2017年07月14日 (金)
【17/07/14 T-akasaka
食後の眠気
いつもブログを楽しみに拝見しています。
食後の眠気についてですが、デブリンの生化学によると
「血液脳関門を介する輸送に対して他のアミノ酸がトリプトファンと競合すると、
トリプトファンの利用率が減弱する。
糖質の催眠効果は、インスリンの遊離が促進され、
他のアミノ酸が同化作用により血液中濃度が低下することにより競合が緩和され、
脳内に入るトリプトファン量が増加することにより眠気を引き起こす」
そうです。 原書7版 p990
引き続きのご活躍を祈念しております。】
こんにちは。
T-akasaka さんから、とても貴重な情報をコメント頂きました。
ありがとうございます。
糖質摂取に伴う眠気の出現が
デブリンの生化学の記載で、あるていど説明できると思います。
トリプトファン (Tryptophan) はアミノ酸の一種で、
ヒトにおける9つの必須アミノ酸の内の1つです。
セロトニン・メラトニンといったホルモンの前駆体でもあります。
メラトニンはトリプトファンからセロトニンを経て体内合成されます。
メラトニンは睡眠ホルモンとも呼ばれています。
糖質摂取→インスリン多量分泌→トリプトファン以外のアミノ酸の骨格筋への取り込みと蛋白質合成促進→
トリプトファン以外の血中アミノ酸濃度低下→相対的に血中トリプトファン濃度上昇→
血液脳関門を通過するトリプトファン増加→脳内トリプトファン量増加→
セロトニン増加→メラトニン増加→眠気出現
インスリンは、骨格筋に作用して、
トリプトファン以外のアミノ酸の細胞内への取り込みを増加させて、
蛋白質合成を促進させます。
バリン、ロイシン、イソロイシンは、筋肉合成に関わる主要なアミノ酸ですが、
中でもロイシンの役割が重要です。
血中のトリプトファンは輸送体によって脳内に運ばれますが、
この輸送体はバリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニンなど
長鎖中性アミノ酸も輸送します。
インスリン分泌によりバリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニンなど
トリプトファン以外の長鎖中性アミノ酸が、
筋肉合成に使われて血中濃度が低下すれば、
相対的に血中トリプトファン濃度が上昇します。
そして、競合する他のアミノ酸が減少すると、
血液脳関門を通過するトリプトファンも増加して、
眠気が出現することとなります。
江部康二
食後の眠気
いつもブログを楽しみに拝見しています。
食後の眠気についてですが、デブリンの生化学によると
「血液脳関門を介する輸送に対して他のアミノ酸がトリプトファンと競合すると、
トリプトファンの利用率が減弱する。
糖質の催眠効果は、インスリンの遊離が促進され、
他のアミノ酸が同化作用により血液中濃度が低下することにより競合が緩和され、
脳内に入るトリプトファン量が増加することにより眠気を引き起こす」
そうです。 原書7版 p990
引き続きのご活躍を祈念しております。】
こんにちは。
T-akasaka さんから、とても貴重な情報をコメント頂きました。
ありがとうございます。
糖質摂取に伴う眠気の出現が
デブリンの生化学の記載で、あるていど説明できると思います。
トリプトファン (Tryptophan) はアミノ酸の一種で、
ヒトにおける9つの必須アミノ酸の内の1つです。
セロトニン・メラトニンといったホルモンの前駆体でもあります。
メラトニンはトリプトファンからセロトニンを経て体内合成されます。
メラトニンは睡眠ホルモンとも呼ばれています。
糖質摂取→インスリン多量分泌→トリプトファン以外のアミノ酸の骨格筋への取り込みと蛋白質合成促進→
トリプトファン以外の血中アミノ酸濃度低下→相対的に血中トリプトファン濃度上昇→
血液脳関門を通過するトリプトファン増加→脳内トリプトファン量増加→
セロトニン増加→メラトニン増加→眠気出現
インスリンは、骨格筋に作用して、
トリプトファン以外のアミノ酸の細胞内への取り込みを増加させて、
蛋白質合成を促進させます。
バリン、ロイシン、イソロイシンは、筋肉合成に関わる主要なアミノ酸ですが、
中でもロイシンの役割が重要です。
血中のトリプトファンは輸送体によって脳内に運ばれますが、
この輸送体はバリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニンなど
長鎖中性アミノ酸も輸送します。
インスリン分泌によりバリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニンなど
トリプトファン以外の長鎖中性アミノ酸が、
筋肉合成に使われて血中濃度が低下すれば、
相対的に血中トリプトファン濃度が上昇します。
そして、競合する他のアミノ酸が減少すると、
血液脳関門を通過するトリプトファンも増加して、
眠気が出現することとなります。
江部康二
こんにちは、以前母親のことで先生にご相談した者です。
1月にHbA1cが10.2だった母が、糖質制限をして今月の検査でHbA1cの数値が6.2まで下がっていました!
