2018年09月17日 (月)
こんにちは。
EBMが現在、医学界を席巻しています。
<EBMとは>
Evidence Based Medicine(証拠に基づく医学)を略してEBMと言います。
EBMだけに頼る医療には、明確に限界があります。
一方、EBMを無視する医療にも、明確に限界があります。
ともあれ今回の記事は、EBMについて考察してみます。
医学界において、evidence(エビデンス、証拠、根拠)となるのは、
基本的に医学雑誌に掲載された論文です。
ニューイングランド・ジャーナル、ランセット、米国医師会雑誌など、
定評ある医学専門誌に掲載された論文であることも、
evidence(エビデンス、証拠)の大きな要素となります。
その論文も
①無作為割り付け臨床試験(RCT)
②前向きコホート研究
の二つが信頼度の高いものとなります。
その論文も「糖尿病診療ガイドライン2016」によれば、
・レベル1+: 質の高いランダム化比較試験(RCT)およびそれらの
メタアナリシス(MA)/ システマティック・レビュー(SR)
・レベル1:それ以外のRCTおよびそれらのMA / SR
・レベル2:前向きコホート研究およびそれらのMA / SR
(事前に定めた)RCTサブ解析
・レベル3:非ランダム化比較試験 前後比較試験
後ろ向きコホート研究
ケースコントロール研究およびそれらのMA / SR
RCT後付けサブ解析
・レベル4:横断研究 症例集積
*質の高いRCTとは
(1)多数例
(2)二重盲検、独立判定
(3)高追跡率
(4)ランダム割り付け法が明確
などをさす。
といった順番で、信頼度に差をつけられています。
これを研究デザインのヒエラルキーと呼ぶそうです。
他にコンセンサスがありますが、コンセンサスは、
実証的研究に基づかない権威者の意見や合意なので、エビデンスとは言えません。
一般にエビデンスレベルが高い研究論文と言うときは、
(1) レベル1+ / レベル1
(2) レベル2
に基づく論文のことをさします。
症例報告も大切な医学研究の一つなのですが、
ことEBMというときは、「無作為割り付け臨床試験(RCT)」と「前向きコホート研究」
だけ考慮すればいいということです。
かつて、医学界では
実証的研究に基づかない権威者の意見や合意(コンセンサス)が幅を利かしていて、
学会発表などでも、有名大教授で権威者の先生が「私はこう思う」といったら、
水戸黄門の印籠みたいなもので「ヘヘー、恐れ入りました」という事で
一件落着という世界だったのです。
権威者が、何人か寄り集まって、ガイドラインの内容を決めると、
コンセンサスによる決定となります。
これは、上述のヒエラルキーからみると、エビデンスレベルは最低、
エビデンスなしということです。
権威者の意見や、コンセンサスに基づく見解などに頼っているのは、
非科学的であるという批判が、世界中の医学界で続出して、
それではよろしくないということで、
evidence based medhicine(証拠に基づく医学)→略してEBMが登場したわけです。
<従来の糖尿病食にはエビデンスがない>
前振りが長かったですが、
「糖尿病診療ガイドライン2016」の食事療法の部分、 37ページに
Q3-1 糖尿病における食事療法の意義と最適な栄養素のバランスは
どのようなものか?
