2018年06月25日 (月)
こんにちは。
今回の記事は、
2002年(52歳)糖尿病発覚以来
スーパー糖質制限食を16年間実践中の、
江部康二の2018年6月の検査データの報告と解説です。
2002年6月に糖尿病確定診断で、HbA1cは6.7%でした。
このとき、体重は67kg、身長は167cm。
内臓脂肪CTは126cm2 (100未満正常)。
血圧は140-150/90前後 → 外来終了時は180/100。
スーパー糖質制限食を実践して、1ヶ月後にはHbA1cは基準値内になり、
半年後には体重は10kg減少して57kgとなり、
血圧も正常化しました。
そのまま2018年まで、血圧と体重は維持です。
内臓脂肪CTは、2004年10月には、71 cm2となっています。
<江部康二の2018年6月(68歳)の検査データ>
HbA1c:5.8%(4.6~6.2)
GA(グリコアルブミン):14.3%(11.6~16.0)
空腹時血糖値:106mg(60~109)
空腹時インスリン:1.7μU/ml(3~15)
TSH:0.81(0.34~3.88)
F-T4:1.2(0.8~1.8)
F-T3:2.5(2.1~4.0)
中性脂肪:49mg(50~149)
総コレステロール:248mg(150~219)
HDL-コレステロール:94mg(40~85)
LDL-コレステロール:135mg(140mg未満)
尿酸:3.2mg(3.4~7.0)
BUN:20.1mg(8~20)
クレアチニン:0.70mg(0.6~1.1)→ eGFR:85.38ml/min./1.73m2
血清シスタチンC:0.66mg(0.61~1.00) → eGFR:112.94ml/min./1.73m2
GOT17(5~39)
γGTP:41(84以下)
総タンパク:6.8g(6.5~8.3)
アルブミン:4.5g(3.8~5.3)
血色素量:15.5(13~17)
白血球数:5700(3900~9800)
赤血球数:487(400~560)
総ケトン体:704μM/L(26~122μM/L) 糖質制限食中は生理的で正常値
アセト酢酸:129M/L(13~69)
3ヒドロキシ酪酸:575μM/L(76以下)
尿中アセトン体:陰性
尿アルブミン定量精密・クレアチニン補正値:5.5(30以下)
68歳現在
歯は全部残っていて虫歯はありません。
聴力低下もありません。
目は裸眼で広辞苑が読めます。
夜間の尿もゼロです。
身長も縮んでいません。
皮膚のAGEs検査は、52歳レベルです。
病気なしで定期的内服薬はゼロです。
HbA1cは正常範囲内ですがやや高めのほうです。
空腹時血糖値が、正常範囲内でやや高め(正常高値)であることを反映しています。
まあ、糖尿病歴、16年ですから仕方ありませんね。
GAは正常範囲内で、上限には大分余裕があります。
これは、スーパー糖質制限食により食後高血糖がほとんどないためと思われます。
即ち「糖化」は正常人並みあるいはそれ以上に予防できていると考えられます。
甲状腺機能は、16年間常に、正常です。
総コレステロール値は、心血管疾患との関連性は無く、
脂質異常症の2007年以降のガイドラインから外れているので特に問題はありません。
HDL-コレステロールはやや多めで、LDL-コレステロールは基準値内です。
中性脂肪値が低く、HDL-Cが多いので、
小粒子LDL-Cはほとんどない良好なパターンです。
中性脂肪値49mg/dlなら、論文的には小粒子LDL-Cは皆無です。
スーパー糖質制限食なので、高タンパク・高脂質食なのですが、
尿酸は基準値よりやや低いですね。
尿酸は抗酸化物質でもあるのですが、
スーパー糖質制限食実践で、私の身体には酸化ストレスが極めて少ないので
尿酸も少ないのだと思われます。
尿酸も食べ物由来は2割程度であとは個人の体質ですのでこんなものでしょう。
高タンパク食ですが、BUNもクレアチニンもシスタチンCも正常です。
焼酎などよく飲む割には肝機能も全く正常です。 (^_^)
インスリンは、基礎分泌がやや少なめですが、
空腹時血糖値が基準値なので問題ないです。
少ないインスリン分泌量で、血糖値は正常なので好ましいパターンと言えます。
血中βヒドロキシ酪酸:575μM/L(76以下)と、
一般的基準値に比べればかなり高値ですが、
尿中のアセトン体(ケトン体の一種)は陰性です。
これは、スーパー糖質制限食実践で、心筋・骨格筋などの体細胞が、
