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「Low T3 syndrome(低T3症候群)」は甲状腺機能低下症ではありません。
こんばんは。

今回は、
「Low T3 syndrome(低T3症候群)」について考えてみます。

「Low T3 syndrome(低T3症候群)」とは、
FT3という甲状腺ホルモンだけが低値で、FT4という甲状腺ホルモンは正常で、
TSH(甲状腺刺激ホルモン)も正常な病態ですが、
これは、甲状腺機能低下症ではありません。

この「Low T3 syndrome(低T3症候群)」は、臨床上、時々見かけます。

慢性消耗性の疾患で低栄養のときに見かけます。

例えば神経性食思不振症などでは比較的よく見られます。
これらは、低栄養のため見かけ上、FT3が低値なだけで、
本当の甲状腺機能低下症ではありません。
従って、甲状腺ホルモンのチラージンSなどを投与しても無意味です。
治療は原疾患の慢性消耗状態や低栄養状態を改善してやれば、
おのずから低FT3も改善して正常値となるのです。

意外かもしれませんが、神経性食思不振症では、
高コレステロール血症が見られることが多いです。

つまり摂取エネルギー不足でもコレステロール値が上昇する場合があるということです。

スーパー糖質制限食を実践して、体力がおちて
ヘロヘロになったり、
筋力が落ちたり、生理が止まったり、
髪の毛が抜けたりといった症状を訴える方々がたまにおられます。
これは糖質制限食のせいではなく、脂質も制限して、
結果として摂取エネルギーが低過ぎたために生じる症状です。

この時、血液検査をしてFT3が低いと、
甲状腺機能低下症と誤診する可能性があります。

しかしこれは「Low T3 syndrome(低T3症候群)」であり、
TSHが正常ならば、本当の甲状腺機能低下症ではありません。
真の甲状腺機能低下症なら、必ずTSHが上昇しますので鑑別は容易です。
摂取エネルギーを標準まで増やせば、症状も改善してFT3も改善します。

要は 「Low T3 syndrome(低T3症候群)」という状態を
医師が認識しているかどうかです。

「Low T3 syndrome(低T3症候群)」という概念をご存じない医師が結構おられるので
注意が必要です。

江部康二
コメント
待ってました!笑
FB上で、いろいろと説が交錯していまして、首をひねっていた(寝違いではなく、笑)ところです。「糖質制限=ケトン食」も、裾野が広がり、当然、正しいやり方を知らずにうまくいかないという方も出てきています。一方、どんどん、レベルが上がって、より高度になっているので、楽しみな毎日です。
2018/01/27(Sat) 17:34 | URL | 北九州・東京 三島 | 【編集
動物性蛋白質でT3が改善
江部先生 いつもこちらのブログを楽しく拝見しています。いろいろ教えていただき、ありがとうございます。

以前ベジタリアンをしていたときに、低T3と診断され、チラージンを処方されました。
体がだるく、いつも胸焼けを起こしていて、菜食に疑問を感じていたところで、薬を飲むのも嫌だったため、10数年続けていた菜食主義を思い切ってやめました。そして、動物性蛋白質をとり始めてからしばらくして検査をすると、T3は正常値になっていました。

その後また菜食に近い食事になってしまったところ、低T3となり、これはいかん!と動物性蛋白質をとるようにすると、T3はまた正常値となりました。
江部先生のおっしゃることを身をもって体験しました。

今はスーパー糖質制限を実践しています。HbA1c6.4→5.8となり、食後高血糖もないです。いつも頭がクリアで、1日中動きっぱなしの仕事も疲れ知らずです。
これも江部先生のおかげと感謝しております。
2018/01/27(Sat) 21:20 | URL | ちーず | 【編集
チラーヂン飲む前は少しTSHが低く、原因不明の体重増加(15kg)があり、そこから投与し今は75まで上がったんですが
前回の検査ではT3が低くTHSも低くなってしまったのは
甲状腺機能低下ではないんですね…
しかし医師からチラージンを減らすとゆう事は言われておらず「栄養をしっかりとってね」とだけ言われました。
カロリー増やせば、本当に改善するのか不安です
2018/01/27(Sat) 22:16 | URL | ゆう | 【編集
Re: タイトルなし
ゆう さん

