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β細胞の疲弊・破壊とインスリン分泌能
おはようございます。

共同通信によれば、英情報誌「MONOCLE(モノクル)」は「世界で最も暮らしやすい都市」として上位25都市を発表、日本からは、東京が3位、福岡が17位、京都が20位に入ったそうです。ちなみに1位はコペンハーゲン(デンマーク)、2位はミュンヘン(ドイツ)です。

20位で東京より下位ですが、京都はとにかく緑の多い都市です。講演で日本各地の都市に行きましたが、そのどこよりも京都は、街中に木々が溢れています。魔界都市京都などという説もありますが(-д-;)

私にとっては、緑に囲まれた癒し系の都市ですね。(^-^)w

さて今回はすかんぴんさんからコメント・質問をいただきました。

『すかんぴん
こんにちは。
 先日来こちらをのぞかせていただき、早速先生の本を取り寄せて「糖質制限食」を導入しはじめました。まだ始めて一週間、多少、穀物を食べてしまうこともありますが、基本的に朝晩は穀物を食べない生活にきり変えてしまいました。
 さて、β細胞の疲労・破壊の話が出ていますが、私も数年来高血糖が指摘されていましたが、特になにもしなくても空腹血糖値が平常値にまで下がっていた時期があるなど、医者からも「まだ大丈夫」といわれていたのですが、この4月に入院、インスリン注射が必要な状態になってしまいました。インスリン自体は入院後10日程度で必要がなくなる程度までになり、5月に退院、現在はベイスンとスターシスを併用しております。先週の検査では空腹時血糖が86、HbA1cが6.5となり、かなり数値的には落ち着いてきました。
 β細胞の疲弊・破壊については入院中から気になっていたのですが、指標といいますか、今後の検査の際にどういった点に注意しておけばいいのでしょうか?
2008年06月17日 09:55』


すかんぴんさん。
コメント・本のご購入ありがとうございます。

最近は、「糖尿病発症早期に入院してインスリンを食前3回注射して、疲弊している膵臓のβ細胞を休養させて回復をはかる」といった方針をとる医療機関が徐々に増えています。これはなかなか理にかなった考えといえます。

すかんぴんさんも、β細胞が休養できて回復してインスリンから離脱できたのですね。良かったです。 (^_^)

私の立場から言わせてもらうなら、スーパー糖質制限食を実践すれば、β細胞は24時間休養できるので、インスリンを打たなくても、同様あるいはそれ以上の回復が期待できますよ。 ヾ(^▽^)

6月の検査で空腹時血糖が86mg/dl、HbA1cが6.5%ですから、ほぼコントロール良好ですね。

空腹時血糖値が86mgなので、インスリン基礎分泌* は確保されています。スーパー糖質制限食なら、ベイスンもスターシスも休薬できると思います。スタンダード糖質制限食なら、お昼前だけベイスンとスターシス内服で、OKですね。

すかんぴんさん。今後も糖質制限食を続けていけばHbA1cも5.8%以下の正常になると思います。

ということで、β細胞の疲弊・破壊に関しては、早朝空腹時血糖値が正常なので、あまり心配いらないと思います。
 
基礎分泌は保たれていますが、追加分泌が気になれば、75g経口ブドウ糖負荷試験をして、早朝空腹時血糖値とブドウ糖負荷後30分のデータを検査すれば、インスリン追加分泌のうち初期分泌能がわかります。


                  △血中インスリン値(30分値-0分値)(μU/ml)
インスリン分泌指数=───────────────────────────
                     △血糖値(30分値-0分値)(mg/dl)

糖尿人においては、この数値が0.4未満となります。数値が低いほど初期分泌能が低下していることとなります。境界型でも、0.4未満の人は糖尿病への進展率が高いのです。

早朝空腹時の血中のインスリン値あるいはCペプチド値は基礎分泌を示しています。
あと、一日尿をためて、尿中のCペプチドを測定したら、24時間の内因性のインスリン分泌量がわかります。


正常の人は、血糖値が上昇し始めたら即インスリンが追加分泌されます。これは第一相反応と呼ばれ、もともとプールされていたインスリンが5~10分間分泌されて、糖質摂取時の急激な食後高血糖を防いでいます。

その後、膵臓ベータ細胞は、第二相反応と呼ばれるやや少なめの持続するインスリン分泌を行います。これは、食事における糖質の残りをカバーしています。即ち、糖質を摂取している間は、第二相のインスリン分泌が持続します。

