2018年04月12日 (木)
こんばんは。
東洋経済オンラインに、
私の、週刊新潮の糖質制限批判記事への反論が
2018年4月12日、掲載されました。
ブログ読者の皆さんも、是非ご一読頂けば幸いです。
江部康二
☆☆☆
以下東洋経済オンラインから、抜粋。
https://toyokeizai.net/articles/-/215987
エビデンスなき「糖質制限」論争は意味がない
「科学的」かつ「医学的」な正しさが求められる
江部 康二 : 高雄病院理事長2018年04月12日
糖質制限などの「論争」を見るときには「エビデンス」の有無に注意すべきだという
『週刊新潮』4月5日号で「糖質制限で『老化する』『寿命が縮まる』」という特集が組まれた。
これに対し、
『江部康二の糖質制限革命』の著者であり糖質制限食の第一人者である江部康二氏が、
東洋経済オンラインで反論した(糖質制限「老化説」が抱える根本的な大問題)。
同誌は、4月12日号「『糖質制限』の『がん』『認知症』リスク」で、再反論している。
では、どちらの主張が正しいのだろうか。
医学の専門家ではない私たち一般人には、ちょっとわからないのが正直なところ。
でも、「医学的な主張が正しいかどうかは、エビデンスの有無で決まるのです」と江部氏は語る。
どうやら、素人目には同じように正しそうに見えても、
まったく根拠のない話が、世の中に出回っている主張には混じっているようなのだ。
では、エビデンスとは何か。
非科学的なおかしな話に惑わされて健康被害を受ける人が出ないようにと、
江部氏が再び語る。
医学的に正しいとはどういうことか
まず、間違ってはいけないのは、医学は科学だということです。
科学的な根拠のない主張や治療法は当然、「正しくない」わけですね。
でも、科学的ならば何でも医学的に正しいかと言うと、そうではありません。
たとえば、『週刊新潮』さんが記事の根拠にしている「マウスに糖質制限食を与えると老化した」という結果は、
マウスという動物に関する科学としては「正しい」かもしれませんし、
価値も認められる可能性がありますが、ヒトにおいては決してエビデンスにはならないわけです。
医学においてヒトのエビデンスとして認められるのはヒトの研究だけということが、基本ルールなのです。
ここに誤解のタネがあります。
「医学研究としてマウスを使った動物実験が普通に行われているじゃないか。
あれを正しくないと言うのか」
そう反論する人がいるからです。
しかし、動物実験は、医学的にはあくまでも参考としての意味で行われていて、
その結論をヒトについてそのまま当てはめることはしません。
では、なぜ、人間の病気や健康についての結論を得られないのに、
動物実験をするのでしょうか。
→ 以下、続きます。
2、マウス論文が医学誌に載る理由
https://toyokeizai.net/articles/-/215987?page=2
動物実験や医師の体験談はエビデンスではない
3、そのほかの糖質制限批判もエビデンスがない
https://toyokeizai.net/articles/-/215987?page=3
危険説にエビデンスなし、有効説にエビデンスあり
4、糖質制限肯定派には数々のエビデンスがある
https://toyokeizai.net/articles/-/215987?page=4
糖質制限の有効性を示すエビデンス
5、怪しい「糖質制限批判」と戦ってはや10年
https://toyokeizai.net/articles/-/215987?page=5
10年以上ブログで関連情報を公開
東洋経済オンラインに、
私の、週刊新潮の糖質制限批判記事への反論が
2018年4月12日、掲載されました。
ブログ読者の皆さんも、是非ご一読頂けば幸いです。
江部康二
☆☆☆
以下東洋経済オンラインから、抜粋。
https://toyokeizai.net/articles/-/215987
エビデンスなき「糖質制限」論争は意味がない
「科学的」かつ「医学的」な正しさが求められる
江部 康二 : 高雄病院理事長2018年04月12日
糖質制限などの「論争」を見るときには「エビデンス」の有無に注意すべきだという