に対し、
「摂取エネルギーのうち、炭水化物を50-60%、たんぱく質20%以下
を目安とし、残りを脂質とする。」
と記載しています。
しかし、推奨グレードの表示はなしです。
以前の、「科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン2010」の食事療法、
31ページでは、「炭水化物は指示エネルギー量の50~60%」と、
グレードAで推奨してありますが、根拠はなんとコンセンサスで、
科学的根拠に基づいていないことが明示されていました。
2010年に比べれば2016年は、エビデンスのないことを
グレードAで推奨するという暴挙がなくなった分よしとしましょう。
ちなみに「2型糖尿病患者に運動療法は有効か?」に対しては、
血糖コントロールに有効で、推奨グレードAです。
結局、糖尿病の食事療法に関しては、
日本糖尿病学会が推奨する糖尿病食(カロリー制限高糖質食)には
エビデンスはないのです。
<糖質制限食にはエビデンスがある>
一方、ひいき目と言われるかもしれませんが
糖質制限食においては、一定のエビデンスがあります。
以下に、EBMとして信頼度の高い長期の研究を列挙します。
いずれも、糖質制限食の『長期的有効性・安全性』を保証する論文です。
なおこれらの論文は、スーパー糖質制限食に関するものではありません。
普通に食事をしている集団(糖質も食べている)において、
糖質を多く食べている群と比較的少ない群を比較したものです。
1年間の研究ならスーパー糖質制限食のRCTが少なくとも2つあります。
1)はRCT論文で8年間であり、信頼度はトップランクの研究です。
2)3)4)5)6)は前向きコホート研究であり、信頼度は上から二番目です。
糖質制限食の長期的安全性の肯定に関しては、
EBMに基づき少なくとも6つの信頼度の高い研究論文が存在するわけです。
例えば
2)は
炭水化物摂取比率36.8±6.1%グループと58.8±7.0%のグループの比較です。
炭水化物摂取の多いグループは冠動脈疾患リスクが増加です。
4)は
糖質摂取比率51.5%のグループと糖質摂取比率72.7%のグループの比較です。
糖質摂取比率が一番少ない51.5%のグループは一番多い72.7%のグループに比較すると
心血管死のリスクが59%しかありません。
いずれも糖質大量摂取の弊害(心血管リスク)を如実に示しています。
結果として糖質摂取が少ないほど心血管リスク軽減において有利になることも示しています。
6)は2017年8月にランセットに発表されました。
「炭水化物の摂取比率が多いほど、総死亡率が上昇し
脂質の摂取比率が多いほど、雄死亡率が低下」
ですから、まさに夏井睦先生の言う「炭水化物が人類を滅ぼす」ですね。
長期の研究
1)RCT論文
低糖質地中海食(LCMD)。8年間RCT論文。
糖質50%未満のLCMD群と低脂肪群の比較。
女性は1800kcal/日。男性は1800kcal/日。
新たに診断された2型糖尿病患者では、LCMDは低脂肪食と比較して、
HbA1cレベルの大きな減少、糖尿病の寛解率が高く、糖尿病治療薬の導入を遅らせた。
Diabetes Care. 2014 Jul;37(7):1824-30.
The effects of a Mediterranean diet on the need for diabetes drugs and remission of newly diagnosed type 2 diabetes: follow-up of a randomized trial.
2)前向きコホート研究
低炭水化物・高脂肪・高タンパク食に冠動脈疾患のリスクなし
一方総炭水化物摂取量は冠動脈疾患リスクの中等度増加に関連していた。
高GLは冠動脈疾患リスク増加と強く関連していた。
ニューイングランドジャーナルのコホート研究
82802人 20年間 2006年掲載 ハーバード大学
炭水化物摂取比率36.8±6.1%グループと58.8±7.0%のグループの比較。
Halton TL, et al. Low-carbohydrate-diet score and the risk of coronary heart disease in women. New England Journal of Medicine 2006;355:1991-2002.
3)前向きコホート研究
21論文、約35万人をメタアナリシスして、
5~23年追跡して1.1万人の脳心血管イベントが発生。
飽和脂肪摂取量と脳心血管イベントハザード比を検証してみると、
飽和脂肪酸摂取量と脳心血管イベント発生は、関係がないことが判明。
Siri-Tarino, P.W., et al., Meta-analysis of prospective cohort studies evaluating the association of saturated fat with cardiovascular disease. Am J Clin Nutr, 2010. 91(3): p. 535-46.
