FC2ブログ
スタチンは糖尿病発症リスク。コレステロールは大切な物質。
【18/04/15 中嶋一雄
スタチンは危険

高齢者脂質異常症 診療ガイドライン2017
https://www.jpn-geriat-soc.or.jp/tool/pdf/guideline2017_03.pdf
P11
 高齢者においてスタチン治療は
糖尿病の新規発症を有意に増加させるので注意を要する(推奨グレード B)
 Sattarらによる13RCTのメタ解析の結果,
スタチンにより糖尿病の新規発症が9%増加することが示され(95% CI=1.02~1.17),
加齢とともに糖尿病の新規発症が増える傾向が示されている1)(エビデンスレベル1+)

‌1)‌Sattar ‌N,‌ Preiss ‌D,‌ Murray HM,‌ Welsh‌P,‌ Buckley‌ BM,‌ de‌Craen‌ AJ,‌ et‌al:‌ Statins‌ and‌ risk‌ of‌ incident‌ diabetes:‌ a‌ collaborative ‌meta-analysis‌ of‌ randomised‌ statin‌ trials.‌ Lancet‌ 2010;‌375:‌735-742.
www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(09)61965-6/fulltext



スタチンによる糖尿病発症の危険因子~日本のPMSデータ
http://www.carenet.com/news/general/carenet/45572


低用量スタチンでの糖尿病リスク~日本のコホート研究
http://www.carenet.com/news/general/carenet/45627




こんばんは。

コレステロール値を下げるために、よく使用されるスタチン製剤には、
糖尿病発症リスクがあります。

いままでも、それなりのエビデンスがありましたが、
今回さらに、中嶋一雄先生から、新しい情報をコメント頂きました。
ありがとうございます。

結局、スタチンが糖尿病発症リスクとなることは、確実のようです。
『コレステロール値は高い方が長生き』
という主張の日本脂質栄養学会と
『コレステロール値は低いほど良い』
という主張の日本動脈硬化学会のバトルは
記憶に新しいです。
バトルに決着がついたわけではなく、世界でもバトルが続いています。
私は、糖質セイゲニストのコレステロール値は下げる必要はないという立場です。

 さて、脳は脂質に富み、ヒト脳の乾燥重量の65%が脂質です。
脳脂質の半分がリン脂質、コレステロールが1/4、糖脂質が1/4です。

 コレステロールは、生体のあらゆる細胞膜の構築に必須の物質であり、
肝臓で合成し腸肝循環によって制御・調節されています。
コレステロールは、細胞膜や男性ホルモン、女性ホルモンなどの原料であり、
人体に必要不可欠な大切な物質です。

 ヒトだけではなく、約2億2500万年前に哺乳類が誕生して以来、
生命現象の根幹をなす細胞膜などの原料として一貫して利用されてきたのです。
 そのため血清コレステロール値は、
摂取された食物のコレステロールが少ない場合は肝臓での合成が高まり、
一方、摂取コレステロールが多い場合は、肝臓での合成が徐々に減少して、
一定量を必ず確保するよう調整しています。

このように、人体にとって大切なコレステロールが、少々高値だからといって
害をなすとはとても思えません。

 あくまでも、『小粒子LDLコレステロール』と『酸化LDLコレステロール』だけが
悪玉であって、肝臓から末梢組織に細胞膜の原料であるコレステロールを運んでくれる
標準の大きさのLDLコレステロールは、当然どうみても善玉なのです。

糖質セイゲニストは、HDLコレステロールが多くて、中性脂肪値が低めなので、
『小粒子LDLコレステロール』と『酸化LDLコレステロール』はほとんどなくて
善玉の標準の大きさのLDLコレステロールばかりです。
従って、糖質セイゲニストのコレステロール値が高くても問題はなく
スタチン内服も必要ないのです。



