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アルコール摂取の適量は?、リスクは?、血糖低下作用は?
こんにちは。

ずいぶん、涼しくなってきました。
鍋の季節ですね。
我が家は、秋・冬は鍋料理が多いです。
夏でも鍋料理のこともあります。
鍋は、究極の糖質制限料理ですね。(^^)

2017年10月14日(土)は食事会のあとカラオケに行って
超久しぶりに午前様でした。
辛口ワインとハイボールです。
とても楽しかったのですが、
日曜日は、やはりというか必然的というか二日酔いでしたが、 (*_*)
テニスには行きましたよ。

もっとも、糖質制限食開始前の、「嘔気・嘔吐・点滴」といった
シビアな二日酔いではなくて、頭が重いていどでした。
朝昼兼用の食事もいつも通り食べました。

秋・冬はお酒が美味しいですが、家で呑むときは、
寒い日は最初の1杯は焼酎のお湯割りで、その後は水割りに切り替えます。

焼酎も、基本25%のものが主で、
濃いアルコールはできるだけ避けるようにしています。

さてアルコール1gは約7kcalの燃焼エネルギーを有し、
摂取時の利用効率は70%ていどと推定されています。

一方、エネルギーは有していますが、
糖尿病専門医研修ガイドブック 改定第4版 81ページの記載によれば、
アルコールには体重増加作用がないとされています。

そして、アルコール単体では、血糖を上昇させることはありません。
蒸留酒(焼酎、ウィスキーなど)は糖質を含まないので血糖を上昇させません。
醸造酒(ビール、日本酒など)は糖質を含むので血糖値を上昇させます。


<アルコールの適量>

世界がん研究基金2007年の勧告では、アルコールの推奨量は、
男性は1日2杯、女性は1日1杯までとしています。
1杯はアルコール10~15グラムに相当します。

米国糖尿病学会は、
アルコール24g(30ml)/日を食事と共に摂る程度なら適量としていますが、
ビール(5%)なら600ml
ワイン(15%)なら200ml
ウイスキー(43%)なら70ml
焼酎(25%)なら120ml
糖質ゼロ発泡酒(4%)なら750ml

に相当します。

<アルコールのリスク>

世界がん研究基金の2007年の勧告で、アルコール摂取は、
「口腔・咽頭・喉頭がん、食道がん、大腸がん(男性)、乳がん」の確実なリスクであり、
「肝臓がん、大腸がん(女性)」 のリスクとなるので要注意です。 (→ο←)

それから、過度のアルコール摂取は、
肝細胞内での脂肪酸からの中性脂肪の過剰合成を引き起こします。

その一部は肝臓外へ分泌されて高中性脂肪血症の原因となり、
一部は肝細胞内に蓄積されて脂肪肝の原因となります。

<アルコールと血糖低下作用>

ご存知の方も多いと思いますが、アルコールには、血糖低下作用があります。

ただ個人差が大きいので、(A)gのアルコールが血糖値を(B)mg、
低下させるというように一律にはいきません。

エネルギー源としては、[アルコール→糖質→脂質→タンパク質]の順で利用されます。

焼酎、ウィスキーなど蒸留酒には糖質は含まれていないので、
血糖は全く上昇しません。

しかし、アルコールを摂取すると、人体に対する毒物とみなされて、
優先的に肝臓で分解されますので、
その間、同じ補酵素を使う糖新生がブロックされてしまいます。

従って、アルコールを摂取すると結果として、
肝臓の糖新生を抑制することとなります。

血中アルコール濃度が上昇している間は、糖新生はブロックされるので、
個人差が大きいと思いますが、酒を飲んでいる最中は、
血糖値が下がる人もいると思います。

また、一定量以上のアルコールを摂取すれば、肝臓の夜間糖新生はブロックされ、
翌朝の早朝空腹時血糖値は、下がる可能性が高いです。

アルコールの血糖低下作用については個人差が大きいので、ご注意ください。

なお、SU剤内服中の糖尿人やインスリン注射中の糖尿人は、
過度のアルコール摂取により糖新生が阻害されると
低血糖になりやすいので要注意です。

正常人でも、空きっ腹で大量のアルコールを摂取すれば、
低血糖になる可能性もあります。

<江部康二の酒量は?>

私自身のお酒の摂取量ですが、平均的には、
糖質ゼロ発泡酒350mlを1缶、その後、焼酎の水割りを3~5杯です。

焼酎は25%の濃さで、720mlが3日間で空くくらいのペースです。

あるいは、糖質ゼロ発泡酒350mlを1缶と赤ワインを1/2本とかです。

家でたまに、赤ワイン、ボトル1本のむこともあります。

外で飲食のときは、焼酎の水割りを5~6杯のこともあります。

25度の焼酎が720mlなら、アルコールそのものは180ml含まれています。

従って、私は毎日60~75ml以上のアルコールを摂取していますので、
世界がん研究基金や米国糖尿病協会の「適量=30ml」は、
誠に遺憾ながら、確実にオーバーしています。( ̄_ ̄|||)


上述のようにアルコールには発ガン性や脂肪肝のリスクも指摘されていますので、
各自が自己責任で自己管理で適量!?の飲酒ということになるでしょうか? 