4)前向きコホート研究
「糖質制限食の安全性にエビデンス」
前向きコホート試験NIPPON DATA80 29年間 中村保幸
第10分位(糖質摂取比率51.5%)のグループは、第1分位(糖質摂取比率72.7%)のグループに比べて女性においては心血管死のリスクが、
59%しかないという素晴らしい結論で、糖質制限食の圧勝。
Br J Nutr 2014; 112: 916-924
5)前向きコホート研究
上海コホート研究
「糖質摂取量により4群に分けて、糖質摂取量が多いほど心血管疾患の発症リスクが高い」
11万7366人を対象に、調べた研究。
女性が6万4,854人で、平均追跡期間が9.8年。
男性が5万2,512人で、平均追跡期間が5.4年。
女性 心血管発症リスク
1、糖質摂取量264g/日未満 ---------- 1.00
2、糖質摂取量264g~282g/日未満-------- 1.19
3、糖質摂取量282g~299g/日未満-------- 1.76
4、糖質摂取量299g/日以上 ----------- 2.41
男性 心血管発症リスク
1、糖質摂取量296g/日未満 ------------ 1.00
2、糖質摂取量296g~319g/日未満 ---------- 1.50
3、糖質摂取量319g~339g/日未満 ---------- 2.22
4、糖質摂取量339g/日以上
Am J Epidemiol. 2013 Nov 15;178(10):1542-9.
Dietary carbohydrates, refined grains, glycemic load, and risk of coronary heart disease in Chinese adults.
6)前向きコホート研究
『炭水化物の摂取増加で死亡リスク上昇』
ランセット誌のオンライン版(2017/8/29)で、
カナダ・マックマスター大学のMahshid Dehghan博士らが報告。
5大陸18カ国で全死亡および心血管疾患への食事の影響を検証した大規模疫学前向きコホート研究(Prospective Urban Rural Epidemiology:PURE)の結果。
2003年1月1日時点で35~70歳の13万5335例を登録し、
2013年3月31日まで中央値で7.4年間も追跡調査。
論文の内容を要約
1)炭水化物摂取量の多さは全死亡リスク上昇と関連。
2)総脂質および脂質の種類別の摂取は全死亡リスクの低下と関連。
3)総脂質および脂質の種類は、心血管疾患(CVD)、心筋梗塞、CVD死と関連しない。
4)飽和脂質は脳卒中と逆相関している。
炭水化物摂取比率 総死亡率
1群 46.4% 4.1%
2群 54.6% 4.2%
3群 60.8% 4.5%
4群 67.7% 4.9%
5群 77.2% 7.2%
脂肪の摂取比率 総死亡率
1群 10.6% 6.7%
2群 18.0% 5.1%
3群 24.2% 4.6%
4群 29.1% 4.3%
5群 35.3% 4.1%
<生理学的事実>
さらに、生理学的事実として、糖尿人が糖質を摂取した場合、
糖質制限食なら、食後高血糖は生じませんが、
従来の糖尿病食なら、食後高血糖が必ず生じるということは明白です。
そして、
国際糖尿病連合(International Diabetes Federation:IDF)2007年
「食後血糖値の管理に関するガイドライン」
国際糖尿病連合(International Diabetes Federation:IDF)2011年
「食後血糖値の管理に関するガイドライン」
によれば、
食後高血糖は、
大血管合併症の独立した危険因子であり、
酸化ストレスを生じ血管内皮を障害し、
糖尿病網膜症と関係し、
IMT肥厚と関係し、
認知障害にも関係し、
癌発症リスク上昇と関連するとのことです。
糖質制限食により、食後高血糖を防ぐことの意味は、大変大きいと思います。
江部康二
EBMが現在、医学界を席巻しています。
<EBMとは>
Evidence Based Medicine(証拠に基づく医学)を略してEBMと言います。
EBMだけに頼る医療には、明確に限界があります。
一方、EBMを無視する医療にも、明確に限界があります。
ともあれ今回の記事は、EBMについて考察してみます。
医学界において、evidence(エビデンス、証拠、根拠)となるのは、
基本的に医学雑誌に掲載された論文です。
ニューイングランド・ジャーナル、ランセット、米国医師会雑誌など、
定評ある医学専門誌に掲載された論文であることも、
