2017年10月19日 (木)
こんにちは。
本日は今から尼崎に出かけます。
【第29回阪神内分泌DMセミナー】にて、講師をつとめます。
糖尿病専門医の方々も多く参加されると思うので、楽しみです。
さて、スーパー糖質制限食を数年間実践中の、
江部康二の2017年10月の検査データです。
HbA1c:5.6%(4.6~6.2)
GA(グリコアルブミン):13.2%(11.6~16.0)
空腹時血糖値:106mg(60~109)
中性脂肪:40mg(50~149)
総コレステロール:228mg(150~219)
HDL-コレステロール:93mg(40~85)
LDL-コレステロール:127mg(140mg未満)
尿酸:4.0mg(3.4~7.0)
BUN:18.9mg(8~20)
クレアチニン:0.66mg(0.6~1.1)
血清シスタチンC:0.63mg(0.61~1.00) → eGFR:119.3
GOT:26(9~38)
GPT:21(5~39)
γGTP:45(84以下)
総タンパク:6.6g(6.5~8.3)
アルブミン:4.5g(3.8~5.3)
血色素量:15.0(13~17)
白血球数:5400(3900~9800)
赤血球数:465(400~560)
空腹時インスリン:4.4μU/ml(3~15)
血中βヒドロキシ酪酸:698μM/L(76以下)
尿中アセトン体:陰性
尿アルブミン定量精密・クレアチニン補正値:7.3(30以下)
HbA1cも正常範囲内ですがやや高めのほうです。
空腹時血糖値が、正常範囲内でやや高め(正常高値)であることを反映しています。
まあ、糖尿病歴、15年ですから仕方ありませんね。
一方、GAは正常範囲内でかなり低めのほうです。
これは、スーパー糖質制限食により食後高血糖がほとんどないためと思われます。
即ち「糖化」は正常人並みあるいはそれ以上に予防できていると考えられます。
総コレステロール値は、心血管疾患との関連性は無く、
脂質異常症の2007年以降のガイドラインから外れているので特に問題はありません。
HDL-コレステロール、LDL-コレステロールもOKです。
中性脂肪値が低く、HDL-Cが多いので、
小粒子LDL-Cはほとんどない良好なパターンです。
スーパー糖質制限食なので、高タンパク・高脂質食なのですが、尿酸はやや低いですね。
尿酸も食べ物由来は2割程度であとは個人の体質ですのでこんなものでしょう。
高タンパク食ですが、BUNもクレアチニンも正常です。
焼酎などよく飲む割には肝機能も全く正常です。 (^_^)
インスリンは、基礎分泌が正常範囲内でやや少なめですが、
空腹時血糖値が基準値なので問題ないです。
血中βヒドロキシ酪酸:698μM/L(76以下)と、
一般的基準値に比べればかなり高値ですが、
尿中のアセトン体(ケトン体の一種)は陰性です。
これは、スーパー糖質制限食実践で、心筋・骨格筋などの体細胞が、
日常的に効率良くケトン体をエネルギー源として利用するようになったため、
尿中に排泄されないのだと考えられます。
即ち、わたしの血中ケトン体値は、あくまで生理的範囲のもので、
インスリン作用は一定確保されていて、血糖値も106mgと正常です。
見方を変えれば、農耕以前の人類皆糖質制限食だった頃は、
私のような血中ケトン体値のデータが当たり前で、
人類の標準だったと考えられます。
糖質制限食実践中の人の血中βヒドロキシ酪酸の標準値は、
200~800~1200μMくらいと考えられます。
ケトン食レベルの人達の、血中βヒドロキシ酪酸は、
1000~2000レベルですが、尿中ケトン体は、陰性のようです。
なお、糖質制限食開始直後は、血中ケトン体の上昇に伴い、
尿中のケトン体も陽性となり、どんどん体重が減少していきます。
徐々にケトン体の利用効率が良くなるに従い、
尿中ケトン体は減っていき、やがて陰性となります。
江部康二
本日は今から尼崎に出かけます。
【第29回阪神内分泌DMセミナー】にて、講師をつとめます。
糖尿病専門医の方々も多く参加されると思うので、楽しみです。
さて、スーパー糖質制限食を数年間実践中の、
江部康二の2017年10月の検査データです。
HbA1c:5.6%(4.6~6.2)
GA(グリコアルブミン):13.2%(11.6~16.0)
空腹時血糖値:106mg(60~109)
中性脂肪:40mg(50~149)
総コレステロール:228mg(150~219)
HDL-コレステロール:93mg(40~85)