一般社団法人 日本老年医学会
「高齢者脂質異常症診療ガイドライン 2017」11ページ

CQ3 スタチンは高齢者において,有害事象を増加させるか?
【要約】
●高齢者においてスタチン治療は糖尿病の新規発症を
有意に増加させるので注意を要する(推奨グレードB).
13RCTのメタ解析の結果、スタチンにより糖尿病の新規発症が9%増加とのことです。


スタチンによる糖尿病発症の危険因子~日本のPMSデータ
http://www.carenet.com/news/general/carenet/45572

ケアネット、2018/03/05の記事です。
以下、抜粋、要約です。
 慶應義塾大学薬学部の橋口 正行氏らが、
日本の市販後調査(PMS)データベースを使用したコホート内ケースコントロール研究で検討した結果、
スタチン使用により、糖尿病や高血糖症の発症が増加する可能性が示唆されたそうです。


低用量スタチンでの糖尿病リスク~日本のコホート研究
http://www.carenet.com/news/general/carenet/45627

こちらもケアネット、2018/03/08の記事です。
以下、抜粋、要約です。
 秋田大学医学部附属病院薬剤部の加藤 正太郎氏らが、低用量スタチン服用患者を、
高力価スタチン群と低力価スタチン群に分けて糖尿病新規発症リスクを評価しました。
 その結果、高力価スタチン群では低力価スタチン群と比べ有意に発症リスクが高かったとのことです。



江部康二
コメント
ご飯とシュークリーム
江部先生、2型糖尿病で僕は甘いもの好きです。

ご飯とシュークリームとで、例えば同じ糖質30gとして、血糖値はどちらかが急激に上がりやすいとかありますか?上記の場合、糖質量が同じなら影響は同じでしょうか?
2018/04/17(Tue) 20:12 | URL | 甘いもの好き | 【編集
初めまして
いつも江部先生のブログを拝見させて頂き勉強させていただいてます。

コレステロールの話ではなく、お話を聞いていただきたく勝手ながらコメントさせて頂きました。

私は30歳の肥満女です。去年の5月に身長167cm体重85キロ。その後10月には78キロと自然に体重減少があり、その頃喉の乾き、多尿などの症状がありました。
今年の2月末に献血をしてグリコアルブミンが24.9と高値を出し、3月中旬に内科を受診し血液検査の結果

空腹時血糖 108
HbA1c 9.4
AST 17
ALT 29
ガンマGT 25
ALP 168
ChE 345
TSH/ECLIA 0.168
FT4/ECLIA 1.59

という結果で糖尿病と診断されテネリア20mg(1T1X朝)が処方されました。献血の血液検査結果が届いてからはショックのせいか食事を摂るのも嫌になり途方に暮れていた時に江部先生の糖質制限をネットで拝見しすぐにスーパー糖質制限を実践させて頂きました。
主食をカットしローソンのブランパンや糖質ゼロ麺に置き換え、野菜・肉を中心に食事をとり、からだすこやか茶wなどのトクホお茶を飲み、夜に軽い筋トレと30分のウォーキングを1ヵ月間実践した結果、体重も71キロまで減らしました。

病院での採血から1ヵ月たった先日、再度血液検査をした所

空腹時血糖107
HbA1c7.0

と1ヵ月でHbA1cを2.4%も下げてしまい担当医も驚いて「頑張りましたね、なにをしたの?」と言われたので糖質制限とは言わず、炭水化物を控えて運動をしたと伝えました。内服薬もグラクティブ50mgに変更となりました。HbA1cを急激に下げると糖尿性網膜症などの進行が早まると言われ眼科受診を勧められたので来週受診予定です。

そこでなのですが、私はもともと視力が悪くコンタクトレンズを使用していたのですが、あまり適切な使用をしていなかった為鏡で見ていても白目部分が全体的に新生血管が目立ちます。また1年くらい前から右目に小さな飛蚊症の様な症状があります。これは既に糖尿性網膜症を発症してしまっているのでしょうか?糖尿病の診断を受けてからはコンタクトレンズをやめてメガネで生活をしています。まだ30歳でこの先失明や四肢切断、人工透析になってしまうのではと不安で動悸がするほどです。このまま糖質制限を続ければ来月の血液検査では6%を切ると思うのですが2ヵ月でHbA1cを4%近くも下げてしまって大丈夫なのでしょうか?