病院も糖質制限を理解してくださっている先生をこちらのサイトで紹介していただいたので、安心して通院しています。
数値が下がって母も喜んでいますし、私もほっとしています。
本当に江部先生のおかげです。どうもありがとうございます。
1月にHbA1cが10.2だった母が、糖質制限をして今月の検査でHbA1cの数値が6.2まで下がっていました!
病院も糖質制限を理解してくださっている先生をこちらのサイトで紹介していただいたので、安心して通院しています。
数値が下がって母も喜んでいますし、私もほっとしています。
本当に江部先生のおかげです。どうもありがとうございます。
内田香織 さん
「1月にHbA1cが10.2だった母が、糖質制限をして今月の検査でHbA1cの数値が6.2まで下がっていました!」
素晴らしい改善で、良かったです。
糖質制限賛成派の医療機関が見つかって安心ですね。
「1月にHbA1cが10.2だった母が、糖質制限をして今月の検査でHbA1cの数値が6.2まで下がっていました!」
素晴らしい改善で、良かったです。
糖質制限賛成派の医療機関が見つかって安心ですね。
2017/07/14(Fri) 21:04 | URL | ドクター江部 | 【編集】
都内河北 鈴木です。
夏井睦先生ブログにて、「糖質制限理論」で生還し、更なる改善して行く私には大笑いです!!
7月15日のブログ記事最後の
「アホな研究」という投稿メ~ルです。
過去も現在もですね!!
私達被害者には何の有益性もありません!!
私は近々後遺症の為に専門医に情報収集に参加申し込みをして、受理書類も届きましたので伺う予定です。
何等かの有益性が在ればですが??
その後の事は再度報告します。
敬具
夏井睦先生ブログにて、「糖質制限理論」で生還し、更なる改善して行く私には大笑いです!!
7月15日のブログ記事最後の
「アホな研究」という投稿メ~ルです。
過去も現在もですね!!
私達被害者には何の有益性もありません!!
私は近々後遺症の為に専門医に情報収集に参加申し込みをして、受理書類も届きましたので伺う予定です。
何等かの有益性が在ればですが??
その後の事は再度報告します。
敬具
2017/07/15(Sat) 07:29 | URL | 都内河北 鈴木 | 【編集】
都内河北 鈴木 さん
面白い情報をありがとうございます。
私も、この意見に賛成です。
以下、7/45の夏井睦先生のサイトの抜粋です。
アホな研究,というメール。
【食欲を抑え、熱産生を高めて末梢組織の糖利用を促進する神経細胞を発見】
このような研究に莫大な研究費が使われています。
糖代謝がメインだと信じて疑わない研究が世界中で行われているかと思うと金と時間がもったいないですね。
それに一部の研究者の間ではマウスをヒトのモデルには出来ないことが常識になりつつあります。
マウス(齧歯類)が穀物を要して、霊長類はそうではないことを調べる研究で,ヒトの生理学的実験モデルにマウスやラットは利用できないと結論付けるようなものにお金を使ってもらいたいものです。
実験動物の維持費や手間はかなり大変なのです。
ゲノム比較解析ですぐに結論がでそうな気もするのですが。
面白い情報をありがとうございます。
私も、この意見に賛成です。
以下、7/45の夏井睦先生のサイトの抜粋です。
アホな研究,というメール。
【食欲を抑え、熱産生を高めて末梢組織の糖利用を促進する神経細胞を発見】
このような研究に莫大な研究費が使われています。
糖代謝がメインだと信じて疑わない研究が世界中で行われているかと思うと金と時間がもったいないですね。
それに一部の研究者の間ではマウスをヒトのモデルには出来ないことが常識になりつつあります。
マウス(齧歯類)が穀物を要して、霊長類はそうではないことを調べる研究で,ヒトの生理学的実験モデルにマウスやラットは利用できないと結論付けるようなものにお金を使ってもらいたいものです。