evidence(エビデンス、証拠)の大きな要素となります。
その論文も
①無作為割り付け臨床試験(RCT)
②前向きコホート研究
の二つが信頼度の高いものとなります。
その論文も「糖尿病診療ガイドライン2016」によれば、
・レベル1+: 質の高いランダム化比較試験(RCT)およびそれらの
メタアナリシス(MA)/ システマティック・レビュー(SR)
・レベル1:それ以外のRCTおよびそれらのMA / SR
・レベル2:前向きコホート研究およびそれらのMA / SR
(事前に定めた)RCTサブ解析
・レベル3:非ランダム化比較試験 前後比較試験
後ろ向きコホート研究
ケースコントロール研究およびそれらのMA / SR
RCT後付けサブ解析
・レベル4:横断研究 症例集積
*質の高いRCTとは
(1)多数例
(2)二重盲検、独立判定
(3)高追跡率
(4)ランダム割り付け法が明確
などをさす。
といった順番で、信頼度に差をつけられています。
これを研究デザインのヒエラルキーと呼ぶそうです。
他にコンセンサスがありますが、コンセンサスは、
実証的研究に基づかない権威者の意見や合意なので、エビデンスとは言えません。
一般にエビデンスレベルが高い研究論文と言うときは、
(1) レベル1+ / レベル1
(2) レベル2
に基づく論文のことをさします。
症例報告も大切な医学研究の一つなのですが、
ことEBMというときは、「無作為割り付け臨床試験(RCT)」と「前向きコホート研究」
だけ考慮すればいいということです。
かつて、医学界では
実証的研究に基づかない権威者の意見や合意(コンセンサス)が幅を利かしていて、
学会発表などでも、有名大教授で権威者の先生が「私はこう思う」といったら、
水戸黄門の印籠みたいなもので「ヘヘー、恐れ入りました」という事で
一件落着という世界だったのです。
権威者が、何人か寄り集まって、ガイドラインの内容を決めると、
コンセンサスによる決定となります。
これは、上述のヒエラルキーからみると、エビデンスレベルは最低、
エビデンスなしということです。
権威者の意見や、コンセンサスに基づく見解などに頼っているのは、
非科学的であるという批判が、世界中の医学界で続出して、
それではよろしくないということで、
evidence based medhicine(証拠に基づく医学)→略してEBMが登場したわけです。
<従来の糖尿病食にはエビデンスがない>
前振りが長かったですが、
「糖尿病診療ガイドライン2016」の食事療法の部分、 37ページに
Q3-1 糖尿病における食事療法の意義と最適な栄養素のバランスは
どのようなものか?
に対し、
「摂取エネルギーのうち、炭水化物を50-60%、たんぱく質20%以下
を目安とし、残りを脂質とする。」
と記載しています。
しかし、推奨グレードの表示はなしです。
以前の、「科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン2010」の食事療法、
31ページでは、「炭水化物は指示エネルギー量の50~60%」と、
グレードAで推奨してありますが、根拠はなんとコンセンサスで、
科学的根拠に基づいていないことが明示されていました。
2010年に比べれば2016年は、エビデンスのないことを
グレードAで推奨するという暴挙がなくなった分よしとしましょう。
ちなみに「2型糖尿病患者に運動療法は有効か?」に対しては、
血糖コントロールに有効で、推奨グレードAです。
結局、糖尿病の食事療法に関しては、
日本糖尿病学会が推奨する糖尿病食(カロリー制限高糖質食)には
エビデンスはないのです。
<糖質制限食にはエビデンスがある>
一方、ひいき目と言われるかもしれませんが
糖質制限食においては、一定のエビデンスがあります。
以下に、EBMとして信頼度の高い長期の研究を列挙します。
いずれも、糖質制限食の『長期的有効性・安全性』を保証する論文です。
なおこれらの論文は、スーパー糖質制限食に関するものではありません。
普通に食事をしている集団(糖質も食べている)において、
糖質を多く食べている群と比較的少ない群を比較したものです。
1年間の研究ならスーパー糖質制限食のRCTが少なくとも2つあります。
1)はRCT論文で8年間であり、信頼度はトップランクの研究です。
2)3)4)5)6)は前向きコホート研究であり、信頼度は上から二番目です。
糖質制限食の長期的安全性の肯定に関しては、
EBMに基づき少なくとも6つの信頼度の高い研究論文が存在するわけです。
例えば
2)は
炭水化物摂取比率36.8±6.1%グループと58.8±7.0%のグループの比較です。
