人体の臓器や細胞のエネルギー源は何?2017年11月、整理版。
こんばんは。

人体のエネルギー源として

A)脂肪酸-ケトン体エネルギーシステム
B)ブドウ糖-グリコーゲンエネルギーシステム


があります。

ほとんどの細胞が、A)B)をエネルギー源として使用しています。

ケトン体は肝細胞内で、
「脂肪酸→β酸化→アセチルCoA→ケトン体」
という順番で誰においても日常的に生成されていて肝臓では使用されずに、
他の臓器、脳や筋肉のエネルギー源として供給されます。


A)B)以外の例外のエネルギー源として、グルタミンと短鎖脂肪酸があります。

C)グルタミン
D)短鎖脂肪酸

小腸はグルタミンが主たるエネルギー源です。
グルタミンが50~60%、ケトン体が15~20%、ブドウ糖は5~7%とごく少ないです。
グルタミンは血中に最も多く含まれている遊離アミノ酸です。

大腸は、短鎖脂肪酸しか、エネルギー源として使いません。
大腸は腸内細菌が、食物繊維を分解して作った短鎖脂肪酸をエネルギー源として利用しています。
また体内で産生された短鎖脂肪酸もエネルギー源とします。



さて、A)B)がエネルギー源となっているほとんどの細胞について整理してみます。

キーワードは、ミトコンドリアです。

ミトコンドリアは細胞内にあるエネルギー生産装置です。
赤血球以外の全ての臓器や組織は細胞内にミトコンドリアを持っています。

ミトコンドリアがあると、TCAサイクルを回して、脂肪酸やケトン体をエネルギー源として利用することができるのです。
血液脳関門は、脳細胞の毛細血管にあり、脳細胞を物理的かつ化学的に守っています。

1)赤血球
 ミトコンドリアを持っていないので、「ブドウ糖」しかエネルギー源として利用できません。
 人体でミトコンドリアを持っていないのは、赤血球だけです。

2)脳
①ブドウ糖、脂肪酸、ケトン体は血液脳関門を通過する。
②脂肪酸はアストロサイトではミトコンドリア内でβ酸化されてエネルギー源となる。
③神経細胞では細胞膜の原料となりエネルギー源としては使われない。

 従って、脳は「ブドウ糖+ケトン体」をエネルギー源として、利用します。

3)筋肉・内臓・脂肪など、ほとんどの体組織

 ミトコンドリアを細胞内に有しているので、
「ブドウ糖+ケトン体+脂肪酸」をエネルギー源として 利用します。
興味深いのは、主たるエネルギー源はケトン体と脂肪酸であることです。

「ハーパー・生化学」(原著27版)の訳本、155ぺージ・図16-9の説明に、
「心臓のような肝外組織では代謝エネルギー源は次の順に好まれて酸化される。
(1)ケトン体.(2)脂肪酸.(3)グルコース」

との記載があります。


4)肝臓
 肝細胞のなかで、ケトン体が生成されますが、肝細胞自らはケトン体を利用せず、
血中に送り込んで他の 組織に供給します。
 従って肝細胞は 「ブドウ糖+脂肪酸」をエネルギー源として利用します。

小腸がグルタミンを主たるエネルギー源にしているのは、食べものを消化吸収したとき、
ブドウ糖や脂肪酸などは他の臓器に供給するためと思われます。

これは、最も効率のよいエネルギー源であるケトン体を、
自らは使用せずに他の臓器に供給する肝臓と同じ趣旨と思います。

人体の臓器や細胞のエネルギー源、
脳に関してもかなり整理整頓できたと思います。 (^_^)


江部康二
コメント
本日、2017,11、整理版を読み!!
都内河北 鈴木です。

本日記事内容読み、私としては
「日本糖尿病学会信者達」に御意見伺いたいです!!

何の改善なく、1患者が改善したのは、何故なのかと??

・「日本糖尿病学会公認医療者」
・「東京都病院協会会長経営病院医療者」
は、
「杉並区内保健センタ~」で、杉並区民60万人近い区民に対して毎回20名募集で、
私自身参加し体験した昨年に時代進化解明対応しない
「カロリ~制限理論」を指導しています!!

私は「糖質制限理論」で「改善以上、生還、覚醒」して行くのは何故なのかと、
各種質問しても何の返答も無い現実!!

又、再度参加申し込みには「初回の方優先」との1文追加あり、
疑問には質問できない状況です。

公共機関「保健センタ~」も何故か1方向の御意見重視だと理解できます!!

今年日本の現実「糖尿病1000万人」と言われて久しいのに、
改善目指す1患者を排除するよりは、
肩書き通りの「日本糖尿病学会公認医療者」として、
理路整然とした理論に目覚めて欲しいですね!!

本日記事には、私1患者にも重々理解できる説明でした!!

だから私は「改善以上、生還、覚醒」して行くのだと理解できます!!

