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妊婦の糖質制限と子供の肥満は関係ある?

【18/01/01 らいおん丸
妊婦の糖質制限について
先生。
あけましておめでとうございます。
今年もブログを楽しみにしております。

さて、新春早々、妊婦の糖質制限について警鐘を鳴らす記事がでていました。
宗田先生の著書を読んでいるのかと残念な気持ちになりました。
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6266837

全国版なので、妊婦の不安を煽らないか心配です。】


【18/01/02 くどう
妊娠初期の糖質制限→子どもが肥満体質?
初めまして。
先生のブログ、書籍を拝読させて頂いております。
自身、健康のため、糖質制限を始めてまだ3ヶ月ですが、とても快調な日々を送っております。
先日、ヤフーニュースのトップに、

「妊婦の糖質制限は生活習慣病になりやすい子を産むことに繋がる」というような記事が出ていて、大変驚きました。
根拠の研究なども記事には載っていました。
現在、妊娠を希望しており、今後妊娠できたとしても、糖質を控えた食事をしようと思っています。
江部先生もお読みになりましたでしょうか?
よろしければお考えをお聞かせください。
よろしくお願いします。
↓下記記事
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180101-00010000-yomidr-sctch


こんにちは。

ライオン丸さん、くどう さんから

ヤフーニュースのトップに、

「妊婦の糖質制限は生活習慣病になりやすい子を産むことに繋がる」

という福岡秀興氏の記事が掲載されたというコメントを頂きました。

福岡秀興・早稲田大ナノ・ライフ創新研究機構招聘研究員は、以前から
英国のサウサンプトン研究を引用して、糖質制限食批判をされてますが、
根本的な勘違いをしておられるようです。

福岡氏の引用元の論文は、
炭水化物摂取が
261.5g/日未満
297.5g/日未満
351.0g/日未満[/太字]
351.0g/日以上

の4群の妊婦の研究です。

即ち、全員が大量の炭水化物摂取をしていての研究です。
従って、そもそも糖質制限食とは、全く無関係の論文です。

糖質制限食とは130g/日以下の糖質摂取が定義となります。
糖質制限食の妊婦と、子供の肥満に関する論文はありません。

原著は以下です。
Epigenetic Gene Promoter Methylation at Birth Is
Associated With Child’s Later Adiposity                      
Diabetes 60:1528–1534, 2011


「出産時のエピジェネティックな遺伝子プロモーターのメチル化が、子供の後の肥満に関係している」
という題です。
子供達が9歳のときに、肥満のチェックをしています。
261.5g/日未満の炭水化物摂取群の女性の子供が、
出産時のエピジェネティックな遺伝子プロモーターのメチル化が増加していて
それが肥満と関係しているかもしれないという仮説です。

この論文で調べられているのは、エピジェネティック修飾のなかでもDNAのメチル化です。
著者らの結論も、「may」ですから、かもしれないという仮説レベルであり、
福岡秀興氏、これを確固たるエビデンスのように語られては、困ったものです。
繰り返しますが、この論文の結論は、所詮仮説に過ぎません(*)

私は、この論文の仮説は、子供の肥満のごく一部の要因を説明する可能性は否定しませんが、
普通に考えて、出生後の食生活のほうがはるかに大きな要因となると思います。


また、この仮説は、少なくとも日本女性には、全くあてはまらないと思います。
悪阻(つわり)も考慮すれば、妊娠初期の日本女性のかなりの人が、
炭水化物摂取が261.5g/日未満であり、この研究における最も少ない炭水化物摂取量群に入ると思います。
しかし、過去も現在も、日本の子供が英国の子供より肥満が多いとはとても言えませんね。

なお、「炭水化物摂取量」ではなくて、「飢餓と妊婦と子供の将来の肥満」に関しては
明確なデータがあります。
第2次大戦の1944年11月から1945年のドイツ降伏まで
オランダは約半年間の飢餓状態におかれました。
この時の妊婦から生まれた子供は、成人してから、肥満と糖尿病になる確率が
高かったことが知られています。
特定の遺伝子にエピジェネチックにメチル化が起こり、
これらの発現が調整されたと考えられています。



(*)
CONCLUSIONS:
Our findings suggest a substantial component of metabolic disease risk has a prenatal developmental basis. Perinatal epigenetic analysis may have utility in identifying individual vulnerability to later obesity and metabolic disease.

結論:
私たちの知見は、代謝性疾患リスクの実質的な要素が、出生前の発育基盤を有することを示唆している。周産期エピジェネティック分析は、後の肥満および代謝疾患に対する個々の脆弱性を確認するのに有用かもしれない。





江部康二

コメント
仮説を事実のように言うなんてひどいです
江部先生
こんにちは。早速お調べくださり、ありがとうございました。
お陰で納得、安心いたしました。
お医者さまが、素人、患者相手に話を盛らないで頂きたい。
糖質制限反論に対する江部先生の反論記事が、ヤフーニューストップに上がらないかと期待しております!
2018/01/03(Wed) 18:36 | URL | くどう | 【編集
早稲田大学の研究論文
日本運動生理学雑誌 第24巻第1号 1~6, 2017

