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医療崩壊3
こんばんは。

さきほどテニスから帰ってきました。今日はテニス、比較的好調でしたよ。DVDを借りたのであとで錦織選手がナダルから1セットとった試合を、赤ワインを飲みながら見ようと思います。 (^_^)

しかし、ささやかな喜びにひたる間もなく、本日もシンプルでシビアなお話です。

これまで、「医療崩壊」シリーズでも書いてきましたが、日本の医療費は、国際的に見ると大変少ないのです。この客観的事実を、是非ブログ読者の皆さんに知って欲しいと思います。

OECDが発表している「Health Data 2008」に、2006年度のデータで、OECD加盟国の総医療費の対GDPに対する割合が報告されています。

それによると、日本は8.2%です。これは米国の約半分にすぎません(米国は15.3%)

米国、フランス、ドイツ、カナダ、イタリア、イギリス、日本の先進7カ国の総医療費の対GDPに対する割合の平均は10.4%です。それで日本は、イギリスにも抜かれてとうとう最下位となりました。(;ー;)

米国    15.3% 
フランス  11.1%
ドイツ   10.6%
カナダ   10.0%
イタリア 9.0%
イギリス 8.4%

ごく普通に考えて、日本国民が他の先進国並の水準の医療を享受するためには、平均値の10.4%の医療費が必要です。それが8.4%では医療崩壊しないほうがおかしいですね。(+_+)

10.4%ということは、現在31.5兆の医療費が39兆になるということで、7.5兆の上積みが必要です。

本来必要な7.5兆分削減されていることにより、医師数の不足などを中心に医療現場の疲弊が進み医療崩壊につながっています。(;△;)

次に、日本の医療費のうちわけをみると、現在、国の負担は25%、国民の負担は45%、会社などの事業主が22%、地方自治体の負担が8%となっています。

政府が支出しているのは、医療費の25%、8兆円足らずでしかないのです。しかも、1980年当時と比べると、国の医療費負担は5%も減っているのです。

また、事業主負担も2%減っています。一方国民の直接負担は5%増え、地方自治体の負担は3%増えています。

つまり、いつのまにか国と企業の負担が減って、国民と地方自治体の負担が増えたわけです。(*`Д´)ノ!!!
 
ちなみに米国の医療制度は問題が多いのですが、それでも、医療や福祉に国家予算の半分以上を支出しています。

それに比べると、日本では社会福祉が、大変に軽視されているのがわかります。実際、日本政府が医療に支出している予算は米国の 1/10に過ぎません。(T◇T)o

早急に医療費削減政策を撤回し、予算を増やし、先進7カ国平均値の10.4%、39兆までもっていくことが必要です。

以下、前回の「医療崩壊」を再掲します。

医療崩壊その二
2008年05月26日 (月) | 編集 |
こんばんは。

過去最大の37拍手が、2008年4月22日「医療崩壊」のブログ記事にありました。ありがとうございます。

読者の皆さん、医療問題にきっちり関心を持っていただいているのだと大変嬉しく、そして、心強く思いました。

もう一度、強調したいです。既に日本の医療は崩壊しています。もう間に合ってないけど、それだけに今すぐに対処しなくてはなりません。

優先順位の一番は、間違いなく医療・年金・福祉です。それに比べれば、高速道路建設など10年間凍結でいいではないですか。道路財源を一般財源化して、医療費に回すのが急務です。

全ての国民・政党が、「医師を増やし看護師を増やし、医療費は増やさなくてはならない」という共通認識を持つ必要があります。

日本の医療費は、GDP比でOECD加盟国中最低レベルです。医師も看護師も欧米に比べたら全く足りていません。

ちなみに医師数は、OECD平均の人口1000人あたり3.1人になるためには十数万人も不足しているという恐るべき状況なのです。

もっと簡単にいえば、医療費が年間約31兆、パチンコ代も約30兆でほぼ一緒です。日本人の健康はパチンコ代と一緒程度のお金で守られているのが現状なのです。これはブラック・ジョークではありません。日本の医療の置かれている現実の、極めて厳しい由々しき問題なのです。

