2017年09月24日 (日)
【17/09/24 ジェームズ中野
ビートオリゴ糖について
今回のテーマとはかけ離れた内容で申し訳ございません。ビフィズス菌の餌になると言うオリゴ糖について質問いたします。一般的には、胃で消化吸収されず大腸に達するとあります。つまり血糖値を上げない食品と思われます。1日4グラムほどの摂取でオッケーとされています。糖質制限をすることで便秘がちな方も便が柔らかくなることでスムーズなお通じになるように思います。今は自分の体で人体実験をしております。江部先生、オリゴ糖について先生のお考えをお聞かせいただければと思っています。お忙しいところ恐縮です。以上よろしくお願いいたします。】
こんばんは。
ジェームズ中野さんから、オリゴ糖について
コメント・質問を頂きました。
今回は、オリゴ糖について、考えてみます。
オリゴ糖は、少糖類と呼ばれることもあります。
オリゴとは少ないという意味です。
明確な定義はないのですが、一般には、
単糖類が3~20分子縮合して1分子になったものをオリゴ糖と言います。(☆)
商品としての「ビートオリゴ糖」は、
天然オリゴ糖(学名:ラフィノース)を含んでいますが、
ショ糖や糖類も多く含まれていますので、糖質制限的には、NG食材です。
ビートオリゴ糖(ショ糖・糖類:67%、水分:22%、オリゴ糖:11%)
オリゴ糖は、ご指摘通り一般に胃や小腸で吸収されてにくく、低カロリーであり、
大腸まで達して、ビフィズス菌などの餌になるとされています。
中でも、フラクトオリゴ糖と乳果オリゴ糖(ラクトスクロース)は、
血糖値とインスリン値に影響をほとんど与えません。
ラフィノース、キシロオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖は
一定難消化性ですが、少し血糖値を上げる可能性があります。
イソマルトオリゴ糖は、あるていど血糖値をあげると思います。
①
ラフィノースは、 消化されにくく、低カロリーで、腸内のビフィズス菌の増殖を促進する働きがあり、
エネルギー換算係数は2kcal/g です。
②
キシロオリゴ糖も、消化されにくく、低カロリーで、腸内のビフィズス菌の増殖を促進する働きがあり、
エネルギー換算係数は2kcal/g です。
③
ガラクトオリゴ糖も、消化されにくく、低カロリーで、腸内のビフィズス菌の増殖を促進する働きがあり、
エネルギー換算係数は2~3kcal/g です。
④
フラクトオリゴ糖は、摂取しても、血糖値を上昇させず、インスリンの分泌も促しません。
消化酵素によって消化されにくいため、体内に吸収されることもほとんどなく
低カロリーです。血糖値は上げませんが、腸内細菌の餌となり、短鎖脂肪酸を作ると思われ、
エネルギー換算係数は約1.6~2.2kcal/g です。
⑤
乳果オリゴ糖(ラクトスクロース)も、 消化されにくく、摂取しても血糖値の上昇や、
インスリン分泌にほとんど影響を与えません。
また、腸内のビフィズス菌の増殖を促進し、便の性状を改善する働きがあります。
エネルギー換算係数は2kcal/g ですので、やはり短鎖脂肪酸のエネルギーと思います。
⑥
イソマルトオリゴ糖は、
他の難消化性のオリゴ糖に比べると小腸内ではある程度消化されますが、
でん粉などに比べると消化されにくいです
エネルギー換算係数は4kcal/g で、ビフィズス菌の餌になります。
小腸であるていど消化されるので、血糖値もあるていど上昇すると思います。
(☆)
健康増進法における栄養表示基準では栄養成分表示を行う場合、基本表示は
<エネルギー、たんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウム>
の5成分表示とされています。
「炭水化物、糖質、糖類」を整理すると下記の如くにまとめることができます。
栄養表示基準上はたんぱく質や脂質、灰分(ミネラル分)のいずれにも分類されないものは炭水化物に計算。
①炭水化物=糖質+食物繊維
②糖質=糖類+糖アルコール+三糖類以上+合成甘味料
③糖類=単糖類+二糖類
*単糖類=ブドウ糖、果糖、ガラクトースなど
*二糖類=ショ糖、麦芽糖、乳糖など
