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妊娠糖尿病、糖質制限で無事出産。その後の経過で境界型・・・。
【17/12/29 境界型になった子

食後高血糖について

江部先生こんにちは。

第2子妊娠中に妊娠糖尿病になり先生のブログに行き着き、

糖質制限食で血糖コントロールをし、出産を終えました。



産後の糖負荷検査(昨年10月)では

60分166

120分128

インスリン値?は遅れもなく最大で39くらいでした。

で正常型となったのですが、そこから年子の二人育児の疲労、ストレス、寝不足などで食事は疎かになり、体重も全く増えなかったことに油断し糖質漬けの生活でした。



夏頃に子供達の病気、入院、

などから体調不良(熱中症にもなり救急搬送した)になり体重がさらに減りました。

現在妊娠前から-6kg超え、161cm、41kg前後、

BMIは16を切ることもあり怖くて必死に食べていました。



自己血糖測定をたまにしていたのですが

ある日200を超える数字にびっくりして病院に行き糖負荷検査をしました。

結果は散々でした。

前80

30分175

60分215

90分197

120分157

でした。インスリンも最大で22前後でした。

医師からはインスリンが全然出てない、だらだら出ているといわれました。



お伺いしたいのは

①今の私が糖質制限をした場合さらに体重が減るのが怖いのですが、

どうすればいいですか?

②私のこの状態でも糖質制限ですい臓を休ませることで

分泌能は回復する可能性かあるでしょうか?



お時間のある時に教えていたたける嬉しいです。

幼子二人を抱えて、

こんな年末に悲しい結果を受け取り暗澹とした気持ちでおります…… 】




こんばんは。

境界型になった子さんから、

妊娠糖尿病、糖質制限で無事出産。

出産後、一旦、耐糖能も正常化。

しかしその後の経過で境界型になってしまったことに関して

コメント・質問を頂きました。



産後の糖負荷検査(2016年10月)では

60分166

120分128




妊娠糖尿病の場合は、出産後は一旦、耐糖能は改善します。

そのことを確認するため、出産後6~12週で、

75g経口ブドウ糖負荷試験を実施して、再評価します。

質問者の場合も、産後の75gOGTTでは、正常型に復帰しています。



ただ、妊娠糖尿病になった人は、そうでない人に比べて

将来糖尿病になる確率が高く、定期的検査が必要とされています。



国立成育医療研究センター母性内科によれば

妊娠糖尿病は出産後、一旦、正常化しても

「19~87%が分娩後、境界型もしくは糖尿病になっていた」

「妊娠糖尿病だった場合は、正常血糖の妊婦に比べて7.4倍糖尿病になる危険がある。」


とのことです。



2017年12月の75gOGTT(出産後1年半くらい?)

前80

30分175

60分215

90分197

120分157



従いまして、質問者の場合も特に不摂生があったために「境界型」になったというより

普通の食生活(高糖質食)をしていたら、

確率的に普通に「境界型」になったということと思います。



一方、宗田哲男先生は、2017年12月3日、

宮崎で行われた糖尿病妊娠学会で、

「妊娠糖尿病患者が、長期2-3年糖質制限していたら治る。」

という画期的な発表をされました。

糖質制限食を実践して2-3年後には、

次の妊娠中に普通に糖質を摂取しても血糖値が上がらないので、

妊娠糖尿病発症なしであり、これはすごいことだと思います。



『①今の私が糖質制限をした場合さらに体重が減るのが怖いのですが、

どうすればいいですか?』




1gの糖質がピークで血糖値を1.8mg/dl上昇させています。

このデータなら、一回の食事の糖質量が40gの緩い糖質制限食でも

食後ピークの1時間値が150mg/dl前後、2時間値は120mg/dl前後であり

安全圏ですね。

<糖質制限食+推定エネルギー必要量>で

体重も血糖コントロールもOKと思います。

糖質制限で糖質を減らした分、脂質と蛋白質を増やして

推定エネルギー必要量をしっかり確保しましょう。



「日本人の食事摂取基準」(2015年、厚生労働省)

に示す推定エネルギー必要量の範囲、

http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000041955.pdf



推定エネルギー必要量(一日あたり)