日常的に効率良くケトン体をエネルギー源として利用するようになったため、
尿中に排泄されないのだと考えられます。
即ち、私の血中ケトン体値は、あくまで生理的範囲のもので、
インスリン作用は一定確保されていて、血糖値も106mgと正常です。
見方を変えれば、農耕以前の人類皆糖質制限食だった頃は、
私のような血中ケトン体値のデータが当たり前で、
人類の標準だったと考えられます。
スーパー糖質制限食実践中の人の血中βヒドロキシ酪酸の標準値は、
200~800~1200μM/Lくらいと考えられますが、
3ヶ月くらい経過すると、上述のように尿中ケトン体は陰性になります。
ケトン食レベルの人達の、血中βヒドロキシ酪酸は、
3000~5000μM/Lレベルですが、尿中ケトン体は、常に陽性です。
なお、糖質制限食開始直後は、血中ケトン体の上昇に伴い、
尿中のケトン体も陽性となります。
徐々にケトン体の利用効率が良くなるに従い、
尿中ケトン体は減っていき、やがて陰性となります。
江部康二
今回の記事は、
2002年(52歳)糖尿病発覚以来
スーパー糖質制限食を16年間実践中の、
江部康二の2018年6月の検査データの報告と解説です。
2002年6月に糖尿病確定診断で、HbA1cは6.7%でした。
このとき、体重は67kg、身長は167cm。
内臓脂肪CTは126cm2 (100未満正常)。
血圧は140-150/90前後 → 外来終了時は180/100。
スーパー糖質制限食を実践して、1ヶ月後にはHbA1cは基準値内になり、
半年後には体重は10kg減少して57kgとなり、
血圧も正常化しました。
そのまま2018年まで、血圧と体重は維持です。
内臓脂肪CTは、2004年10月には、71 cm2となっています。
<江部康二の2018年6月(68歳)の検査データ>
HbA1c:5.8%(4.6~6.2)
GA(グリコアルブミン):14.3%(11.6~16.0)
空腹時血糖値:106mg(60~109)
空腹時インスリン:1.7μU/ml(3~15)
TSH:0.81(0.34~3.88)
F-T4:1.2(0.8~1.8)
F-T3:2.5(2.1~4.0)
中性脂肪:49mg(50~149)
総コレステロール:248mg(150~219)
HDL-コレステロール:94mg(40~85)
LDL-コレステロール:135mg(140mg未満)
尿酸:3.2mg(3.4~7.0)
BUN:20.1mg(8~20)
クレアチニン:0.70mg(0.6~1.1)→ eGFR:85.38ml/min./1.73m2
血清シスタチンC:0.66mg(0.61~1.00) → eGFR:112.94ml/min./1.73m2
GOT17(5~39)
γGTP:41(84以下)
総タンパク:6.8g(6.5~8.3)
アルブミン:4.5g(3.8~5.3)
血色素量:15.5(13~17)
白血球数:5700(3900~9800)
赤血球数:487(400~560)
総ケトン体:704μM/L(26~122μM/L) 糖質制限食中は生理的で正常値
アセト酢酸:129M/L(13~69)
3ヒドロキシ酪酸:575μM/L(76以下)
尿中アセトン体:陰性
尿アルブミン定量精密・クレアチニン補正値:5.5(30以下)
68歳現在
歯は全部残っていて虫歯はありません。
聴力低下もありません。
目は裸眼で広辞苑が読めます。
夜間の尿もゼロです。
身長も縮んでいません。
皮膚のAGEs検査は、52歳レベルです。
病気なしで定期的内服薬はゼロです。
HbA1cは正常範囲内ですがやや高めのほうです。
空腹時血糖値が、正常範囲内でやや高め(正常高値)であることを反映しています。
まあ、糖尿病歴、16年ですから仕方ありませんね。
GAは正常範囲内で、上限には大分余裕があります。
これは、スーパー糖質制限食により食後高血糖がほとんどないためと思われます。
即ち「糖化」は正常人並みあるいはそれ以上に予防できていると考えられます。
甲状腺機能は、16年間常に、正常です。
総コレステロール値は、心血管疾患との関連性は無く、
脂質異常症の2007年以降のガイドラインから外れているので特に問題はありません。
HDL-コレステロールはやや多めで、LDL-コレステロールは基準値内です。
中性脂肪値が低く、HDL-Cが多いので、
小粒子LDL-Cはほとんどない良好なパターンです。