『週刊新潮』4月5日号で「糖質制限で『老化する』『寿命が縮まる』」という特集が組まれた。
これに対し、
『江部康二の糖質制限革命』の著者であり糖質制限食の第一人者である江部康二氏が、
東洋経済オンラインで反論した(糖質制限「老化説」が抱える根本的な大問題)。
同誌は、4月12日号「『糖質制限』の『がん』『認知症』リスク」で、再反論している。
では、どちらの主張が正しいのだろうか。
医学の専門家ではない私たち一般人には、ちょっとわからないのが正直なところ。
でも、「医学的な主張が正しいかどうかは、エビデンスの有無で決まるのです」と江部氏は語る。
どうやら、素人目には同じように正しそうに見えても、
まったく根拠のない話が、世の中に出回っている主張には混じっているようなのだ。
では、エビデンスとは何か。
非科学的なおかしな話に惑わされて健康被害を受ける人が出ないようにと、
江部氏が再び語る。
医学的に正しいとはどういうことか
まず、間違ってはいけないのは、医学は科学だということです。
科学的な根拠のない主張や治療法は当然、「正しくない」わけですね。
でも、科学的ならば何でも医学的に正しいかと言うと、そうではありません。
たとえば、『週刊新潮』さんが記事の根拠にしている「マウスに糖質制限食を与えると老化した」という結果は、
マウスという動物に関する科学としては「正しい」かもしれませんし、
価値も認められる可能性がありますが、ヒトにおいては決してエビデンスにはならないわけです。
医学においてヒトのエビデンスとして認められるのはヒトの研究だけということが、基本ルールなのです。
ここに誤解のタネがあります。
「医学研究としてマウスを使った動物実験が普通に行われているじゃないか。
あれを正しくないと言うのか」
そう反論する人がいるからです。
しかし、動物実験は、医学的にはあくまでも参考としての意味で行われていて、
その結論をヒトについてそのまま当てはめることはしません。
では、なぜ、人間の病気や健康についての結論を得られないのに、
動物実験をするのでしょうか。
→ 以下、続きます。
2、マウス論文が医学誌に載る理由
https://toyokeizai.net/articles/-/215987?page=2
動物実験や医師の体験談はエビデンスではない
3、そのほかの糖質制限批判もエビデンスがない
https://toyokeizai.net/articles/-/215987?page=3
危険説にエビデンスなし、有効説にエビデンスあり
4、糖質制限肯定派には数々のエビデンスがある
https://toyokeizai.net/articles/-/215987?page=4
糖質制限の有効性を示すエビデンス
5、怪しい「糖質制限批判」と戦ってはや10年
https://toyokeizai.net/articles/-/215987?page=5
10年以上ブログで関連情報を公開
下記の記事を発見!
↓
最先端の医学では「白米は体に悪い」が常識だ
4/13(金) 9:00配信 東洋経済オンライン
最先端の医学では「白米は体に悪い」が常識だ
白米は少量でも体に悪いという(写真:decoplus / PIXTA)
「白いごはんが好き」と言う日本人は多い。厚生労働省と農林水産省が共同で作成した「食事バランスガイド」でも、ごはんをお茶碗で1日3~5杯食べることが推奨されている。
ところが、膨大な研究論文から科学的根拠に基づいて分析してみると、白米は1日2~3杯でもすでに糖尿病のリスクが上がり始める可能性があるという。
白米のみならず、さまざまな食材をエビデンスベースで5グループに分類し、「体に良い食品」と「体に悪い食品」を明らかにした『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』を上梓したUCLA助教授の津川友介氏に、白米を食べる量を減らしたほうがいい理由を解説してもらう。
↑
援護射撃が多いですね。
ますます糖質制限が芽生えてきて、セイゲニストの末席としてはうれしい限りです。
先生、倒れませんように。
↓
最先端の医学では「白米は体に悪い」が常識だ
