2018年04月21日 (土)
こんにちは。
糖質を食べると食後血糖値は必ず上昇します。
しかし、インスリン作用が正常なら、血糖値の上昇はコントロールされるので
食後高血糖にはなりません。
この食後高血糖という言葉は、結構よく使用します。
では、正式な「食後高血糖」の定義はご存知でしょうか?
シンプルに、食後2時間血糖値が140mg/dl以上あれば、食後高血糖です。
国際糖尿病連合によれば、
食後1~2時間の血糖値が160mg/dl未満が目標です。
食後2時間血糖値が、200mg/dlを超えたら、「糖尿病型」ですので、
具体的には「食後高血糖」とは、
食後2時間血糖値が、140~199mg/dlの間の数値をさすこととなります。
正常人では、食後血糖値が140mg/dLを超えることはほとんどありません。
そして、食後2~3時間以内に食事の前の値に戻ります。
食後1時間血糖値が180mg/dlを超えていると、食後2時間血糖値が140mg/dl未満で正常でも、
将来糖尿病になりやすいことがわかっています。
糖尿病前段階の食後高血糖が何故問題になるかというと、
心筋梗塞などの合併症リスクが結構あるからです。
日本人を対象に実施された大規模研究「舟形町コホート」でも、
食後血糖値が高めの耐糖能異常(IGT)は
心血管死および総死亡のの危険因子であることが示されました。
すなわち「食後高血糖(糖尿病予備群・IGT)」は糖尿病前段階ですが、
死亡リスクが上昇することが日本人の研究で確認されたということです。
一方、空腹時血糖値が110~125mg/dlで食後高血糖がないタイプ(IFG)は
総死亡と心血管死について、
正常型群と優位差がありませんでした。
*IFG:空腹時血糖値やや高値、110~125mg/dl
*IGT:食後高血糖、食後2時間血糖値が140~199mg/dl
このように同じ、境界型の糖尿病予備群でも
「食後高血糖(IGT)」と「空腹時血糖障害(IFG)」
では、死亡リスクが全く異なることが、舟形町研究で明らかとなりました。
げに「食後高血糖(IGT)」、恐るべしです。
なお、通常の健康診断では、糖尿病に関しては、
空腹時血糖値とHbA1cしか検査しません。
①空腹時血糖値正常、HbA1c正常、食後高血糖なし。→質のいいHbA1c
②空腹時血糖値正常、HbA1c正常、食後高血糖あり。→質の悪いHbA1c
現実には、①と②のパターンがあります。
②の質の悪いHbA1cパターンの場合は、「食後高血糖」と「空腹時低血糖」の平均値が
示されており、「平均血糖変動幅増大」もあるので合併症リスクが大きいです。
従来の糖尿病食を食べて、インスリンやSU剤で血糖を下げようとした場合、
②のパターンが多いです。
実際、糖尿病合併症(透析・切断・失明)は減少していません。
一方、①のパターンは、スーパー糖質制限食で、薬なしで、血糖コントロールを
目指した場合です。
こちらは合併症リスクがありません。
②のパターンの場合は、食後高血糖はほぼ確実に見逃すこととなりますので
合併症を防ぐことは困難です。
ご用心、ご用心。
☆☆☆参照
糖尿病ネットワーク
Funagata Study(2)
http://www.dm-net.co.jp/daikibo/2016/09/funagata_study_2.php
舟形町研究
舟形町は山形県の東北部に位置し(参考図1)、農業を主な産業としています。人口移動が少なくコホート研究を実施するのに適していました。1990年から1992年にかけて、脳血管疾患などで障害のある人たち344人を除く40歳以上の舟形町の全住民を75g経口ブドウ糖負荷試験(75g-OGTT)の対象としました。2,534名(対象者の74.5%)がOGTT検査を受け、これらの人々をコホートの対象者としました。既に糖尿病と判明していた117名はOGTTの対象とはしませんでしたが、コホートには組み入れました。
江部康二
糖質を食べると食後血糖値は必ず上昇します。
しかし、インスリン作用が正常なら、血糖値の上昇はコントロールされるので
食後高血糖にはなりません。
この食後高血糖という言葉は、結構よく使用します。
では、正式な「食後高血糖」の定義はご存知でしょうか?