中性脂肪値49mg/dlなら、論文的には小粒子LDL-Cは皆無です。
スーパー糖質制限食なので、高タンパク・高脂質食なのですが、
尿酸は基準値よりやや低いですね。
尿酸は抗酸化物質でもあるのですが、
スーパー糖質制限食実践で、私の身体には酸化ストレスが極めて少ないので
尿酸も少ないのだと思われます。
尿酸も食べ物由来は2割程度であとは個人の体質ですのでこんなものでしょう。
高タンパク食ですが、BUNもクレアチニンもシスタチンCも正常です。
焼酎などよく飲む割には肝機能も全く正常です。 (^_^)
インスリンは、基礎分泌がやや少なめですが、
空腹時血糖値が基準値なので問題ないです。
少ないインスリン分泌量で、血糖値は正常なので好ましいパターンと言えます。
血中βヒドロキシ酪酸:575μM/L(76以下)と、
一般的基準値に比べればかなり高値ですが、
尿中のアセトン体(ケトン体の一種)は陰性です。
これは、スーパー糖質制限食実践で、心筋・骨格筋などの体細胞が、
日常的に効率良くケトン体をエネルギー源として利用するようになったため、
尿中に排泄されないのだと考えられます。
即ち、私の血中ケトン体値は、あくまで生理的範囲のもので、
インスリン作用は一定確保されていて、血糖値も106mgと正常です。
見方を変えれば、農耕以前の人類皆糖質制限食だった頃は、
私のような血中ケトン体値のデータが当たり前で、
人類の標準だったと考えられます。
スーパー糖質制限食実践中の人の血中βヒドロキシ酪酸の標準値は、
200~800~1200μM/Lくらいと考えられますが、
3ヶ月くらい経過すると、上述のように尿中ケトン体は陰性になります。
ケトン食レベルの人達の、血中βヒドロキシ酪酸は、
3000~5000μM/Lレベルですが、尿中ケトン体は、常に陽性です。
なお、糖質制限食開始直後は、血中ケトン体の上昇に伴い、
尿中のケトン体も陽性となります。
徐々にケトン体の利用効率が良くなるに従い、
尿中ケトン体は減っていき、やがて陰性となります。
江部康二
私は全ての数値が正常値のいたって健康人ですが、先生の書籍やブログを読み講座にも1度参加し、糖質制限を1年半続けております。
BMIはもともと20程で変化はありませんが、体脂肪率が30から21になり、内臓脂肪レベル4から2になり、体型が良くなりました。
最近Voicyの森拓郎の聴くだけでやせるラジオで気になる発言を耳にしましたので、ぜひ聴いてみて下さい。
気になったのは以下の質問への回答です。
6月20日の過度の糖質制限でインスリン抵抗性はひどくなりますか。
6月25日のテレビで太る原因は糖質と言っていて森さんの意見を聴きたい。
Voicyとは、無料スマホアプリを入れて、無料視聴できる声で配信するものです。
過去放送のところで、過去の質問も全ての聴く事ができます。
BMIはもともと20程で変化はありませんが、体脂肪率が30から21になり、内臓脂肪レベル4から2になり、体型が良くなりました。
最近Voicyの森拓郎の聴くだけでやせるラジオで気になる発言を耳にしましたので、ぜひ聴いてみて下さい。
気になったのは以下の質問への回答です。
6月20日の過度の糖質制限でインスリン抵抗性はひどくなりますか。
6月25日のテレビで太る原因は糖質と言っていて森さんの意見を聴きたい。
Voicyとは、無料スマホアプリを入れて、無料視聴できる声で配信するものです。
過去放送のところで、過去の質問も全ての聴く事ができます。
2018/06/26(Tue) 08:56 | URL | わんにゃお | 【編集】
わんにゃお さん
講演会へのご参加、ありがとうございます。
体脂肪率、内臓脂肪、体型改善、良かったですね。
私の携帯は、ガラケーなのです。
すいません。
講演会へのご参加、ありがとうございます。
体脂肪率、内臓脂肪、体型改善、良かったですね。
私の携帯は、ガラケーなのです。
すいません。
2018/06/26(Tue) 09:05 | URL | ドクター江部 | 【編集】
素晴らしい検査結果ですね。
私も先生を目指したいと思います。
ところで質問なんですが、私50歳男性、糖質制限を始めて約一年半。
糖尿病ではありませんでしたが
様々な体調の改善が出て来ております。
ところで、先日スーパーで血管年齢検査器というものを発見しまして、ためしにやってみました。結果は50歳にして
41歳並みで5段階評価の最高レベルでした!
