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体重減少が減り止まる理由。脂肪細胞の数が関係か?
こんにちは。

私の友人で、スーパー糖質制限食1年間実践で、
体重が120kgくらいから90kgくらいまで、
約30kgくらい順調に減量成功された方が、2人おられます。

何故か、そこが壁となって、その後もスーパー糖質制限食を続けておられますが
ぴったり減り止まって、3~4年間が経過しました。
結果、BMIは軽く30を超えていて、米国基準でも肥満のままです。

この減り止まるという減少は、何故起こるのか仮説を考えてみました。
キーワードは脂肪細胞の数です。
17/10/03に福助さんが、脂肪細胞の数と大きさについてコメントされていますが、
私も福助さんのお考えに賛成です。

1個1個の脂肪細胞が、大きくなって肥満となった場合、
スーパー糖質制限食なら、速やかに、正常の大きさの脂肪細胞に戻ります。
これが、上記お二人の30kg減量成功に相当すると考えられます。

しかし、脂肪細胞の数が、増加していた場合は、
数は減少しないので、そこで減り止まると考えられます。

脂肪細胞の数は、子供の成長期のときに決まるとか、諸説ありますが、
最近の考えでは、成人になって以降も、脂肪細胞が一定以上の大きさになったら
分裂して数が増えるとされています。
研究によれば、脂肪細胞の大きさは直径の1.3倍までしか肥大できないことが
明らかとなっています。

BMIが約27くらいまでは、脂肪細胞の肥大のみで対応可能と思われます。
しかしそれを超えてエネルギーを貯蔵しようとすると
もはや脂肪細胞の肥大のみでは対応できなくなり
脂肪細胞を分裂させて数を増やすと考えられます。

従って、BMIが28~30以上の肥満の場合は、
脂肪細胞の数が増加している可能性が高く、
どこかで、体重減少が減り止まる場合も多いと思われます。

またBMIが35以上とかの肥満なら、当然脂肪細胞の数はかなり増えていると考えられ
かなりの確率で体重減少は減り止まると考えられます。

結論としては、脂肪細胞の数が分裂して増え始める前に
糖質制限食にて、肥満改善することが望ましいですね。

なお、脂肪細胞の寿命は10年と言われていますので
体重が減り止まった状態の方々も、10年間糖質制限食で
持ちこたえていれば、再び体重減少の可能性はあると思います。

本日のブログは、田頭秀悟先生にご教示頂いたことを参考にしました。
田頭先生、ありがとうございました。


第124回 日本医学会シンポジウム記録集
肥満の科学
2003年8月29日(金)~8月31日(日)
http://jams.med.or.jp/symposium/124.html


も参考にしました。


江部康二

コメント
興味深いご説明ですが、何となくしっくりしない気もいたします。
例えば、もしアポトーシスが誘導されることがあれば、脂肪細胞数の減少はありうるのではないでしょうか。
全貌の理解には、分子シグナルメカニズムの関与、エピジェネティクス、食欲中枢の関与などを絡めた考察が必要ではないでしょうか。
2018/03/03(Sat) 19:25 | URL | U | 【編集
ありがとうございます。
非常に分かりやすい解説です。
すっきりしました。
2018/03/04(Sun) 02:24 | URL | yanosono | 【編集
増えるくせに減らない脂肪細胞
江部先生

いつもお世話になっております。

この仮説は私のような肥満体質の人間にとって、残念ながら(?)受け入れざるを得ない大きな説得力を持ちます。

なぜならば私の場合、5日間断食、8日間断食を行なったことがありますが、その後糖質制限を続けていても、あっという間に断食前の体重に戻ってしまう現象を観察しているからです。

これは成人後にも糖質過剰摂取の影響で分裂し増え続けた脂肪細胞の数が、

断食をすることで脂肪細胞のサイズは小さくなっても、数が減るわけではないので栄養を入れればもとに戻るということで説明可能です。

では脂肪細胞が死ぬまで断食すればいいのかといいますと、脂肪細胞が死ぬような断食では自分自身まで生命の危機に瀕してしまうので。必然的にそこまでのことはできないということになります。

よく目安にされる20歳の頃の体重も、通常の食事摂取量であれば脂肪細胞の数は、身長の上がり止まりと同様に、頭打ちになるために、糖質制限食でその頃の体重までやせると考えれば納得がいきますし、

20歳以降も過食が癖づいて脂肪細胞が限界を超えて分裂を続けてしまった場合は、20歳の体重まで落ちないということも説明できるかもしれません。

脂肪細胞は増えるのは増えるくせに、なかなか減らないという所がくせものですね。

逆に言えば、それくらい脂肪をセーフティネットとして重要視していると解釈することもできるわけですが。

ちなみに脂肪細胞の寿命は10年と言われています。皮膚の細胞の寿命の1ヶ月や赤血球細胞の寿命の120日に比べると格段に長いですね。

10年間糖質制限を続けて増え切った脂肪細胞が入れ替わる時にどうなるのかについてはごく淡い期待を寄せています。

けれどそこはきちんと次世代の脂肪細胞に数もそのまま引き継がれる可能性も十分高いと思っています。

私が糖質制限を初めて6年超、あまり大きな期待はせずに、しかし興味深く自分の身体を観察していきたいと思っています。
2018/03/04(Sun) 07:31 | URL | たがしゅう | 【編集
Re: タイトルなし
U さん

