FC2ブログ
「マウスと糖質制限食とケトン食」に関する考察。
【18/05/06 k.n
げっ歯類の主食と人類の主食の相違

げっ歯類の主食は穀物などの糖質だから老化が促進されると以前ブログで読みました。
ケトン食は糖質制限食を上回る糖質制限なので、
更に寿命を縮めることになるのではないでしょうか? 】


こんばんは。
「マウスと糖質制限食」に関して
以前私自身が
『マウスの主食は本来穀物であるので、糖質制限食は代謝に合わないので老化も進む』
という内容の記事を書いていたとのご指摘をk.n さんから頂きました。
ありがとうございます。

記事を書いた時は、本来の主食と異なる餌を、マウスに与えれば、
代謝に不利と考えていましたので、ご指摘通りの内容の記事を書きました。

一方、今回の
ケトン食でマウスの「死亡率減少、記憶力向上、健康寿命延長」というのは
信頼度の高い論文(セル・メタボリズム)の結論です。

論文には、BHB(βヒドロキシ酪酸)はシグナル作用を有し、
脳内の分子レベルの経路を調整して、炎症やフリーラジカルによる損傷を抑制することが記載してあります。
これにより、BHBに抗老化作用があることも示唆されていて、
ケトン食でマウスの「死亡率減少、記憶力向上、健康寿命延長」という
本論文の結論も説明できます。

BHB(βヒドロキシ酪酸)はケトン基を持っていないので、厳密にはケトン体ではないのですが、
一般にケトン体として扱われています。

このように考察してくると
血中ケトン体高値そのものが、一定の代謝の不利を乗り越えて
「死亡率減少、記憶力向上、健康寿命延長」をもたらしたと考えられます。
スーパー糖質制限食でもケトン体高値となりますが、
ケトン食だと非常に高値となります。


なお、以前ブログ記事にもしましたが、
「βヒドロキシ酪酸は内在性のヒストン脱アセチル化酵素の阻害剤として酸化ストレスの抑制に寄与する」
という大変興味深いScience の論文がありました。(☆)
サイエンスですから、インパクトファクター30前後と高いです。

興味がある人は、著者による日本語訳
http://first.lifesciencedb.jp/archives/6286
を見ていただけばいいですが、難しいです。

専門的過ぎて、私にもよくわからない部分が多いです。

ともあれ、マウスの実験ではありますが、
「ケトン体が酸化ストレスの抑制に寄与する」という糖質セイゲニストにとって、
大変ありがたい結論であることは確認できました。

酸化ストレスは、動脈硬化や老化やがん、パーキンソン病やアルツハイマー病や認知症にも深く関わっています。

酸化ストレスが抑制できればこれらの病気のリスクが減ることにつながります。

βヒドロキシ酪酸(ケトン体の一種)なかなかの優れものですね。

(☆)
Suppression of oxidative stress by β-hydroxybutyrate, an endogenous histone deacetylase inhibitor.
Tadahiro Shimazu, Matthew D. Hirschey, John Newman, Wenjuan He, Kotaro Shirakawa, Natacha Le Moan, Carrie A. Grueter, Hyungwook Lim, Laura R. Saunders, Robert D. Stevens, Christopher B. Newgard, Robert V. Farese Jr., Rafael de Cabo, Scott Ulrich, Katerina Akassoglou, Eric Verdin
Science, 339, 211-214 (2013)



江部康二
コメント
記事には直接関係ないコメントで恐縮ですが、インターネットサイトを見ていたら、糖尿病患者のオンライン調査で、非常に厳しい糖質制限ダイエットが1型糖尿病患者に効果的で、低血糖などの障害もないという結果が得られたとのことです。
このサイトを読者にとっては何を今さらという感じもしますが、エビデンスが積み重なっているのは頼もしく思います。

https://medicalxpress.com/news/2018-05-very-low-carb-diet-diabetes.html

https://www.nytimes.com/2018/05/07/well/live/low-carb-diet-type-1-diabetes.html
2018/05/07(Mon) 18:38 | URL | たにぐち | 【編集
Re: タイトルなし
たにぐち さん

興味深い情報をありがとうございます。
嬉しい報告です。

一つはボストン子供病院の報告ですね。

もう一つも子供の1型糖尿病ですか。
リテャード・バーンスタイン先生も登場してます。
2018/05/07(Mon) 18:59 | URL | ドクター江部 | 【編集
糖質制限食とケトン食がマウスの寿命を運命づける
マウスは糖質制限食で老化促進しましたが、更に上位のケトン食では寿命延長という正反対の結果がでました。その理由が一定の代謝不利を乗り越えた結果、BHBが抗老化作用をした。

糖質制限食でもケトン体は高値のはずなのに老化促進し、ケトン食では寿命延長。この一定の代謝不利を乗り越えるという部分にカギがあり、もっと詳細に現象の説明する余地があると思います。
2018/05/07(Mon) 22:30 | URL | k.n | 【編集
Re: 糖質制限食とケトン食がマウスの寿命を運命づける
k.n さん

ブログ記事で、何度も述べていますが、

東北大学大学院・農学研究科、都筑毅准教授のグループ のマウスの実験研究は、
まだ論文化もされておらず、エビデンスレベルはゼロです。

今回の「セル・メタボリズム」の論文と同列に論じることはできません。
2018/05/07(Mon) 23:03 | URL | ドクター江部 | 【編集
江部先生の記事へのコメント
https://newspicks.com/news/2533074?ref=search&ref_q=%E7%B3%96%E8%B3%AA&ref_t=top

https://toyokeizai.net/articles/-/190605

色々なコメントがあって、色々考えてしまいます。
合理的な判断をする力が必要ですね。
2018/05/08(Tue) 11:38 | URL | yanosono | 【編集
Re: 江部先生の記事へのコメント
yanosono さん


情報をありがとうございます。
どちらも、私の記事ですね。
2018/05/08(Tue) 16:30 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re,江部先生の記事へのコメント
都内河北 鈴木です。

この記事のコメントを読みましたが、出だしから批判記事ですね。

では「私の確証有る「生還、覚醒」事実!!」
をどのように考えるのかです。

私は改善の為に医療施設へ21年通院して、
自力で「糖質制限理論」で3か月足らずで改善すると
「嫌がらせ三昧」の事実を
「日本糖尿病学会」の組織的だと確証もあります!!

ネットコメントも、匿名で何を言っても「無駄」だと思います。

日本の名のある医療者であっても同様です!!

世界へ通用するかです!!

今月20日(日)中野ダイエットフェスへ行き、
三島学先生、宗田哲男先生に会い
「糖質制限理論」肯定支持の御苦労を伝えたいです!!

江部先生には、「生還、覚醒」出来て感謝尽きません!!

再度面会して「覚醒」の感謝を伝えたいのですが完全体ではないので、
御許しください。
ありがとうございます。
敬具
2018/05/09(Wed) 02:46 | URL | 都内河北 鈴木 | 【編集
コメントを投稿
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可