいです。】


こんにちは。
もちこさんから
ジャディアンス(SGLT2阻害剤)とアカルボースについて
コメント・質問を頂きました。

アカルボース(グルコバイ)は、
α(アルファ)-グルコシターゼ阻害薬剤(α-GI薬)です。

デンプンのような多糖類は、
αグルコシダーゼにより単糖(ブドウ糖、果糖、ガラクトース等)に分解されて
小腸から体内に吸収されます。
この、α-グルコシダーゼの働きを阻害することにより、
腸管からの糖質の分解・吸収を遅延させて、
食後高血糖を抑制するお薬が、『α-グルコシダーゼ阻害薬』です。
作用機序から考えて、膵臓のβ細胞には全く影響を与えないので、
SU剤のように疲れた膵臓を鞭打つといった欠点はありません。
しかし、比較的頻度の多い副作用として、
分解が遅れて腸管に残った糖質が醗酵してガスがでたり、
お腹が張ったり、下痢をすることがあります。
ガスの貯留により、腸閉塞(イレウス)のような症状になる事があるので、
腹部手術歴の有る方は、禁忌とされています。 
糖尿人でスーパー 糖質制限食実践中の患者さんの場合は、ほとんど薬はなしですが、
主食ありの時だけは、α-GI薬を食直前に内服してもらい、
食後血糖値の上昇を緩やかにします。
基本的に安全性の高い薬ですが、まれに肝障害を来す例があるので、
定期的な血液検査が必要です。

ジャディアンスはSGLT2阻害薬です。
SGLT2阻害薬は、尿中に血中のブドウ糖を排泄させる薬です。
SGLT2阻害薬投与で健常人のデータでは、
毎日50~60gのブドウ糖が尿から排泄されます
2型糖尿人のデータでは、毎日71~93gのブドウ糖が尿から排泄されます。
このように、ジャディアンス(SGLT2阻害剤)は、
血糖値が170とか180以上になった時だけ作用するのではありません。
SGLT2阻害薬は
『心血管疾患による死亡,心血管イベント,および全死亡の発症率を低下させた。』
ということで、これは画期的な成果と言えます。
このSGLT2阻害薬の心保護作用は血中ケトン体値の上昇による可能性があります。
また、SGLT2阻害薬は薬物による糖質制限であるという考え方もできます。
SGLT2阻害薬により増加したケトン体に、心血管、腎臓保護作用があるなら、
当然、糖質制限食によるケトン体上昇も心血管、腎臓保護作用があることとなります。
脱水による脳梗塞などの副作用には細心の注意が必要ですが、
SGLT2阻害薬はかなりのポテンシャルのある良い薬の可能性が高いです。

空腹時160→100mg/dl前後、
HbA1c8.4→6.0%

素晴らしい改善ですね。
2種の薬が一定効いているとは思いますが、
以下を試してみましょう。

今後、アカルボースは主食摂取時だけ、直前30秒に内服すれば良いと思います。
ジャディアンスは、中止して糖質制限食で実験してみるもの選択肢の一つです。
調子よければ、中止できますし、
もし、空腹時血糖値が、130mg/dlを超えるようなら
再び、内服すれば良いと思います。


江部康二
コメント
ジャディアンス服用していました
こんにちは
私も昨年夏前から年末まで約半年間、ジャデシアンスを服用していました。
HbA1cが6.7~6.8、体重が96kgくらいからどうにも変化がなくなった為、主治医より勧められて服用していました。

結果として体重は3kgほど、HbA1cは0.3ほど低下したのですが、その程度でした。
昨年秋から始めた、糖質制限食の結果、現在はHbA1c5.9~6.0、体重は87kgくらいで、今年初めから安定しています。

主治医は糖質制限食は、全く否定的な為、そのことは特に伝えていませんが、血糖値、HbA1c,体重の大幅な改善で、昨年末よりジャディアンスの服用は中止になりました。
それまで服用し続けていたボグリボースも今は服用していません。

主治医曰く、100名ほどジャディアンスを処方したが、HbA1cが大幅に改善したのは私だけで、処方を中止したのは副作用の影響の数名だけとのことです。

結局は糖質を如何に摂取せずに、栄養に気を遣って、生活するかという風に、私は理解しています。
糖尿病の処方薬は、根治するためではなく、対処するためのものなので、インスリンの少ない体になった以上は、糖質の制限しか方法はないように感じます。

