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「世界一受けたい授業 」という番組の内容。糖新生に対する誤解あり。
【17/12/16 マリマリ
タイトルなし
先生、
世界一受けたい授業 今年分かった新常識
ってゆう番組で
糖質制限食の事を取り上げていて
糖質制限食をやりすぎると逆に糖尿病になる。とやってました
その理由として、糖質を制限すると筋肉から無理やり糖質を作り出して、それが血液に流れる。
糖質制限をすると筋肉も減る。
と言ってました

ポカン、、、としてしまいました。
糖質制限食をすると糖尿病になるなんて、ありえませんよね?!
今まで見た糖質制限食批判の中で一番酷いと思いました
ゴールデンの時間帯に放送していたので
誤解される方がとっても増えたと思います。
なにか、米業界や砂糖業界からの陰謀?を感じてしまいました、、、
こんな間違った事民放テレビで放送してしまうのは日本くらいではないでしょうか?涙
なんか、情けないというか、ガッカリしてしまいました。】



こんにちは。
マリマリさんから
「世界一受けたい授業 今年分かった新常識」という番組の内容に
誤った糖質制限食批判があるとコメントいただきました。
私はこの番組を見ていませんが、検討してみました。

『糖質を制限すると筋肉から無理やり糖質を作り出して、それが血液に流れる。
糖質制限をすると筋肉も減る。』


これは「糖新生」についての誤解ですね。
糖新生は、普通に糖質を摂取している人でも、
睡眠時などの長時間の空腹時は、誰でも糖新生しています。
すなわち、全ての人類は、700万年間の進化の過程で、赤ちゃんも小児も大人も、
誰でも毎日普通に糖新生しているのです。
糖質制限食実践中の人は、糖新生が、さらに活発になるというだけのことです。

カロリー制限をすると筋肉が減る可能性がありますが、
糖質制限は「高タンパク食」になるので、
日常生活のなかで適度の運動量を保てば筋肉は減りません。

運動量は、
男性で「8000歩/日、その内速歩20分」、
女性で「7000歩/日、その内速歩15分」、が目安です。

そして、糖質制限食で将来の糖尿病発症が予防できます。


肝臓で、アミノ酸、乳酸、グリセロール(中性脂肪の分解物)などから
ブドウ糖を作ります。
これを「糖新生」と言い、人体は自力でブドウ糖を生産できるわけです。
従って、「必須アミノ酸」「必須脂肪酸」はありますが、
「必須糖質」はありません。

国際食事エネルギーコンサルテーショングループの報告では、
「炭水化物(この場合は糖質とほぼ同じ意味)の理論的な最小必要量はゼロである」(☆)と明記されています。

実際には、普通に三食糖質を摂取している人でも、
睡眠時や空腹時は、誰でも糖新生しています。

このように糖新生は「特殊な現象」ではなく、
ごく「日常的な生理的活動」の一つなのです。

糖質制限食実践中の人は、糖新生が、さらに活発になるというだけのことです。

糖質摂取開始後数時間くらいまでは心筋・骨格筋の主たるエネルギー源はブドウ糖です。
食事開始後から2時間くらいまでは、身体は食事由来のブドウ糖を利用します。
2時間経過すると肝臓のグリコーゲン分解で血糖値を保ちます。
糖質摂取開始後数時間くらい経過すると、
肝臓の糖新生で血糖値を保つようになりますが、
その頃には心筋・骨格筋など体細胞の主たるエネルギー源は
<脂肪酸-ケトン体>に切り替わっていきます。

従って糖質を普通に摂取している人においても、夜間睡眠時とか、日中でも空腹時は、
心筋・骨格筋などの主たるエネルギー源は、
実は<ブドウ糖-グリコーゲン>ではなく<脂肪酸-ケトン体>なのです。
ケトン体は脂肪酸の分解物で肝臓で作られます。

海外の論文によれば糖質制限食(ケトン食)実践により、
自転車競技、テコンドー、体操などの競技において、
最高強度の運動以外では、全てパフォーマンスが向上することが明らかにされています。

つまり最高強度の運動(100m競争など)だけは普通の食事のほうがいいですが、
それ以外の一般的なスポーツ(低度~中等度~強度)では、
スーパー糖質制限食が優位と考えられます。

