ビタミンB6・B12サプリは男性の肺がんリスクを上昇させる
匿名さんから、

『ビタミンB6・B12サプリは男性の肺がんリスクを上昇させる』

という論文の情報をコメント頂きました。
『ジャーナル オブ クリニカル オンコロジー』
に掲載された論文です。(☆)
ありがとうございます。

結果(Results)
ビタミンB6・葉酸・B12は、女性の肺がんリスクとは関連しなかった。
一方、男性ではマルチビタミンではなく
ビタミンB6・ビタミンB12の個別サプリメント利用は30~40%の肺がんリスク増加と関連した。
10年平均摂取量で評価すると、最高位のビタミンB6摂取(>20 mg/d)とB12摂取(>55µg/d)の男性で、
ビタミンを飲んでいない人と比べるとリスクが約2倍となった(ハザード比は1.82と1.98)。
B6とB12摂取で、男性では、喫煙者においては、リスクがさらに高かった。
それに加えて、B6とB12は、喫煙と関係が少ない腺癌以外の全ての組織タイプとの関連が明らかであった。


わたしは、サプリは自分では全く飲みませんし、
患者さんに奨めるとこともほとんどありません。

しかし、人畜無害かと思っていた、ビタミンB6・ビタミンB12摂取が
あろうことか、男性では肺がんリスクを高めるとは、衝撃的ですね。


江部康二



(☆)


Long-Term, Supplemental, One-Carbon Metabolism–Related Vitamin B Use in Relation to Lung Cancer Risk in the Vitamins and Lifestyle (VITAL) Cohort
Theodore M. Brasky, Emily White, and Chi-Ling Chen
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https://doi.org/10.1200/JCO.2017.72.7735


Abstract
Purpose
Inconsistent findings have been reported of a link between the use of one-carbon metabolism–related B vitamins and lung cancer risk. Because of the high prevalence of supplemental vitamin B use, any possible increased association warrants further investigation. We examined the association between long-term use of supplemental B vitamins on the one-carbon metabolism pathway and lung cancer risk in the Vitamins and Lifestyle (VITAL) cohort, which was designed specifically to look at supplement use relative to cancer risk.

Methods
A total of 77,118 participants of the VITAL cohort, 50 to 76 years of age, were recruited between October 2000 and December 2002 and included in this analysis. Incident, primary, invasive lung cancers (n = 808) were ascertained by prospectively linking the participants to a population-based cancer registry. The 10-year average daily dose from individual and multivitamin supplements were the exposures of primary interest.

Results
Use of supplemental vitamins B6, folate, and B12 was not associated with lung cancer risk among women. In contrast, use of vitamin B6 and B12 from individual supplement sources, but not from multivitamins, was associated with a 30% to 40% increase in lung cancer risk among men. When the 10-year average supplement dose was evaluated, there was an almost two-fold increase in lung cancer risk among men in the highest categories of vitamin B6 (> 20 mg/d; hazard ratio, 1.82; 95% CI, 1.25 to 2.65) and B12 (> 55µg/d; hazard ratio, 1.98; 95% CI, 1.32 to 2.97) compared with nonusers. For vitamin B6 and B12, the risk was even higher among men who were smoking at baseline. In addition, the B6 and B12 associations were apparent in all histologic types except adenocarcinoma, which is the type less related to smoking.

Conclusion
This sex- and source-specific association provides further evidence that vitamin B supplements are not chemopreventive for lung cancer and may be harmful.

コメント
衝撃です
フィンランドショックを思い出しました。
βカロテンがいいといって、人工的に作ったのをがん患者に投与した結果、何もしなかった人よりも増えたというもので、アメリカでも確か同じような結果があったと覚えていますが、間違えてたらすみません。
でも、確かにβカロテンがガンに効果があったという結果が出たそうですが、いろんなものと合わせて全体としてそう働いたので、部分的に優れたものを投与しても、良い結果が得られないのですね。
また、こむら返りなどが連続して起きるときには、私もカルシウムとマグネシウムのサプリを1~2回ほどは飲みますが、年に1~2回ほどですね。
2018/02/09(Fri) 18:04 | URL | クワトロ | 【編集
ビタミンB6,12について
いつもコメントに返信いただき誠にありがとうございます。ビタミンB6,12に関してですが、驚きが隠せません。なぜなら私、B6,B12を単体でとっていたからです。理由はたんぱく質を多くとっていると代謝にB6が多く必要になるとのことでとってましたし、B12は、わたしはウェイトトレーニングしているので細胞の修復に必要とのことでとってました。あと、マルチビタミンもとってたので高単位になっていました。ここ2年ぐらいです。怖くなって、マルチビタミンのみにしました。質問なのですが、 この情報について、先生は信頼性はどう思われますか?糖質制限してない人のデータではないかと思うんですが、糖質制限してる、してないは関係あると思われますか?また、過去にはビタミンB群をとったほうがいいなんて話もききましたが、どうなのでしょうか?先生の見解をお聞きしたいのですがよろしくお願いいたします。
2018/02/11(Sun) 11:59 | URL | ギー | 【編集
江部先生は、オーソモレキュラーに対して、どのような評価をなさっていますか?
2018/02/12(Mon) 00:00 | URL | 魚田阿萬 | 【編集
Re: ビタミンB6,12について
ギー さん