4/13(金) 9:00配信 東洋経済オンライン
最先端の医学では「白米は体に悪い」が常識だ
白米は少量でも体に悪いという(写真:decoplus / PIXTA)
「白いごはんが好き」と言う日本人は多い。厚生労働省と農林水産省が共同で作成した「食事バランスガイド」でも、ごはんをお茶碗で1日3~5杯食べることが推奨されている。
ところが、膨大な研究論文から科学的根拠に基づいて分析してみると、白米は1日2~3杯でもすでに糖尿病のリスクが上がり始める可能性があるという。
白米のみならず、さまざまな食材をエビデンスベースで5グループに分類し、「体に良い食品」と「体に悪い食品」を明らかにした『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』を上梓したUCLA助教授の津川友介氏に、白米を食べる量を減らしたほうがいい理由を解説してもらう。
↑
援護射撃が多いですね。
ますます糖質制限が芽生えてきて、セイゲニストの末席としてはうれしい限りです。
先生、倒れませんように。
2018/04/13(Fri) 11:40 | URL | クワトロ | 【編集】
「BMI=25」から始める!「糖質制限」しない「老けないダイエット術」
▼39回失敗続きの「女医」が辿り着いた「1日5食」
▼地中海式ダイエットのカギは「オリーブオイル」
▼食欲コントロールで脂肪を燃やす「自律神経」の鍛え方
▼最後の頼みの綱「外科手術」が「糖尿病」にも劇的効果
◇
あいかわらずの記事ですね
▼39回失敗続きの「女医」が辿り着いた「1日5食」
▼地中海式ダイエットのカギは「オリーブオイル」
▼食欲コントロールで脂肪を燃やす「自律神経」の鍛え方
▼最後の頼みの綱「外科手術」が「糖尿病」にも劇的効果
◇
あいかわらずの記事ですね
2018/04/13(Fri) 11:44 | URL | XYZ | 【編集】
https://toyokeizai.net/articles/amp/215982
玄米は良い炭水化物であるとされています。
低GI食品(パスタなど)もそうですが、ここらへんの整理が素人にはつきません。
一体何が真実なのか、戸惑うばかりです。
江部先生には、折に触れて分かりやすい解説をお願いしたいのですが。
よろしくお願いいたします。
玄米は良い炭水化物であるとされています。
低GI食品(パスタなど)もそうですが、ここらへんの整理が素人にはつきません。
一体何が真実なのか、戸惑うばかりです。
江部先生には、折に触れて分かりやすい解説をお願いしたいのですが。
よろしくお願いいたします。
都内河北 鈴木です。
時代進化解明の「真理理論」
「糖質制限理論」は、
「隠蔽不可能な時代です!!」
2005年江部先生「糖質制限理論」発表から、今年で13年目です!!
私は「糖尿病」重症化して行く1患者が、
「日本糖尿病学会」の専門医に、
日本の権威肩書を妄信するばかりに
「世界医学情報」を「隠蔽」されていました。
しかし私は、面識無く、利害関係無い、
江部先生「糖質制限理論」を理解把握し、実践して翌日には血糖値激減改善有りました。
そして実践現在7年目になりますが
「生還、覚醒」した確証から証明できます。
今年はネットニュ~スでも効果絶大で、
「隠蔽不可能だとニュ~ス続出しています!!」
当然ですが!!
これが「時代進化対応不可能な日本医療界の現実」だと思います。
江部先生には、感謝尽きません!!
ありがとうございます。
敬具
時代進化解明の「真理理論」
「糖質制限理論」は、
「隠蔽不可能な時代です!!」
2005年江部先生「糖質制限理論」発表から、今年で13年目です!!
私は「糖尿病」重症化して行く1患者が、
「日本糖尿病学会」の専門医に、
日本の権威肩書を妄信するばかりに
「世界医学情報」を「隠蔽」されていました。
しかし私は、面識無く、利害関係無い、
江部先生「糖質制限理論」を理解把握し、実践して翌日には血糖値激減改善有りました。
そして実践現在7年目になりますが
「生還、覚醒」した確証から証明できます。
今年はネットニュ~スでも効果絶大で、
「隠蔽不可能だとニュ~ス続出しています!!」
当然ですが!!