1983年に、当時の厚生省保険局長が「医療費亡国論」を唱えて以後、日本では、一貫して国を挙げて、医療費削減政策が実施されてきたのです。

この間老人は増え続け、医療技術革新は進み、医療器機も新しくなり、診断技術も検査の方法も治療方法も日々高度となり、医療費は増えて当たり前なのです。

「医療費亡国論」と「医療費削減政策」は、高齢化社会への対策として、25年間犯し続けた構造的な根源的な国の過ちだったのです。

今後は、「医療費は増やさなくてはならない」という共通認識のもと、人口の高齢化の中で医療・福祉に大きな投資を行って医療崩壊をくい止め、さらに経済の活性化に結びつければ、一石二鳥です。

現実にEU諸国では、医療への投資を積極的に行い、15ヶ国の医療制度の経済効果はGDPの約7%に達していて1位で、2位の金融の約5%を上回っています。

このように、日本とは逆に、医療に積極的に投資して経済の活性化に成功しているのがEU諸国です。国の事情がいろいろ異なるとはいえ、日本がEU諸国からから見習うことはたくさんありそうです。


医療崩壊
2008年04月22日 (火) | 編集 |
おはようございます、江部康二です。

産科や小児科の崩壊、救急医療の崩壊など、ここ1年マスコミが多くの記事に取りあげてきたので、国民的にもかなり周知されてきていると思います。

さらには外科医のなり手も急速に減少しています。将来のサービス残業勤務や医療事故・裁判の確率が高い科が研修医から忌避されているのです。

政府の医療費削減政策のもと、現行の日本の医療は、1974年に私が医師になってから最も厳しい状況に追いつめられています。

米国で働いている日本人外科医の談話では、「勤務時間は日本の1/2~2/3、給与は2~3倍」だそうです。

今朝の毎日新聞2面、医療クライシスという記事に、低医療費政策転換を、という記事が載っていました。以下はその抜粋です。

「日本の医療費は国内総生産(GDP)比でみると、先進7ヶ国中で最も少ない。」

「経済協力開発機構(OECD)が各国の状況を分析し、04年にまとめた医療制度のありかたに関する報告書に『医療部門での賃金と価格を人為的に低く保つシステムは、最終的には問題に直面する可能性が高い。医療の人材確保や離職防止が困難になり、サービスや革新的な医薬品の供給が不足する』という一節があるがまさに日本の現状そのものである。」

「国際的に突出した低医療費政策を転換する以外に『医療クライシス』の抜本的な解決策は見あたらない。」

私もこの毎日新聞の記事に全面的に賛成です。

日本は、人口1000人あたりの医師数が2人と先進国中最低レベル(OECD平均が3.1人)の医師不足状態です。

医師の絶対数が不足していることはやっと政府も認め、医師を増やす方向を少し打ち出していますが、一方で医療費削減政策は続いています。

医師数を増やして医療費を減らすというのはとんでもないことで、今でも厳しい医療界の労働環境はますます悪化します。

新たな高速道路をつくるためのお金があったら、優先順位の一番に国民の健康を守るための医療費を増やすためにまわし、医療崩壊をなんとかしなくてはならないのです。

また今医学部の定員を増やしても、医師としてものの役に立つには、8年~10年はかかります。即ち医療崩壊をくい止めるには、すでに間に合わない危機的段階にまできているのです。

英国のサッチャー政権が、今の日本と同様の医療費削減政策をとり、確かに経済はたちなおりましたが、医療は崩壊しました。英国人医師の多くが、米国やフランスに流出して、医療崩壊に拍車をかけました。

ブレア政権になって3年間で、医療費を1.5倍にまで増やしましたが、未だに英国の医療崩壊は改善されていません。

英国という反面教師があるのに、日本はここまで全く同じ過ちを犯してきました。このままでは、英国以上の医療崩壊が待っています。

まさに日本の医療崩壊、。「どげんかせんといかん」のです。

東国原知事には申し訳ないのですが、優先順位は、はっきりしています。道路財源を一般財源化して医療費に回せばいいのです。

江部康二

テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
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