安静時における呼気アセトン排出と脂肪酸化量の関係

https://yahoo.jp/box/D1DYVl

  ◇

…同じ大学でも、研究内容は大違いですね
2018/01/03(Wed) 19:21 | URL | 中嶋一雄 | 【編集
ケトン体の学会誌
日本体質医学会雑誌 第79巻第1号 1~6, 2017.2
安静時における呼気アセトン排出と脂肪酸化量の関係

https://yahoo.jp/box/D1DYVl
2018/01/03(Wed) 19:57 | URL | 中嶋一雄 | 【編集
日本糖尿病学会の見解
日本糖尿病学会の見解
http://www.jds.or.jp/modules/important/index.php?page=article&storyid=40

…欧米の研究においては対象となるBMIは30~35以上のことが 多く、肥満度の異なる日本人の糖尿病の病態に立脚した適正な炭水化物摂取量については、いまだ十分なエビデンスが揃っているとは言えない
2018/01/04(Thu) 00:09 | URL | 中嶋一雄 | 【編集
血糖値が上がる仕組み
繊維以外の食物は消化酵素によって分解され小腸から吸収されると理解しています。米の場合小腸に到達するまでに数時間かかると言われているようですが、米を食べると30分もしないうちに血糖値が急上昇します。これは胃からも糖質やその他の栄養素が吸収されているということですか。いつも気になっていながら自分で調べても明確な情報が得られずにおります。
2018/01/04(Thu) 02:51 | URL | ケト子 | 【編集
福岡秀興氏は日本医師会と米穀安定供給確保支援機構主催の「食育健康サミット」にて「米を中心とした日本型食生活」が重要だと発表されています。

つまり、そういうことですね。

http://www.dm-net.co.jp/calendar/2017/027615.php
2018/01/04(Thu) 17:45 | URL | なべ | 【編集
Re: 早稲田大学の研究論文
中嶋一雄 先生

情報をありがとうございます。
このURLで

日本体質医学会雑誌 79巻 1号 2017年 2月
2型糖尿病におけるケ トン体代謝とその意義
山 田 研太郎
久留米大学医学部内科学講座内分泌代謝内科部門


に辿り着きました。
参考になります。
2018/01/04(Thu) 17:47 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: さらに文献追加
中嶋一雄 先生

情報をありがとうございます。
2018/01/04(Thu) 17:59 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 血糖値が上がる仕組み
ケト子 さん

米国糖尿病学会の見解では、
「糖質は摂取してすぐに血糖値上昇を生じ、約2時間で全て吸収される」
としています。
普通に、小腸から吸収されると思います。
2018/01/04(Thu) 18:10 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: タイトルなし
なべ さん

情報をありがとうございます。

福岡秀興氏、論文の著者が「may」といっている仮説を
まるでエビデンスのように述べているのは極めて「アンフェア」ですね。
2018/01/04(Thu) 18:16 | URL | ドクター江部 | 【編集
下痢 吐き気 腹痛時の食事について 
はじめまして
先生のことは5年前右足首骨折脱臼の手術入院後退院した後突然やって来た激しい吐き気舌のヒリヒリ胃痛背中痛で全く食べられなくなった時に近くの内科で逆流性胃腸炎と言われて薬もらったけど全く効かずネットで検索してる時に先生のこちらのブログで、知りました。
直ぐ行きたいでも京都!!私は東京都下住人です。そこで、同じような診療している病院と検索して出てきた今のクリニックにそこから毎週通い、院内での鍼灸の治療を取り入れ薬は全て漢方で処方してくださり4か月後に死にたいと思うほどの苦しみから脱出させてもらいました。その先生からは甘いものは取ってはいけないと言われ続け、でもその頃糖質制限の食品は無く先生の所からソースやハンバーグを買って気をつけていたのですが、良くなると徐々に元の生活へ…
しかし、一昨年の10月に乳癌大腸癌Wで見つかり大腸癌の方は進行癌とはいえリンパ転移なし乳癌は初期と言うことで手術のみでおわりました。
とはいえ乳癌は13年ぶり2度目。
せっかく助けてもらった命、まず、食事と軽い運動からと思いすっぱりと糖質制限20gより激しい荒木先生の食事療法でほぼ5g以下かもな位の勢いで始めました。そして約1年体重は10kg以上減ったけどすこぶる元気です。今は1食20gを目指した食事になりました。
たまにお寿司はご飯の下半分を切ったりくら寿司行ったりこんにゃく米を混ぜた100gで糖質20以下になるご飯炊いて楽しんでます 

お菓子もラカントやエリスリトールで手作り出来ること知りチョコも先生のお陰でモリドル楽しんでます。焼き肉もタレ作ってくださったので楽しめるし、今や糖質制限って言っても工夫が楽しく全く苦ではないですね!
私の見た目と(ほぼガリガリに見える)食べる両のギャップに友達は驚きつつ何人かは緩めの糖質制限初めました。

先生のブログを拝見しててお忙しいのに丁寧にお答えされるところに感心しきりでしたので感謝も合わせて綴っていたら長くなり申し訳ありません。
お聞きしたかったのはお腹こわした時の食事何がいいのかと言うことで、お粥とかうどんをまず思い浮かべてしまうけど糖質制限では最も考えにくい為教えて頂ければとおもいます。

よろしくお願いいたします。

2018/01/04(Thu) 18:32 | URL | はるるママ | 【編集
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