今のところ血糖値とHbA1c以外は血液検査も正常値なので担当医も特になにも言わず合併症の話や説明もありません。むしろ、初診の時も食事療法や運動療法の話も無く内服薬を処方されました。

拙い長文で大変失礼しました。内容も相談になってしまいましたがご多忙とは思いつつもご意見をお伺いしたくコメントさせて頂きました。
2018/04/17(Tue) 22:39 | URL | にゃんこ | 【編集
Re: ご飯とシュークリーム
甘いもの好き さん

脂質が少ない分、ご飯の方が血糖値が急上昇すると思います。

脂質が多い食材は、血糖値の上昇はややゆっくりとなります。
しかし結局糖質は全て吸収されて血糖に変わります。

やはり、一番大事なのは、摂取する糖質の絶対量と思います

2018/04/17(Tue) 22:48 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 初めまして
にゃんこ さん

SU剤やインスリンなしで、糖質制限食でHbA1cが改善する場合は、糖尿病網膜症の悪化はありません。

また糖尿病を発症後、1~2年では、糖尿病網膜症を起こす可能性は低いと思います。
しかし、速やかに眼科検診には行きましょう。
2018/04/17(Tue) 22:59 | URL | ドクター江部 | 【編集
スタチンの 時代進化解明対応!!
都内河北 鈴木です。

本日記事内容「スタチンは危険」を読み、
1973年日本で発見された「スタチン」ですが、
時代進化解明の激しい現代においては、
「否定」の時代になりましたね。

現代の知識として理解把握は、「必要不可欠」だと思います。

私は現在は「糖尿病薬」は「糖質制限理論」食生活実践の御陰で、
一切服用無しですが、
21年の糖尿病重症化した患者が
「糖質制限理論」で3か月足らずで正常化して現在7年目ですが、
予後知識として理解把握は重要かとブログ読破しています。

現在は「糖尿病・後遺症の眼科、脳神経外科」の更なる覚醒を楽しみにしています。

江部先生には、「生還、覚醒」できて感謝尽きません!!
ありがとうございます。
敬具
2018/04/17(Tue) 23:15 | URL | 都内河北 鈴木 | 【編集
早速のお返事ありがとうございます
DPP4阻害薬と糖質制限でのHbA1c値低下は網膜症にはさほど影響がないのですね。それを聞いて少しですが安心しました。
眼科へ行くのはやはり怖いけど頑張って受診してきます。

これからも江部先生のブログなどを参考にダイエットも血糖値コントロールも頑張りたいと思います。ありがとうございました。
2018/04/17(Tue) 23:27 | URL | にゃんこ | 【編集
ご無沙汰しております。
1月から糖質制限を開始しまして、3ヶ月ほど経過しました。
現在は体重が52kgまで減り、体脂肪率も19.7%になりました。
正直、こんな短期間でここまで痩せられると思っていなかったのでびっくりしています。
ウエストもトータルでマイナス12cm減りましたが…その、女性にとって一番落としたくないバストは殆ど減らずで二重に嬉しいです。
空腹感による嫌なストレスを感じる事がなかったのが本当に良かったです。
現在は維持する為にプチ糖質制限に切り替えており、今後も緩やかに糖質制限を続けて行きたいと思います。
ありがとうございました!(^^)
2018/04/18(Wed) 01:50 | URL | モリリン | 【編集
突然すいません
先生大変お世話になります。タイトルと関係ないのですが、こういう記事が載ってました。チンパンジーが好きな肉は脳? 初期人類も同様かhttp://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/18/041300167/?ST=m_news
2018/04/18(Wed) 11:07 | URL | ギー | 【編集
Re: タイトルなし
モリリン さん