       男性            女性

15-17才        2500 2850 3150          2050 2300 2550kcal

18-29才        2300 2650  3050         1650  1950   2200

30-49才        2300 2650  3050          1750  2000  2300

50-69才        2100 2450  2800          1650  1900  2200 
 
70才          1850 2200  2500          1500  1750   2000



身体活動レベル    低い 普通 高い         低い  普通  高い



くらいが目安です。



『②私のこの状態でも糖質制限ですい臓を休ませることで

分泌能は回復する可能性かあるでしょうか?』



宗田哲男先生のご発表のように、妊娠糖尿病になった既往のある人でも

2-3年間の糖質制限食で、耐糖能が正常化して、

次の妊娠では、妊娠糖尿病を発症していません。

耐糖能回復の可能性は充分あると思います。


糖質制限食実践で、安心して、良いお年をお迎えください。





江部康二
コメント
遅くなりましたが、質問にご返答頂き本当にありがとうございました。
本日の記事も自分のことのように読ませて頂きました。
糖質制限食2~3年続けることで正常となり、次の妊娠は普通の食事でも妊娠糖尿病にならないっていうことは本当に羨ましい限りです。
しかし、私は身内に糖尿病が多いため、妊娠中も糖質制限食を続けるべきですよね?
前向きに頑張りたいと思います。

あと…食前、食後1時間後、2時間後の血糖値を測定すれば75g負荷試験は不要とのことでしたが、糖質制限食の時でも測定してみたほうがいいんでしょうか?
負荷試験は不要でも定期的に病院にはかかったほうがいいんでしょうか?職場で検診はありますが…。
2017/12/30(Sat) 19:49 | URL | はるか | 【編集
おはようございます
先生、今年もとても勉強させていただきました。
ありがとうございます。
投稿者の実体験の声もよく響きます。
先生をはじめ、皆さま良いお年をお迎えください。
また、来年もよろしくお願いします。
2017/12/31(Sun) 05:49 | URL | クワトロ | 【編集
Re: タイトルなし
はるか さん

糖質制限食は、
「糖尿病や妊娠糖尿病の治療食」
「糖尿病発症予防食」
「生活習慣病発症予防食」
「糖化予防食」
「人類本来の食事」
「人類の健康食」
ということです。

従って、本来、誰でも糖質制限食のほうが好ましいと言えます。

一度、糖質制限食で、「食前、食後1時間後、2時間後の血糖値」を測定してみましょう。
それで、自分の場合、1gの糖質がどのていど血糖値を上昇させるかがわかります。

あとは、たまに空腹時血糖値をチェックし、糖質を食べた時の食後血糖値を調べればそれで充分です。
はるか さん は、妊娠糖尿病でしたが、緩くてもいいので糖質制限食を実践していれば
将来の糖尿病発症も予防できると思います。

血糖自己測定器と職場の検診で充分と思います。
2017/12/31(Sun) 08:08 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: おはようございます
クワトロ さん

ありがとうございます。
くわとろさんも良いお年をお迎えください。
来年もよろしく御願い申し上げます。
2017/12/31(Sun) 08:27 | URL | ドクター江部 | 【編集
炭水化物(糖質)は人類の主食にあらず
こんにちは。

妊娠糖尿病は、妊娠中期から後期になりやすいとされますよね。
私みたいな素人からみても、本当に炭水化物(糖質)が人類の主食ならば胎児がお腹の中で成長する最も重要な時期に、耐糖数値が低下するのは矛盾していると思います。
これは先生が日頃仰られてる「インスリンは基礎分泌量が最適で少なければ少ないほど身体にはやさしい」が正当化されると思います。

先日コンサートの記事で先生は自身は出不精であると書かれていました。
全国各地に啓蒙活動に行かれるお姿からは想像もつきませんでした(驚)
本当に全国各地への糖質制限啓蒙活動お疲れ様です(感謝)