シンプルに、食後2時間血糖値が140mg/dl以上あれば、食後高血糖です。
国際糖尿病連合によれば、
食後1~2時間の血糖値が160mg/dl未満が目標です。
食後2時間血糖値が、200mg/dlを超えたら、「糖尿病型」ですので、
具体的には「食後高血糖」とは、
食後2時間血糖値が、140~199mg/dlの間の数値をさすこととなります。
正常人では、食後血糖値が140mg/dLを超えることはほとんどありません。
そして、食後2~3時間以内に食事の前の値に戻ります。
食後1時間血糖値が180mg/dlを超えていると、食後2時間血糖値が140mg/dl未満で正常でも、
将来糖尿病になりやすいことがわかっています。
糖尿病前段階の食後高血糖が何故問題になるかというと、
心筋梗塞などの合併症リスクが結構あるからです。
日本人を対象に実施された大規模研究「舟形町コホート」でも、
食後血糖値が高めの耐糖能異常(IGT)は
心血管死および総死亡のの危険因子であることが示されました。
すなわち「食後高血糖(糖尿病予備群・IGT)」は糖尿病前段階ですが、
死亡リスクが上昇することが日本人の研究で確認されたということです。
一方、空腹時血糖値が110~125mg/dlで食後高血糖がないタイプ(IFG)は
総死亡と心血管死について、
正常型群と優位差がありませんでした。
*IFG:空腹時血糖値やや高値、110~125mg/dl
*IGT:食後高血糖、食後2時間血糖値が140~199mg/dl
このように同じ、境界型の糖尿病予備群でも
「食後高血糖(IGT)」と「空腹時血糖障害(IFG)」
では、死亡リスクが全く異なることが、舟形町研究で明らかとなりました。
げに「食後高血糖(IGT)」、恐るべしです。
なお、通常の健康診断では、糖尿病に関しては、
空腹時血糖値とHbA1cしか検査しません。
①空腹時血糖値正常、HbA1c正常、食後高血糖なし。→質のいいHbA1c
②空腹時血糖値正常、HbA1c正常、食後高血糖あり。→質の悪いHbA1c
現実には、①と②のパターンがあります。
②の質の悪いHbA1cパターンの場合は、「食後高血糖」と「空腹時低血糖」の平均値が
示されており、「平均血糖変動幅増大」もあるので合併症リスクが大きいです。
従来の糖尿病食を食べて、インスリンやSU剤で血糖を下げようとした場合、
②のパターンが多いです。
実際、糖尿病合併症(透析・切断・失明)は減少していません。
一方、①のパターンは、スーパー糖質制限食で、薬なしで、血糖コントロールを
目指した場合です。
こちらは合併症リスクがありません。
②のパターンの場合は、食後高血糖はほぼ確実に見逃すこととなりますので
合併症を防ぐことは困難です。
ご用心、ご用心。
☆☆☆参照
糖尿病ネットワーク
Funagata Study(2)
http://www.dm-net.co.jp/daikibo/2016/09/funagata_study_2.php
舟形町研究
舟形町は山形県の東北部に位置し(参考図1)、農業を主な産業としています。人口移動が少なくコホート研究を実施するのに適していました。1990年から1992年にかけて、脳血管疾患などで障害のある人たち344人を除く40歳以上の舟形町の全住民を75g経口ブドウ糖負荷試験(75g-OGTT)の対象としました。2,534名(対象者の74.5%)がOGTT検査を受け、これらの人々をコホートの対象者としました。既に糖尿病と判明していた117名はOGTTの対象とはしませんでしたが、コホートには組み入れました。
江部康二
初めてコメントさせていただきます。
私は糖尿病の診断を受けたわけではありませんが、食後に猛烈な睡魔と倦怠感に悩まされていました。
縁あって江部先生のブログを知り、本も何冊か読ませていただき、糖質制限スタンダードコースを続けたところ、そうした症状から解放され、大変感謝しております。
糖質制限が体に良いと実感した私は、もっと健康になりたいと思い、スーパー糖質制限を実行しています。
本日、「世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事」という本を読みました。
この本は、白米は健康に有害なのでなるべく食べない方が良いという点では江部先生と同じなのですが、いくつかの点で違いがあります。
この本の中に、
1 卵を一日二個以上食べる人は2型糖尿病リスクがほとんど食べない人より42%高くなるという研究があるので、卵は一週間に6個以内にすべきである。(p140)
2 チーズを一日に50gとるごとに前立腺がんのリスクが9%ずつ増すなどの理由で乳製品はなるべくとらない方がいい。(p98)
3 赤い肉(牛・豚)は、おそらく発がん性のリスクがある。(p131)