糖質の氾濫しているご時世で、同じような病状になる人々が増えないように、もっともっと糖質の悪影響の知識が広がるといいですね。

48歳 2型糖尿病歴17年
男性
2018/10/04(Thu) 08:09 | URL | Hiroshi | 【編集
糖質制限食に思わぬ逆風?
昼の外食時の糖質制限食実践が難しいところ、コンビニのイートインコーナーは低糖質の食材を自分でアレンジできるため糖質制限食実践に欠かせない場となっていました。消費税率10%引き上げで軽減税率適用範囲が議論される中、コンビニで販売される食料品は軽減税率8%一律適用となることでコンビニのイートインコーナーが飲食禁止となれば、糖質制限食には思わぬ逆風になってしまいますね。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181003-00000002-fsi-bus_all
来年10月の消費税率引き上げと同時に導入される軽減税率をめぐって、コンビニエンスストア業界が、酒類を除く全ての取り扱い食品を、客が持ち帰り、税率が8%となる軽減税率の対象品とすることで、政府と調整に入っていることが3日、分かった。店内のイートインコーナーでの飲食を外食扱いとすれば税率は10%となるが、コンビニ業界は同コーナーを「休憩施設」と位置づけ、外食としてのサービス提供でないことを明確にする方針だ。
2018/10/04(Thu) 09:46 | URL | ぐうたら糖質制限食 | 【編集
αグリコシダーゼとα-グルコシダーゼ
江部先生こんばんは、

今回の記事、
【デンプンのような多糖類は、αグルコシダーゼにより単糖(ブドウ糖、果糖、ガラクトース等)に分解されて、小腸から体内に吸収されます。
この、α-グルコシダーゼの働きを阻害することにより、腸管からの糖質の分解・吸収を遅延させて、食後高血糖を抑制するお薬が、『α-グルコシダーゼ阻害薬』です。】
について、
以前にもコメントいたしましたが、
http://koujiebe.blog95.fc2.com/?no=4255
再度コメントさせていただきます。

●デンプン(多糖類)は、は唾液腺や膵臓から分泌されるαアミラーゼにより、マルトース、マルトトリオース、オリゴ糖に分解されます。
その後、、マルト―ス(二糖・麦芽糖)は、マルターゼ(αグルコシダーゼ)によりグルコース(ブドウ糖)に分解され、小腸から体内に吸収されます。
マルトトリオース(三糖)とオリゴ糖は、αグルコシダーゼによりグルコースに分解され、小腸から体内に吸収されます。

●スクロース(二糖・ショ糖)は、スクラーゼにより、グルコースとフルクトース(果糖)に分解され、小腸から体内に吸収されます。

●ラクトース(二糖・乳糖)は、ラクターゼにより、ガラクトースとグルコースに分解され、小腸から体内に吸収されます。

●これら、αグリコシダーゼ(αグルコシダーゼ(マルターゼ)・スクラーゼ・ラクターゼ等)の働きを阻害することにより、腸管からの糖質の分解・吸収を遅延させて、食後高血糖を抑制するお薬が、『α-グルコシダーゼ阻害薬』です。
2018/10/04(Thu) 19:57 | URL | オスティナート | 【編集
Re: αグリコシダーゼとα-グルコシダーゼ
オスティナート さん

いつもコメント、ありがとうございます。


「αグリコシダーゼ」という言葉が、ネットでも糖尿病専門医研修ガイドブック(改訂第7版)でも出てこないのですが、
一般的な言葉なのでしょうか?
2018/10/05(Fri) 08:28 | URL | ドクター江部 | 【編集
αグリコシダーゼについて
〈αグリコシダーゼ」という言葉が、ネットでも糖尿病専門医研修ガイドブック(改訂第7版)でも出てこないのですが、
一般的な言葉なのでしょうか?〉