LDL-コレステロール:127mg(140mg未満)
尿酸:4.0mg(3.4~7.0)
BUN:18.9mg(8~20)
クレアチニン:0.66mg(0.6~1.1)
血清シスタチンC:0.63mg(0.61~1.00) → eGFR:119.3
GOT:26(9~38)
GPT:21(5~39)
γGTP:45(84以下)
総タンパク:6.6g(6.5~8.3)
アルブミン:4.5g(3.8~5.3)
血色素量:15.0(13~17)
白血球数:5400(3900~9800)
赤血球数:465(400~560)
空腹時インスリン:4.4μU/ml(3~15)
血中βヒドロキシ酪酸:698μM/L(76以下)
尿中アセトン体:陰性
尿アルブミン定量精密・クレアチニン補正値:7.3(30以下)
HbA1cも正常範囲内ですがやや高めのほうです。
空腹時血糖値が、正常範囲内でやや高め(正常高値)であることを反映しています。
まあ、糖尿病歴、15年ですから仕方ありませんね。
一方、GAは正常範囲内でかなり低めのほうです。
これは、スーパー糖質制限食により食後高血糖がほとんどないためと思われます。
即ち「糖化」は正常人並みあるいはそれ以上に予防できていると考えられます。
総コレステロール値は、心血管疾患との関連性は無く、
脂質異常症の2007年以降のガイドラインから外れているので特に問題はありません。
HDL-コレステロール、LDL-コレステロールもOKです。
中性脂肪値が低く、HDL-Cが多いので、
小粒子LDL-Cはほとんどない良好なパターンです。
スーパー糖質制限食なので、高タンパク・高脂質食なのですが、尿酸はやや低いですね。
尿酸も食べ物由来は2割程度であとは個人の体質ですのでこんなものでしょう。
高タンパク食ですが、BUNもクレアチニンも正常です。
焼酎などよく飲む割には肝機能も全く正常です。 (^_^)
インスリンは、基礎分泌が正常範囲内でやや少なめですが、
空腹時血糖値が基準値なので問題ないです。
血中βヒドロキシ酪酸:698μM/L(76以下)と、
一般的基準値に比べればかなり高値ですが、
尿中のアセトン体(ケトン体の一種)は陰性です。
これは、スーパー糖質制限食実践で、心筋・骨格筋などの体細胞が、
日常的に効率良くケトン体をエネルギー源として利用するようになったため、
尿中に排泄されないのだと考えられます。
即ち、わたしの血中ケトン体値は、あくまで生理的範囲のもので、
インスリン作用は一定確保されていて、血糖値も106mgと正常です。
見方を変えれば、農耕以前の人類皆糖質制限食だった頃は、
私のような血中ケトン体値のデータが当たり前で、
人類の標準だったと考えられます。
糖質制限食実践中の人の血中βヒドロキシ酪酸の標準値は、
200~800~1200μMくらいと考えられます。
ケトン食レベルの人達の、血中βヒドロキシ酪酸は、
1000~2000レベルですが、尿中ケトン体は、陰性のようです。
なお、糖質制限食開始直後は、血中ケトン体の上昇に伴い、
尿中のケトン体も陽性となり、どんどん体重が減少していきます。
徐々にケトン体の利用効率が良くなるに従い、
尿中ケトン体は減っていき、やがて陰性となります。
江部康二
検査データ素晴らしいですね。スーパー糖質制限を見習って頑張ります。
2017/10/19(Thu) 16:07 | URL | HK | 【編集】
江部先生
初めまして。
いつも、先生の著書、ブログで勉強をさせてもらっています。
お忙しいところ大変申し訳ありません。
もう1回投稿しました。
私は36歳、第2子の妊娠の時に妊娠糖尿病と言われて、将来糖尿病予防のために、去年の8月からほぼスーパー糖質制限を始めました。
今年の8月に会社健康診断で、今日結果が届きました。結果は以下のように、
中性脂肪は 37 mg/dl (前回67、前々回64)
HDLコレステロールは 56 mg/dl (前回89、前々回59)
LDLコレステロールは 117 mg/dl (前回87、前々回110)
先生、こんな結果は問題がありますか?先生のブログを読んだ時、糖質制限食実践で、HDLコレステロ-ルが増加するので、LH比は低下することが多いという記事があり、でも、私はLDLコレステロールもHDLコレステロールも正常値なのですが、HDLが糖質制限でどんどん増えていくのかと思いましたがほとんど変わらないので、LH比も高めなのです。この結果はちょっと心配です、どうしたらHDLを増やせるでしょうか?