とありました。
私はスーパー糖質制限を実施するにあたり、大豆製品、魚、野菜、オリーブオイル、ナッツを増やす他に、毎日卵を二個、豚肉を二日に一回200g程度、チーズ(雪印6p)を毎日1~2個食べています。
先生の本やブログを読む限り、卵、豚肉、チーズについては、私が食べている量なら問題ないと思うのですが、「世界一~」を読んで少し不安になったので、先生のお墨付きをもらいたくてコメントさせていただきました。
この本については他の方もコメントされてみえるようなので、読まれましたら合わせてコメントしていただけないでしょうか。
毎日ブログはチェックさせていただいておりますので、先生のお手すきの時、いつでも結構です。
よろしくお願いいたします。
T.長谷川より
私は糖尿病の診断を受けたわけではありませんが、食後に猛烈な睡魔と倦怠感に悩まされていました。
縁あって江部先生のブログを知り、本も何冊か読ませていただき、糖質制限スタンダードコースを続けたところ、そうした症状から解放され、大変感謝しております。
糖質制限が体に良いと実感した私は、もっと健康になりたいと思い、スーパー糖質制限を実行しています。
本日、「世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事」という本を読みました。
この本は、白米は健康に有害なのでなるべく食べない方が良いという点では江部先生と同じなのですが、いくつかの点で違いがあります。
この本の中に、
1 卵を一日二個以上食べる人は2型糖尿病リスクがほとんど食べない人より42%高くなるという研究があるので、卵は一週間に6個以内にすべきである。(p140)
2 チーズを一日に50gとるごとに前立腺がんのリスクが9%ずつ増すなどの理由で乳製品はなるべくとらない方がいい。(p98)
3 赤い肉(牛・豚)は、おそらく発がん性のリスクがある。(p131)
とありました。
私はスーパー糖質制限を実施するにあたり、大豆製品、魚、野菜、オリーブオイル、ナッツを増やす他に、毎日卵を二個、豚肉を二日に一回200g程度、チーズ(雪印6p)を毎日1~2個食べています。
先生の本やブログを読む限り、卵、豚肉、チーズについては、私が食べている量なら問題ないと思うのですが、「世界一~」を読んで少し不安になったので、先生のお墨付きをもらいたくてコメントさせていただきました。
この本については他の方もコメントされてみえるようなので、読まれましたら合わせてコメントしていただけないでしょうか。
毎日ブログはチェックさせていただいておりますので、先生のお手すきの時、いつでも結構です。
よろしくお願いいたします。
T.長谷川より
江部先生いつも丁寧なご説明でありがとうございます。
2017年の11月から糖質管理をして、Hba1cが6.8から4ヵ月後の検査で6.0になり、体重も10キロ近く減りました。ほぼ毎日血糖値を測定することで食後高血糖を防ぐべく継続しております。
基本的に食べた糖質分だけ確実に血糖値が上がる境界型の為に、血糖値スパイクを発生させないように日々気を付けております。
空腹時血糖値が高いのがずっと気になっていたのですが、今回のご説明で食後高血糖を防ぐ根拠がとてもはっきりして、守るべき点がよく理解できました。ありがとうございます。
これからもブログを参考にさせて頂き自分の健康は自分で管理することを胆に銘じたいと思います。
2017年の11月から糖質管理をして、Hba1cが6.8から4ヵ月後の検査で6.0になり、体重も10キロ近く減りました。ほぼ毎日血糖値を測定することで食後高血糖を防ぐべく継続しております。
基本的に食べた糖質分だけ確実に血糖値が上がる境界型の為に、血糖値スパイクを発生させないように日々気を付けております。
空腹時血糖値が高いのがずっと気になっていたのですが、今回のご説明で食後高血糖を防ぐ根拠がとてもはっきりして、守るべき点がよく理解できました。ありがとうございます。
これからもブログを参考にさせて頂き自分の健康は自分で管理することを胆に銘じたいと思います。
2018/04/21(Sat) 20:56 | URL | mieko | 【編集】
空腹時血糖と、HbA1cが両方測定されている場合は、前者が正常でもし後者が高いとしたら、食後高血糖が示唆されます。もちろん、両者が正常でも、食後高血糖のある可能性はありますけども。ですから、空腹時血糖とHbA1cしか調べないので、食後高血糖はほぼ確実に見逃されると言うのは少し言いすぎかなと思います。
2018/04/22(Sun) 00:07 | URL | 安高 | 【編集】
こんにちは。
昔の人類は、糖質あまり取ってなかったのはわかるのですが、現代の様に、カロリーは取れてなかったのではないでしょうか?
