1型糖尿病とインスリン注射。インスリンの功罪。糖質制限効果。
【17/07/17 あみ 食後四時間後の血糖値について
こんにちは‼
江部先生に教えていただきたいことが
あります。
私の主人が半年程前に
1型糖尿病と診断されました。
インスリンの分泌が0ではない為
毎食前にボグリボースを飲んで、
夜にランタスを3単位打って
食事での糖質を考えながら
血糖値コントロールをしています。
しかし、もともと痩せ型の主人が
糖質制限をすると体重が増えず
さらに痩せていってしまうため、
体力と筋力をつけたくて
速攻型のノボラピッドの
処方をしてもらい、休日や
仕事終わりの夕食といった、
仕事での低血糖リスクが避けられる時のみ
ボグリボースとインスリン注射で食事をすることにしました。
今までは食後二時間で180以下には抑えられ、そのまま時間がたつごとに下がっていき、食前では75~95くらいになっていたのですが、
ノボラピッドを使ってからは
食後一時間で170、食後二時間で95、食後三時間で106、食後四時間では198まで上がって、一度に下がった血糖値が時間がたつごとに上がってしまいます。
なにが考えられるのでしょうか、、、

糖質制限を推進されてる江部先生に
糖質制限をしない方向性のことを質問し
て申し訳ありません。
あと、他に体重を増やす方法があったら
それも教えていただきたいです。

お忙しいところすみません、、
よろしくお願いいたします。】



あみ さん

1型でも内因性インスリンが残っているのはとても良いことです。
血糖コントロール良好を保てば、1型でも長期に内因性インスリンが保たれます。
内因性インスリンが長期にわたり保たれることは極めて重要なことです。

さてインスリンは人体に絶対に必要で、なかったら人は生きていけません。
インスリンが発見されるまでは、内因性インスリンがゼロの1型糖尿病の人の
平均余命は半年でした。
1921年にインスリンが抽出され、1922年から臨床に使用され、
1型糖尿病患者の生存が確保できるようになりました。

一方で、血糖コントロールができている限りは、
インスリンは、内部のインスリンも外部のインスリン注射も
少なければ少ないほど身体に優しいです。
基礎分泌も追加分泌も必要最低限が好ましいのです。
このことをしっかり認識して頂きたいと思います。

インスリンは、注射量が多いとがんや老化やアルツハイマー病のリスクとなります。
インスリンは活性酸素も増加させる可能性が高く、がんや老化に繋がります。
つまり、インスリンは酸化ストレスリスクの元凶の一つなのです。

酸化ストレスが、
糖尿病合併症・動脈硬化・老化・癌・アルツハイマー病・パーキンソン病等の
元凶とされています。

従来の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)で、インスリン注射をして
厳格に治療すると、血糖値が乱高下する可能性が高いです。
「食後高血糖」と「平均血糖幅増大」は最大の酸化ストレスリスクです。
食前のインスリンの単位と食事の糖質量の関係ですが、
相対的に糖質量が多ければ血糖は200mg/dlを超えてきます。
一方相対的に糖質量が少なければ、血糖は60mg/dlを切って、低血糖となります。

きっちりカーボカウントをしてインスリンの単位を決めれば、
乱高下はあるていど改善すると思います。
カロリー制限だけで、カーボカウントをせずにインスリンを注射するのは
目を閉じて車の運転をするようなもので、極めて危険です。
「食後高血糖」と「平均血糖幅増大」を必ず生じます。

インスリン注射の単位を最低限に抑えて、
なおかつ血糖コントロール良好を保つことができるのは、
「スーパー糖質制限食」だけです。
スーパー糖質制限食なら、インスリンも最低単位なので低血糖も生じにくいです。



「今までは食後二時間で180以下には抑えられ、そのまま時間がたつごとに下がっていき、食前では75~95くらいになっていたのですが、
ノボラピッドを使ってからは
食後一時間で170、食後二時間で95、食後三時間で106、食後四時間では198まで上がって、一度に下がった血糖値が時間がたつごとに上がってしまいます。」

4時間後に血糖値が再上昇する理由はよくわかりませんが、
ノボラピッドの効果が切れる時間帯の可能性もあります。
ノボラピッドは10~20分で効果が出現し、最大作用時間が1~3時間で、
持続時間が3~5時間です。

ともあれ、ノボラピッドを使う前は「ランタス3単位+糖質制限食」でコントロール良好だったのですから、
インスリンの害もなく血糖コントロールも良く、とても好ましい状態だったと思います。
ランタス3単位というごく少量でコントロールできていたのですから素晴らしいです。

ご主人の唯一困った現象が、体重減少ですが、
糖質制限食実践で、通常は、肥満者は減量できて、
痩せすぎの人は、体重増加が可能です。

体重げ減少するということは、
単純に摂取エネルギーが消費エネルギーを下回っているということです。

体重を増やすには、「動物性脂肪」と「動物性蛋白」をしっかり摂取することです。
ヒレ肉よりはサーロイン、鶏ササミよりは皮付き脂付きの鶏モモ肉、豚バラ・・・
魚も脂ののったものを食べましょう。

その他、オリーブオイルとかエゴマ油とか植物性脂肪もいいです。
とにかく摂取エネルギーをしっかり確保しましょう。
少食なら、ナッツ類やチーズは糖質が少なくてカロリーが豊富なので重宝です。
アボカドもいいですね。


江部康二
コメント
糖尿病人の運動と低血糖症について質問です
いつもブログを楽しく読ませて頂いております。
2年前より糖質制限食の参考と、糖尿病について勉強させて頂いております。(私は2型糖尿病です)

さて、最近ですが自転車でのサイクリングを趣味として始めました。自転車はカロリー消費が激しく、3時間も乗っていると1500キロカロリー以上を消費します。
そこで友人たちはハンガーノック(低血糖症)対策としておにぎりや羊羹を食べたりしています。(私は当然食べません)
今まで私はハンガーノックに陥った事は無いのですが、激しい運動にて低血糖症になる可能性は否定できません。その予防策として2型糖尿病人も運動前後に糖質の高い物を食べる事は有効なのでしょうか?(因みに友人たちは2時間毎ぐらいのペースで何かしら食べたり飲んだりしています)

ご多忙の折に不躾な質問で恐縮ですが、江部先生のお考えをお聞かせくださいませ。
2017/07/18(Tue) 17:44 | URL | ヒロ | 【編集
Re: 糖尿病人の運動と低血糖症について質問です
ヒロ さん

体脂肪が、5kgあれば、備蓄エネルギーは、45000kcalです。

つまりケトン体-脂肪酸エネルギーシステムで、45000kcalありますので、
自転車で、1500とか2000kcal消費しても全く問題ないと思います。


2016年10月06日 (木)の本ブログ記事
糖質制限食は持久力アスリートにおいて、不利にはならない。
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-3966.html

2014年07月16日 (水)の本ブログ記事
ケトン食で、オフロード自転車競技者の運動能力が向上
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-3032.html

色付きの文字

もご参照頂けば幸いです。
2017/07/18(Tue) 18:24 | URL | ドクター江部 | 【編集
低糖質食試食会
大阪で8月13日に、低糖質食試食会があります
https://yahoo.jp/box/my4cfz

参加申し込みは江部粉パン教室を開催しているアタサンテまで
http://a-ta-sante.com/
2017/07/18(Tue) 23:22 | URL | 精神科医師A | 【編集
Re: 低糖質食試食会
精神科医師A さん

情報をありがとうございます。

2017/07/19(Wed) 07:28 | URL | ドクター江部 | 【編集
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