ジャーナル オブ クリニカル オンコロジーは
米国臨床腫瘍学会(ASCO)の正式機関誌として1983年創刊以来
臨床的見地から最新の癌治療に焦点を当てたOncologistの為のBiomedical Journalです。
Impact Factorは毎年高い数値を記録しており、信頼度は高いと思います。

糖質制限していると、「高インスリン血症」や「食後血糖値上昇」という発がんリスクは予防できる理屈ですが、
データは、まだありません。
2018/02/12(Mon) 18:01 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: タイトルなし
魚田阿萬 さん

私自身は、サプリは飲んでいません。
患者さんにも、ほとんどサプリは奨めません。
従ってオーソモレキュラーのことはほとんど知りません。
2018/02/12(Mon) 18:03 | URL | ドクター江部 | 【編集
返信ありがとうございます
先生、毎回丁寧なご回答誠にありがとうございます。毎日お忙しいと思われますが、本当にありがとうございます。感謝しております。信頼性は高いですか、この情報を知ってよかったです。とにかくすぐにやめました。しかし、男性のみというのは不思議ですね。もしかしたら男性ホルモン、女性ホルモンに何か関係してるんですかね、このまましらなかったらずっと飲んでまさたね、私はタバコをやめて11年経ちますがそれでも2倍のリスクは怖いです。改めてお礼申し上げます。糖質制限してなかったらきっと気づかなかったと思います。ありがとうございます。
2018/02/13(Tue) 23:53 | URL | ギー | 【編集
江部先生いつも著書拝見しながら、糖質制限を続けて、5年になりました。健康診断でも、すべて異常なしで、あれだけ高かったコレステロールもLDL 90HDL 110。中性脂肪54と5年前は、LDL 190HDL 100。中性脂肪160と本当にうそだったような気がしています。今回ビタミン6と、ビタミン12の健康被害を読んで、最近ナイアシンというビタミンがコレステロール低下に有効という斎藤さんという方のブログを読みました。調べてみると、ナイアシンは、心筋梗塞や脳卒中の予防にも効果が有ると書かれています。江部先生いかがなものなのでしょうか。
2018/02/23(Fri) 10:41 | URL | 浩ちゃんママ | 【編集
Re: タイトルなし
浩ちゃんママ さん

「LDL 90HDL 110。中性脂肪54と5年前は、LDL 190HDL 100。中性脂肪160」

肝臓が、コレステロールの生産調整をしたのでしょうね。
健康診断でも、すべて異常なしで良かったです。

スーパー糖質制限食なら、HDLコレステロールが上昇し、中性脂肪は正常下限となります。
この場合は、LDLコレステロールも標準の大きさの善玉ですので心配ないですが、
どうしても気になる場合は、ゼチーアが著効します。

従って、私はナイアシンを単独で大量に内服する必要性がないので
処方しません。
スーパー糖質制限食なら、心筋梗塞や脳卒中の予防になります。
2018/02/23(Fri) 20:31 | URL | ドクター江部 | 【編集
ナイアシン
江部先生。いつもお忙しいのに、返信ありがとうございます。何かにつけて気になり、また質問してしまいました。糖質制限をして、良い結果になりましたのに、また違う情報が気になりました。もっと糖質制限をして、改善出来たことに自信を持って続けて行きます。息子も、メタボで、現在36才なんですが、昨年までは、脂質以上、脂肪肝、中性脂肪すべて、再検査でした。本人も、このままでは、大変だと思ったのか、江部先生の本を読み出しまして、89㎏から、7ヵ月スーパー糖質制限をして、現在67㎏になり、最近の健康診断は、すべて異常なしでした。本当に、親子共々感謝しております。これからも、信じて頑張って、健康に過ごして行きます。ありがとうございます。
2018/02/23(Fri) 23:25 | URL | 浩ちゃんママ | 【編集
ビタミン過剰摂取
◇ 過剰摂取は要注意!? ビタミンBの種類と効果について栄養士に聞いてみた

https://www.alicey.jp/article/48691

 B6は、手足のしびれや痛み、神経障害、腎臓結石を引き起こす可能性があります
 葉酸は、発熱、じんましん、呼吸障害などが生じることも
 ナイアシンは、かゆみやヒリヒリする感じなどの皮膚の炎症や、顔の赤み、ほてり、消化不良などの消化器系障害や肝臓障害などの影響を与えることがあります
 これらのビタミンは、過剰摂取の心配から、厚生労働省が定めている摂取量に上限量が設定されています