江部先生の御活躍には感謝尽きません!!
ありがとうございます!!
敬具
2017/11/02(Thu) 21:37 | URL | 都内河北 鈴木 | 【編集
東京栄養食糧専門学校の学園祭で低糖質メニュー提供
東京にある東京栄養食糧専門学校の学園祭が
明日11月3日に開催されるようで、低糖質メニューが提供されるとのことです。
詳細は不明ですが、興味深いですね。
URL http://www.dietitian.ac.jp/topics/2017shokuryosai
twitter
2017/11/02(Thu) 22:45 | URL | ぐうたら糖質制限 | 【編集
Re: 東京栄養食糧専門学校の学園祭で低糖質メニュー提供
ぐうたら糖質制限 さん

情報をありがとうございます。
2017/11/02(Thu) 23:07 | URL | ドクター江部 | 【編集
低糖質食で血糖値上昇
先日色素性痒疹についてアドバイスをいただきありがとうございました。摂取カロリーを増やして体重1kg増。色素性痒疹も随分良くなりました。

どうしても自分の食後血糖値が気になり血糖値測定器を購入して調べてみたところ、食前 74 mg/dl、食後1時間 104 mg/dl、食後2時間 86 mg/dlという結果でした。この時に食べたものは豚肉約100g、鶏肉約140g、ブロッコリー約200gで塩コショウのみの味付けです。食後1時間で140 mg/dlを超えていないので江部先生が定義されるグルコーススパイクではないと思います。糖質をかなりおさえた食事で30 mg/dlの上昇をどのように解釈すれば良いでしょうか。
2017/11/03(Fri) 01:58 | URL | ケト子 | 【編集
日野原先生の一週間の食事内容が下記のサイトにありますが、これは糖質制限ではないと思います。
http://arigatokansya.ti-da.net/e3424676.html
2017/11/03(Fri) 07:24 | URL | スネイプ | 【編集
先に掲載頂いた学園祭の低糖質メニュー
ご掲載ありがとうございます。
情報提供した手前、東京栄養食糧専門学校の学園祭行ってみました。提供されている低糖質メニューは山田悟先生基準のロカボメニューらしく、二つの定食があるのですがそれぞれ糖質40g以下スレスレの36gとか39gだったので、
スーパー糖質制限基準ではNG食です。
少し残念でした。
2017/11/03(Fri) 12:18 | URL | ぐうたら糖質制限 | 【編集
Re: タイトルなし
スネイプ さん

日野原先生ご自身の随筆で、ご飯または糖質は制限すると書いておられます。
それによると、

朝が糖質5~10g、昼が糖質15g、
夕が糖質40gくらいなので、一日の糖質摂取量は、60~65gくらいで
糖質摂取比率は約20%弱です。


日野原先生の具体的な食事内容は一度記事にしようと思います。
2017/11/03(Fri) 12:20 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 先に掲載頂いた学園祭の低糖質メニュー
ぐうたら糖質制限 さん

それは、ご苦労様でした。
糖質36gとか39gなら、ダイエットにはいいかもしれません。
東京栄養食糧専門学校の学園祭で提供されたのなら、それなりに進歩と思います。
普通食が、1回の糖質量80~100gなのでそれよりはましですね。

しかし糖尿人が、36gの糖質を食べたら、血糖は108mgくらい上昇するので
食後血糖値は180mgを超えてくる可能性が高く合併症のリスクとなりますので
注意が必要です。
2017/11/03(Fri) 12:26 | URL | ドクター江部 | 【編集
脳血液関門と脂肪酸
脂肪酸は脳血液関門を通過できるのでしょうか?
Wikipediaだとできないと書いてあります。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A1%80%E6%B6%B2%E8%84%B3%E9%96%A2%E9%96%80
DHAやω3は通過という記事もあります。
http://dislocon.blog.fc2.com/blog-entry-536.html
2017/11/04(Sat) 13:49 | URL |  | 【編集
Re: 脳血液関門と脂肪酸
私も当初、
「脂肪酸は血液脳関門をす通過できないが、ケトン体は通過できる」という定説を信じていましたが、
真実はことなるようです。
脂肪酸も血液脳関門を通過できるようです。

以下の福田一典先生のサイトが大変参考になります。


福田一典先生のブログ。
http://blog.goo.ne.jp/kfukuda_ginzaclinic/e/5f3a62cb8fc7657952f9ae49bdc00e96
2017/11/04(Sat) 18:59 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 脳血液関門と脂肪酸
江部先生

こんばんは。

宗田哲男先生の著書「ケトン体が人類を救う」にも「脂肪酸は、分子量が大きいために血液脳関門が通過できませんが~」と記載ありましたので、私もそう思っていましたが、間違っているんですね。何が正しいかは、いろんな物を読んでみて、自分で判断しないといけないですが、専門家ではないので、非常に難しいですけど…
2017/11/04(Sat) 20:25 | URL | テスタ | 【編集
Re: 脳血液関門と脂肪酸
失礼、2)の③は
(脂肪酸は)神経細胞では細胞膜の原料となりエネルギー源としては使われない。
という意味だったのですね。
脂肪酸は血液脳関門(語順間違えてました)は通過するけどATPあたりの酸素消費が多いために利用に消極的というのが福田先生の主張なのですね。
2017/11/04(Sat) 22:47 | URL |  | 【編集
Re: Re: 脳血液関門と脂肪酸
テスタ さん

脂肪酸が血液脳関門を通過できるということを記事にしようと思います。
2017/11/05(Sun) 11:53 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: Re: 脳血液関門と脂肪酸

その通りです。
2017/11/05(Sun) 11:54 | URL | ドクター江部 | 【編集
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