もしわずかでもアドバイスをいただけると大変助かります。
よろしくお願いします。
初めまして。
いつも、先生の著書、ブログで勉強をさせてもらっています。
お忙しいところ大変申し訳ありません。
もう1回投稿しました。
私は36歳、第2子の妊娠の時に妊娠糖尿病と言われて、将来糖尿病予防のために、去年の8月からほぼスーパー糖質制限を始めました。
今年の8月に会社健康診断で、今日結果が届きました。結果は以下のように、
中性脂肪は 37 mg/dl (前回67、前々回64)
HDLコレステロールは 56 mg/dl (前回89、前々回59)
LDLコレステロールは 117 mg/dl (前回87、前々回110)
先生、こんな結果は問題がありますか?先生のブログを読んだ時、糖質制限食実践で、HDLコレステロ-ルが増加するので、LH比は低下することが多いという記事があり、でも、私はLDLコレステロールもHDLコレステロールも正常値なのですが、HDLが糖質制限でどんどん増えていくのかと思いましたがほとんど変わらないので、LH比も高めなのです。この結果はちょっと心配です、どうしたらHDLを増やせるでしょうか?
もしわずかでもアドバイスをいただけると大変助かります。
よろしくお願いします。
2017/10/19(Thu) 20:25 | URL | はな ママ | 【編集】
江部先生、いつもお世話になっております。いつもありがとうございます。体臭や口臭について日常生活の中で気になっております。インターネットで検索しますと、決まった答えとしてケトン臭(アセトン臭)は肉食を控えることで軽減される由、タンパク質や脂質の摂取を控えるような内容になっています。私の場合血中ケトン体濃度は780、BUNは基準値を超えて24ぐらいです。江部先生が過去のブログで書かれていらっしゃるように、水分をしっかりとるように日々心がけていますが、不安感が強くジレンマに陥っていますジレンマに陥っています。。もし可能でございましたら、糖質セイゲニストの体臭と口臭についてご考察いただけたらと思いペンを取りました。どうかよろしくお願いいたします。
2017/10/20(Fri) 12:21 | URL | ジェームズ中野 | 【編集】
私はLDLが200超えています(TG80, HDL120)が、大丈夫でしょうか?近所のクリニックでは、スタチンの服用迫られています。
また、ケトン体は高ければ高いほど良いと思ってましたが、そんなことはないのですね!
また、ケトン体は高ければ高いほど良いと思ってましたが、そんなことはないのですね!