一般的な言葉ではないと思います。

私は以前、
【糖尿病専門医研修ガイドブック(改訂第6版)p219
4 α-グルコシダーゼ阻害薬 ❶ α-グルコシダーゼ阻害薬の作用機序
※抜粋
小腸粘膜細胞の刷子縁に存在するマルターゼ・スクラーゼ・グルコアミラーゼ等のα-グルコシダーゼによって単糖(グルコース・フルクトースなど)に分解され吸収される。】
を、読んで疑問を感じました。
α-グルコシダーゼは、グルコースとグルコースのグリコシド結合を切断(加水分解)する消化酵素の個別名のはずです。
そして、マルターゼはα-グルコシダーゼと同義語です。
○wikipedia α-グルコシダーゼ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%CE%91-%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%82%B3%E3%82%B7%E3%83%80%E3%83%BC%E3%82%BC

○ネットや生化学の本(ストライヤーなど)で調べて
一部ですが私のサイトにまとめてみました。
http://r-ostinato.sakura.ne.jp/na/?p=179

○全国の薬剤師で創る薬剤師専門サイト 薬剤師専門サイトのファーマシスタ
作用機序(セイブル・グルコバイとの違い・比較)
https://pharmacista.jp/contents/skillup/academic_info/diabetes/2286/

○【日本大百科全書(ニッポニカ)の解説
グリコシダーゼ
〈グリコシダーゼにはα(アルファ)-グリコシダーゼとβ(ベータ)-グリコシダーゼがある。〉〈グリコ-、glyco-は糖一般を、グルコ-、gluco-はグルコースすなわちブドウ糖を意味する。〉
https://kotobank.jp/word/%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%82%B3%E3%82%B7%E3%83%80%E3%83%BC%E3%82%BC-56761

○ストライヤーの生化学 第7版 p413
グルコースは食事の炭水化物から産生される
http://r-ostinato.sakura.ne.jp/na/?p=181

○wikipedia グルコシダーゼ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%82%B3%E3%82%B7%E3%83%80%E3%83%BC%E3%82%BC
【グリコシダーゼは、グルコースを含めた糖全般とのグリコシド結合を分解する酵素の総称であり、グルコシダーゼは、グルコースとのグリコシド結合を分解する酵素の個別名である。 】

○江部先生のブログ 2017年07月11日 (火)『 α-グルコシダーゼ阻害薬』(グルコバイ、ベイスン、セイブル)へのコメント
http://koujiebe.blog95.fc2.com/?no=4255

●最後に、糖尿病専門医研修ガイドブック(改訂第6版)p219で、阻害される消化酵素の中に「グルコアミラーゼ」がありますが、≪体内で分泌される≫又は、≪体内に存在する≫酵素なのでしょうか。
こちらのサイトでは
https://health.joyplot.com/HealthWordsWiki/?%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%82%B3%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%82%BC
「生物中ではカビやキノコなどの真菌に見られる。」とあります。

長文になりました。
不適切なコメントと思われた場合は、
前回のコメントと一緒に削除していただけたら幸いです。
2018/10/05(Fri) 15:00 | URL | オスティナート | 【編集
Re: αグリコシダーゼについて
オスティナート  さん

いつも詳細な情報をコメント頂きましてありがとうございます。
とても参考になります。
α-グルコシダーゼは、一般的な知識とストライヤー生化学では異なっていますので
どう解釈したらいいのか良くわかりません。
まあ、臨床的にはアバウトに「糖尿病専門医研修ガイドブック改訂第七版」でよいのかもしれませんね。


αグリコシダーゼ と α-グルコシダーゼ
の定義は、以下のウィキペディアが
わかりやすいように思いました。


https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%82%B3%E3%82%B7%E3%83%80%E3%83%BC%E3%82%BC
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
グルコシダーゼ(glucosidase)は、グリコシダーゼ(glycosidase)のうち、
グルコースとのグリコシド結合を加水分解する酵素である。
α-グルコシダーゼとβ-グルコシダーゼがある。
グリコシダーゼは、グルコースを含めた糖全般とのグリコシド結合を分解する酵素の総称であり、
グルコシダーゼは、グルコースとのグリコシド結合を分解する酵素の個別名である。




次にストライヤーの生化学では
マルターゼとα-グルコシダーゼを別物としていますね。
この解釈は、糖尿病専門医研修ガイドブックとは異なります。

ストライヤーの生化学 第7版 p413
マルターゼ(maltase)はマルトースを2分子のグルコースに切断するが、
一方、α-グルコシダーゼ(α-glucosidaase)は、
アミラーゼによる消化を免れたマルトトリオ―スと他のオリゴ糖を消化する。



