早期がん診断時にはすでに10年以上が経過。糖質制限食で予防は?
こんにちは。
今日は、糖質制限食とがん予防のお話です。
現実にどのていど予防可能かを考察してみます。

実は、がん細胞が発生してから、画像診断的に発見可能な大きさになるのには、
かなり長い年月がかかります。

正常細胞ががん細胞に変わり、体が排除に失敗すると、
がん細胞は徐々に成長を始めます。

細胞分裂により1個が2個になり、2個が4個、
4個が8個、そして16個、32個、64個と倍々で増加していきます。

30回分裂を繰り返すと、約10億個に増え、
重さは約1グラム、直径1cm程度になります。

細胞1個が0.01mmで、1cm経になるのに10~20年かかります。

個体差やがんの種類によっても発育速度は異なります。

がん細胞が生まれてから活発に成長するようになるまでは、
長い期間がかかります。

しかし、がん細胞は成長するにしたがって、
発育速度が速くなるとされています。

2倍の大きさになるのは、例えば早期胃がんでは数年(2-6年)、
進行がんでは数ヶ月、転移した胃がんでは数週間とされています。

従来のがん検診では、腫瘍の大きさが1cm程度にならないと発見できませんでしたが、
PET検査では、早期の5mm程度の大きさでの発見が可能です。

しかしながら、5mmや1cmで早期発見したがんということでも、
がん細胞が発生してから、
すでに約10~20年間が経過していることとなります。

「スーパー糖質制限食」で理論的には、
『西欧型がん』の発生予防が期待されるとはいっても、
すでに発生しているがん細胞の縮小には
「ケトン食」レベルの厳しい食事が必要かもしれません。

対策としては、がん細胞が発生する前に、間に合う内にできるだけ早く
「スーパー糖質制限食」を開始して予防を期待するということになるでしょうか。


江部康二は2002年~スーパー糖質制限食を実践しています。
2017年現在で、15年間です。

従って、2002年以降は、いわゆる『西欧型のがん』の発生は
かなり予防できている可能性が高いです。

一方で、2001年以前に、すでに原初のがん細胞が発生していたとしたら
予防はできていないこととなります。


本日のブログは

PET検査ネット
http://www.pet-net.jp/pet_html/treat/gan.html

を参考にしました。


江部康二
コメント
ご講演ありがとうございました&質問です
江部先生

10/8のご講演、ありがとうございました。
3人の先生方それぞれわかりやすく、かつ自信を持ってお話しされているのが大変印象的でした。
夏井先生も含め先生方皆様はご自身の信念に基づいて常識にとらわれず過去の治療の枠から飛び出されてきたわけですが、ここ数年、単なるブームではなく、また糖尿病の治療だけで収まることなくひろがっていく様子は見ていて大変喜ばしく思っております。

私自身7年以上糖質制限を実施し9.8あったHba1cが6.0前後で落ち着いており、ひとえに江部先生のこのブログにめぐり合わなければどうなっていたかわからないと思っています。
さて、会場で質問し損ねてしまったため、一点後教示ください。
私の過去のHba1c9.8ですが、所謂筋金入りの糖尿人でして、当時SU剤、メトホルミンを数年間服用しての値でした。
さすがにもう後がないという気持ちで始めた糖質制限ですべての検査値が正常化しBMIも23前後を維持しております。
ただし、さすがに無投薬というわけには行かずDPP4阻害剤、メトグルコ、ルセフィを服用しております。
しかしながら早朝の血糖値だけはなかなか下がりません。
Freestyle Libreでみましたが深夜90~100だった血糖値がおきてから1時間ほどで130~150、時に200近くになることもあります。
Libreの許容範囲を80から160に設定したところその範囲に97%が収まっていましたが、これは質の良いa1cと判断してよろしいでしょうか。
また何か別の手を使って早朝血糖値を下げるべきか是非お教えください。