◇食事摂取基準2015

http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000041955.pdf

22, 23, 25頁に耐容上限量が書かれています
2018/02/25(Sun) 21:18 | URL |  | 【編集
Re: ビタミン過剰摂取

情報をありがとうございます。
2018/02/26(Mon) 07:50 | URL | ドクター江部 | 【編集
サプリに問題あり
◇サプリには心血管疾患の予防効果なし
https://news2.medy-id.jp/news/detail/165432

 心臓病予防のためにビタミンやミネラルのサプリメントを使用してもお金の無駄になるだけかもしれない―。2012年以降に発表された179件のランダム化比較試験(RCT)のメタ解析から、マルチビタミンやカルシウムなどの人気のサプリメントは心血管疾患の予防や全死亡の抑制には役立たないことが示された。ただし、葉酸サプリメントについては摂取による脳卒中リスクの低下が認められたという。詳細は「Journal of the American College of Cardiology」6月5日号に掲載された。

 トロント大学(カナダ)栄養科学のDavid Jenkins氏らは、心血管疾患の転帰および全死亡率とサプリメント摂取の関連性を評価するため、既存のデータから対象とするRCTを同定した。同氏らは2013年および2014年の米国予防医療作業部会(USPSTF)のガイドラインを含む2012年1月~2017年10月に英語で発表されたシステマティックレビューやメタ解析、RCT論文を収集し、基準を満たした179件のRCTを対象にメタ解析を行った。

 この結果、米国で最も普及している4種類のサプリメント(マルチビタミン、ビタミンCおよびD、βカロテン、カルシウム)による心筋梗塞や脳卒中、その他の心血管疾患の予防効果や全死亡リスクの低下の効果は認められなかった。また、抗酸化物質のサプリメントの摂取者では全死亡リスクがわずかだが有意に上昇していたほか、ナイアシン(ビタミンB3)のサプリメントでも全死亡リスクの上昇が示された。

 その一方で、葉酸サプリメントによって脳卒中リスクが約20%低減することが示された。この結果には2015年に報告された中国のRCT(CSPPT試験)で認められた脳卒中リスクの低減効果が大きく影響していた。ただし、この点について、専門家の一人で米国心臓病学会(ACC)心血管疾患予防部門リーダーシップ委員会のAndrew Freeman氏は「CSPPT試験は穀物製品などの食品への葉酸添加が推進されていない状況下で行われた試験であり、食事から適量の葉酸を摂取できている人であれば、葉酸サプリメントの有用性は認められない可能性がある」との見方を示している。

 また、今回の研究論文の筆頭著者であるJenkins氏は、「最も重要なのは健康的な食事を取り、サプリメントに頼らないことだ」と強調。その上で、「(野菜や果物、豆類などの)植物由来の食品をベースにした食事は、健康に大きなベネフィットをもたらすし、ベストな食事だ」としている。Freeman氏もこれに同意し、「植物由来の食品を豊富に含んだ健康的な食事を取れば、サプリメントを使用しなくても必要な全ての栄養素を十分に摂取できる可能性が高い」と指摘している。
(HealthDay News 2018年5月29日)

[元論文]
Journal of the American College of Cardiology
Volume 71, Issue 22, June 2018

" Supplemental Vitamins and Minerals for CVD Prevention and Treatment "

http://www.onlinejacc.org/content/71/22/2570

 元論文によると、「抗酸化物質のサプリメント」とは、" vitamins A, C, E, β-carotene, selenium, zinc " の2種以上を含むサプリとある
2018/06/13(Wed) 20:33 | URL | あるビタミン嫌い | 【編集
耐容上限量
食事摂取基準2015
ビタミンの耐容上限量

http://www.glico.co.jp/navi/e07-2.html
2018/06/13(Wed) 20:37 | URL | あるビタミン嫌い | 【編集
Re: サプリに問題あり
あるビタミン嫌い さん

興味深い情報をコメント頂きありがとうございます。

「最も重要なのは健康的な食事を取り、サプリメントに頼らないことだ」

私も賛成です。

しかし
「植物由来の食品を豊富に含んだ健康的な食事を取れば、サプリメントを使用しなくても必要な全ての栄養素を十分に摂取できる可能性が高い」

こちらは、
動物由来の食品を豊富に含んだ健康的な食事を取れば、サプリメントを使用しなくても必要な全ての栄養素を十分に摂取できる可能性が高い」

と私は思います。


2018/06/14(Thu) 18:37 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 耐容上限量
あるビタミン嫌い さん

こちらも情報をありがとうございます。
2018/06/14(Thu) 18:41 | URL | ドクター江部 | 【編集
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