2017/10/20(Fri) 13:23 | URL | オリオリ | 【編集】
HK さん
ありがとうございます。
ありがとうございます。
2017/10/20(Fri) 17:04 | URL | ドクター江部 | 【編集】
はな ママ さん
HDLコレステロールは、
59 → 89 → 56 mg/dl
スーパー糖質制限食で、一旦増えたHDL-Cがまた少し減っていますが不思議ですね。
ともあれ、中性脂肪は、64 → 67 →37mg/dl
と極めて、良好なパターンですので、問題ないと思います。
少なくとも、小粒子LDL-Cは少ないので心配ないです。
このまま、スーパー糖質制限食で経過をみられたら、自然にHDL-Cもまた増加すると思います。
HDLコレステロールは、
59 → 89 → 56 mg/dl
スーパー糖質制限食で、一旦増えたHDL-Cがまた少し減っていますが不思議ですね。
ともあれ、中性脂肪は、64 → 67 →37mg/dl
と極めて、良好なパターンですので、問題ないと思います。
少なくとも、小粒子LDL-Cは少ないので心配ないです。
このまま、スーパー糖質制限食で経過をみられたら、自然にHDL-Cもまた増加すると思います。
2017/10/20(Fri) 17:18 | URL | ドクター江部 | 【編集】
ジェームズ中野 さん
血中ケトン体濃度が780くらいなら、3ヶ月くらい経過したら、
尿中ケトン体や呼気中のケトン体は陰性になると思います。
従って、ケトン臭はでなくなると思います。
血中ケトン体濃度が780くらいなら、3ヶ月くらい経過したら、
尿中ケトン体や呼気中のケトン体は陰性になると思います。
従って、ケトン臭はでなくなると思います。
2017/10/20(Fri) 21:23 | URL | ドクター江部 | 【編集】
オリオリ さん
「LDLが200超え、TG80, HDL120」
このデータなら、小粒子ldl-cは、ほとんどないので心配ないです。
難治性小児てんかんやガン治療が目的のケトン食は、血中ケトン体が2000~5000レベル欲しいところです。
健康食としてのスーパー糖質制限食だと400~800~1200くらいです。
ケトン体値の目標は、状況により異なるということです。
「LDLが200超え、TG80, HDL120」
このデータなら、小粒子ldl-cは、ほとんどないので心配ないです。
難治性小児てんかんやガン治療が目的のケトン食は、血中ケトン体が2000~5000レベル欲しいところです。
健康食としてのスーパー糖質制限食だと400~800~1200くらいです。
ケトン体値の目標は、状況により異なるということです。
2017/10/20(Fri) 21:28 | URL | ドクター江部 | 【編集】
はじめまして。
私は57才の女性です(身長159cm、体重51kg)。10年ほど前から血圧が高くなり、昨年の9月1日から夫と共に糖質制限食を始めました。
その結果、2014年には175-90ほどだった血圧が、今週受けた人間ドックでは126-88に下がり、さらに今朝自宅では117-78程度でした。夫もすっかりお腹が細くなり、血圧も下がり、揃って健康になった感じがして喜んでいます。
糖質制限食を始めるに当たり、江部先生の『やせる食べ方』や『食品別糖質量ハンドブック』を参考にさせて頂き、特に後者は、食事の用意をする時には手放せないものになりました。さらにうれしいのは、太りたくないと思ってずっと我慢していた油物や、大好きなバター、チーズ、ワイン、オリーブオイル等々を食べてもいいんだとわかり、かえって糖質制限前より、おいしく食事を楽しむことが出来ていると感じています。体重も3キロほど減り、もう少しスリムになれるかなぁとこのままの食事を続けていこうと思っています。
ところが、数日前に受けた人間ドックで、衝撃を受けています。LDLコレステロールがなんと366と異常値を示していました(総コレステロールは491)。正しくは異常値というのかわかりませんが、例えばコレステロールが高いと江部先生のブログに訴えているどの方を見ても、あるいはアメリカなどのコレステロール値と心筋梗塞発症率予測(ちょっと正確ではないかもしれません)のグラフなどでさえ、LDLは280が上限だったりして、私が参考になるものが見当たらず途方に暮れております。
人間ドックのあと、医師の診断で早速スタチンを勧められましたが、以前から宗田哲男先生の著書でコレステロール降下薬は飲むな、ということを読んでおりましたし、薬なしの人生を目指して、12年間ランニングを続けゼイゼイ言いながらも走ることが人生の一部になった生活をしているにもかかわらず、あっさり薬を勧めてくる医師に憤りを感じています。
宗田先生は次男の出産をして頂いた優しい,すばらしい先生でした。今でも感謝しています。先生の言うことに間違いはないと思っていますし、江部先生のブログを拝見すると、HDL-Cが高くて中性脂肪が低かったら、LDL-Cが高くても良いLDL-Cだという記述が至るところに出てくるので、ちょっと救われています。
しかし、それにしても値があまりにも高いのではないかと思い、不安でいっぱいです。わらをもつかむ思いです。江部先生、教えて頂けませんでしょうか?私は何らかのコレステロール降下薬を飲まなければいけないのでしょうか?