脂肪細胞の数が、簡単に減少するなら、体重減少の壁について、説明が困難です。

「全貌の理解には、分子シグナルメカニズムの関与、エピジェネティクス、
食欲中枢の関与などを絡めた考察が必要ではないでしょうか。」


ご指摘、ありがとうございます。
全貌の理解には、そのような側面も必要と思います。

一方、私は研究者ではなく臨床家ですので、全貌が理解できなくても
概要がこの仮説(脂肪細胞の数理論)で説明できるなら、現実にはOKと思います。
2018/03/04(Sun) 10:13 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 増えるくせに減らない脂肪細胞
たがしゅう 先生


コメントをありがとうございます。
とても参考になります。

脂肪細胞の寿命は10年・・・あと4年で「リニューアルたがしゅう先生」が誕生するかもしれませんね。
2018/03/04(Sun) 10:16 | URL | ドクター江部 | 【編集
たがしゅう先生へ
江部先生、大変お世話になっております。とても興味深いですね。勉強になります。たがしゅう先生あきらめるのはまだ早いですよ、あと、4年待つのはもったいないです。少しでも前に進もうとすれば。必ず前進しますよ、陸上選手をみてるとそうおもいます。むかしは10秒切るのが無理といわれてましたから、話しはそれましたが、私はボディービルを初めてもうすぐ30年になります。100キロ以上あった人が80キロ以下に落とすのは結構見てきました。ボディービルの減量は、低炭水化物、高たんぱく質、中から、低脂肪です。なので江部先生の糖質制限食は全然苦になりません。わたしはお医者さんではないので医学的なことはよくわかりませんが、私が思うには体が今のカロリーに慣れてしまってるのではないのでしょうか?わたしはダイエットが停滞した時は身体をだますのが必要かと思います。脂肪を落とし、たんぱく質を増やすつまり比率を変えてからだにショックを与えるのがいいかと1週間程そうしてからまた元にもどすとか、ジグザグにやるとからだが、だまされて落ちていくと思います。また、夜の脂肪をへらして、あさにくっつけるとか、それだけでも何か変化があるとおもいます。あと自重からでも、筋トレをして筋肉をつけるとさらにいいのではないのでしょうか?わたしのようなものがこんなはなしをして誠に申し訳ありません。でもまだまだ落とせると思います。待つよりこちらから進みませんか?応援してます。
2018/03/04(Sun) 19:42 | URL | ギー | 【編集
ギー さん

御助言頂き有難うございます。
2018/03/05(Mon) 06:57 | URL | たがしゅう | 【編集
江部先生

私の場合は、16~24才まで太り続け、25のとき減量がうまくいっている最中に急遽手術となり、その後の一月半の療養期間で10kgのリバウンドがありまして、現在がそのときと同じレベルです。
療養中の運動不足もありますが、ステロイドの影響は凄まじいものがありますね。
その後のSU剤の影響でも脂肪細胞は増加したように思います。

現在セイゲニスト5年生ですが、減量期後の4年間は1kg前後の増減を繰り返すのみです。
因みに防風通聖散も効果はありませんでした。


ところで今秘かに行っていること(といっても始めたばかり)ですが、『ベルベリン』のサプリ摂取です。

ベルベリンは海外ではポピュラーらしく?、血糖降下作用の大きいサプリとのこと。
またインスリン抵抗性の改善や中性脂肪、LDLの低下作用もあるとのことです。

http://サプリ効果.net/%e3%83%99%e3%83%ab%e3%83%99%e3%83%aa%e3%83%b3%e3%81%a8%e8%a1%80%e7%b3%96%e5%80%a4/

https://nutmed.exblog.jp/20480481/

そしてそれ以上に興味深かったのは、皮下脂肪の分化抑制と分解促進作用があるということ、褐色化の可能性もあるということです。
ただin vitroでの結果ですのでサプリ摂取でどこまで効果があるかは不明ですが。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/sccj/43/4/43_4_274/_pdf

オウレン、オオバコの漢方薬も期待できそうでしょうか。


ただ気になるのは、CYP3A4およびCYP2D6の肝臓酵素を阻害する力があることと、AMPKの誘発からAtrogin-1タンパク質の増加による筋肉の分解、タンパク質合成の阻害の影響です。

https://www.naturopathiccurrents.com/ja/node/803


2018/03/06(Tue) 16:07 | URL | 福助 | 【編集
Re: タイトルなし
福助 さん

黄連は、漢方生薬ですが、苦いので有名です。
体重減少効果は?です。

福助さん、ベルベリンで
「現在セイゲニスト5年生ですが、減量期後の4年間は1kg前後の増減を繰り返すのみです。」

停滞期を脱出できたら、またご報告くださいね。
2018/03/06(Tue) 17:16 | URL | ドクター江部 | 【編集
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