糖質制限食で下戸だったのが呑めるようになった。何故?
【18/03/23 mitsu
糖質制限食が下戸に変化を起こさせたのか?
以前、2度ほどご回答いただいきお世話になりましたmitsuと申します。
糖質制限開始後3ヶ月で劇的に改善したものです。

昨年4月・血液検査
空腹時血糖 280 HbA1c 10.3

→入院・インスリン治療要請を拒否し、直ちに糖質制限開始、

3ヶ月後(昨年7月)
空腹時血糖 81 HbA1c 5.2

おかげさまで、1年近く経過した現在もHbA1c・5%台をキープしています!

タイトルの件ですが、私は下戸です。飲酒ではビールコップ半分で顔が真っ赤になりドキドキするし、パッチテストでもDD型が確定しているので、完全な下戸と断言できます。父親も同様です。
また、以前は、無理をして飲酒した後日は、決まって風邪をひいたり、インフルエンザを発症したりしました。これはおそらく、毒性を分解できないことで、長時間体内の状態が悪くなり病気に対する抵抗が極端に弱くなるためかと素人ながら体験者として推測できます。

ところが、数ヶ月前のこと、飲む機会があり、糖質0でAlc5%のビールを1時間ほどの間に500ml「飲めて」しまいました。当然、顔は赤くなったが従来のような強い心拍数の上昇が無く、こんなことは初めてでした。また、後日、皆無であった焼酎に挑戦してみたが、お茶割りで5杯ほど(焼酎150ml)飲めました。
下戸としては全く考えられない量です。もちろんフラフラになり、初めて「酔っ払え」ました。下戸はそもそも酔っ払うまで飲めないので、気持ちよく酔うことは無理なのです。
それ以降、焼酎を何度も飲んでいるのですが、日によってバラつきがあり、少量で以前のように赤面と動悸が酷くなってストップの時もあるし、そうでもなくかなりの量が飲めてしまうときもあります。それと、最近は前述のような飲酒後の病気の発症は一切ありません。そもそも糖質制限開始後は風邪すらひいていません。

こんなことで、50年ほどの半生でアルコールは完全に諦めていた現実が少々覆りつつあるのですが、この件の原因としては糖質制限食による変化(影響)としか考えられないのですが、これを読んで、先生がお気づきの点があれば、ご教示いただければと思います。

DD型・分解酵素不活性が変化することは無いことは承知していますが、これは何でしょう?
エネルギー摂取サイクルがグルコースから糖新生によるケトンサイクルへ変化していることが、肝臓の働きやアルコール吸収等に何らかの影響を与えている可能性などがあるのでしょうか?

長文になりました。また、糖質制限食本文とは、ずれた質問なので、スルーなさっていただいて結構です。
「糖質制限に関連する事象としての報告」も兼ねて書きましたので。
これからも引き続き糖質制限食による血糖コントロールを継続していきます。

追記:血液検査、5年前(糖尿病なし)・昨年4月(糖尿病自覚直後の検査)共に、AST・ALTが高め、基準値上限ギリギリ又は超えている(40~60)くらいだったのが、糖質制限開始3ヶ月後の昨年7月の検査では19と14と大きく変化していました。
γGTはずっと基準値内です。】


こんにちは。

mitsu さんから、
「糖質制限食で下戸だったのが呑めるようになった。」

という、とても興味深いコメントを頂きました。
ありがとうございます。

2017年4月
空腹時血糖:280mg/dl HbA1c:10.3%

→入院・インスリン治療要請を拒否し、直ちに糖質制限開始、

3ヶ月後(2017年7月)
空腹時血糖:81 HbA1c:5.2

これは、見事な改善です。
good job です。
天晴れです。


『ビールコップ半分で顔が真っ赤になりドキドキするし、
パッチテストでもDD型が確定しているので、完全な下戸 であったのが、
数ヶ月前のこと、糖質0でAlc5%のビールを
1時間ほどの間に500ml「飲めて」しまった。
また、後日、皆無であった焼酎に挑戦してみたが、
お茶割りで5杯ほど(焼酎150ml)飲めた。』


これは、とても不思議な出来事ですが、
必ず理由はあるはずですので、
仮説を考えてみます。

アルコールのほとんどは、肝臓で分解されます。

アルコール→アセトアルデヒド→酢酸  

という順番で分解していきます。

アルコールを脱水素して分解する酵素は、アルコール脱水素酵素。
アセトアルデヒドを分解して脱水素する酵素はアルデヒド脱水素酵素。

この反応過程で、補酵素NAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)が必要です。
NADが水素を受け取ってNADHになります。
このように、アルコールを分解するにはNADがNADHに還元されることが必要です。

ALDH(アルデヒド脱水素酵素)には
アセトアルデヒドが低濃度の時に働く「ALDH2」と、
高濃度にならないと働かない「ALDH1」があります。
日本人の約半数は、生まれつき「ALDH2」の活性が弱いか欠けていて、
このタイプがお酒に弱いこととなります。

遺伝子型  酵素ALDH2のタイプ
NN型      活性型          強い
ND型      低活性型      ほどほど
DD型      不活性型        弱い  