まずは、主治医に質問して、しっかり相談されては如何でしょう?
2018/01/28(Sun) 07:22 | URL | ドクター江部 | 【編集
???
「糖質制限=ケトン食」なんですか???
2018/01/28(Sun) 15:41 | URL | スピカ | 【編集
Re: ???
スピカ さん

小児難治性てんかんの治療食として、確立している本格的「ケトン食」は
脂質摂取比率が87%くらいです。

一方、スーパー糖質制限食は脂質摂取比率が56%くらいです。
たんぱく質は32%くらい、糖質は12%くらいです。

つまり、二つは別物です。
2018/01/28(Sun) 20:22 | URL | ドクター江部 | 【編集
ケトン体レベルについて
いつも楽しく拝見させていただいております。糖質制限ダイエットしておりますが、ウロペーパーで確認しておりますが、レベル1から2の間くらいでずっとです。私もともとボディービルの大会に出ており、体脂肪もかなり少ない状態で多分3%から4%ぐらいでこの状態からとりいれたのですが、1キロから2キロ増えました。それでも5%はないとおもいます。体脂肪がないとケトン体は出ないのでしょうか?168センチで73キロぐらいです。BMIなんて27とかまったくあてになりません。
2018/01/28(Sun) 20:22 | URL | ギー | 【編集
返信ありがとうございます。
>糖質制限=ケトン食
これを読んだ時、違和感を感じたので別物との先生のコメントですっきりしました。

伝言ゲームではありませんが、捉える人達によっては違うのかなぁと。
ちゃんと江部先生に聞いてよかったです。
2018/01/29(Mon) 16:14 | URL | スピカ | 【編集
Re: ケトン体レベルについて
ギー さん

ウロペーパーは測定原理的に、ケトン体の中で
アセト酢酸を測定しています。
βヒドロキシ酪酸は測定しません。

ウロペーパーで、レベル1から2の「アセト酢酸」が尿中に出現しているということを意味しますので、
血中のアセト酢酸もそれなりに高値と思います。

一般には、糖質制限食で血中「βヒドロキシ酪酸」のほうが、より高値となりやすいです。
ギーさんも、血中βヒドロキシ酪酸は、そこそこ高値の可能性があります。
2018/01/29(Mon) 18:00 | URL | ドクター江部 | 【編集
返信誠にありがとうございます
返信ありがとうございます。糖質制限食にしてからとても体調がいいです。トレーニングもへばることなくスタミナがついたきがします。コレステロールもきにしなくていいのでもしかしたらテストステロンのレベルも上がったのではとおもってます。テストステロンはたしか、体脂肪の減少にもつながるホルモンですよね。もしもうひとつお聞きしたいのですが、ある人は、早くケトーシツにはいるには1日の糖質量を20gram以下にしないとと言ってました。つまりゼロに近いほどいいとのことなんですが本当のところどうなのでしょうか?もっとケトンたいをだしたいです。もしよろしければお答えいだだけたら幸いです。
2018/01/30(Tue) 01:11 | URL | ギー | 【編集
Re: 返信誠にありがとうございます
ギー さん

糖質制限食は人類本来の食事であり人類の健康食です。
高雄病院のスーパー糖質制限食の平均で<脂質:56%、蛋白質:32%、糖質:12%>です。
この食事で私のケトン体は「400~1200μM/L(26~122μM/L)」です。
人類の健康食としてはこんなものでよいと思います。

ケトン食は難治性小児てんかんの『治療食』であり、特殊な食事と考えられます。
脂質摂取比率は87%となります。
ケトン体は4000~5000μM/Lになります。
2018/01/30(Tue) 10:50 | URL | ドクター江部 | 【編集
誠にありがとうございます
先生、再度の質問にお答えいただき誠にありがとうございます。やはり、ケトン体を出すために、たんぱく質をへらして、脂質を増やして、筋肉がおちてしまったらウェイトトレーニングとしたら本末転倒ですからね、勉強になりました。ありがとうございました
2018/02/02(Fri) 01:19 | URL | ギー | 【編集
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