これが「時代進化対応不可能な日本医療界の現実」だと思います。
江部先生には、感謝尽きません!!
ありがとうございます。
敬具
2018/04/13(Fri) 15:58 | URL | 都内河北 鈴木 | 【編集】
最先端の医学では「白米は体に悪い」が常識だ
UCLA医学部助教授が教える「不都合な真実」
津川 友介 : カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)助教授
2018年04月13日
https://toyokeizai.net/articles/-/215982
UCLA医学部助教授が教える「不都合な真実」
津川 友介 : カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)助教授
2018年04月13日
https://toyokeizai.net/articles/-/215982
2018/04/13(Fri) 17:43 | URL | 福助 | 【編集】
江部先生
上記記事にて、茶色い炭水化物が健康に良いとも取れる内容ですが、糖質制限食(LCHF)との比較ではないため誤解を受けそうですね。。。
上記記事にて、茶色い炭水化物が健康に良いとも取れる内容ですが、糖質制限食(LCHF)との比較ではないため誤解を受けそうですね。。。
2018/04/13(Fri) 17:48 | URL | 福助 | 【編集】
江部先生、お疲れ様です。
昨年、医学誌ランセットに発表された炭水化物の取り過ぎは死亡リスクを上昇させる論文ですが、
①日本語で一般の人が読めるサイトはありますか?
②江部先生は12%を唱えていますが、
ランセットの論文では糖質を何%で推奨しているのでしょうか?
昨年、医学誌ランセットに発表された炭水化物の取り過ぎは死亡リスクを上昇させる論文ですが、
①日本語で一般の人が読めるサイトはありますか?
②江部先生は12%を唱えていますが、
ランセットの論文では糖質を何%で推奨しているのでしょうか?
2018/04/13(Fri) 18:03 | URL | 糖質制限ファン | 【編集】
クワトロ さん
嬉しい情報をありがとうございます。
早速、覗いてみます。
嬉しい情報をありがとうございます。
早速、覗いてみます。
2018/04/13(Fri) 21:09 | URL | ドクター江部 | 【編集】
XYZ さん
週刊新潮情報、ありがとうございます。
週刊新潮情報、ありがとうございます。
2018/04/13(Fri) 21:17 | URL | ドクター江部 | 【編集】
yanosono さん
白米と玄米は、一度、記事にしようと思います。
白米と玄米は、一度、記事にしようと思います。
2018/04/13(Fri) 21:18 | URL | ドクター江部 | 【編集】
福助 さん
皆さん、関心が高いようですので
白米と未精製炭水化物の差、あるいは糖質制限との差など
記事にしたいと思います。
皆さん、関心が高いようですので
白米と未精製炭水化物の差、あるいは糖質制限との差など
記事にしたいと思います。
2018/04/13(Fri) 21:20 | URL | ドクター江部 | 【編集】
福助 さん
欧米の食事療法では、ほとんどにおいて、未精製炭水化物を、推奨ですね。
GI感覚なのですが、糖質制限食に比べると効果は、明白に劣ります。
欧米の食事療法では、ほとんどにおいて、未精製炭水化物を、推奨ですね。
GI感覚なのですが、糖質制限食に比べると効果は、明白に劣ります。
2018/04/13(Fri) 21:28 | URL | ドクター江部 | 【編集】
糖質制限ファン さん
https://toyokeizai.net/articles/-/190605
「糖質制限」論争に幕?一流医学誌に衝撃論文
「炭水化物は危険、脂質は安全」の波紋
江部 康二 : 高雄病院理事長
上記、東洋経済オンラインの記事をご参照頂けば幸いです。
また、見事に炭水化物摂取比率が多いほど総死亡率が上昇しています。
炭水化物摂取比率 総死亡率