せめて年末年始はご自宅で静養されて下さい。
今年もお世話になりました。来年もよろしくお願い致します。
よいお年をお迎え下さい。

先生の今年の糖質制限ランキングが紅白歌合戦より気になります(笑)
2017/12/31(Sun) 12:18 | URL | 岸和田のセイゲニスト | 【編集
もう11年前ですが、妊娠糖尿になりました。産後の負荷試験では正常型でした。ブドウ糖負荷検査は9年前からしていません。スーパーではなく、9年前位から少し緩めの糖質制限をしています。私は今のところ、Hba1cは正常です。が、空腹時血糖値は、年齢が40代になった5年前から正常高値になってしまいました。加齢でしょうか。元々妊娠糖尿時も空腹時血糖値が引っかかったので、基礎インシュリンが低いのでしょうか。体質は変えられなく辛いです。産後数年間は、空腹時血糖値は一旦は80代から90代になったのですが。
軽い筋トレや有酸素運動も行なってきたので、上がってきたのが辛く悔しいです。
ただブドウ糖負荷検査の前は1日150グラム糖質をとった方がよいとの事なので、そこまで糖質をとる気になれない為ブドウ糖負荷検査はしていません。1年に1回、空腹時血糖値、Hba1cと食後2時間値の血糖値しか調べていません。
この先空腹時血糖値や食後血糖値が上がってしまわないかと、いつも不安です。
産後は糖尿病になるのが怖かった為、本当は子供は2人欲しかったのですが、諦めた過去があります。
もし宗田先生がおっしゃっている様に、糖質制限で2人目が妊娠糖尿にならないのだったら、産めたらよかったなと今は思います。
妊娠糖尿病になった人は、結局糖尿病になりやすいので、普通の糖質の多い食事には戻せなかったと思いますが。
最近たまに糖質を多目にとると、血糖値が上がりやすくなってしまいました。1年に数回ですが、お付き合いの食事会などで、糖質を多めに取らなければならない時は辛いです。いちいちカミングアウトも出来ません。
ちなみに空腹時血糖値を下げるにはどうしたらよいのでしょう。
心配で、困っています。
空腹時血糖値で合併症にならない数値はいくつまでですか。
2017/12/31(Sun) 13:01 | URL | ゆい | 【編集
妊娠糖尿病は治る
千葉の産科医、宗田です。
ご紹介いただきましたので、ご報告させていただきます。永井マザーズホスピタル永井泰先生と江部康二先生に共同研究していただいた、今年の12月3日の糖尿病妊娠学会(宮崎)での発表です
内容は、「妊娠糖尿病患者が、長期2-3年糖質制限していたらなおる」というものでした。驚くことに、当院では、妊娠糖尿病でお産した後の反復妊娠では妊娠糖尿病がほとんどいなくなったのです。この1-2年間の症例16例中14例が、糖負荷試験で完全に陰性となりました。
糖尿病が増え続けていて、減らすすべがない中で、妊娠糖尿病が消えていくという
ことは、大変意味があることだと思います。糖質制限を続けていると、耐糖能が下がる
ということが言われてきましたが、これは、一時的なものであって、真の耐糖能の低下ではないと私たちは思っていました。数年間緩やかにでも糖質制限をしていたら、弱まっていた、すい臓が元気になるということがわかったのです。
4年前は、この学会でも、ポスター発表でほとんど発言を遮られて、話すこともできずに、「妊婦には糖質制限やるな」と攻撃されましたが、今回は口演発表でしたので、思い切り糖質制限の原理から話しました。胎児に必要な栄養として、主食をやめることとたんぱく質と脂肪をたくさんとることを強調して、卵には糖質がないこと、進化の歴史で卵生も胎生も栄養は変わらないことを、ヒトの卵子のある卵胞液で示し、日常的にも新生児はケトン体がたくさん出ていることを紹介しました。会場では、理解できない方も多いようでしたが反論もなく、いまだに妊婦に脂肪がいいのかとか1型糖尿病でインスリンが再び出てくるとは信じられないと言われました。
この研究をまとめていて、2度目の妊娠中、次々と糖負荷試験で陰性になるのは正直驚きました。糖質をとっても血糖値が上がらなくなるということは、すごいことだと思います。  
糖質制限は一時的な方便ではなくある程度続けたら、糖尿病にならない身体を作れることがわかりましたし、これに慣れたら元の糖質三昧の生活にも戻らないという方が多いこともわかりました。実は2人の方が、元の食事に戻して、又妊娠糖尿病になってしまっていました。長期的には糖尿病への移行を防ぐことを目指して、今後も、母児の経過を追跡し続けていきたいと思います。妊娠糖尿病が減らせたら将来の糖尿病も減らせます。
江部先生が、以前からおっしゃっていた通り「産科で妊婦で解決することが、近道」という予告が証明されつつあるということです。江部先生、 今年もいろいろ教えていただきありがとうございました。
2017/12/31(Sun) 14:01 | URL | 宗田哲男 | 【編集
Re: 炭水化物(糖質)は人類の主食にあらず
岸和田のセイゲニスト さん