炭水化物摂取の多いグループは冠動脈疾患リスクが増加です。
4)は
糖質摂取比率51.5%のグループと糖質摂取比率72.7%のグループの比較です。
糖質摂取比率が一番少ない51.5%のグループは一番多い72.7%のグループに比較すると
心血管死のリスクが59%しかありません。
いずれも糖質大量摂取の弊害(心血管リスク)を如実に示しています。
結果として糖質摂取が少ないほど心血管リスク軽減において有利になることも示しています。
6)は2017年8月にランセットに発表されました。
「炭水化物の摂取比率が多いほど、総死亡率が上昇し
脂質の摂取比率が多いほど、雄死亡率が低下」
ですから、まさに夏井睦先生の言う「炭水化物が人類を滅ぼす」ですね。
長期の研究
1)RCT論文
低糖質地中海食(LCMD)。8年間RCT論文。
糖質50%未満のLCMD群と低脂肪群の比較。
女性は1800kcal/日。男性は1800kcal/日。
新たに診断された2型糖尿病患者では、LCMDは低脂肪食と比較して、
HbA1cレベルの大きな減少、糖尿病の寛解率が高く、糖尿病治療薬の導入を遅らせた。
Diabetes Care. 2014 Jul;37(7):1824-30.
The effects of a Mediterranean diet on the need for diabetes drugs and remission of newly diagnosed type 2 diabetes: follow-up of a randomized trial.
2)前向きコホート研究
低炭水化物・高脂肪・高タンパク食に冠動脈疾患のリスクなし
一方総炭水化物摂取量は冠動脈疾患リスクの中等度増加に関連していた。
高GLは冠動脈疾患リスク増加と強く関連していた。
ニューイングランドジャーナルのコホート研究
82802人 20年間 2006年掲載 ハーバード大学
炭水化物摂取比率36.8±6.1%グループと58.8±7.0%のグループの比較。
Halton TL, et al. Low-carbohydrate-diet score and the risk of coronary heart disease in women. New England Journal of Medicine 2006;355:1991-2002.
3)前向きコホート研究
21論文、約35万人をメタアナリシスして、
5~23年追跡して1.1万人の脳心血管イベントが発生。
飽和脂肪摂取量と脳心血管イベントハザード比を検証してみると、
飽和脂肪酸摂取量と脳心血管イベント発生は、関係がないことが判明。
Siri-Tarino, P.W., et al., Meta-analysis of prospective cohort studies evaluating the association of saturated fat with cardiovascular disease. Am J Clin Nutr, 2010. 91(3): p. 535-46.
4)前向きコホート研究
「糖質制限食の安全性にエビデンス」
前向きコホート試験NIPPON DATA80 29年間 中村保幸
第10分位(糖質摂取比率51.5%)のグループは、第1分位(糖質摂取比率72.7%)のグループに比べて女性においては心血管死のリスクが、
59%しかないという素晴らしい結論で、糖質制限食の圧勝。
Br J Nutr 2014; 112: 916-924
5)前向きコホート研究
上海コホート研究
「糖質摂取量により4群に分けて、糖質摂取量が多いほど心血管疾患の発症リスクが高い」
11万7366人を対象に、調べた研究。
女性が6万4,854人で、平均追跡期間が9.8年。
男性が5万2,512人で、平均追跡期間が5.4年。
女性 心血管発症リスク
1、糖質摂取量264g/日未満 ---------- 1.00
2、糖質摂取量264g~282g/日未満-------- 1.19
3、糖質摂取量282g~299g/日未満-------- 1.76
4、糖質摂取量299g/日以上 ----------- 2.41
男性 心血管発症リスク
1、糖質摂取量296g/日未満 ------------ 1.00
2、糖質摂取量296g~319g/日未満 ---------- 1.50
3、糖質摂取量319g~339g/日未満 ---------- 2.22
4、糖質摂取量339g/日以上
Am J Epidemiol. 2013 Nov 15;178(10):1542-9.