ケトン体は、700万年間の進化の歴史において、
常に人類の日常的な主要なエネルギー源であることを強調したいと思います。
インスリン作用が保たれている時の生理的ケトン体上昇は、安全です。
糖質を普通に食べている人の、
血中総ケトン体の基準値は、「26~122μM/L 」くらいです。
つまり、糖質を食べている人でも、
日常的に24時間血中ケトン体は存在しているわけです。

さらに、近年、ケトン体が高値であると、心・腎・脳などに対して
「臓器保護作用」がある可能性が示唆されています。
ケトン体は悪者ではなく、とてもいい奴なのです。



江部康二

コメント
最高強度の運動について
江部先生いつもブログで勉強させていただいております。

さて、本文中の最高強度の運動というところで、少し細かいですが質問させて下さい。
最高強度というのは、例えばオリンピックや全国大会を目指すという意味ではなく、100m走を含むウエイトリフティングや短時間の筋肉運動を指してるのでしょうか?
そうであれば、陸上の1万m走やマラソンのトップレベルであってもケトン代謝を利用するほうが有利ということでしょうか?
2017/12/17(Sun) 17:40 | URL | はな | 【編集
スポンサーは日本最大のパン会社
ご無沙汰しております。
ご活躍はいつもブログを拝見させて頂いております。

さて「世界一受けたい授業」のメインスポンサーは、日本最大のパン会社、ヤマ○キパンなので、糖質制限を批判するのは仕方ないかもです。

ますます糖質制限が周知されてくると現在の食生活の根幹を変えてしまう可能性が高いので、これからも先生方の啓蒙活動は困難な道かと思います。微力ながら応援していきます。
2017/12/18(Mon) 11:14 | URL | 岸和田のセイゲニスト | 【編集
<テレビ番組スポンサー表>
https://www7.atwiki.jp/tvsponsor/pages/16.html

世界一受けたい授業 (2017.10~)

1'00"…LION、SUBARU※1、日本財団、FUJIFILM、GungHo、ヤマザキ(山崎製パン)、積水ハウス

まぁ、メインスポンサーがヤマザキパンですから・・・言わずもがなでしょう。
2017/12/18(Mon) 11:41 | URL | 産婦人科医師 | 【編集
先生、取り上げていただいてありがとうございます(^^)

テレビでは
そもそも糖質制限食は糖尿病になった人がやるもので、糖尿病じゃない人がやるのは危険。とも放送されていました

私は先生の本やブログ、溝口先生の鬱改善の本などで糖質制限食は糖尿病じゃない人にも良いというのは完全に理解できているのですが、テレビのみで情報収集している人だと、誤解されてしまった人は多いだろうなと感じる番組内容でした

もっともっと、正しい情報をテレビでも流してほしいです!!
2017/12/18(Mon) 12:53 | URL | マリマリ | 【編集
文字起こし
「糖尿病になると血液に含まれる糖が増え、血管などを痛めます。
ひどくなると脳梗塞や心筋梗塞など、命にかかわる病気を発症することがあるんです。

そこで近年はやっているのが糖質制限ダイエット
糖尿病の原因の一つといわれるご飯や麺など、糖を多く含む炭水化物を極端に減らし、体重を管理する方法ですが、
実はこの糖質制限の食事は糖尿病のリスクを高めてしまう恐れが!

糖質を極端に制限すると、体は筋肉を次々に分解し、無理やり糖を作り出します。
すると本来糖を消費するはずの筋肉が減り、次第に血糖値が上昇、最悪の場合、糖尿病になる危険性が!

そもそも糖質制限はダイエットのための食事ではなく、
すでに重度の糖尿病、いわゆる高血糖の人への食事療法の一つ」


以上、世界一受けたい授業・今年分かった新常識の文字起こしです。
突っ込みどころ満載ですが、一番おかしいのはなぜダイエットで糖質を極端に制限する必要があるのかということです。

江部先生が先月末のインスリンの功罪で述べられたように、インスリンは、グリコーゲン合成・タンパク質合成・脂肪合成など、栄養素の同化を促進し、筋肉、脂肪組織、肝臓に取り込む作用があります。
また、グリコーゲンと脂肪の分解、タンパク質の異化を抑制する作用もあります。
したがって、糖質を極端に制限したら、インスリンの追加分泌がほとんどなくなり、筋肉が減るのは当然です。