なかなかに鋭いご意見です。

妊娠後期にはインスリン抵抗性が増強して、妊娠糖尿病になりやすくなります。
しかし、これは糖質摂取している妊婦においてということです。

ご指摘通り、妊娠後期という大事な時期に、
インスリン抵抗性が増強して血糖値が上昇するというのでは、母子共に非常に不利益を被ります。

人類本来の食事「糖質制限食」なら、インスリン抵抗性が増強しても、インスリンの必要性そのものが少ないので
ほとんど影響はないです。
というか、「インスリン抵抗性が大きくて、自分のインスリンはかなり分泌されている妊娠糖尿病妊婦に、さらに外部からインスリン注射で治療する」
というのは、矛盾しています。
インスリンが多くなれば、肥満してますますインスリン抵抗性が増すという悪循環に陥ります。
理論的には、妊娠糖尿病の治療は、「糖質制限食」以外にはないと言っても過言ではありません。

お陰様で
いつも年末年始はゆっくりしています。
ありがとうございます。
それでは、良いお年をお迎えくださいね。







2017/12/31(Sun) 17:34 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: タイトルなし
ゆい さん

年齢と共に、ほとんどの人が耐糖能が少しずつ低下していきますが
これは仕方のないことです。

日本糖尿病学会は、合併症予防のため、
HbA1c:7.0未満
空腹時血糖値130mg/dl未満
食後2時間血糖値:180mg/dl未満

を、目安としています。

食後血糖値は、糖質制限食ならほとんど上昇しません。
毎日糖質を摂取している人に比べたら、年に数回なら害はとても少ないです。

空腹時血糖値を下げるには、有酸素運動と筋トレがよいと思います。
2017/12/31(Sun) 17:55 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 妊娠糖尿病は治る
宗田哲男 先生

貴重なご研究の情報をありがとうございます。
大変参考になります。

こちらこそ、本年はいろいろお世話になりありがとうございました。
来年もよろしく御願い申し上げます。
2017/12/31(Sun) 18:03 | URL | ドクター江部 | 【編集
ありがとうございました!!
江部先生。明けましておめでとうございます。今年もますますのご活躍をお祈りしております。
さっそくのお返事をいただいて本当に嬉しかったです。ありがとうございます。


先生からのお返事で安心して糖質制限をしていけそうです。
病院に駆け込んだ2週間ほど前から、まずはしっかりすい臓休めなければと緩めとスーパー糖質制限の間くらいの生活をしております。朝は食パン(自宅作、全粒粉を混ぜたもの、6枚切りの3/4程度)かもしくは玄米:白米2:1の米を80g~100g程度、昼も主食は食べても7割程度におさめ、夜は基本的に主食は摂らずです。調味料は基本的に砂糖は使用せず、野菜の糖質はあまりストイックに気にしないようにしています。
食べたあとはすぐに動き、食後二時間までの間はほぼ動きっぱなしで座ることはなしです。夜はどうしてもそういかないこともあるのですぐに入浴し、二人の息子を一人で入れながら100回スクワットしています。
今のところ二時間値で90~110までに収まっています。昨日の年越し蕎麦は義実家だったのでびくびくしながら食べたのですが(恐らく麺80g分くらい)スクワットした結果が一時間値で147でした。動いているのに少し高めなのか?とも思いますが今はすい臓以外で下げるように頑張ります!!

この状態になってからも体重は今のところ変わらずです。たんぱく質はしっかりとって、これまでの食事にチーズや、豆腐、ナッツをプラスしています。
よくよく考えたら妊娠糖尿病の間もなんだかんだ楽しみながら糖質制限していたなと思い出しました。長いお付き合いになるのでこれからも楽しみます!
2018/01/01(Mon) 23:44 | URL | 境界型になった子 | 【編集
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