*三糖類以上
1)オリゴ糖:単糖類が3~20分子縮合して1分子になったもの
2)多糖類:単糖類、数百~数千分子が縮合して1分子になったものでんぷん、デキストリンなど)
*糖アルコール=エリスリトール、キシリトール、マルチトール、ソルビトールなど
*合成甘味料=アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、サッカリン、ネオテーム
江部康二
ビートオリゴ糖について
今回のテーマとはかけ離れた内容で申し訳ございません。ビフィズス菌の餌になると言うオリゴ糖について質問いたします。一般的には、胃で消化吸収されず大腸に達するとあります。つまり血糖値を上げない食品と思われます。1日4グラムほどの摂取でオッケーとされています。糖質制限をすることで便秘がちな方も便が柔らかくなることでスムーズなお通じになるように思います。今は自分の体で人体実験をしております。江部先生、オリゴ糖について先生のお考えをお聞かせいただければと思っています。お忙しいところ恐縮です。以上よろしくお願いいたします。】
こんばんは。
ジェームズ中野さんから、オリゴ糖について
コメント・質問を頂きました。
今回は、オリゴ糖について、考えてみます。
オリゴ糖は、少糖類と呼ばれることもあります。
オリゴとは少ないという意味です。
明確な定義はないのですが、一般には、
単糖類が3~20分子縮合して1分子になったものをオリゴ糖と言います。(☆)
商品としての「ビートオリゴ糖」は、
天然オリゴ糖(学名:ラフィノース)を含んでいますが、
ショ糖や糖類も多く含まれていますので、糖質制限的には、NG食材です。
ビートオリゴ糖(ショ糖・糖類:67%、水分:22%、オリゴ糖:11%)
オリゴ糖は、ご指摘通り一般に胃や小腸で吸収されてにくく、低カロリーであり、
大腸まで達して、ビフィズス菌などの餌になるとされています。
中でも、フラクトオリゴ糖と乳果オリゴ糖(ラクトスクロース)は、
血糖値とインスリン値に影響をほとんど与えません。
ラフィノース、キシロオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖は
一定難消化性ですが、少し血糖値を上げる可能性があります。
イソマルトオリゴ糖は、あるていど血糖値をあげると思います。
①
ラフィノースは、 消化されにくく、低カロリーで、腸内のビフィズス菌の増殖を促進する働きがあり、
エネルギー換算係数は2kcal/g です。
②
キシロオリゴ糖も、消化されにくく、低カロリーで、腸内のビフィズス菌の増殖を促進する働きがあり、
エネルギー換算係数は2kcal/g です。
③
ガラクトオリゴ糖も、消化されにくく、低カロリーで、腸内のビフィズス菌の増殖を促進する働きがあり、
エネルギー換算係数は2~3kcal/g です。
④
フラクトオリゴ糖は、摂取しても、血糖値を上昇させず、インスリンの分泌も促しません。
消化酵素によって消化されにくいため、体内に吸収されることもほとんどなく
低カロリーです。血糖値は上げませんが、腸内細菌の餌となり、短鎖脂肪酸を作ると思われ、
エネルギー換算係数は約1.6~2.2kcal/g です。
⑤
乳果オリゴ糖(ラクトスクロース)も、 消化されにくく、摂取しても血糖値の上昇や、
インスリン分泌にほとんど影響を与えません。
また、腸内のビフィズス菌の増殖を促進し、便の性状を改善する働きがあります。
エネルギー換算係数は2kcal/g ですので、やはり短鎖脂肪酸のエネルギーと思います。
⑥
イソマルトオリゴ糖は、
他の難消化性のオリゴ糖に比べると小腸内ではある程度消化されますが、
でん粉などに比べると消化されにくいです
エネルギー換算係数は4kcal/g で、ビフィズス菌の餌になります。
小腸であるていど消化されるので、血糖値もあるていど上昇すると思います。
(☆)
健康増進法における栄養表示基準では栄養成分表示を行う場合、基本表示は
<エネルギー、たんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウム>
の5成分表示とされています。
