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妊娠糖尿病は治る。宗田哲男先生の糖尿病妊娠学会(2017/12/3)のご発表。
【17/12/31 宗田哲男
妊娠糖尿病は治る
千葉の産科医、宗田です。
ご紹介いただきましたので、ご報告させていただきます。
永井マザーズホスピタル永井泰先生と江部康二先生に共同研究していただいた、
今年の12月3日の糖尿病妊娠学会(宮崎)での発表です

内容は、
「妊娠糖尿病患者が、長期2-3年糖質制限していたらなおる」というものでした。
驚くことに、当院では、
妊娠糖尿病でお産した後の反復妊娠では妊娠糖尿病がほとんどいなくなったのです。
この1-2年間の症例16例中14例が、糖負荷試験で完全に陰性となりました。

糖尿病が増え続けていて、減らすすべがない中で、
妊娠糖尿病が消えていくということは、大変意味があることだと思います。
糖質制限を続けていると、耐糖能が下がるということが言われてきましたが、
これは、一時的なものであって、
真の耐糖能の低下ではないと私たちは思っていました。
数年間緩やかにでも糖質制限をしていたら、
弱まっていた、すい臓が元気になるということがわかったのです。

4年前は、この学会でも、ポスター発表でほとんど発言を遮られて、
話すこともできずに、「妊婦には糖質制限やるな」と攻撃されましたが、
今回は口演発表でしたので、思い切り糖質制限の原理から話しました。

胎児に必要な栄養として、
主食をやめることとたんぱく質と脂肪をたくさんとることを強調して、
卵には糖質がないこと、進化の歴史で卵生も胎生も栄養は変わらないことを、
ヒトの卵子のある卵胞液で示し、
日常的にも新生児はケトン体がたくさん出ていることを紹介しました。

会場では、理解できない方も多いようでしたが反論もなく、
いまだに妊婦に脂肪がいいのかとか
1型糖尿病でインスリンが再び出てくるとは信じられないと言われました。

この研究をまとめていて、2度目の妊娠中、
次々と糖負荷試験で陰性になるのは正直驚きました。
糖質をとっても血糖値が上がらなくなるということは、すごいことだと思います。
  
糖質制限は一時的な方便ではなくある程度続けたら、
糖尿病にならない身体を作れることがわかりましたし、
これに慣れたら元の糖質三昧の生活にも戻らないという方が多いこともわかりました。

実は2人の方が、元の食事に戻して、又妊娠糖尿病になってしまっていました。

長期的には糖尿病への移行を防ぐことを目指して、
今後も、母児の経過を追跡し続けていきたいと思います。

妊娠糖尿病が減らせたら将来の糖尿病も減らせます。
江部先生が、以前からおっしゃっていた通り
「産科で妊婦で解決することが、近道」という予告が証明されつつあるということです。

江部先生、 今年もいろいろ教えていただきありがとうございました。】


こんばんは。

我が畏友、宗田哲男先生が
宮崎で開催された糖尿病妊娠学会(2017/12/3)において
「妊娠糖尿病は治る。」
という素晴らしい研究発表をされ、今回コメントを頂きました。

妊娠糖尿病になった人は、通常は治るどころか
将来糖尿病になる確率は正常妊婦に比べて7.43倍であり、
産後1年以内では糖尿病になる頻度も2.6~38%、あります。(☆)

通常の糖質ありの食事なら、妊娠糖尿病になったその次の妊娠においても
妊娠糖尿病になる確率は極めて高いと思われます。

それが、今回の研究において
「妊娠糖尿病患者が、長期2-3年糖質制限していたらなおる」
ということで、次回の妊娠では普通に糖質を食べても食後高血糖は見られず
耐糖能が正常化したのですから、驚くべき糖質制限食の効果です。

「この1-2年間の症例16例中14例が、糖負荷試験で完全に陰性となりました。」
16人の妊娠糖尿病患者さんのうち、14名が耐糖能が正常化したのですから
宗田先生がご指摘のように、弱っていた、
すい臓のβ細胞が、1-2-3年間の糖質制限食で、
元気になったということです。

「糖質制限は一時的な方便ではなくある程度続けたら、
糖尿病にならない身体を作れることがわかりましたし、
これに慣れたら元の糖質三昧の生活にも戻らないという方が多いこともわかりました。」