来週中に頸動脈エコー検査をします。動脈硬化を見るんでしょうか。
さらに1ヶ月後に再度血液検査をして、医師の診断はその時下るのだろうと思われます。
これまでのコレステロールの検査値は次の通りです。
’14/10 ’15/8 ’16/9/29 ‘17/10/17
T-CHO 261→ 283 →323 →491
HDL-C 116→ 102 →106 →116
LDL-C 126→ 166 →208 →366
中性脂肪 55→ 54 →46 →58
糖質制限食は2016/9/1より始めました。
よろしくお願い致します。
私は57才の女性です(身長159cm、体重51kg)。10年ほど前から血圧が高くなり、昨年の9月1日から夫と共に糖質制限食を始めました。
その結果、2014年には175-90ほどだった血圧が、今週受けた人間ドックでは126-88に下がり、さらに今朝自宅では117-78程度でした。夫もすっかりお腹が細くなり、血圧も下がり、揃って健康になった感じがして喜んでいます。
糖質制限食を始めるに当たり、江部先生の『やせる食べ方』や『食品別糖質量ハンドブック』を参考にさせて頂き、特に後者は、食事の用意をする時には手放せないものになりました。さらにうれしいのは、太りたくないと思ってずっと我慢していた油物や、大好きなバター、チーズ、ワイン、オリーブオイル等々を食べてもいいんだとわかり、かえって糖質制限前より、おいしく食事を楽しむことが出来ていると感じています。体重も3キロほど減り、もう少しスリムになれるかなぁとこのままの食事を続けていこうと思っています。
ところが、数日前に受けた人間ドックで、衝撃を受けています。LDLコレステロールがなんと366と異常値を示していました(総コレステロールは491)。正しくは異常値というのかわかりませんが、例えばコレステロールが高いと江部先生のブログに訴えているどの方を見ても、あるいはアメリカなどのコレステロール値と心筋梗塞発症率予測(ちょっと正確ではないかもしれません)のグラフなどでさえ、LDLは280が上限だったりして、私が参考になるものが見当たらず途方に暮れております。
人間ドックのあと、医師の診断で早速スタチンを勧められましたが、以前から宗田哲男先生の著書でコレステロール降下薬は飲むな、ということを読んでおりましたし、薬なしの人生を目指して、12年間ランニングを続けゼイゼイ言いながらも走ることが人生の一部になった生活をしているにもかかわらず、あっさり薬を勧めてくる医師に憤りを感じています。
宗田先生は次男の出産をして頂いた優しい,すばらしい先生でした。今でも感謝しています。先生の言うことに間違いはないと思っていますし、江部先生のブログを拝見すると、HDL-Cが高くて中性脂肪が低かったら、LDL-Cが高くても良いLDL-Cだという記述が至るところに出てくるので、ちょっと救われています。
しかし、それにしても値があまりにも高いのではないかと思い、不安でいっぱいです。わらをもつかむ思いです。江部先生、教えて頂けませんでしょうか?私は何らかのコレステロール降下薬を飲まなければいけないのでしょうか?