Dietary carbohydrates, refined grains, glycemic load, and risk of coronary heart disease in Chinese adults.
6)前向きコホート研究
『炭水化物の摂取増加で死亡リスク上昇』
ランセット誌のオンライン版(2017/8/29)で、
カナダ・マックマスター大学のMahshid Dehghan博士らが報告。
5大陸18カ国で全死亡および心血管疾患への食事の影響を検証した大規模疫学前向きコホート研究(Prospective Urban Rural Epidemiology:PURE)の結果。
2003年1月1日時点で35~70歳の13万5335例を登録し、
2013年3月31日まで中央値で7.4年間も追跡調査。
論文の内容を要約
1)炭水化物摂取量の多さは全死亡リスク上昇と関連。
2)総脂質および脂質の種類別の摂取は全死亡リスクの低下と関連。
3)総脂質および脂質の種類は、心血管疾患(CVD)、心筋梗塞、CVD死と関連しない。
4)飽和脂質は脳卒中と逆相関している。
炭水化物摂取比率 総死亡率
1群 46.4% 4.1%
2群 54.6% 4.2%
3群 60.8% 4.5%
4群 67.7% 4.9%
5群 77.2% 7.2%
脂肪の摂取比率 総死亡率
1群 10.6% 6.7%
2群 18.0% 5.1%
3群 24.2% 4.6%
4群 29.1% 4.3%
5群 35.3% 4.1%
<生理学的事実>
さらに、生理学的事実として、糖尿人が糖質を摂取した場合、
糖質制限食なら、食後高血糖は生じませんが、
従来の糖尿病食なら、食後高血糖が必ず生じるということは明白です。
そして、
国際糖尿病連合(International Diabetes Federation:IDF)2007年
「食後血糖値の管理に関するガイドライン」
国際糖尿病連合(International Diabetes Federation:IDF)2011年
「食後血糖値の管理に関するガイドライン」
によれば、
食後高血糖は、
大血管合併症の独立した危険因子であり、
酸化ストレスを生じ血管内皮を障害し、
糖尿病網膜症と関係し、
IMT肥厚と関係し、
認知障害にも関係し、
癌発症リスク上昇と関連するとのことです。
糖質制限食により、食後高血糖を防ぐことの意味は、大変大きいと思います。
江部康二
都内河北 鈴木です。
本日記事を「生還、覚醒」している現在に
この記事を1患者が読んでも反論、疑問など有りません!!
日本国糖尿病指導の「日本糖尿病学会」医療者達は、
病態発症している患者に時代進化無い医療理論「カロリ~制限理論」を信奉して何を考えているのか??
私は「糖質制限理論」で
「生還、覚醒」している7年目に
江部先生の「糖質制限理論」で改善確証有る証明者として思います!!
江部先生には、感謝尽きません!!
ありがとうございます。
敬具
本日記事を「生還、覚醒」している現在に
この記事を1患者が読んでも反論、疑問など有りません!!
日本国糖尿病指導の「日本糖尿病学会」医療者達は、
病態発症している患者に時代進化無い医療理論「カロリ~制限理論」を信奉して何を考えているのか??
私は「糖質制限理論」で
「生還、覚醒」している7年目に
江部先生の「糖質制限理論」で改善確証有る証明者として思います!!
江部先生には、感謝尽きません!!