その通りと思います。
糖質制限食の継続には、
将来の「妊娠糖尿病」「糖尿病」の発症予防効果があると考えられます。

そして、「食後の眠気がない」「おっぱいの出がいい」「乳腺炎になりにくい」
など体調が良くなるので糖質制限食継続のモチベーションも高まるのだと思います。

一方で、出産後糖質あり食に戻した、2名の妊娠糖尿病患者さんは
次回の妊娠でも妊娠糖尿病を発症ということで
両グループの差は明白ですね。

宗田哲男先生、貴重な研究発表をありがとうございました。


(☆)
日本糖尿病・妊娠学会
糖尿病と妊娠に関するQ&Aに下記の記載があります。
http://www.dm-net.co.jp/jsdp/qa/e/q02/
産後の注意点
Q
妊娠糖尿病の人はお産後も定期的な健診が必要といわれましたが本当に必要なのですか?

A
最近の報告では、妊娠糖尿病の人は産後早期の3~6ヶ月の検査でも、5.4%が糖尿病、全体で25%に何らかの耐糖能異常が見られると報告されています。その他の報告を集計すると、産後1年以内では糖尿病になる頻度は2.6~38%、産後5~16年追求すると糖尿病は17~63%の頻度で発症すると報告されています。また最近のメタアナリシスでは、妊娠糖尿病の妊婦さんは耐糖能が正常の妊婦さんに比べて、将来糖尿病になる確率は7.43倍であると報告されています。
 また、妊娠糖尿病の人を定期的に11年間追求した研究では、産後11年経った平均年齢40.6歳時にはメタボリックシンドロームの発症率は27.2%であり正常妊婦さんの8.2%に比較して明らかに高頻度に発症することが報告されています。
 したがって、産後も定期的に耐糖能異常があるかどうかスクリーニングをうけることが大切であり、同時に食事や運動に気をつけていく必要があります。
(岡山大学 平松祐司)2007年11月』



江部康二
コメント
妊娠初期の糖質制限→子どもが肥満体質?
初めまして。
先生のブログ、書籍を拝読させて頂いております。
自身、健康のため、糖質制限を始めてまだ3ヶ月ですが、とても快調な日々を送っております。
先日、ヤフーニュースのトップに、「妊婦の糖質制限は生活習慣病になりやすい子を産むことに繋がる」というような記事が出ていて、大変驚きました。
根拠の研究なども記事には載っていました。
現在、妊娠を希望しており、今後妊娠できたとしても、糖質を控えた食事をしようと思っています。
江部先生もお読みになりましたでしょうか?
よろしければお考えをお聞かせください。
よろしくお願いします。
↓下記記事
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180101-00010000-yomidr-sctch
2018/01/02(Tue) 18:45 | URL | くどう | 【編集
関連情報
妊娠中でも糖質制限して大丈夫?「つわり」のメカニズムと糖質制限の安全性

http://healthpress.jp/2018/01/post-3450.html


板東Drの新しい論文

New Era of Low Carbohydrate Diet (LCD) and Ketone Bodies (KB) as Energy Source

https://www.omicsonline.org/open-access/new-era-of-low-carbohydrate-diet-lcd-and-ketone-bodies-kb-as-energy-source.pdf
2018/01/02(Tue) 21:54 | URL | 中嶋一雄 | 【編集
Re: 妊娠初期の糖質制限→子どもが肥満体質?
くどう さん

拙著のご購入、ありがとうございます。

ヤフーニュース
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180101-00010000-yomidr-sctch
に関して、私の見解を記事にしようと思います。

2018/01/03(Wed) 11:17 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 関連情報
中嶋一雄 先生

情報をありがとうございます。
とても役に立ちます。

カルピンチョ先生の「つわり」の記事、
坂東先生の「ケトン体の英文論文」、

糖質制限推奨派の両医師、
いいですね。
2018/01/03(Wed) 11:21 | URL | ドクター江部 | 【編集
血圧が改善!?
江部先生、そして糖質制限仲間の皆様、
今年も宜しくお願い致します。

健康診断で、白衣高血圧症なのかいつも140/90前後です。
そのような私でも、
年末に祖母の家で計ると、100/60(両腕平均)でした。
糖質制限をして、確実に血圧が下がったと思います。
(※健康診断の数値は無視しています^^;)

高血圧で糖質大好きな人々にもっと知ってもらいたい。
2018/01/03(Wed) 11:23 | URL | イナガキ | 【編集
Re: 血圧が改善!?
イナガキ さん

糖質制限食で、高血圧改善、良かったですね。
2018/01/03(Wed) 12:15 | URL | ドクター江部 | 【編集
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