その点で、スーパー糖質制限と、古代人類の食事は別物ではと、いつも思います。
御教示お願いします。
昔の人類は、糖質あまり取ってなかったのはわかるのですが、現代の様に、カロリーは取れてなかったのではないでしょうか?
その点で、スーパー糖質制限と、古代人類の食事は別物ではと、いつも思います。
御教示お願いします。
空腹時血糖値が例えば70台、で食事で70~80上がって最高150になるのと、同、110が200近くなるのでは、どちらが良いかは明白ですが、例えば食前110で、食後150の場合、どう考えたら良いですか?食前下げすぎると同じものを食べても上がり方が大きい?様に思います。
2018/04/22(Sun) 08:56 | URL | 水野 | 【編集】
T.長谷川 さん
「世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事」
手に入りましたので、読んで記事にいたいと思います。
「世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事」
手に入りましたので、読んで記事にいたいと思います。
2018/04/22(Sun) 09:07 | URL | ドクター江部 | 【編集】
安高 さん
ご指摘、ありがとうございます。
確かに、空腹時血糖値とHbA1cが正常で、食後高血糖がない、質の良いHbA1cの人もいますね。
訂正したいと思います。
ご指摘、ありがとうございます。
確かに、空腹時血糖値とHbA1cが正常で、食後高血糖がない、質の良いHbA1cの人もいますね。
訂正したいと思います。
2018/04/22(Sun) 09:13 | URL | ドクター江部 | 【編集】
私は医師で、健診も担当しております。
Hba1cが5.6%以上なら食後血糖が高い可能性があると考え指導しております。
これでは問題があるでしょうか。
御教示お願いたします
Hba1cが5.6%以上なら食後血糖が高い可能性があると考え指導しております。
これでは問題があるでしょうか。
御教示お願いたします
としの さん
狩猟・採集時代は穀物なしの糖質制限食です。
一方、ご指摘のように、冬など獲物が捕れず、採集も困難で、飢餓の恐れもあったと思います。
従って、現実の「スーパー糖質制限食」と「狩猟・採集時代のご先祖の食事」は当然、
平均した量としては、異なると思います。
食べ物の質として、狩猟・採集時代のご先祖と同じような、穀物・芋などでんぷんなしの食事を目指すのが
スーパー糖質制限食のルールと思います。
狩猟・採集時代は穀物なしの糖質制限食です。
一方、ご指摘のように、冬など獲物が捕れず、採集も困難で、飢餓の恐れもあったと思います。
従って、現実の「スーパー糖質制限食」と「狩猟・採集時代のご先祖の食事」は当然、
平均した量としては、異なると思います。
食べ物の質として、狩猟・採集時代のご先祖と同じような、穀物・芋などでんぷんなしの食事を目指すのが
スーパー糖質制限食のルールと思います。
2018/04/22(Sun) 09:39 | URL | ドクター江部 | 【編集】
水野 さん
「血糖変動幅増大」と「食後高血糖」はともに、酸化ストレスリスクとなります。
研究によれば、変動幅が大きいほど、酸化ストレスリスクが上昇します。
「血糖変動幅増大」と「食後高血糖」はともに、酸化ストレスリスクとなります。
研究によれば、変動幅が大きいほど、酸化ストレスリスクが上昇します。
2018/04/22(Sun) 09:42 | URL | ドクター江部 | 【編集】
としの さん
いわゆるメタボ検診では、
HbA1c5.6%以上を対象に75gOGTTを推奨>しています。
これだと、境界型の食後高血糖や軽症の糖尿病の段階で
診断できるという意図です。