2型糖尿病患者は、通常、第一相反応が低下或いはなくなっていることが多いようです。従って、糖質摂取時に血糖値の急激な上昇(グルコーススパイク)が起きてしまいます。

また、第二相も低下してますので、糖質を摂取する限り、一旦上昇した血糖値はなかなか下がってきません。

糖質制限食ならば、追加インスリンの出番がほとんどないので、2型糖尿病患者でも食後高血糖を起こさずにすむわけです。

すかんぴんさんは基礎分泌は一定保たれているので、2型糖尿病特有の追加分泌の低下・遅延があっても、糖質制限食を実践している限りは血糖コントロールは良好に保たれ、糖尿病の進行やβ細胞のダメージもないと思いますよ。vo(^-^)oo


インスリンには、24時間ずっとベースに少量分泌されている基礎分泌のインスリンと、食後に血糖値が上昇した時に出る追加分泌のインスリンがあります。追加分泌のインスリンには、即分泌される第1相と少し遅れて出る第2相があります。


江部康二

テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
大豆で元気
先生こんにちは。
糖質制限始めたばかりです。(^-^)魚、大豆、野菜中心の食事をこころがけ、体脂肪31%から24%まで落とすことができました。体重はマイナス2.5kg程度ですが、以前より体調がいいです。糖質制限っていいですね~!
今日はお休みだったので大豆de元気でパン?スコーン?のようなものを作ってみました。超簡単です。フライパンで焼けます。

(直径5センチ2個分)
大豆de元気 50g
ベーキングパウダー小さじ1
ラカントS顆粒 大さじ1

をまぜておく。

別の器に卵に塩少々を入れ溶き卵をつくり、水25ccを加えまぜておく。

全部まぜる。 お味噌のような状態になる。

それを二等分しスプーンですくって、テフロン加工のフライパンでとろ火で片面7分ぐらいずつふたをして蒸し焼きにする。(焼く時に大さじ1ぐらいの水を入れるといいです。)

そのまま焼きあがったあつあつを5ミリ幅にスライスしてマーガリンをつけて食べてもいいんですが、5ミリ幅にスライスしてトマトときゅうりのスライスとマヨネーズ少々をのせて食べると大豆粉のポソポソ感が和らいでおいしいランチになりました。

いつも2個いっぺんに食べきれないので、
熱いうちにスライスしてすぐラップをしておくとしっとり感が保て
さめてもおいしいです。

あと大豆de元気でパンケーキもよくつくります。ラカントSシロップで食べてます。(^ー^)b






2008/06/25(Wed) 16:04 | URL | えのもと | 【編集
makiさん。

良かったですね。
この調子で美味しく楽しく薬無しで
糖質制限食を続けてくださいね。
2008/06/25(Wed) 21:38 | URL | 江部康二 | 【編集
A・T さん。

糖質制限食は1型糖尿病にも有効です。
自ら1型糖尿病のバーンスタイン医師の著書
「バーンスタイン医師の糖尿病の解決」太田喜義訳
メディカルトリビューン
もとても参考になりますよ。

2007年06月18日 (月)の本ブログ、
Q&A 大豆と糖質そして1型糖尿病
もご参照ください。
2008/06/25(Wed) 21:55 | URL | 江部康二 | 【編集
 江部先生、コメント、ありがとうございました。

 色々とまだ試行錯誤の最中でうまくいっているのやらどうやら見当がつかない状態です。
 定期的な血糖値測定と食事に気をつけていきたいと思います。
2008/06/27(Fri) 00:39 | URL | すかんぴん | 【編集
鉄剤
はじめまして。
最近、食後高血糖が気になり始めました。
3年ほど前に、鉄剤200ミリグラムの錠剤を6ヶ月ほど毎日服用していたのですが、そのためにβ細胞が疲弊したということは、あるのでしょうか。
インターネットで色々調べていたら、怖くなったので、質問させていただきました。
よろしくお願いいたします。
2015/09/16(Wed) 17:25 | URL | 洋子 | 【編集
Re: 鉄剤
洋子さん

鉄の注射とか、長期間の輸血とかで、内臓に鉄が沈着することがあります。
膵β細胞へ鉄が沈着すると、糖尿病を発症することがあります。

鉄の内服剤では、そのようなことはありません。
2015/09/17(Thu) 08:15 | URL | ドクター江部 | 【編集
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