「炭水化物、糖質、糖類」を整理すると下記の如くにまとめることができます。
栄養表示基準上はたんぱく質や脂質、灰分(ミネラル分)のいずれにも分類されないものは炭水化物に計算。
①炭水化物=糖質+食物繊維
②糖質=糖類+糖アルコール+三糖類以上+合成甘味料
③糖類=単糖類+二糖類
*単糖類=ブドウ糖、果糖、ガラクトースなど
*二糖類=ショ糖、麦芽糖、乳糖など
*三糖類以上
1)オリゴ糖:単糖類が3~20分子縮合して1分子になったもの
2)多糖類:単糖類、数百~数千分子が縮合して1分子になったものでんぷん、デキストリンなど)
*糖アルコール=エリスリトール、キシリトール、マルチトール、ソルビトールなど
*合成甘味料=アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、サッカリン、ネオテーム
江部康二
江部先生、記事に取り上げていただきましてありがとうございました。私が摂取しているビートオリゴ糖は含有されるショ糖はわずか2%です。98%はラフィノースです。これは糖質制限NGでは無いですよね?一般にオリゴ糖といっても日本の食品基準では少し含んでいてもオリゴ糖と名前をつけることができます。やはり糖質セイゲニストにとっては純度の高いものを選ぶ、と言うことが必要になってきます。以上ご案内します。
2017/09/24(Sun) 20:05 | URL | ジェームズ中野 | 【編集】
ビートオリゴ糖でgoogle検索すると
ビートオリゴ - 日本甜菜製糖のサイトがヒットします。
http://www.nitten.co.jp/~ntn-nsj/product01.html
こちらの会社の商品「ビートオリゴ糖」は天然オリゴ糖(学名:ラフィノース)を含む<天然液状甘味料>です。
【栄養成分表示】(100g当たり)
●ショ糖・糖類 67%
●水分 22%
●オリゴ糖 11%
●エネルギー 282kcal
●たんぱく質 0.0g
●脂質 0.0g
●糖質 78.0g
●ナトリウム 0.0g
この商品はあくまでもホットケーキやフレンチトーストまた一般の料理などに使うための液状甘味料です。
ショ糖が67%含まれていますのでもちろん糖質制限NG製品だと思います。
その点同じ液状甘味料でも、
液状ラカントs(エリスリトール・羅漢果・水・増粘多糖類等)や
液状パルスイートカロリーゼロ(エリスリトール・アセスルファムk・スクラロース等)は糖質制限Ok製品だと思います。
今日の記事、ジェームス中野さんの投稿
≪1日4グラムほどの摂取でオッケーとされています。≫とあることから
液状甘味料としての「ビートオリゴ糖」ではなく、サプリメントとしての「ビートオリゴ糖」だと思うのですがいかがでしょうか。
※北海道産 ビートオリゴ糖 200g(ラフィノース)計量スプーン付 [01] NICHIGA(ニチガ)
http://goo.gl/4z2wkS
【栄養成分表示】(100gあたり)
・エネルギー :174kcal
・たんぱく質:0g
・脂質 :0g
・炭水化物:85g(ラフィノース(98%)ショ糖(甜菜糖)(2%))
・ナトリウム :0mg
・ラフィノース:83g
ビートオリゴ - 日本甜菜製糖のサイトがヒットします。
http://www.nitten.co.jp/~ntn-nsj/product01.html
こちらの会社の商品「ビートオリゴ糖」は天然オリゴ糖(学名:ラフィノース)を含む<天然液状甘味料>です。
【栄養成分表示】(100g当たり)
●ショ糖・糖類 67%
●水分 22%
●オリゴ糖 11%
●エネルギー 282kcal
●たんぱく質 0.0g
●脂質 0.0g
●糖質 78.0g
●ナトリウム 0.0g
この商品はあくまでもホットケーキやフレンチトーストまた一般の料理などに使うための液状甘味料です。
ショ糖が67%含まれていますのでもちろん糖質制限NG製品だと思います。
その点同じ液状甘味料でも、
液状ラカントs(エリスリトール・羅漢果・水・増粘多糖類等)や
液状パルスイートカロリーゼロ(エリスリトール・アセスルファムk・スクラロース等)は糖質制限Ok製品だと思います。