ありがとうございます。
敬具
2018/09/17(Mon) 18:26 | URL | 都内河北 鈴木 | 【編集】
病態改善のための栄養・食事療法を研究し、機能性食品を未病対策に生かす
(前)
https://www.data-max.co.jp/article/24904
(中)
https://www.data-max.co.jp/article/24905
(後)
https://www.data-max.co.jp/article/24906
(前)
https://www.data-max.co.jp/article/24904
(中)
https://www.data-max.co.jp/article/24905
(後)
https://www.data-max.co.jp/article/24906
2018/09/19(Wed) 21:38 | URL | ある人 | 【編集】
ある人 さん
情報をありがとうございます。
宇都宮 一典 先生、
『機能性食品を未病対策に生かす』
などより
『糖質制限食』
のほうが、はるかに病態改善・血糖改善効果が高いと思いますよ。
情報をありがとうございます。
宇都宮 一典 先生、
『機能性食品を未病対策に生かす』
などより
『糖質制限食』
のほうが、はるかに病態改善・血糖改善効果が高いと思いますよ。
2018/09/20(Thu) 16:48 | URL | ドクター江部 | 【編集】
都内河北 鈴木です。
江部先生返答のラスト2行が
「糖質制限食」
のほうが、はるかに病態改善・血糖値改善効果が高いと思いますよ。
まさに正解かと、考えます!!
何故なら私は「都内の肩書ある組織の経営病院」で、
糖尿病重症化して行く21年間の後半7年間、
世界医療情報を隠蔽され、糖尿病悪化で「脳梗塞発症」救急搬送され死にかけた患者が知り得た江部先生「糖質制限理論」を実践で3ヵ月足らずで
「生還、覚醒」している7年目の現在が有る1患者には
「正解」としか考えようが有りません!!
何故2018年現在の日本医療界には、ネット・グロ~バル時代に世界情報を無視して、
効果ゼロの世界には通用しない「カロリ~制限理論」を信奉して、
「糖質制限理論」を無視して日本国民に治療と称しているのか不思議です!!
私の改善を反省・学習無く、良しとしない
「都内権威肩書の組織・会長・経営病院」「日本糖尿病学会」「公認担当医」は、
改善のない、治療に関係のない、つまらぬ嫌がらせを「S区O役所」などへ、
私個人の「糖尿病教室」参加拒否・要請などはするのですが、
時代進化解明事実を無視して、自身たちの知識向上の為に
「反省・学習」を何故しないのか不思議です!!
江部先生には、感謝尽きません!!
ありがとうございます。
敬具
江部先生返答のラスト2行が
「糖質制限食」
のほうが、はるかに病態改善・血糖値改善効果が高いと思いますよ。
まさに正解かと、考えます!!
何故なら私は「都内の肩書ある組織の経営病院」で、
糖尿病重症化して行く21年間の後半7年間、
世界医療情報を隠蔽され、糖尿病悪化で「脳梗塞発症」救急搬送され死にかけた患者が知り得た江部先生「糖質制限理論」を実践で3ヵ月足らずで
「生還、覚醒」している7年目の現在が有る1患者には
「正解」としか考えようが有りません!!
何故2018年現在の日本医療界には、ネット・グロ~バル時代に世界情報を無視して、
効果ゼロの世界には通用しない「カロリ~制限理論」を信奉して、
「糖質制限理論」を無視して日本国民に治療と称しているのか不思議です!!
私の改善を反省・学習無く、良しとしない
「都内権威肩書の組織・会長・経営病院」「日本糖尿病学会」「公認担当医」は、
改善のない、治療に関係のない、つまらぬ嫌がらせを「S区O役所」などへ、
私個人の「糖尿病教室」参加拒否・要請などはするのですが、
時代進化解明事実を無視して、自身たちの知識向上の為に
「反省・学習」を何故しないのか不思議です!!
江部先生には、感謝尽きません!!
ありがとうございます。
敬具
2018/09/20(Thu) 21:23 | URL | 都内河北 鈴木 | 【編集】
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