勿論、私は、アルコール摂取のリスクは充分承知した上で、
自己責任でそれなりに飲酒しています。 (^^)
幸い、肝機能を含めて、血液検査は全て正常です。

ちなみに、今日も今から宴会です。  (^_^)

江部康二
コメント
最近の医学雑誌より
DIABETES UPDATE
2017年7月号 (Vol.6 No.3) 2017年8月発売
http://www.m-review.co.jp/magazine/detail/J0071_0603

座談会
糖尿病患者の食事療法と適切な糖質摂取

福井道明/窪田直人/山田悟/矢部大介

  ◇

ところで、糖尿病診療マスターが、2017年12月末で廃刊されるそうです
2017/10/16(Mon) 22:41 | URL | 中嶋一雄 | 【編集
Re: 最近の医学雑誌より
中嶋一雄 先生

情報をありがとうございます。
2017/10/17(Tue) 09:11 | URL | ドクター江部 | 【編集
糖質制限と皮膚疾患
はじめまして。ゆうと申します。
私は先生がいらっしゃらなかったらと思うと感謝してもしきれません。

私は皮膚病(ニキビ、肌荒れなど)に対して現在糖質制限(ほぼ断糖。一日一食)+ω6削減を日常的にやっております。
一時期白米とキャベツしか食べない生活(マクロビオティックを意識していました)をしておりましたが、この食事法は少なくとも私には(おそらく多くの人に当てはまると思いますが)間違いでした。
顔が赤く・かゆくなり、薄皮がむけるのです。皮脂もべとべとになり吹き出物が多くなりました。
マクロビでは過剰な糖質、リノール酸過多、蛋白質・B12・ω3不足など問題点が多すぎます。あと、大豆は食べすぎてはならないと思いました。リノール酸が多く、ゴイトロゲン、アブシジン酸、フィチン酸の問題など、とてもヒトの食べるものではないと思います。

私は基本的には肉(牛、豚、鶏)+魚を蛋白源にして卵・大豆(豆腐、納豆であろうとNG)は除去しております。他に優秀な蛋白源は無いものかと模索していたのですが、魚由来の低分子コラーゲンは有用ではないかと考えております。といいますのも、ω6がほぼないに等しい、加熱・酵素分解されているのでアレルゲンとなりにくい、水銀・PCBなどのポジティブリストが製造段階で検査されており比較的安全(ちゃんとしたコラーゲン製造会社である必要はありますが)、ヒドロキシプロリンなどコラーゲン由来の蛋白質でなければ含まれていないアミノ酸があり、これが間接的にヒトの結合組織量を増やし皮膚や腸壁を増強する、などが理由です。私も半年ほど10~30g/日ほど摂取していますが、大きなトラブルはないです。ただ、糖質と一緒にとるとニキビができます。あくまで、厳格な糖質制限のうえでの話です。
あと、主観的な評価ですが、皮膚に張りが出ます。

魚皮由来のコラーゲン摂取に関して先生のご意見をよろしければお聞かせ願いたく思います。

あと、乾癬も蛋白質・脂質というよりも糖質(穀物、砂糖、果物、酒)が原因のようですね(三戒堂水宝という整体師さんの本を読みました)。
基本的に、アトピー・にきび・乾癬などの皮膚病は真の原因は糖質でその触媒としてリノール酸等の植物油があると私は思います(皮膚病だけではなくあらゆる疾患もそうだと思います)。

これからも勉強させていただきたく存じます。よろしくお願いいたします。
2017/10/17(Tue) 11:20 | URL | ゆう | 【編集
はじめまして。
いつもブログ読ませてもらってます。
妊娠中に妊娠糖尿病と言われ、単純に主食抜きの食事で無事に出産しました。
産後は、糖尿病予防のため継続して主食抜きの食事にしています(たまに息抜きありますが…)。
しかし、育児中ということもあり、食事に時間がカカってしまいます。
食べ始めてから一旦中止し、再度食べ始める時はすでに最初に食べ始めてから1時間ほど経ってしまっていることもあります。
糖質はそんなに多くない食事を気を付けていますが、そのような食事の仕方ですとやっぱり耐糖能は悪化してしまうんでしょうか?
自分で確かめてみる方法も分からず…お忙しいと思いますが、よければ教えて頂けないでしょうか。
2017/10/17(Tue) 14:44 | URL | はるみ | 【編集
ふぇぇぇ。
月曜から宴会のお付き合いって大変ですね。
江部先生は今の医療界を批判しているので?京大の同級生とは仲悪いのかなと思っていたのですが、それはそれこれはこれで、京大の同窓会も出席するし同級生とも仲が良いのですね。
同級生とは月一回祇園で呑み会をすると過去のブログに書いてあったのでヘェ〜仲良いんだと思いました(^-^)