来週中に頸動脈エコー検査をします。動脈硬化を見るんでしょうか。
さらに1ヶ月後に再度血液検査をして、医師の診断はその時下るのだろうと思われます。
これまでのコレステロールの検査値は次の通りです。
’14/10 ’15/8 ’16/9/29 ‘17/10/17
T-CHO 261→ 283 →323 →491
HDL-C 116→ 102 →106 →116
LDL-C 126→ 166 →208 →366
中性脂肪 55→ 54 →46 →58
糖質制限食は2016/9/1より始めました。
よろしくお願い致します。
・重度障害の娘がおりますが、江部先生の著書との出会いで、光明が見え始めました。
・娘は30歳になりますが、障害で重責発作を起こします。
平均5日間程のサイクルで、発作の周期(体調不良期)が来て、動けなくなり、手や指先をプルプルとさせ、唇や眼球や瞼をピクピクとさせる動作が起こり、5日ほど続きます。その後は元気になりますが、また5日ほど経つと、発作の周期(体調不良期)が来ます。
・そんな中、先生の著書をいろいろと読ませていただく中で、ケトン食治療、修正アトキンス法のことを知り、それらが、重責な発作を持つ人に聞くことを知りました。
・それがきっかけで、主治医と相談し、現在は修正アトキンス法による、発作軽減のための治療を別の医師の元で受けています。
・最初に2週間の入院を行い、糖質を1日に10-11gのまさに『「超」スーパー糖質制限食』で過ごし、退院後も家庭でこれを2ヶ月間続けています。
・この結果、
平均5日間程のサイクルで、発作の周期(体調不良期)が来ることには変わりはありませんが、発作の時期にある、手や口、瞼をプルプル、ピクピクという動作が極端に減り、活発さには欠けるものの、以前ほどは辛そうではない様子となり、症状が、すぐに改善されて、親としても、とても嬉しく思っています。
・ただし、(ここからが課題なのですが)ケトスティックで毎日、ケトン値を測定していますが、ケトン値は概ね、「陰性」かプラマイゼロです。数日に一度ケトン値が+1か+2くらいになります。ケトン体測定器(プレシジョン・エクシード)で測定した今日の数値は0.4mmol/Lでした。(電極が高価なので、滅多に図りません)
・担当医は、残念ながら、あまりこの療法に詳しくなく、別の医師に確認してもらったところ、「脂質をもう少し増やしたら」と言われましたが、それ以上のお話はなく、どうすればいいのか、悩んでいます。
・この治療の目的は食事療法でケトン体体質に変化させ、そのことで、てんかんを起こす脳に対して、「良い結果」が生まれる、というものと理解しております。
・娘の発作は改善がありましたが、毎日ケトン体が尿中から出るようなケトン体体質になれば、発作はさらに改善されるのではないか、例えば、そうなれば、5日周期の体調不良期も無くなりはしないか、などと期待するからです。
・食事は毎回全て、食材毎のグラム数を図り、江部先生の著書にある食品の糖質量と掛け合わせて、1日3食の合計を10-11gに厳格に守っています。飲み物はもちろん緑茶は麦茶、水などです。
毎回、病院の栄養士さんにもその内容と料理の写真付きで提出し、チェックしていますので、問題はないかと思います。
・日々10gの糖質制限書は大変です。本人も家内も大変です。でもケトンが出るなら、娘の体調が良くなら、頑張れます。
・ぞうぞ、江部先生からのアドバスが頂戴できますと幸いです。何卒よろしくお願いいたします。
・娘は30歳になりますが、障害で重責発作を起こします。
平均5日間程のサイクルで、発作の周期(体調不良期)が来て、動けなくなり、手や指先をプルプルとさせ、唇や眼球や瞼をピクピクとさせる動作が起こり、5日ほど続きます。その後は元気になりますが、また5日ほど経つと、発作の周期(体調不良期)が来ます。
・そんな中、先生の著書をいろいろと読ませていただく中で、ケトン食治療、修正アトキンス法のことを知り、それらが、重責な発作を持つ人に聞くことを知りました。
・それがきっかけで、主治医と相談し、現在は修正アトキンス法による、発作軽減のための治療を別の医師の元で受けています。
・最初に2週間の入院を行い、糖質を1日に10-11gのまさに『「超」スーパー糖質制限食』で過ごし、退院後も家庭でこれを2ヶ月間続けています。
・この結果、