そもそも健康人のダイエットが目的なら緩やかな糖質制限で十分です。
糖質制限を悪者にしたい番組の意図が垣間見えます。

番組で「糖質制限はダイエットのための食事ではない」といっていましたが
正しくは「極端な糖質制限はダイエットのための食事ではないが、緩やかな糖質制限はダイエットのための食事」です。
2017/12/18(Mon) 15:18 | URL | うめ | 【編集
Re: 最高強度の運動について
はな さん

最高強度の運動とは、
高校の陸上部くらいでも同様です。
100m走とか重量上げとかです。
まあ一般人はそもそも最高強度の運動はしませんね。

「そうであれば、陸上の1万m走やマラソンのトップレベルであってもケトン代謝を利用するほうが有利ということでしょうか?」


その通りです。
以下をご参照頂けば幸いです。

ケトン食で、オフロード自転車競技者の運動能力が向上
2014年07月16日 (水)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-3032.html

マラソンと糖質制限食。
2017年02月18日 (土)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-4111.html
2017/12/18(Mon) 16:37 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: スポンサーは日本最大のパン会社
岸和田のセイゲニスト さん

コメントありがとうございます。
メインスポンサーがヤマ○キパンですか。
なるほど納得です。
2017/12/18(Mon) 17:12 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: タイトルなし
産婦人科医師 さん

コメントありがとうございます。
2017/12/18(Mon) 17:12 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: タイトルなし
マリマリ さん

そうですね。
糖質制限食は「人類本来の食事」・・・「人類の健康食」ですものね。
2017/12/18(Mon) 17:14 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 文字起こし

うめ さん

文字起こし、ありがとうございます。

「・・・そもそも糖質制限はダイエットのための食事ではなく、
すでに重度の糖尿病、いわゆる高血糖の人への食事療法の一つ」


なるほど、糖尿病の食事療法としては認めているということですか。

仰る通り、健康人のダイエット目的なら、「緩やかな糖質制限」でも大丈夫です。
また境界型糖尿病から糖尿病発症の予防目的でも、「緩やかな糖質制限食」でおおむね大丈夫です。

一方すでに糖尿病を発症している場合は、「スーパー糖質制限食(厳格な糖質制限食)」でないと
食後高血糖を予防することは困難です。

なお、スーパー糖質制限食(厳格な糖質制限食)なら、体重減少もすみやかで健康的に減量できます。
糖質制限食は人類本来の食事であり人類の健康食ですので、誰が実践してもOKです。

糖質制限食実践によりリアルタイムに血糖値が改善します。
このため既に、経口血糖降下剤(オイグルコン、アマリールなど)の内服や
インスリン注射をしておられる糖尿人は、
減薬しないと低血糖の心配がありますので必ず主治医と相談して頂きたいと思います。

一方、薬を使用してない糖尿人やメタボ人は、低血糖の心配はほとんどないので、
自力で糖質制限食を実践して糖尿病やメタボ改善を目指していただけば幸いです。
2017/12/18(Mon) 17:31 | URL | ドクター江部 | 【編集
あれ?
ヤマザキパンは、糖質ひかえめパンを作ってたと思ったのに、何か変?ですね

http://www.yamazakipan.co.jp/feature/kenkou-support/sugeroff_bread/index.html
2017/12/18(Mon) 20:13 | URL | 糖質制限ファン | 【編集
山崎製パン
スギ薬局、山崎製パンと共同開発の「糖質コントロールパン」を発売

https://www.nikkei.com/article/DGXLRSP459081_S7A001C1000000/
2017/12/18(Mon) 22:34 | URL | 中嶋一雄 | 【編集
医学雑誌最近号
臨床栄養 131巻7号 糖質制限とカーボカウントを正しく理解する

https://www.ishiyaku.co.jp/magazines/eiyo/EiyoBookDetail.aspx?BC=061317

http://amzn.asia/bDH8Kbv
2017/12/18(Mon) 22:35 | URL | 中嶋一雄 | 【編集
ウエルシアとヤマザキ
2017/12/18(Mon) 22:41 | URL | 中嶋一雄 | 【編集
糖質制限での運動
こんばんは。先生のブログを読んでいて、納得する事があります。体感ですが、確かにパフォーマンスは上がります。