としのさんの指導で良いと思います。
いわゆるメタボ検診では、
HbA1c5.6%以上を対象に75gOGTTを推奨>しています。
これだと、境界型の食後高血糖や軽症の糖尿病の段階で
診断できるという意図です。
としのさんの指導で良いと思います。
2018/04/22(Sun) 10:15 | URL | ドクター江部 | 【編集】
ご丁寧なご回答誠にありがとうございました。
よく分かりました。
先生のブログに書かれていることは、日々の診療でよく引用させていただいている次第です。
質問のことに戻りますが、エネルギー量が違うので、700万年の人類の・・を引用するときはエネルギー量が違うということを注記いただきたいと思うばかりです。
糖質が多くても、活動量が多ければ、糖尿病発症リスクは高くならなかった(確か男性)、とういう結果を、以前先生のブログで読んだ覚えもあります。
私が子供であった、40年前には、糖尿病の方は、非常に少なかったことを思い出しております(当時の日本人もコメをよく食べていました)。
同じ糖質量であっても、糖尿病が増えたのは、カロリーオーバーな現代になってからと思っています。
もちろん耐糖能異常のある方には、糖質制限は非常に有効であると考えております。
御教示いただければ幸いです。
よく分かりました。
先生のブログに書かれていることは、日々の診療でよく引用させていただいている次第です。
質問のことに戻りますが、エネルギー量が違うので、700万年の人類の・・を引用するときはエネルギー量が違うということを注記いただきたいと思うばかりです。
糖質が多くても、活動量が多ければ、糖尿病発症リスクは高くならなかった(確か男性)、とういう結果を、以前先生のブログで読んだ覚えもあります。
私が子供であった、40年前には、糖尿病の方は、非常に少なかったことを思い出しております(当時の日本人もコメをよく食べていました)。
同じ糖質量であっても、糖尿病が増えたのは、カロリーオーバーな現代になってからと思っています。
もちろん耐糖能異常のある方には、糖質制限は非常に有効であると考えております。
御教示いただければ幸いです。
としの さん
日本人の総エネルギー摂取量は、近年では
1971年が2287kcal/日とピークで
以後は徐々に減少しています。
2010年は1849kcal/日と減っています。
ちなみに1947年が1855kcal/日で
1953年が2113kcal、1966年が2193kcalです。
日露戦争(明治時代)の頃の日本兵は、1日に6合の米 ・・・米だけで3204kcal
苦学生(明治時代)は1日あたり5合(900グラム)弱 ・・・米だけで2670kcal
明治時代の、日常生活の運動量、「掃除、薪割り、洗濯、炊事、買い物や用事で歩行、井戸汲み、風呂に水・・・」
だと、上記のように大量の糖質を摂取しても、糖尿病にはほとんどならなかったようです。
日本人の総エネルギー摂取量は、近年では
1971年が2287kcal/日とピークで
以後は徐々に減少しています。
2010年は1849kcal/日と減っています。
ちなみに1947年が1855kcal/日で
1953年が2113kcal、1966年が2193kcalです。
日露戦争(明治時代)の頃の日本兵は、1日に6合の米 ・・・米だけで3204kcal
苦学生(明治時代)は1日あたり5合(900グラム)弱 ・・・米だけで2670kcal
明治時代の、日常生活の運動量、「掃除、薪割り、洗濯、炊事、買い物や用事で歩行、井戸汲み、風呂に水・・・」
だと、上記のように大量の糖質を摂取しても、糖尿病にはほとんどならなかったようです。
2018/04/22(Sun) 19:19 | URL | ドクター江部 | 【編集】
誠にご丁寧な御教示ありがとうございます。
昔の方がエネルギー摂取が多かったのですね!