お酒に強いか弱いかは、ALDH2の活性によるとされていて
基本的に遺伝的なものです。


さて、補酵素NADは、糖新生の過程にも、大きく関わっています。
例えばスーパー糖質制限食実践なら、糖新生は24時間継続して活性化しています。
糖新生の活性化により、NADがおおいに増加して活発化した可能性があると思います。

mitsu さんのALDH2は不活性型であり、遺伝的なものなので、
糖質制限食で変化するということはありません。

従って、仮説ではありますが、

<糖質制限 → 糖新生活性化 → 補酵素NADの増加と活性化>

補酵素NADの活性化により、不活性型のALDH2がそれなりに
最善を尽くして働いてくれるようになり、
やや、お酒が呑めるようになった可能性があるかと思います。


江部康二
コメント
私は逆で、糖質制限を始めてからお酒が弱くなりました、以前から強い方ではなかったですが、今ではワイングラス1杯(180ml)が限度です、私なりに考えていたのは、糖新生に肝臓が働いている為,アルコールの分解に手が回らないからだと、推理していました。
違っていたようです。
2018/03/24(Sat) 22:50 | URL | merdeka | 【編集
晩酌・・・
昭和28年生まれですが、若い時はよく飲み、かなり深酒をしていました。
30代の健康診断で、胃潰瘍と十二指腸潰瘍のエピソードがあり、自然に治癒している・・・・・とのこと。
30代以降は、深酒はせず、テキトーに飲んではいました。
平成12年に父が末期の小細胞肺がんで倒れ、告知の前日、ロックで2杯目・・・・・気づいたら寝床にうっ伏していました。
食卓には、食べてない夕食がきれいに鎮座。
前々から、酔いつぶれることなどなく、お酒が強かったですが、それ以来お酒を受け付けなくなりました。
まぁ、騙し騙し飲めるようにはなりましたが、平日は飲まない。

ところが、糖質制限を始めて(今現在2年4か月)、晩酌(^_-)-☆にウィスキーやラム酒のサイダー割を飲む・・・・呑んでも安心感。

昔呑んでいた感覚とは違う、快感(^^♪が。
アサヒビールの贅沢糖質0も愛飲です。

酔っパケることのない家系のようですが、お酒に依存しない、何とも言えないhigh!な気分があることは確かです。

糖質制限を始める前にはありえなかった感覚です。
2018/03/25(Sun) 02:25 | URL | 今井 | 【編集
Re: タイトルなし
merdeka さん

個人差があるのだと思います。
2018/03/25(Sun) 08:50 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 晩酌・・・
今井 さん

コメントありがとうござます。
糖質制限で快適な飲酒、良かったです。
merdeka さんのようなケースもあるので
個人差があるのでしょうね。
2018/03/25(Sun) 08:54 | URL | ドクター江部 | 【編集
お酒と糖質制限について
先生いつも貴重なお話大変ありがとうございます。お酒と糖質制限についてなんですが、蒸留酒などのお酒はOKなのはわかったのですが、アルコールはまず最初に代謝されるのでしたね。だとすると、糖質制限食といえどたんぱく質や脂質は後回しになりお酒は夜飲むのが大体であと寝るだけになりますね。オーバーカロリーになって太るのではないかと疑問に思ったのですがどうなのでしょうか?お忙しいなか大変申し訳ありません。よろしくお願いいたします。
2018/03/25(Sun) 14:07 | URL | ギー | 【編集
Re: お酒と糖質制限について
ギー さん


以下
厚生労働省のサイトです。
e-ヘルスネット
アルコールのカロリー
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/alcohol/ya-059.html


アルコールは1グラムあたり7.1キロカロリーを生じるが、体に蓄えられないことからエンプティーカロリーとも言われる。


アルコールは1グラムあたり7.1キロカロリーを生じます。
アルコール飲料に含まれるアルコールの量はアルコールの濃度によりますが、
ビールのレギュラー缶(350ml)1本には14グラム程度のアルコールが含まれます。
これだけですと14×7.1=99.4キロカロリーになりますが(実際のビールでは銘柄によって異なります)、
1本あたり140~180キロカロリー程度が含まれているようです。
これはビールにはアルコール以外にもミネラルやビタミン群などが含まれていてそれらのカロリーによるものです。

アルコール自体のカロリーは糖質、脂質、たんぱく質といった他の栄養素と異なり
体に蓄えられることのないカロリー(いわゆるエンプティーカロリー)といわれます。
吸収されたアルコールは体に蓄えられる代わりに熱になり、
酸素消費量が増えてエネルギーが消費されることになります。
従って実際に利用されるカロリーは体内に入ったアルコールの70%程度、
すなわちアルコール1グラムあたり5キロカロリー程度ではないかと言われています。
2018/03/25(Sun) 15:51 | URL | ドクター江部 | 【編集
お酒と糖質制限について
先生、お忙しいなか早々のご回答誠にありがとうございます。なるほど、30%は利用されないことになりますね。私も焼酎大好きなんで、量を守って、楽しみたいと思います。何事もすぎたるは良くないですよね。食事で脂質をとってるぶんつまみは脂質抑えるようにしてます。
2018/03/25(Sun) 22:07 | URL | ギー | 【編集
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