長文大変失礼いたしました。
ますますのご活躍をお祈り申し上げます。
2017/10/12(Thu) 00:07 | URL | 調剤未経験薬剤師 | 【編集
江部先生のがん理論だと生まれ落ちた時からスーパー糖質制限じゃないと予防できないと聞こえます。
母乳の糖質もダメってことになりますよね?
患者数に違いはあれど、全年齢でがんはあるとおもうのですが。

2017/10/12(Thu) 06:45 | URL | DAMON | 【編集
Re: タイトルなし
DAMON さん

昨日の記事は、あくまでも「成人のがん」のお話しです。
小児がんは特殊であり、成人のがんの一般論にはあてはまりません。
誤解を与える表現で申し訳ありません。

主な小児がんは、
白血病、脳腫瘍、神経芽腫(しんけいがしゅ)、リンパ腫、腎腫瘍(腎芽腫(じんがしゅ)、ウィルムス腫瘍)などです。
血液のがんである白血病やリンパ腫を除き、大人ではまれなものばかりです。
胃がんや肺がんなどは、子どもにはみられません。
2017/10/12(Thu) 07:06 | URL | ドクター江部 | 【編集
糖質制限と癌に関する話題提供
糖質制限の癌予防効果に関する情報提供有難うございます。ステージ4消化器癌に対する糖質制限食は、あくまでも集学治療における補助療法と位置付けています。ご指摘の様に程度が問題ですが、病院ケトン給食を検討中ですが、予算の都合で糖質カロリー比率は20%との案が出されています。15%以下に交渉したいと思います。
2017/10/12(Thu) 08:58 | URL | 村上博史 | 【編集
糖質制限 虚血性変化
さきほどのコメントに補足です。

虚血性変化 糖質制限

上記で検索したところ
http://low-carbo-diet.com/low_carbo_food/to_dr/contents-of-review/vascular-effects-of-lcd/

のような記事がありました。
よろしくお願いします。
2017/10/12(Thu) 13:25 | URL | 小福 | 【編集
食後高血糖


江部先生
初めてブログを拝見します。知人にこちらのブログを紹介して頂きました。

漠然とした内容で申し訳ありません。江部先生にお話を直接伺うことができるかもしれないと思いました。

治療内容に関連するかもしれませんので、もし不都合などありましたら返信に拒否してくださって結構です。


私は35歳女性、最近ちょっとしたきっかけで糖負荷検査を受け、糖尿病(食後高血糖)の診断を受けました。HbA1cは5.2〜5.6あたりを推移しています。空腹時血糖は70台〜90台ですが、食後に160〜180となります(食事内容によりますが)。軽い糖質制限をしており、間食も減らし、運動は通勤途中に平日は朝50分ウォーキングを継続しております。

目標となるものがなく、時々心が折れそうになります。
とりあえずスパイクをたたく目的で、グルファストを試してみることになりました。
やってみなとわからないのは十分承知しておりますが、食事制限のモチベーションを保つのにどうすればいいのか、漠然とした質問で大変申し訳ありませんが、先生のご意見やアドバイスなど頂けると幸いです。
ちなみにBMIは17くらいでここ15年はこれくらいの体型です。

栄養指導も受けましたが、やはり糖質はある程度接種することを勧められました。私としては軽い糖質制限をする方が血糖改善に効果が高いとの認識です。
2017/10/12(Thu) 13:35 | URL | エピネ | 【編集
Re: 糖質制限と癌に関する話題提供
村上博史 先生

情報提供をありがとうございます。
糖質摂取比率15%以下になればいいですね。
2017/10/12(Thu) 18:29 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 糖質制限 虚血性変化
小福 さん

これは、マウスの実験ですね。

マウスなど齧歯類は、本来は草の実(穀物)が主食です。
マウスに高脂肪食を食べさせて、虚血性変化を生じたというのは

「草食のゴリラにステーキを食べさせたら病気になった」

というのと同じです。

ヒトと食性の異なるマウスで、食事の実験研究をするのは、意味がないと思います。
2017/10/12(Thu) 18:47 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 食後高血糖
エピネ さん