ただ、労働量が多く、バランス的には、今はエネルギーオーバーといえますね。
昔の方がエネルギー摂取が多かったのですね!
ただ、労働量が多く、バランス的には、今はエネルギーオーバーといえますね。
江部先生、こんにちは、
きつねです。
いつも楽しく先生のブログを
拝見しております。
さて、当方も糖質制限食を実践しており、
かれこれ1年半になります。
日あたりの炭水化物量は、
朝のそばを含めて70g程度、
スーパーとは言えないまでも
そこそこ糖質制限だと自負しております。
そのうち、昼食はナッツ(アーモンド)
を軸としており、日によって6Pチーズ
(イオンのチェダーチーズ)を摂取する
のですが、チーズを食したときは
100%、食後20分程度で眠気に
襲われます。
なぜでしょう?
成分表示をみても1ピース18gあたり
炭水化物は0.3gで相当優秀なはずです。
糖質制限中を標榜するきつね自身と
しては、決してインスリンの関係する
食後低血糖ではない、と信じたいのです。
先生、私は糖質制限失格でしょうか?
きつねです。
いつも楽しく先生のブログを
拝見しております。
さて、当方も糖質制限食を実践しており、
かれこれ1年半になります。
日あたりの炭水化物量は、
朝のそばを含めて70g程度、
スーパーとは言えないまでも
そこそこ糖質制限だと自負しております。
そのうち、昼食はナッツ(アーモンド)
を軸としており、日によって6Pチーズ
(イオンのチェダーチーズ)を摂取する
のですが、チーズを食したときは
100%、食後20分程度で眠気に
襲われます。
なぜでしょう?
成分表示をみても1ピース18gあたり
炭水化物は0.3gで相当優秀なはずです。
糖質制限中を標榜するきつね自身と
しては、決してインスリンの関係する
食後低血糖ではない、と信じたいのです。
先生、私は糖質制限失格でしょうか?
2018/04/22(Sun) 23:06 | URL | きつね | 【編集】
江部先生こんにちは。
朽木誠一郎氏の著書「健康を食い物にするメディアたち」(ディスカバートェンティワン社)の書評についての情報です。
色々な情報がありますが、私はあせらず少しずつ消化していこうと思います。
『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』の著者津川友介さんが、下記の書評をしています。
http://blogos.com/article/290252/
いつからメディアは「健康を食い物にする」ようになったのだろうか?(津川友介)
また、もうひとつ書評がありました。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO28927040T00C18A4KNTP00/
知の予防接種 山本貴光
先日、フランスの映画監督ジャン=リュック・ゴダールが新作の制作を発表という知らせをネットで見かけて、「お、いいね」と少しそわそわするような気分になった。
その知らせは日本語で書かれていたので、こんなときの習慣で、さらに詳しい情報を求めてフランス語や英語で検索をかけてみた……のだが、それらしいニュースは見当たらない。「あっ」と思って日付を見ると4月1日。たはは、体もなくかつがれたのだった。しかも「今日はいつも以上に気をつけるべし」だなんて自分に言い聞かせていたつもりだったのに。要するに、ゴダールの新作ならみたいという願望にぴったりの冗談を目にして、本当のことだと思い込みかけたわけである。
これはウソだと分かっても、「なあんだ」とちょっぴりがっかりするくらいで済む話。他方で、事と次第によっては深刻な結果をもたらすウソもある。とりわけ健康や医療にかんする情報はその最たるもの。本や雑誌やテレビやネットには、医学的な根拠のある話から、虚実の怪しい話まで、まさに玉石混交状態で溢(あふ)れている。
しかも厄介なことに、そのうちどれが妥当で、どれが不適切かを正しく見分けるには、相応の知識と勉強も必要である。場合によっては専門家のあいだでも意見が分かれていたりもする。では、専門家ならぬ私たちはどうしたらよいだろうか。
最近、この問題を整理して、判断の手がかりを与えてくれる本が出た。医療記者の朽木誠一郎さんによる『健康を食い物にするメディアたち――ネット時代の医療情報との付き合い方』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)だ。