私は、糖質制限して4年ですが、仕事が6時間の肉体労働です。焼き肉繁盛店のウェイトレスですが、この店で働いて痩せない人はいないくらいの激務です。立ちっぱなしなんて、ほとんどなく常に歩いています。時には、小走りでお客様の対応もします。

でも、疲労は軽く、仕事の途中でスタミナダウンはありません。

私は元々、体力がなくすぐに疲れてしまうのですが、糖質を摂取していた時は、とても酷かったです。仕事の途中に猛烈な空腹に悩まされ、だからと言って休憩などとれないので、長い間悩んでいました。

仕事で、歩いていても疲れて笑顔になれないくらいでした。

それを、糖質制限に切り替えて、仕事前には卵4個にオイル多めでスクランブルエッグを食べ、納豆3パック食べて、ベビーーチーズ2個食べると、途中でお腹が空かなく快適です。

その食事で、6時間持つのです。これが、ご飯など食べていたら2~3時間で空腹に負けていたと思います。

身体の動きも、スムーズで体力が持つのが本当に有難いです。

プライベートで、長時間はや歩きしても同様です。

それに、糖質制限してこの食事で、筋肉量は増えています。この歳にしては、基礎代謝は1300あります。(50歳)

運動機能や体力が落ちる年代ですが、まだまだ元気です。

引き続き続けていきたいと思っております。

それと、長年患っている鬱と睡眠障害ですが、睡眠障害に感じては長年苦しんできましたが、今は、布団に入ったらすぐに眠れるようになりました。

有難い事です。

先生、ありがとうございます(*^-^)
2017/12/19(Tue) 03:12 | URL | かんたん | 【編集
いつもブログ読ませてもらっています。
1つ教えて頂けないでしょうか。

30歳代、女性です。昨年7月に出産しました。妊娠糖尿病と言われましたが、食事制限のみで無事に出産できました。産後1ヶ月の75g負荷試験では正常型でした。産後半年HbA1c5.8、産後1年HbA1c5.3でした(妊娠前も妊娠中もHbA1c5.0)。
基本的には糖質制限食を続けていますが、たまに息抜きしたり、育児中のためゆっくり食事する時間がなく簡単にパン食べたりしてしまっています。
久しぶりに先日空腹時血糖値を測ってみると、103でした。90台のことが多かったので心配になりました…。
そこで質問なんですが、今後も出産希望しています。また気を引き締めて糖質制限食頑張ろうと思いますが…妊娠糖尿病だった場合、産後は検査はどうしたらいいんでしょうか?調べたら1年ごとに75g負荷試験を受けるべきとのことでしたが、本当に1年おきに受けたほうがいいんでしょうか?
2017/12/19(Tue) 07:59 | URL | はるか | 【編集
Re: あれ?
糖質制限ファン さん


ヤマザキパンの内部で、糖質制限賛成派と反対派がいるのかもしれませんね。
2017/12/19(Tue) 09:47 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 山崎製パン
中嶋一雄 先生

情報をありがとうございます。
2017/12/19(Tue) 09:51 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 医学雑誌最近号
中嶋一雄 先生

情報をありがとうございます。
ただ、緩やかな糖質制限食で、1食40gの糖質を摂取すれば、

体重が64kgの人で<40g×3mg=120mg>

血糖値が上昇します。
糖尿病の人だと、食後血糖値が200mgを超える可能性が高いことを知っておく必要があります。
2017/12/19(Tue) 09:56 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: ウエルシアとヤマザキ
中嶋一雄 先生

こちらも情報をありがとうございます。

ウエルシアの糖質を抑えたクロワッサン
1袋に2個入っていて、1個あたりの糖質は9.1g。


もう少し糖質を減らして欲しいところですね。
2017/12/19(Tue) 09:57 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 糖質制限での運動
かんたん さん

糖質制限で、素晴らしいパフォーマンスですね。
2017/12/19(Tue) 19:43 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: タイトルなし
はるか さん

2017年12月の糖尿病妊娠学会で
宗田先生が発表されました。
妊娠糖尿病患者が、長期2-3年糖質制限していたらなおってしまい
次の妊娠では、妊娠糖尿病にならないとのことでした。

血糖自己測定器を持っておられるなら、特に75gOGTTは必要ないと思います。
時々早朝空腹時血糖値、食後1時間、2時間血糖値を調べておけば同じことです。
2017/12/19(Tue) 19:54 | URL | ドクター江部 | 【編集
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