平均5日間程のサイクルで、発作の周期(体調不良期)が来ることには変わりはありませんが、発作の時期にある、手や口、瞼をプルプル、ピクピクという動作が極端に減り、活発さには欠けるものの、以前ほどは辛そうではない様子となり、症状が、すぐに改善されて、親としても、とても嬉しく思っています。
・ただし、(ここからが課題なのですが)ケトスティックで毎日、ケトン値を測定していますが、ケトン値は概ね、「陰性」かプラマイゼロです。数日に一度ケトン値が+1か+2くらいになります。ケトン体測定器(プレシジョン・エクシード)で測定した今日の数値は0.4mmol/Lでした。(電極が高価なので、滅多に図りません)
・担当医は、残念ながら、あまりこの療法に詳しくなく、別の医師に確認してもらったところ、「脂質をもう少し増やしたら」と言われましたが、それ以上のお話はなく、どうすればいいのか、悩んでいます。
・この治療の目的は食事療法でケトン体体質に変化させ、そのことで、てんかんを起こす脳に対して、「良い結果」が生まれる、というものと理解しております。
・娘の発作は改善がありましたが、毎日ケトン体が尿中から出るようなケトン体体質になれば、発作はさらに改善されるのではないか、例えば、そうなれば、5日周期の体調不良期も無くなりはしないか、などと期待するからです。
・食事は毎回全て、食材毎のグラム数を図り、江部先生の著書にある食品の糖質量と掛け合わせて、1日3食の合計を10-11gに厳格に守っています。飲み物はもちろん緑茶は麦茶、水などです。
毎回、病院の栄養士さんにもその内容と料理の写真付きで提出し、チェックしていますので、問題はないかと思います。
・日々10gの糖質制限書は大変です。本人も家内も大変です。でもケトンが出るなら、娘の体調が良くなら、頑張れます。
・ぞうぞ、江部先生からのアドバスが頂戴できますと幸いです。何卒よろしくお願いいたします。
阪田 斉弘 様
0.4mmol/L → 400μmol/L
基準値は、85μmol/L以下なので、ある程度ケトン体は高値です。
しかし、
糖質を1日に10-11gの『「超」スーパー糖質制限食』ならケトン食レベルなので
ケトン体が、4000400μmol/Lレベルになってもいいと思うので、それに比べるとやや低いですね。
やはり個人差がかなりあるのだと思います。
中鎖脂肪酸を摂取するとケトン体が上昇しやすいので、試してみられては如何でしょう。
MCTオイル、ココナッツオイルなどが中鎖脂肪酸です。
0.4mmol/L → 400μmol/L
基準値は、85μmol/L以下なので、ある程度ケトン体は高値です。
しかし、
糖質を1日に10-11gの『「超」スーパー糖質制限食』ならケトン食レベルなので
ケトン体が、4000400μmol/Lレベルになってもいいと思うので、それに比べるとやや低いですね。
やはり個人差がかなりあるのだと思います。
中鎖脂肪酸を摂取するとケトン体が上昇しやすいので、試してみられては如何でしょう。
MCTオイル、ココナッツオイルなどが中鎖脂肪酸です。
2017/10/29(Sun) 22:11 | URL | ドクター江部 | 【編集】
阪田 斉弘 様
タンパク質摂取をやや少なめにして(体重1kgあたり0.8~1.2g程度)、脂質摂取のカロリー比を多くして下さい。例えば、体重50kgで50~60gのタンパク質を摂取すると200~240kcalになります。2100kcalを1日の摂取カロリーと仮定します。200gの脂質を摂ると約1800kcalです。糖質が1日に10~20gなら40~80kcalですから、これらを足すと、2040~2120kcalとなり、ほぼ計算が合います。
目安としては、1日の摂取カロリーの数値の10分の1のグラム数の脂質を摂るつもりで料理して下さい。例えば総摂取エネルギーが2000kcalなら200g程度を脂質にします。(その比率の食事を続けて太るようなら脂質を減らし、痩せるならば増やしてください。)
江部先生の仰る通り、MCTオイルやココナッツオイルは(期間限定で)ケトン値を上げます。中鎖脂肪酸10~20gとタカナシの「純生クリーム47」5~10gとラカントSやステビアなどのカロリーゼロの自然甘味料を入れたコーヒーを飲むのも良いです。食塩不使用のバターを入れるのも良いです。クリーマーという簡易ハンドミキサーを使うとコーヒーやスープに入れた脂質をミセル化して吸収しやすくできます。脂質をたっぷり入れクリーマーでクリーム状にしたケトン・スープも良いです。顆粒状の豚ゼラチンやオオバコ粉(サイリウムハスク)でとろみが付けられます。