今日の記事、ジェームス中野さんの投稿
≪1日4グラムほどの摂取でオッケーとされています。≫とあることから
液状甘味料としての「ビートオリゴ糖」ではなく、サプリメントとしての「ビートオリゴ糖」だと思うのですがいかがでしょうか。
※北海道産 ビートオリゴ糖 200g(ラフィノース)計量スプーン付 [01] NICHIGA(ニチガ)
http://goo.gl/4z2wkS
【栄養成分表示】(100gあたり)
・エネルギー :174kcal
・たんぱく質:0g
・脂質 :0g
・炭水化物:85g(ラフィノース(98%)ショ糖(甜菜糖)(2%))
・ナトリウム :0mg
・ラフィノース:83g
2017/09/24(Sun) 20:17 | URL | オスティナート | 【編集】
ジェームズ中野 さん
「私が摂取しているビートオリゴ糖は含有されるショ糖はわずか2%です。98%はラフィノースです。」
それなら、糖質制限OK食材ですね。
「私が摂取しているビートオリゴ糖は含有されるショ糖はわずか2%です。98%はラフィノースです。」
それなら、糖質制限OK食材ですね。
2017/09/24(Sun) 20:54 | URL | ドクター江部 | 【編集】
オスティナート さん
コメントありがとうございます。
おかげで、スッキリしました。
コメントありがとうございます。
おかげで、スッキリしました。
2017/09/24(Sun) 20:57 | URL | ドクター江部 | 【編集】
皆様のおかげで、オリゴ糖について理解できました。本当にありがとうございました。
2017/09/25(Mon) 10:28 | URL | らこ | 【編集】
オスティナートさんのおっしゃる通りのニチエーのパウダー状のビートオリゴ糖です。500グラムが2000円と高価なものです。サプリメントではないと思います。結論としてオリゴ糖の含有量の多い商品を購入するようにすると糖質セイゲニストにはOKという事ですね。便秘の解消になるようですし。
2017/09/25(Mon) 10:28 | URL | ジェームズ中野 | 【編集】
パルスイートゼロは血糖値を上昇させないことは他記事でわかりましたが、フラクトオリゴ糖を加えたパルスイートビオリゴも血糖値は上昇させないのでしょうか?
原材料:フラクトオリゴ糖、酸味料、保存料(ソルビン酸K)、甘味料(アセスルファムK、スクラロース、アスパルテーム・L-フェニルアラニン化合物)
そして公式サイトのQ&Aで
糖尿病でも使えますか?
本品にはブドウ糖などの糖分が含まれていますので、糖尿病の方や食事治療中の方は、医師にご相談の上、ご使用ください。
とありました。
原材料:フラクトオリゴ糖、酸味料、保存料(ソルビン酸K)、甘味料(アセスルファムK、スクラロース、アスパルテーム・L-フェニルアラニン化合物)
そして公式サイトのQ&Aで
糖尿病でも使えますか?
本品にはブドウ糖などの糖分が含まれていますので、糖尿病の方や食事治療中の方は、医師にご相談の上、ご使用ください。
とありました。
2019/06/16(Sun) 21:03 | URL | さの | 【編集】
さの さん
フラクトオリゴ糖は、
血糖値とインスリン値に影響をほとんど与えません。
『原材料:フラクトオリゴ糖、酸味料、保存料(ソルビン酸K)、甘味料(アセスルファムK、スクラロース、アスパルテーム・L-フェニルアラニン化合物)』
これが原材料なら、血糖値は上昇しません。
フラクトオリゴ糖は、
血糖値とインスリン値に影響をほとんど与えません。
『原材料:フラクトオリゴ糖、酸味料、保存料(ソルビン酸K)、甘味料(アセスルファムK、スクラロース、アスパルテーム・L-フェニルアラニン化合物)』
これが原材料なら、血糖値は上昇しません。
2019/06/17(Mon) 08:33 | URL | ドクター江部 | 【編集】
お返事ありがとうございます。
2019/06/17(Mon) 12:10 | URL | さの | 【編集】
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