1群 46.4% 4.1%
2群 54.6% 4.2%
3群 60.8% 4.5%
4群 67.7% 4.9%
5群 77.2% 7.2%
2018/04/13(Fri) 21:34 | URL | ドクター江部 | 【編集】
◇炭水化物の摂取増加で死亡リスク上昇/Lancet
https://www.carenet.com/news/journal/carenet/44610
◇炭水化物過剰摂取は全死亡を増やすが心血管病発症に影響せず、一方で脂質摂取量増加が全死亡を減らし、飽和脂肪酸の摂取量増加が脳卒中を減らすと報告
https://www.carenet.com/news/clear/journal/44773
生活習慣病と食習慣
生活習慣病は文字通り生活の悪習が原因で発症する病気で、発症を抑えるためには生活習慣の改善が必要不可欠である。生活習慣の基本は食および運動習慣の改善に尽きる。その中でも、食習慣は健康維持に最も重要である。食に関しては多くの論文報告があるが、その多くが欧米のデータに基づいており、食習慣の異なる国・地域に対して、これまでの成果を短絡的に敷衍できるか不明な点も多い。とくに、欧米に比べて全食事カロリーに占める炭水化物の比率が高いアジア諸国の人々に対して、これまでの成果を適用しうるか否かは疑問の多いところである。Lancet誌の2017年8月29日号で、カナダ・マックマスター大学のMahshid Dehghan氏らが、5大陸18ヵ国の全死亡・心血管疾患への食の影響を検討した大規模前向きコホート研究(PURE)の成果を報告した。本論文は幅広い国・地域集団をカバーするデータ解析に基づく興味深い論文であり、私見をコメントする。
糖質制限食(低炭水化物食)と肥満
近年、日本人に多い2型糖尿病の治療として糖質制限食の治療効果に関する適否について、議論が高まっている1)。欧米人では日本人に比べ食事の総カロリーに占める糖質の割合が少なく、その分、脂質・タンパク質からのカロリー摂取が増える。これまでの欧米のデータに基づく解析結果によれば糖質の過剰摂取は肥満を招き、糖質制限の肥満治療に対する有効性は周知されている2)。
PURE研究と解析結果
PURE研究の対象は5大陸18ヵ国(欧米、アジア、南米を含む)の35~70歳の男女で、13万5,335人を登録のうえ、食事摂取量を食事摂取頻度調査票を用いて調査後、中央値7.4年(IQR:5.3~9.3)追跡した。主要アウトカムは、全死亡と主要心血管イベント(致死的CVD、非致死的心筋梗塞、脳卒中、心不全)。副次アウトカムは心筋梗塞、脳卒中、CVD死、非CVD死とした。
炭水化物、脂質、タンパク質の摂取量をエネルギー比に基づき5分位群に分類のうえ、多変量Cox frailtyモデルを用いて摂取量と各評価項目の関連を解析した。
炭水化物摂取量が多いほど全死亡リスクが高く、最低5分位群に対する最高5分位群のHRは1.28(95%信頼区間:1.12~1.46、傾向p=0.0001)、一方でCVDまたはCVD死との関連性は認められなかった。また、脂質の種類に関係なく脂質摂取量が多いほど全死亡リスクは低く、脂質の種類を問わず脂質摂取量は心筋梗塞、CVD死リスクには関連性を認めなかった。一方で飽和脂肪酸の摂取量が多いほど、脳卒中のリスクは有意に低かった(最高5分位群 vs.最低5分位群のHR:0.79、95%CI:0.64~0.98、傾向p=0.0498)。
コメント
糖質の摂り過ぎは全死亡リスクを上昇させるがCVDまたはCVD死との関連性を認めず、一方で脂質摂取量が多いほど全死亡リスクは低かった。短絡的に言えば、糖質制限食+高脂肪食の併用が全死亡を引き下げ、飽和脂肪酸による脂肪摂取増加に配慮すれば脳卒中死を減らせる可能性をほのめかしており、2型糖尿病治療への糖質制限食の敷衍性に期待を抱かせる内容である。しかし、糖質制限食はリスク因子改善のエビデンスはあるが、長期の生命予後改善のヒトでのエビデンスを欠く点が大きな問題として残っている。
https://www.carenet.com/news/journal/carenet/44610