お勧めする油脂は、バター、ヘット、ラードや生クリームやチーズや肉に含まれる動物性脂とオリーブオイル、ココナッツオイル、カカオバター、高オレイン酸のヒマワリ油(例えば「オレインリッチ」)、マカダミアナッツオイルとω3系はサバやイワシ、サンマ、鮭などの魚油やエゴマ油、亜麻仁油などです。(リノール酸の多いサラダ油、大豆油、ナタネ油、キャノーラ油、紅花油、サフラワー油、ゴマ油、米油などの植物油とそれらの含まれる加工食品は避けたほうが良いです。リノール酸の過剰摂取は病気の原因になります。)
バター、生クリーム、クリームチーズ、カカオバター、ココナッツオイル、オリーブオイルなどをたっぷり使った料理やデザートを工夫してみて下さい。参考になるケトン食のレシピが「こたろうのブログ」の過去ログにたくさんあります。
なお、脂質の代謝にかかわる栄養素として、鉄分、L-カルニチン、ビタミンC、ビタミンB群などがあります。生理のある女性の場合、鉄不足の人が多いので、フェリチン値を測って不足ならば、レバーを食べたり鉄剤を飲んだりして鉄不足を解消すべきです。カルニチンは肉に多いので羊肉、牛肉、豚肉を定期的に摂取すると良いです。
タンパク質摂取をやや少なめにして(体重1kgあたり0.8~1.2g程度)、脂質摂取のカロリー比を多くして下さい。例えば、体重50kgで50~60gのタンパク質を摂取すると200~240kcalになります。2100kcalを1日の摂取カロリーと仮定します。200gの脂質を摂ると約1800kcalです。糖質が1日に10~20gなら40~80kcalですから、これらを足すと、2040~2120kcalとなり、ほぼ計算が合います。
目安としては、1日の摂取カロリーの数値の10分の1のグラム数の脂質を摂るつもりで料理して下さい。例えば総摂取エネルギーが2000kcalなら200g程度を脂質にします。(その比率の食事を続けて太るようなら脂質を減らし、痩せるならば増やしてください。)
江部先生の仰る通り、MCTオイルやココナッツオイルは(期間限定で)ケトン値を上げます。中鎖脂肪酸10~20gとタカナシの「純生クリーム47」5~10gとラカントSやステビアなどのカロリーゼロの自然甘味料を入れたコーヒーを飲むのも良いです。食塩不使用のバターを入れるのも良いです。クリーマーという簡易ハンドミキサーを使うとコーヒーやスープに入れた脂質をミセル化して吸収しやすくできます。脂質をたっぷり入れクリーマーでクリーム状にしたケトン・スープも良いです。顆粒状の豚ゼラチンやオオバコ粉(サイリウムハスク)でとろみが付けられます。
お勧めする油脂は、バター、ヘット、ラードや生クリームやチーズや肉に含まれる動物性脂とオリーブオイル、ココナッツオイル、カカオバター、高オレイン酸のヒマワリ油(例えば「オレインリッチ」)、マカダミアナッツオイルとω3系はサバやイワシ、サンマ、鮭などの魚油やエゴマ油、亜麻仁油などです。(リノール酸の多いサラダ油、大豆油、ナタネ油、キャノーラ油、紅花油、サフラワー油、ゴマ油、米油などの植物油とそれらの含まれる加工食品は避けたほうが良いです。リノール酸の過剰摂取は病気の原因になります。)
バター、生クリーム、クリームチーズ、カカオバター、ココナッツオイル、オリーブオイルなどをたっぷり使った料理やデザートを工夫してみて下さい。参考になるケトン食のレシピが「こたろうのブログ」の過去ログにたくさんあります。
なお、脂質の代謝にかかわる栄養素として、鉄分、L-カルニチン、ビタミンC、ビタミンB群などがあります。生理のある女性の場合、鉄不足の人が多いので、フェリチン値を測って不足ならば、レバーを食べたり鉄剤を飲んだりして鉄不足を解消すべきです。カルニチンは肉に多いので羊肉、牛肉、豚肉を定期的に摂取すると良いです。
2017/10/30(Mon) 14:13 | URL | 通りすがりK | 【編集】
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