グルコアミラーゼですが、
α-アミラーゼ、β-アミラーゼ、グルコアミラーゼ 、
いずれも生体に普通に存在すると思います。
以下に詳述してあります。
エイチビイアイ株式会社
http://www.hbi-enzymes.com/HBI_Amylase.htm
澱粉はグルコースがα-1,4グルコシド結合によって直鎖状に結合したアミロースとα-1,4グルコシド結合とα-1,6グルコシド結合の両者の直鎖を枝に持つアミロペクチンとからなる高分子多糖類で、我々の主食の一要素で重要なエネルギー源です。アミラーゼ (amylase) は、澱粉などのグリコシド結合を加水分解する酵素の総称で、作用する部位の違いによって、α-アミラーゼ (α-amylase)、β-アミラーゼ (β-amylase)、およびグルコアミラーゼ (glucoamylase) に大きく分けられます。
2018/10/06(Sat) 17:39 | URL | ドクター江部 | 【編集
丁寧なご回答有難うございます
医療の経験・経歴、また資格も肩書もない私に、丁寧にコメントを下さり大変恐縮しております。

今回の、糖尿病専門医研修ガイドブックとストライヤーの生化学 第7版 p413
については、私のコメント内容の不備により、誤解を与えてしまったようです。
半分以上予想に反するご回答でした。
後日、誤解のないように整理して再度コメントさせてください。

グルコアミラーゼについては、おおむね納得ですが、もう少し資料(図書館等で)を調べたいと思います。

これまで雨続きの仙台も、これから秋晴れが続きそうです。
毎日農作業に忙しいのですが、11月に収穫する菊芋で、ある計画があります。
それは、菊芋パウダーとパン用の低糖質ミックス粉を使い、炊飯器で炊ける米粒状の食品(米もどき)を作ることです。
パン用の低糖質ミックス粉では、すでに完成していますので、新たな挑戦になりそうです。

菊芋パウダーは、スライスした菊芋を乾燥させチップスを作り、微粒製粉機で製粉します。
市販の菊芋パウダーは1kg1000円ですので躊躇していましたが、これで実用化できそうです。

菊芋は食べすぎると、βグルコシダーゼ阻害薬と同じくお腹が張りますので注意が必要ですね。
2018/10/06(Sat) 20:03 | URL | オスティナート | 【編集
追伸
βグルコシダーで阻害薬→αグルコシダーゼ阻害薬でした
失礼いたしました。
2018/10/06(Sat) 20:12 | URL | オスティナート | 【編集
Re: 丁寧なご回答有難うございます
オスティナート さん

了解です。
コメント、お待ちしています。

「菊芋パウダーとパン用の低糖質ミックス粉を使い、炊飯器で炊ける米粒状の食品(米もどき)を作ることです。」

米粒のような食感の糖質制限OK食材が、出来れば、とても嬉しいですね。
2018/10/07(Sun) 08:31 | URL | ドクター江部 | 【編集
αグリコシダーゼについてその2
江部先生こんばんは、

前回のコメントの続きになります。

1.〈α-グルコシダーゼは、一般的な知識とストライヤー生化学では異なっていますのでどう解釈したらいいのか良くわかりません。〉
について、
Wikipedia、α-グルコシダーゼ項目の引用元、
岩波 生物学辞典 第五版から
359c及び365d 下記の通りです。(詳細は私のサイトにリンクしましました。)

2.〈次にストライヤーの生化学では
マルターゼとα-グルコシダーゼを別物としていますね。
この解釈は、糖尿病専門医研修ガイドブックとは異なります。〉
について、
岩波 生物学辞典 第五版から
359c 下記の通りです。(詳細は私のサイトにリンクしましました。)