良かったです。
2018/04/18(Wed) 13:42 | URL | ドクター江部 | 【編集
スタチン不要のお話し、かえって糖尿病のリスクが高まる、とのこと。
とても参考になりました。
なにやら勇気がわいてきました。

今日は保健師さんを呼んで
高齢者の方に骨密度の話をして貰いましたが、
保健師さんも、タンパク質推奨で骨にも脳にも体の筋肉にもタンパク質が一番大事。
ご飯やうどんは、食事の最後にホンの少しにすること。と皆さんの前でされました。

松江の保健師さんも素晴らしい、糖質制限が体に良いことをわかっていて下さると嬉しくなりました。
これからも糖質制限食を頑張ります!
2018/04/18(Wed) 16:03 | URL | みどり | 【編集
LDLコレステロールの増加等について
 こんにちは、先生の書籍とご指導により糖食制限食を続け、三年半が経ちました。また少し心配なことがあり、ご教授願う次第です。
 それはH27、28、29と毎年秋に健康診断を受けていますが、LDLコレステロールが204,291,334と増加し続けていることです。HDLコレステロールも125,140,157と増加しています。トリグリセライドは36,35,43とH29は増加、HbAlc(NGSP)は5.2,5.1,5.0と減少、循環器検査はH27,28は異常なしでしたが、H29は心電図でPQ延長 要観察でした。血圧は[122-80]、[117-75]、[126-81]、動脈硬化度の検査は三年間異常なし。さて、このデータで、「このLDLコレステロールは、大きさが標準の善いLDLコレステロールで、悪玉の小粒子LDLコレステロールと真の悪玉の酸化LDLコレステロールは少ないので大丈夫」と考えてよいでしょうか。また、肝臓のコレステロール製造調整の期間に関しては個人差が大きいということですが、三年間のLDLコレステロールの数値の増加が、H27に比べH29は約1.6倍になっていることが心配です。血清アミラーゼは125、155,153ですが、誤差の範囲と考えてよろしいでしょうか。リウマチ因子(RF)は3,9,24とH29は強陽性となりましたが、これは糖質制限食と何か関係があるのでしょうか。
 ご多忙とは存じますがご教授宜しくお願い致します。

2018/04/19(Thu) 13:43 | URL | キース | 【編集
Re: 突然すいません
ギー さん

とても興味深い記事の情報をありがとうございます。
2018/04/19(Thu) 19:13 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: タイトルなし
みどり さん

コメントありがとうございます。
松江の保健士さん、good job です。
糖質制限、広まってますね。
2018/04/19(Thu) 19:14 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: LDLコレステロールの増加等について
キース さん

「このLDLコレステロールは、大きさが標準の善いLDLコレステロールで、悪玉の小粒子LDLコレステロールと真の悪玉の酸化LDLコレステロールは少ないので大丈夫」

と思います。
心配なら、頸動脈エコーと、心臓の検査を循環器科で実施しましょう。
一度しっかり検査しておけば安心です。

血清アミラーゼは、仰る通り、誤差範囲です。

RFの上昇は、糖質制限とは無関係と思います。
2018/04/19(Thu) 20:06 | URL | ドクター江部 | 【編集
お礼
  こんにちは。ご説明ありがとうございました。糖質制限食を摂るようになって、太りやすい体質から解放され、今では体重を自由にコントロールできますし、数年来悩まされた過敏性腸症候群はピタりと消失しております。さて還暦を過ぎてから眼の健康が気になり、眼科医の深作秀春先生の書籍を拝読したのですが、その中に、江部先生の糖質制限食を治療に取り入れ、重症の網膜剥離の治療を行っているとありましたので、驚きました。先生のご活躍これからも楽しみにしております。
2018/04/20(Fri) 15:43 | URL | キース | 【編集
Re: お礼
キース さん

糖質制限食で、過敏性腸症候群が治って、良かったです。

眼科医の深作秀春先生は、私の尊敬する畏友のお一人です。
2018/04/20(Fri) 19:57 | URL | ドクター江部 | 【編集
コメントを投稿
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可