「空腹時血糖は70台〜90台、食後に160〜180」

食前と食後の血糖値の変動幅が90mgくらいありますね。
これは、すでに予備群レベルの耐糖能と思います。

今から緩やかでいいので糖質制限食を実践していれば
内服薬なしで、将来の糖尿病発症が予防できると思いますよ。
『糖尿病発症予防』が目標でいいと思います。

このまま、普通に糖質を摂取していると、将来糖尿病を発症する可能性が高いと思います。
2017/10/12(Thu) 18:55 | URL | ドクター江部 | 【編集
糖と癌
江部先生

10/8の楽しく、有意義な講演、ありがとうございました。

私、4年程前に腎臓癌を患い、摘出手術をして以来、再発予防の目的で糖質制限をしています。
現在、再発の兆候は見られず、すこぶる快調です。癌の発生時期には、イニシエーションとプロモーションの時期があり、イニシエーションは、様々な要因によって、遺伝子に傷がつき、癌細胞が生じることなので、糖質制限は有効ではないでしょうが、その後のプロモーションの時期に糖質制限を行えば、癌細胞の増殖を遅らせることができると思います。
中年になれば、既に「原初の癌細胞」は発生しているかもしれませんが、それが大きな腫瘍にならなければ、なんの問題も有りません。
その為には、糖質制限が最も有効だと思っています。


ご講演の時に質問できなかったので、ご教授頂ければ、ありがたいです。
質疑の時に、「血糖値の平均値が低く、変動幅が大きい状態」よりも、「平均値が高く、変動幅が小さい状態」の方が、血管に対する損傷が小さい というお話がありました。
「血管を損傷する物質が、血糖の高い時に生じる」と考えると、この現象は説明できません。
どの様なメカニズムが働いているのでしょうか?

2017/10/12(Thu) 23:42 | URL | 小松 | 【編集
Re: 糖と癌
小松 さん

10/8、東京講演会へのご参加、ありがとうございます。

「血糖値の平均値が低く、変動幅が大きい状態」よりも、「平均値が高く、変動幅が小さい状態」の方が、血管に対する損傷が小さい

1)高血糖が、酸化ストレスリスクとなります。
2)血糖変動幅増大も酸化ストレスリスクとなります。

講演での質疑応答で、マウスの実験とヒトの実験で
酸化ストレスの指標は、『血糖変動幅増大 > 持続高血糖』であったということをお話ししました。色付きの文字

血糖変動がもっとも酸化ストレスリスクとなると考えられています。
2017/10/13(Fri) 08:42 | URL | ドクター江部 | 【編集
糖質制限食の塩分について
江部先生

企業で保健師をしております。
糖質制限を実践している社員が多くなり、自分もきちんと勉強したいと思い先生の書籍や先日東京で実施されましたセミナーに参加させて頂きました。
大変楽しいセミナーで、また機会があれば参加したいと思いました。ありがとうござました。

会場で質問したかったのですが、残念ながら時間切れでしたので、この場を借りてお伺いしたことがございます。

糖質制限食では、糖質の代わりに肉・魚・豆類卵などたんぱく質を多くとることになりますが、どうしても味付けが必要となってきます。そこで心配なのが塩分です。手軽にとれるチーズも塩分が多く、血糖が改善しても、塩分により血圧が高くなってしまうことや、癌発症リスクが心配です。

糖質制限食における塩分過剰の心配や、減塩の工夫などについて先生のお考えをお聞かせ頂ければ幸いです。
宜しくお願い致します。

2017/10/13(Fri) 17:02 | URL | 企業保健師 | 【編集
Re: 糖質制限食の塩分について
企業保健師 さん

東京講演会へのご参加、ありがとうございます。

糖質制限食、確かに、外食だと塩分が多めになりがちです。

一方、内食なら、
『普通の濃いソース、ポン酢、ケチャップ、砂糖』などを使わないので、自然に薄味となります。

例えば鍋なら、塩分は極めて少ないです。
家庭での、焼き物、煮物、炒め物・・・などにおいても、糖質制限食なら同様に薄味となるので、
塩分は自然に少なくなると思います。
2017/10/13(Fri) 18:08 | URL | ドクター江部 | 【編集
痩せ型・境界型糖尿病・授乳中
初めまして。いつもブログを拝見させていただいています。ネットなどで自分で調べられる限り調べているのですが、情報が多すぎて何が正解なのかわからなくなってしまい、先生に相談させていただくことにしました。