3.次に前回2018/10/05の私のコメントから
〈私は以前、
【糖尿病専門医研修ガイドブック(改訂第6版)p219
α-グルコシダーゼ阻害薬の作用機序
※抜粋
小腸粘膜細胞の刷子縁に存在するマルターゼ・スクラーゼ・グルコアミラーゼ等のα-グルコシダーゼによって単糖(グルコース・フルクトースなど)に分解され吸収される。】
を、読んで疑問を感じました。〉
について、
糖尿病専門医研修ガイドブックによると、「スクラーゼやグルコアミラーゼなど何種類かの消化酵素の総称がα-グルコシダーゼ」です、と読めるような気がして、疑問に感じたのでした。
私には、2018/10/04のコメント
【●マルト―ス(二糖・麦芽糖)は、マルターゼ(αグルコシダーゼ)によりグルコース(ブドウ糖)に分解され、小腸から体内に吸収されます。
マルトトリオース(三糖)とオリゴ糖は、αグルコシダーゼによりグルコースに分解され、小腸から体内に吸収されます。
●スクロース(二糖・ショ糖)は、スクラーゼにより、グルコースとフルクトース(果糖)に分解され、小腸から体内に吸収されます。
●ラクトース(二糖・乳糖)は、ラクターゼにより、ガラクトースとグルコースに分解され、小腸から体内に吸収されます。
●これら、αグリコシダーゼ(αグルコシダーゼ(マルターゼ)・スクラーゼ・ラクターゼ等)の働きを阻害することにより、腸管からの糖質の分解・吸収を遅延させて、食後高血糖を抑制するお薬が、『α-グルコシダーゼ阻害薬』です。】
(注:セイブルはラクターゼをグルコバイはα-アミラーゼをも阻害する。)
の方が解りやすいかと思います。

しかし、ネット上では90%以上(生化学や酵素の専門家を除く)が糖尿病専門医研修ガイドブックの記載に「右へ倣え」のようです。
今回は、頭の自由な江部先生ならわかってくださると思い、コメントいたしました。

○岩波 生物学辞典 第五版 359c グリコシダーゼ
http://r-ostinato.sakura.ne.jp/na/?p=204
※抜粋
【各種配合体やオリゴ糖・多糖に作用してグリコシド結合を加水分解する酵素の総称。
中略
現在は糖残基の性質(グリコシド結合の性質を含む)に基づいて命名分類されるが(例:α-グルコシダーゼ、β-ガラクトシダーゼ)、最初に見出された時の基質にちなんでつけられた慣用名を使う場合もある(例:スクラーゼ=β-フルクトシダーゼ、マルターゼ=α-グルコシダーゼ)。】

○岩波 生物学辞典 第五版 365d α-グルコシダーゼ
http://r-ostinato.sakura.ne.jp/na/?p=191
※抜粋
【α-グルコシダーゼ [α-glucosidase]⦅同⦆マルターゼ(maltase)。
アグリコンとして各種アルキル基、グリコシル基を持つα-D-グルコシドを加水分解する酵素の総称で、狭義にはマルトース、アミロースとそのオリゴ糖を分解するがイソマルトースには作用しない酵素。EC.3.2.1.20.】
●(α-グルコシダーゼ:EC.3.2.1.20.、マルターゼ:EC.3.2.1.20.とECナンバーが同じでした)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%82%BC
2018/10/09(Tue) 20:24 | URL | オスティナート | 【編集
Re: αグリコシダーゼについてその2
オスティナート さん

コメント、ありがとうございます。

「ネット上では90%以上(生化学や酵素の専門家を除く)が糖尿病専門医研修ガイドブックの記載に「右へ倣え」のようです。
今回は、頭の自由な江部先生ならわかってくださると思い、コメントいたしました。」


糖尿病専門医ガイドブックの記載を疑うことは、全く無かったので、目から鱗が落ちました。
オスティナートさんのコメントを勉強させて頂き、もう一回、自分でも考えてみたいと思います。
2018/10/09(Tue) 21:40 | URL | ドクター江部 | 【編集
グリコシダーゼ
江部先生こんにちは、

度重なるコメント申し訳ありません。

前回のコメントのうち
先生にご指摘を受けました、
〈「αグリコシダーゼ」という言葉が、ネットでも糖尿病専門医研修ガイドブック(改訂第7版)でも出てこないのですが、
一般的な言葉なのでしょうか?〉
について、
よく考えてみました。
結果、「α-グリコシダーゼ」を「グリコシダーゼ」に訂正いたします。
αとβの違いがよくわからないままα-としてしまいました。
お詫びいたします。(もう少し勉強したいと思います。)
【●これら、グリコシダーゼ(αグルコシダーゼ(マルターゼ)・スクラーゼ・ラクターゼ等)の働きを阻害することにより、腸管からの糖質の分解・吸収を遅延させて、食後高血糖を抑制するお薬が、『α-グルコシダーゼ阻害薬』です。】