2017/10/17(Tue) 15:01 | URL | 兎女 | 【編集
Re: 糖質制限と皮膚疾患
ゆう さん

にきびが改善して、良かったですね。

「基本的に、アトピー・にきび・乾癬などの皮膚病は真の原因は糖質でその触媒としてリノール酸等の植物油があると私は思います(皮膚病だけではなくあらゆる疾患もそうだと思います)。」

同感です。
リノール酸は必須脂肪酸ですが、日本人は摂りすぎています。

魚皮由来のコラーゲン摂取は,良いと思います。
2017/10/17(Tue) 17:21 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: タイトルなし
はるみ さん

「妊娠糖尿病と言われ、単純に主食抜きの食事で無事に出産」

良かったです。

育児中で食事の時間が少々間延びしても大丈夫と思います。
緩やかな糖質制限で、将来の糖尿病発症が予防できると思います。
2017/10/17(Tue) 17:24 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: タイトルなし
兎女 さん

京大の同級生とは、仲がいいですよ。
気の置けない仲間として
お互いに頼りにしているところがありますね。
2017/10/17(Tue) 17:28 | URL | ドクター江部 | 【編集
ありがとうございます。
食べ始めてから1時間後ぐらいにまた食べるのは、一番血糖値が上がってるときに食べることになるかなと不安でしたが、安心しました。

ちなみに、間食するタイミングは食事とは2時間はあけたほうがいいですか?間食も糖質多くないものですが。
2017/10/17(Tue) 20:17 | URL | はるみ | 【編集
Re: タイトルなし
はるみ さん

血糖値に関しては、糖質が少ない間食なら、時間間隔はそれほど気にしなくてもよく、あるていど臨機応変でいいです。

一方、1日のうちで絶食状態にある時間が一定あるほうが、身体のリズムにおいては、好ましいです。
従って、可能なら、間食するタイミングは食事とは2時間あいたほうがいいです。
2017/10/18(Wed) 10:55 | URL | ドクター江部 | 【編集
中性脂肪の下げ方
いつも拝見させていただいています。
夫婦(40歳夫と35歳)で肥満解消・妊活を目的に糖質制限を始めました。ありがたいことに私は13kgほど、妻は17kgの減量に成功し、息子を授かることができました。

おかげさまで体調は良くなっているのですが、中性脂肪が高めです。中性脂肪脂肪レベルも糖質制限前とそんなに変わりません。どうせなら、標準体重まで落としたいのですが、体重はほぼ横ばいです。

ぽっこりお腹の解消にはやはり糖質制限だけでは足りないのでしょうか?また、血液検査の際に食事をすると、中性脂肪は上がるといいますが、中性脂肪が上下することで身体への影響はないのでしょうか?

糖質制限以前は、どんぶり飯だけは出してくれという台のお米好きでした。長年の蓄積をすぐに改善できるとは思っていませんが、皮下脂肪よりも中性脂肪は身体に悪いと聞きますので改善していきたいと思い、質問させていただきました。

これからもブログ楽しみにしています。
感謝します。
2017/10/18(Wed) 18:25 | URL | きしもと | 【編集
Re: 中性脂肪の下げ方
きしもと さん

中性脂肪値は、10時間以上絶食して、翌朝の空腹時の検査で調べます。

空腹時のデータで中性脂肪高値なのでしょうか?
2017/10/18(Wed) 21:45 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 中性脂肪の下げ方
きしもと さん

中性脂肪値は、10時間以上絶食して、翌朝の空腹時の検査で調べます。

空腹時のデータで中性脂肪高値なのでしょうか

返信ありがとうございます😊
空腹時は基準値内です。
空腹時が基準値であれば問題ないのでしょうか?
2017/10/18(Wed) 21:50 | URL | きしもと | 【編集
中性脂肪
空腹時は、一応基準値でした。
効率よく体重を落とすにはどんな点に気をつければ良いでしょうか?
2017/10/18(Wed) 22:12 | URL | きしもと | 【編集
Re: タイトルなし
きしもと さん

糖質制限食は、脂肪を多く摂取するので、食後数時間は、食事由来の中性脂肪が高値となります。

10時間以上の絶食で、空腹時中性脂肪を測定して、正常なら大丈夫です。
2017/10/19(Thu) 14:36 | URL | ドクター江部 | 【編集
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