ですが、私は過去確か5〜6年前に尿管結石になった際に撮ったCT画像で
医師から動脈硬化が進んでますねぇ
と言われました。
そこで質問ですが、一度進んだ動脈硬化が糖質制限で回復するのでしょうか?
スーパーの検査器は左手の指先をプロープに当てて1分間程で出る簡易なものですが。
私も先生を目指したいと思います。
ところで質問なんですが、私50歳男性、糖質制限を始めて約一年半。
糖尿病ではありませんでしたが
様々な体調の改善が出て来ております。
ところで、先日スーパーで血管年齢検査器というものを発見しまして、ためしにやってみました。結果は50歳にして
41歳並みで5段階評価の最高レベルでした!
ですが、私は過去確か5〜6年前に尿管結石になった際に撮ったCT画像で
医師から動脈硬化が進んでますねぇ
と言われました。
そこで質問ですが、一度進んだ動脈硬化が糖質制限で回復するのでしょうか?
スーパーの検査器は左手の指先をプロープに当てて1分間程で出る簡易なものですが。
2018/06/26(Tue) 16:54 | URL | はな | 【編集】
はな さん
腹部の動脈に、CTで動脈硬化が認められたなら、それは変化はないと思います。
すなわち大血管の動脈硬化は元には戻らないと思います。
今回のスーパーの血管年齢検査器は、手の指の検査でしょうか?
手指検査なら、毛細血管レベルを見ていると思われ、
それなら、糖質制限食で改善する可能性があります。
腹部の動脈に、CTで動脈硬化が認められたなら、それは変化はないと思います。
すなわち大血管の動脈硬化は元には戻らないと思います。
今回のスーパーの血管年齢検査器は、手の指の検査でしょうか?
手指検査なら、毛細血管レベルを見ていると思われ、
それなら、糖質制限食で改善する可能性があります。
2018/06/27(Wed) 07:45 | URL | ドクター江部 | 【編集】
早速の回答ありがとうございます。
スーパーの検査器は左手の人差し指で検査しました。
動脈硬化は負荷のかかる大血管から硬化が進むということでしょうか。
一番気がかりなのは冠動脈や脳血管ですが…。
スーパーの検査器は左手の人差し指で検査しました。
動脈硬化は負荷のかかる大血管から硬化が進むということでしょうか。
一番気がかりなのは冠動脈や脳血管ですが…。
2018/06/27(Wed) 13:32 | URL | はな | 【編集】
はな さん
①糖尿病の三大合併症は、「網膜症」「神経障害」「腎症」です。
これらは、細小血管の病変ですので、比較したら大血管合併症より、こちらのほうが早いと思います。
②大血管の動脈硬化が発症すると、ほぼ改善は望めません。
③血管年齢測定器は、手指の毛細血管の血流を見ていると思います。程度にもよりますが、
スーパー糖質制限食であるていど改善の可能性があります。
①糖尿病の三大合併症は、「網膜症」「神経障害」「腎症」です。
これらは、細小血管の病変ですので、比較したら大血管合併症より、こちらのほうが早いと思います。
②大血管の動脈硬化が発症すると、ほぼ改善は望めません。
③血管年齢測定器は、手指の毛細血管の血流を見ていると思います。程度にもよりますが、
スーパー糖質制限食であるていど改善の可能性があります。
2018/06/27(Wed) 21:22 | URL | ドクター江部 | 【編集】
ありがとうございます。
私の場合40数年間の間、大血管、毛細血管ともに病変が進んでいたが、糖質制限を始め、何とか毛細血管だけが回復できた!という状況でしょうか。1回200円の簡易検査器ですが、それにしても5段階評価の1番とは嬉しい結果でした。
糖質制限のおかげです。江部先生ありがとうございます。
私の場合40数年間の間、大血管、毛細血管ともに病変が進んでいたが、糖質制限を始め、何とか毛細血管だけが回復できた!という状況でしょうか。1回200円の簡易検査器ですが、それにしても5段階評価の1番とは嬉しい結果でした。
糖質制限のおかげです。江部先生ありがとうございます。
2018/06/27(Wed) 23:16 | URL | はな | 【編集】
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