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インスリンの必要性
おはようございます。

今夜は、祇園で同級生の集まりがありますが、雨が降りそうで心配です。まあ、雨だとテンションが上がらなくて、二日酔いにはならずにすみそうですが・・・

さて今回は久しぶりにでぃあべーちゃさんから、インスリンに関してコメント・質問をいただきました。インスリンに関して、少し整理整頓してみましょう。


『おひさしぶりです。
相方も昨日HbA1c 6.0をたたき出しまして、いよいよ5台へ突入、早朝空腹時血糖もときどき2桁を出すようになり、主治医からはあまり下げすぎないでと言われるようになりました。ひとえに江部先生をはじめ糖質制限食を推進される方々のおかげです。ありがとうございます。

日々、他に食べられるものはないか、という探検の毎日で、この記事です。果物はいけるんじゃないの?という淡い期待、、、。
しかし、ここで素朴な疑問です。果糖の代謝があったり、インスリン不要なglut4があるのに、どうしてⅠ型の人はインスリンを打たなければならないのでしょう。。。インスリンなしでもエネルギー代謝を行えるとすると、膵臓からのインスリンの分泌が無くなることが、どれくらいのインパクトがあることなんでしょうか、、、
それと、インスリンの分泌が全く無くなった場合、インスリン注射をしないとすぐに死ぬのでしょうか?ちょっとダイレクトな言葉になってしまいましたが、実は今「代謝」を調べておりまして、、、、ネットで検索しても、なかなか疑問はなくならない状態です。
医学書に手を出すか、、、とお財布を見ながら悩んでいる毎日です。

2008/05/21(水) 12:27:15 | URL | でぃあべーちゃ』


でぃあべーちゃさん。おひさしぶりです。

「相方も昨日HbA1c 6.0をたたき出しまして、いよいよ5台へ突入、早朝空腹時血糖もときどき2桁を出すようになり、主治医からはあまり下げすぎないでと言われるようになりました。」

よかったですね。

160mg~180mg/dlのこともあった早朝空腹時血糖値が二桁のこともあるとは、素晴らしい回復ではないですか。(⌒o⌒)v

糖質制限食を続けられて、膵臓のβ細胞が休養できて、インスリン基礎分泌が回復した証拠ですね。
HbA1cが5.8%以下になって、早朝空腹時血糖値が110mg/dl未満なら、正常人のデータです。もう一息ですね。

さて、インスリンには、24時間継続して少量出続けている基礎分泌と、糖質を摂取して血糖値が上昇したときに出る追加分泌の2種類があります。

これで解るのは、食物を摂取していないときでも、人体の代謝には、少量のインスリンが必須ということですね。

このインスリンの基礎分泌がなくなったら、人体の代謝全体が崩壊していきます。つまり、基礎分泌のインスリンなしでは、体のほとんどの組織では、まともにエネルギー代謝が行えません。(まあ、脳細胞とか赤血球とか特殊な細胞は、インスリンに非依存的にブドウ糖を利用していますが・・・)

例えば「運動をしたらインスリン非依存的に血糖値がさがる」といっても、インスリン基礎分泌が確保されているのが前提のお話です。もし、基礎インスリンが不足している状態で運動すれば、血糖値はかえって上昇します。

また、肝臓で行っている糖新生も、基礎インスリンが分泌されていなければ制御不能となり空腹時血糖値が300mgとか400mgとか以上にもなります。

また、糖質を食べて血糖値が上昇したとき、追加分泌のインスリンがでなければ、高血糖が持続します。高血糖の持続は糖毒といわれ、代謝全てを乱していきます。

急激に発症するタイプの1型糖尿病であれば、短期間でインスリン分泌が枯渇しますので、基礎分泌も追加分泌もなくなり血糖値が急上昇して、随時で250~500mgとか600mg/dl以上1000mgにもなります。

細胞はブドウ糖を利用できないので、脂肪の分解産物のケトン体が急上昇し、エネルギー源にしますが、酸性血症となり意識障害を生じ、放置すれば死にいたります。インスリン作用が不足しているときの血中ケトン体上昇は病的であり、極めて危険です。

インスリンが作用していて、糖質制限食や断食で生理的にケトン体が上昇するのとは、まったく異なります。インスリンが発見される以前の1型糖尿病は、発症後数年以内に死にいたる、致命的な病だったのです。


それからGlut1(糖輸送体)は、インスリン非依存的で脳細胞や赤血球にあり、いつでも血液中からブドウ糖をとりこめます。

しかし、筋肉細胞はGlut4で、インスリン追加分泌がないとブドウ糖を取り込めません。脳や赤血球以外の体のほとんどの組織のGlut(糖輸送体)は、インスリン追加分泌がないと、ブドウ糖を取り込めません。

Glutには1~12まであり、人体では、ブドウ糖取り込みの優先順位を、精妙に区別しているようです。

このように、インスリンは、人体の生存に必須のホルモンなのです。糖質代謝の調整が主作用ですが、それ以外にも下記のごとくいろいろな働きがあります。


江部康二

☆☆☆
インスリン ◎出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
インスリンは、すい臓に存在するランゲルハンス島(膵島)のβ細胞から分泌されるペプチドホルモンの一種。名前はラテン語の insula (島)に由来する。21アミノ酸残基のA鎖と、30アミノ酸残基のB鎖が2つのジスルフィド結合を介してつながったもの。C-ペプチドは、インスリン生成の際、プロインスリンから切り放された部分を指す。

 インスリンの立体構造モデル生理作用としては、主として炭水化物の代謝を調整する。骨格筋におけるぶどう糖、アミノ酸、カリウムの取り込み促進とタンパク質合成の促進、肝臓における糖新生の抑制、グリコーゲンの合成促進・分解抑制、脂肪組織における糖の取り込みと利用促進、脂肪の合成促進・分解抑制など。全体として異化を抑制して各種貯蔵物質の新生を促進する傾向にある。腎尿細管におけるNa再吸収促進作用もある。

テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
ご回答ありがとうございました。
だいぶすっきりしました。人体のシステムは精巧ですね。
Glutにいろんな種類があり、それぞれ、効き方や配合率が
きっと体の各部分でも異なって全体として機能しているんですね。
それと、
インスリン作用が不足しているときの血中ケトン体上昇は病的
というのが、キーだったんですね。実は私は自家中毒持ちで、大人になったら治るといわれてはや30台後半、いまだ数年に1度は発症します。(私の母親もそうでした)
ケトン体とは切っても切れない関係が続いてます。
私の自家中毒って2日酔いと感覚が似ていますが、自家中毒の状態と
インスリン分泌不足の血中ケトン体上昇状態って似てるんでしょうか。

それにしても、素人にわかりやすく答えてくださりありがとうございました。回答の長さに、大変面倒なことを訊いてしまったのだなと
恐縮しています。

今後もよろしくお願いいたします。
2008/05/26(Mon) 10:29 | URL | でぃあべーちゃ | 【編集
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