2016年にDeNAが運営していたネットメディアの「WELQ」という医療情報サイトが話題になったのをご記憶だろうか。一時は月に延べ600万の訪問者数を誇ったというから、ネットで病気や治療について検索すれば検索結果の上位に現れて多くの人の目に入ったと思われる。ここまではよい。問題はこのサイトで提供されていた記事に、信頼性の怪しいものが多々含まれていたという点だ。
朽木さんは取材・調査を重ねて、同サイトの記事に疑義を呈した。それがきっかけとなって結果的にWELQは閉鎖され、17年にはネットの検索サービスを提供しているグーグルが、健康や医療にかんする検索結果の質を向上させるに至った。
ここには少なくとも3つの要素が絡みあっている。(1)素人が医療情報の真偽を判断するのは難しい。(2)ネットで検索結果の上位に表示される情報が正しいとは限らない。(3)人は思い込みによってデマを信じてしまう可能性がある。
朽木さんはなぜこの厄介な問題を適切に扱えたのか。そのバックグラウンドに秘密がある。彼は医学部で勉強した後、ネットメディアで働いており、そのからくりにも詳しい。さらに、人は思い込みや間違いをするものだという前提から出発して、誰もが試せる具体的で地に足の着いた対処法も提案している。つまり先の3つのポイントをすべて押さえているわけである。
同書に書かれていることは、医療情報に限らず虚々実々のニュースや噂が入り乱れ、通信技術によって拡散しやすいこの世界で、耳目にしたことの真偽を判断する役に立つ。これを知の予防接種といったら、ややこしいかしら。
(ゲーム作家)
朽木誠一郎氏の著書「健康を食い物にするメディアたち」(ディスカバートェンティワン社)の書評についての情報です。
色々な情報がありますが、私はあせらず少しずつ消化していこうと思います。
『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』の著者津川友介さんが、下記の書評をしています。
http://blogos.com/article/290252/
いつからメディアは「健康を食い物にする」ようになったのだろうか?(津川友介)
また、もうひとつ書評がありました。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO28927040T00C18A4KNTP00/
知の予防接種 山本貴光
先日、フランスの映画監督ジャン=リュック・ゴダールが新作の制作を発表という知らせをネットで見かけて、「お、いいね」と少しそわそわするような気分になった。
その知らせは日本語で書かれていたので、こんなときの習慣で、さらに詳しい情報を求めてフランス語や英語で検索をかけてみた……のだが、それらしいニュースは見当たらない。「あっ」と思って日付を見ると4月1日。たはは、体もなくかつがれたのだった。しかも「今日はいつも以上に気をつけるべし」だなんて自分に言い聞かせていたつもりだったのに。要するに、ゴダールの新作ならみたいという願望にぴったりの冗談を目にして、本当のことだと思い込みかけたわけである。
これはウソだと分かっても、「なあんだ」とちょっぴりがっかりするくらいで済む話。他方で、事と次第によっては深刻な結果をもたらすウソもある。とりわけ健康や医療にかんする情報はその最たるもの。本や雑誌やテレビやネットには、医学的な根拠のある話から、虚実の怪しい話まで、まさに玉石混交状態で溢(あふ)れている。
しかも厄介なことに、そのうちどれが妥当で、どれが不適切かを正しく見分けるには、相応の知識と勉強も必要である。場合によっては専門家のあいだでも意見が分かれていたりもする。では、専門家ならぬ私たちはどうしたらよいだろうか。
最近、この問題を整理して、判断の手がかりを与えてくれる本が出た。医療記者の朽木誠一郎さんによる『健康を食い物にするメディアたち――ネット時代の医療情報との付き合い方』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)だ。