海外在住、3児の母です。第2子妊娠中に妊娠糖尿病になりました。日本での出産でしたが、食事指導だけでインスリンは使用していません。出産後、糖負荷試験はしていませんが、通常の食事の後の血糖値が正常だということで、その後は特に何も指導がありませんでした。ただ、血糖値は下がっているけれどインスリンの分泌が多めだということでした。

最近第3子を海外で出産したのですが、このときも妊娠糖尿病になりました。糖負荷試験を受ける前の妊娠初期のHa1bcは5.1、糖負荷試験を受けたときは1時間後189、2時間後が180でひっかかり、妊娠糖尿病と診断されました。この時もカーボカウントと自己測定の指導だけをうけ、インスリンは使用していません。

出産2か月後、75g糖負荷試験を受けたのですが、空腹時97、2時間後153で境界型糖尿病と結果が出ました。Ha1bcはチェックしていません。

過去数年の健康診断などでは、随時血糖は97~100、Ha1bcは5.0~5.3あたりで引っ掛かったことがないのですが、妊娠や出産後の75g糖負荷試験ではいつも2時間の数値が高く出てダメでした。
(妊娠糖尿病で自己測定しているときの空腹時は大体72~94くらいでした)

結果が出たあとも特に指導はなく、自分でどうすればよいのかわからなくなってきました。

とりあえず妊娠中に指導をうけた「炭水化物は朝30g、昼45g、夜70g、おやつ15g以内に抑える。カロリーはあまり気にしなくてもよい」という目安を続けています。境界型という結果が出て怖くなったので、夜も40g程度に抑えるようにしています。

妊娠していないときは何を食べても153cm、42キロから変わらなかったのですが、糖質の量を考えるようになってから39キロになってしまいました。

授乳中なので、もう少し糖質をとったほうが良いのでしょうか?気にせず食べて糖尿病になるのも怖いし、どんどん痩せていくのも嫌だし、母乳が出なくなっても困るし、どうすればよいかわかりません。出産後の自己測定はしていません。

日本でお医者さんに診ていただく機会はなかなかありませんし、今住んでいるところは小さい都会で、糖尿病専門のお医者さんは本当に少なくてなかなか診察してもらえません。ファミリードクターには炭水化物を控える、運動する。と言われるだけです。

私はどこまで糖質制限するべきなのでしょうか?また、境界型のレベルとしてはどの程度なのでしょうか?2時間後が高めだと糖尿病になりやすいですか?

お忙しいところ、長々と申し訳ありません。
少しでもアドバイスをいただければ嬉しいです。
2017/10/14(Sat) 04:50 | URL | はな | 【編集
Re: 痩せ型・境界型糖尿病・授乳中
はな さん

「炭水化物は朝30g、昼45g、夜70g、おやつ15g以内に抑える。カロリーはあまり気にしなくてもよい」

海外の妊娠糖尿病の食事指導は
日本の従来の指導に比べると、糖質摂取量は半分くらいですね。
なかなか良いと思います。

境界型レベルの耐糖能ですので、糖質摂取量は、<40g×3回/日>くらいの緩やかな糖質制限食で
将来の糖尿病発症が予防できます。
境界型としても軽症ですが、ともあれ境界型なので将来糖尿病にはなりやすいので注意が必要です。

体重が減るのは、糖質制限のせいではなく、摂取エネルギー不足です。
充分量の動物性脂質と動物性タンパク質を摂取してカロリー不足を解消しましょう。
2017/10/14(Sat) 16:18 | URL | ドクター江部 | 【編集
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