追記

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』グリコシダーゼ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%82%B3%E3%82%B7%E3%83%80%E3%83%BC%E3%82%BC

阻害物質
グリコシダーゼの阻害物質は多くのものが知られている。デオキシノジリマイシン(deoxynojirimycin)、スワインソニン(swainsonine)、オーストラリン(australine)、カスタノスペルミン(castanospermine)のような、いくつかの窒素原子を含む糖型の複素環化合物が自然界から発見された。これらの天然由来の化合物から、イソファゴミン(isofagomine)、デオキシガラクトノジリマイシン(deoxygalactonojirimycin)、その他いくつかの不飽和化合物(例:PUGNAc)が阻害剤として開発された。

医薬品として使用されているグリコシダーゼ阻害剤には、アカルボース、ザナミビル(リレンザ)、ミグリトール(miglitol)、オセルタミビル(タミフル)などがある。

いくつかのタンパク質もグリコシダーゼを阻害することが判明した。
2018/10/11(Thu) 14:08 | URL | オスティナート | 【編集
Re: グリコシダーゼ
オスティナート さん

コメントありがとうございます。

以下のコトバンクの記載が、わかりやすいように思いました。


コトバンク
https://kotobank.jp/word/%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%82%B3%E3%82%B7%E3%83%80%E3%83%BC%E3%82%BC-56761
グリコシダーゼ(英語表記)glycosidase
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説
グリコシダーゼ
glycosidase
配糖体や少糖類からグリコシド結合の切断により,単糖を切り離す酵素の総称。切断する糖残基の結合に従ってβ-ガラクトシダーゼ,α-グルコシダーゼなどと呼ぶが,また切断する基質全体の構造に応じてマルターゼ,スクラーゼなどの呼称も用いられる。酵素研究の歴史上初期の頃にアーモンドの種子から得られて J.リービヒによりエムルシンと命名された (1837) ものは,β-グルコシダーゼを主要成分としていた。
2018/10/11(Thu) 18:50 | URL | ドクター江部 | 【編集
ご回答感謝いたします。
江部先生、こんにちは。
すごく分かりやすいご回答、ありがとうございます。

以前はジャディアンスのみの処方で糖質制限をしていなかったため、A1cが7.1で下げ止まり、
食生活を改善しなかったため、再び8..1まで上昇し、「糖質制限の教科書」を読み、糖質制限を開始した次第です。

体重もジャディアンスで7Kg落ちた後、1~2Kg増え気味だったのが糖質制限で10Kg落としました。
薬では限界がある程、糖質を摂取していたんだと思います。

それ以来、糖質制限のとりこです。
家族も影響され、糖質を気にするようになりました。

アカルボースについてですが、今の所副作用もなく、処方してもらってよかったと思います。

またも質問なのですが、
アカルボースは食後血糖値の上昇を穏やかにするだけで、
1日を通せば結局同じだけの糖質を吸収するという考えで合っていますでしょうか?

結局インスリンをだらだら分泌するだけ、と書いたブログを見て、
「それでも血糖値スパイクが防げるのだからいいんだ」
と思いながら少し気になりました。

またお時間のある際にご回答いただけるとうれしいです。
2018/10/14(Sun) 09:51 | URL | もちこ | 【編集
Re: ご回答感謝いたします。
もちこ さん

アカルボースは、
「血糖変動幅が少なくなる」「追加分泌インスリンがやや少量ですむ」
というメリットがあると思います。


「アカルボースは食後血糖値の上昇を穏やかにするだけで、
1日を通せば結局同じだけの糖質を吸収する」

大腸に到達した多糖類を腸内細菌が分解するので水素ガスなどが発生しておならがでやすくなります。

大腸の腸内細菌が分解した多糖類が、どのように代謝されるのか、調べてみます。
2018/10/14(Sun) 11:50 | URL | ドクター江部 | 【編集
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