◇炭水化物過剰摂取は全死亡を増やすが心血管病発症に影響せず、一方で脂質摂取量増加が全死亡を減らし、飽和脂肪酸の摂取量増加が脳卒中を減らすと報告
https://www.carenet.com/news/clear/journal/44773
生活習慣病と食習慣
生活習慣病は文字通り生活の悪習が原因で発症する病気で、発症を抑えるためには生活習慣の改善が必要不可欠である。生活習慣の基本は食および運動習慣の改善に尽きる。その中でも、食習慣は健康維持に最も重要である。食に関しては多くの論文報告があるが、その多くが欧米のデータに基づいており、食習慣の異なる国・地域に対して、これまでの成果を短絡的に敷衍できるか不明な点も多い。とくに、欧米に比べて全食事カロリーに占める炭水化物の比率が高いアジア諸国の人々に対して、これまでの成果を適用しうるか否かは疑問の多いところである。Lancet誌の2017年8月29日号で、カナダ・マックマスター大学のMahshid Dehghan氏らが、5大陸18ヵ国の全死亡・心血管疾患への食の影響を検討した大規模前向きコホート研究(PURE)の成果を報告した。本論文は幅広い国・地域集団をカバーするデータ解析に基づく興味深い論文であり、私見をコメントする。
糖質制限食(低炭水化物食)と肥満
近年、日本人に多い2型糖尿病の治療として糖質制限食の治療効果に関する適否について、議論が高まっている1)。欧米人では日本人に比べ食事の総カロリーに占める糖質の割合が少なく、その分、脂質・タンパク質からのカロリー摂取が増える。これまでの欧米のデータに基づく解析結果によれば糖質の過剰摂取は肥満を招き、糖質制限の肥満治療に対する有効性は周知されている2)。
PURE研究と解析結果
PURE研究の対象は5大陸18ヵ国(欧米、アジア、南米を含む)の35~70歳の男女で、13万5,335人を登録のうえ、食事摂取量を食事摂取頻度調査票を用いて調査後、中央値7.4年(IQR:5.3~9.3)追跡した。主要アウトカムは、全死亡と主要心血管イベント(致死的CVD、非致死的心筋梗塞、脳卒中、心不全)。副次アウトカムは心筋梗塞、脳卒中、CVD死、非CVD死とした。
炭水化物、脂質、タンパク質の摂取量をエネルギー比に基づき5分位群に分類のうえ、多変量Cox frailtyモデルを用いて摂取量と各評価項目の関連を解析した。
炭水化物摂取量が多いほど全死亡リスクが高く、最低5分位群に対する最高5分位群のHRは1.28(95%信頼区間:1.12~1.46、傾向p=0.0001)、一方でCVDまたはCVD死との関連性は認められなかった。また、脂質の種類に関係なく脂質摂取量が多いほど全死亡リスクは低く、脂質の種類を問わず脂質摂取量は心筋梗塞、CVD死リスクには関連性を認めなかった。一方で飽和脂肪酸の摂取量が多いほど、脳卒中のリスクは有意に低かった(最高5分位群 vs.最低5分位群のHR:0.79、95%CI:0.64~0.98、傾向p=0.0498)。
コメント
糖質の摂り過ぎは全死亡リスクを上昇させるがCVDまたはCVD死との関連性を認めず、一方で脂質摂取量が多いほど全死亡リスクは低かった。短絡的に言えば、糖質制限食+高脂肪食の併用が全死亡を引き下げ、飽和脂肪酸による脂肪摂取増加に配慮すれば脳卒中死を減らせる可能性をほのめかしており、2型糖尿病治療への糖質制限食の敷衍性に期待を抱かせる内容である。しかし、糖質制限食はリスク因子改善のエビデンスはあるが、長期の生命予後改善のヒトでのエビデンスを欠く点が大きな問題として残っている。
2018/04/14(Sat) 09:19 | URL | 中嶋一雄 | 【編集】
中嶋一雄 先生
コメントをありがとうございます。
コメントをありがとうございます。
2018/04/14(Sat) 15:24 | URL | ドクター江部 | 【編集】
マウスの実験に関して
友人にメールして一番分かりやすかった例えです。よろしければお使いください。
完全な肉食動物かつ哺乳類である猫を二群に分けて、猫本来の高タンパク質食と、高糖質食を与えたらどうなるか