2016年にDeNAが運営していたネットメディアの「WELQ」という医療情報サイトが話題になったのをご記憶だろうか。一時は月に延べ600万の訪問者数を誇ったというから、ネットで病気や治療について検索すれば検索結果の上位に現れて多くの人の目に入ったと思われる。ここまではよい。問題はこのサイトで提供されていた記事に、信頼性の怪しいものが多々含まれていたという点だ。
朽木さんは取材・調査を重ねて、同サイトの記事に疑義を呈した。それがきっかけとなって結果的にWELQは閉鎖され、17年にはネットの検索サービスを提供しているグーグルが、健康や医療にかんする検索結果の質を向上させるに至った。
ここには少なくとも3つの要素が絡みあっている。(1)素人が医療情報の真偽を判断するのは難しい。(2)ネットで検索結果の上位に表示される情報が正しいとは限らない。(3)人は思い込みによってデマを信じてしまう可能性がある。
朽木さんはなぜこの厄介な問題を適切に扱えたのか。そのバックグラウンドに秘密がある。彼は医学部で勉強した後、ネットメディアで働いており、そのからくりにも詳しい。さらに、人は思い込みや間違いをするものだという前提から出発して、誰もが試せる具体的で地に足の着いた対処法も提案している。つまり先の3つのポイントをすべて押さえているわけである。
同書に書かれていることは、医療情報に限らず虚々実々のニュースや噂が入り乱れ、通信技術によって拡散しやすいこの世界で、耳目にしたことの真偽を判断する役に立つ。これを知の予防接種といったら、ややこしいかしら。
(ゲーム作家)
きつね さん
『イオンのチェダーチーズ、1ピース18gあたり
炭水化物は0.3g』
これなら、血糖値上昇もなく、インスリンの分泌もありません。
眠気の原因は謎ですね。
『イオンのチェダーチーズ、1ピース18gあたり
炭水化物は0.3g』
これなら、血糖値上昇もなく、インスリンの分泌もありません。
眠気の原因は謎ですね。
2018/04/23(Mon) 17:07 | URL | ドクター江部 | 【編集】
yanosono さん
情報をありがとうございます。
情報をありがとうございます。
2018/04/23(Mon) 17:48 | URL | ドクター江部 | 【編集】
江部先生、
4月のコメントでは、チーズに対する
眠気の原因が「謎」である旨を
伺って、なんだか安心してしまいました。
さてその後、食事内容は
大して替えていませんが、そろそろ暑い日が
やってきてまして、
常用の炭酸水にレモンエキスを5滴ほど垂らして
飲むようになってしまいました。
(商標名:サンキストレモン100%)
果汁は基本NG、という糖質制限の
ルールに真っ向から反抗してしまう
のですが、
机上で電卓計算してみますと、
レモンエキスの炭水化物は
15mlあたり1.5gということで、これを
150mlの炭酸水に加えて飲む程度、
1日飲んでも4杯程度、
他の食事類の炭水化物が70g程度、
という前提に立った場合、
先生、ゆるめの糖質制限を目指す
私にとっては許容範囲と見て
よいでしょうか?
きつね。
4月のコメントでは、チーズに対する
眠気の原因が「謎」である旨を
伺って、なんだか安心してしまいました。
さてその後、食事内容は
大して替えていませんが、そろそろ暑い日が
やってきてまして、
常用の炭酸水にレモンエキスを5滴ほど垂らして
飲むようになってしまいました。
(商標名:サンキストレモン100%)
果汁は基本NG、という糖質制限の
ルールに真っ向から反抗してしまう
のですが、
机上で電卓計算してみますと、
レモンエキスの炭水化物は
15mlあたり1.5gということで、これを
150mlの炭酸水に加えて飲む程度、
1日飲んでも4杯程度、
他の食事類の炭水化物が70g程度、
という前提に立った場合、
先生、ゆるめの糖質制限を目指す
私にとっては許容範囲と見て
よいでしょうか?
きつね。
2018/05/13(Sun) 19:17 | URL | きつね | 【編集】
きつね さん
ゆるめの糖質制限という範疇なら、問題ないと思います。
ゆるめの糖質制限という範疇なら、問題ないと思います。
2018/05/14(Mon) 17:35 | URL | ドクター江部 | 【編集】
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