中学生でも分かる例えです
高糖質食信奉者には自分の、持ってなければ自分の親族知人の猫で実験していただきたいものです。
ここまで言ってもわからない人は射ないように思います。
友人にメールして一番分かりやすかった例えです。よろしければお使いください。
完全な肉食動物かつ哺乳類である猫を二群に分けて、猫本来の高タンパク質食と、高糖質食を与えたらどうなるか
中学生でも分かる例えです
高糖質食信奉者には自分の、持ってなければ自分の親族知人の猫で実験していただきたいものです。
ここまで言ってもわからない人は射ないように思います。
2018/04/14(Sat) 17:13 | URL | プーさん | 【編集】
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180414-00540666-shincho-life&p=1
今度は宗教ですって(笑)
程度が低すぎて話になりませんが、
別にネズミをバカにしたわけじゃないのだけど、飼ってるネズミにけち付けられて、ギャーギャー騒いでる滑稽なオヤジの記事にしか見えません(大笑い)
今度は宗教ですって(笑)
程度が低すぎて話になりませんが、
別にネズミをバカにしたわけじゃないのだけど、飼ってるネズミにけち付けられて、ギャーギャー騒いでる滑稽なオヤジの記事にしか見えません(大笑い)
2018/04/14(Sat) 22:36 | URL | m | 【編集】
江部先生の記事はコメントを含めいつも参考にさせていただいております。ありがとうございます。
mさん紹介の "それでもやりますか?寿命が縮む「糖質制限」元祖提唱者の病歴" で記述されているアトキンス博士のことですが、たがしゅう先生がご自分で調べられたことを 2014-06-27 のブログで詳細に記述されておられます。
日比野医師も新潮記者も論拠とする事実の裏も取らずに記事を造る・・・ 本当に残念ですね
mさん紹介の "それでもやりますか?寿命が縮む「糖質制限」元祖提唱者の病歴" で記述されているアトキンス博士のことですが、たがしゅう先生がご自分で調べられたことを 2014-06-27 のブログで詳細に記述されておられます。
日比野医師も新潮記者も論拠とする事実の裏も取らずに記事を造る・・・ 本当に残念ですね
2018/04/15(Sun) 05:57 | URL | 団塊しっぽ | 【編集】
プーさん 様
コメント、ありがとうございます。
コメント、ありがとうございます。
2018/04/15(Sun) 09:57 | URL | ドクター江部 | 【編集】
m さん
情報をありがとうございます。
週刊新潮の記事ですね。
「動物実験はヒトのエビデンスにはならない」
ということで必要充分と思います。
情報をありがとうございます。
週刊新潮の記事ですね。
「動物実験はヒトのエビデンスにはならない」
ということで必要充分と思います。
2018/04/15(Sun) 10:21 | URL | ドクター江部 | 【編集】
団塊しっぽ さん
情報をありがとうございます。
『日比野医師も新潮記者も論拠とする事実の裏も取らずに記事を造る・・・ 本当に残念ですね』
同感です。
アトキンス博士の体重に関してはご紹介頂いた
以下のたがしゅう先生のブログが、とても参考になりますね。
http://tagashuu.blog.fc2.com/blog-entry-316.html#more
情報をありがとうございます。
『日比野医師も新潮記者も論拠とする事実の裏も取らずに記事を造る・・・ 本当に残念ですね』
同感です。
アトキンス博士の体重に関してはご紹介頂いた
以下のたがしゅう先生のブログが、とても参考になりますね。
http://tagashuu.blog.fc2.com/blog-entry-316.html#more
2018/04/15(Sun) 10:37 | URL | ドクター江部 | 【編集】
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