実験動物の維持費や手間はかなり大変なのです。
ゲノム比較解析ですぐに結論がでそうな気もするのですが。
2017/07/15(Sat) 08:01 | URL | ドクター江部 | 【編集】
こんにちは、いつも江部先生のブログや本を読みながら糖質制限をしています。
今日は、IgA腎症の主人が糖質制限食をこのまま続けても大丈夫なのか、
腎臓病の人が糖質制限をする場合の注意点を教えていただきたく、コメントいたしました。
主人(54歳)は2002年にIgA腎症と診断され、扁桃摘出とステロイド治療を受けました。
現在は3ヵ月に一度通院し、投薬を受けています。
昨日の血液検査の結果です。
TP 6.7
ALB 4.2
BUN 20
CRE 1.35H
UA 7.2H
T-CHO 264H
HDL-C 63
TG 131
LDL 180H
eGFR 44.5L
処方されている薬です。
ぺリンドプリル錠4㎎ 朝夕食後1回1錠
アロシトール錠100㎎ 朝食後1回1錠
プラバスタチンNa錠10㎎ 就寝前1回1錠
ペルサンチン-Lカプセル150㎎ 朝夕食後1回1錠
ここ数年、血液検査の結果や処方内容に変化はありません。
主治医からは悪玉コレステロールが高い事を毎回指摘されるようですが、
IgA腎症発症後、腎機能が徐々に悪くなり人工透析へ移行する患者が多い中、
主人の場合は2013年から進行しておらず、
もしかしたらこの状態のままこの先も行けるのではないかとも言われています。
去年の10月より夫婦で糖質制限を開始しました。
その時点では腎臓病患者の糖質制限には注意が必要であることを知りませんでした。
主人はスタンダードで続けています。
食事内容の一例です。
朝:ヨーグルト、リンゴ4分の1個程度のフルーツ
昼:味噌汁、肉野菜炒め、サラダ、オムレツ、キムチ
夜:お弁当(ごはん120g、ハンバーグ、卵焼き、ミニトマト、ナスのピリ辛炒め、いんげんのお浸し)
間食:ナッツ、クリームチーズ
9ヵ月間で73㎏→64㎏まで減量し(身長170cm)、それ以上減らなくなっているようです。
喘息、アトピー、下痢、片頭痛が治まり、肩こり以外は体調は良好なようです。
江部先生のブログを読み進めていくうちに、
eGFRが60未満の場合、糖質制限をするのに相談が必要であることを知りました。
糖質制限で減量に成功し、アトピーなどが改善し快適な反面、
腎臓への影響が心配でこの先も続けるべきか迷っています。
今6割ほどしか使えていない腎機能をこれ以上悪化させず、現状維持のまま生涯過ごさせたいのです。
①eGFR44.5の主人が、今のような糖質制限食を続けても腎機能に不具合は生じないのでしょうか?
②LDL180という数値はやはり高すぎで、投薬治療が必要なレベルなのでしょうか?
10年以上飲み続けているプラバスタチンNa錠のお陰でLDLコレステロールが180程度で保たれているのか、
それとも本当は飲む必要がない薬なのか分かりません。
③その他、腎臓病患者が糖質制限をする上での注意点を教えてください。
以上、お忙しい中恐縮ですが、
IgA腎症患者と糖質制限との付き合い方をご教授ください。
よろしくお願い致します。
今日は、IgA腎症の主人が糖質制限食をこのまま続けても大丈夫なのか、
腎臓病の人が糖質制限をする場合の注意点を教えていただきたく、コメントいたしました。
主人(54歳)は2002年にIgA腎症と診断され、扁桃摘出とステロイド治療を受けました。
現在は3ヵ月に一度通院し、投薬を受けています。
昨日の血液検査の結果です。
TP 6.7
ALB 4.2
BUN 20
CRE 1.35H
UA 7.2H
T-CHO 264H
HDL-C 63
TG 131
LDL 180H
eGFR 44.5L
処方されている薬です。
ぺリンドプリル錠4㎎ 朝夕食後1回1錠
アロシトール錠100㎎ 朝食後1回1錠
プラバスタチンNa錠10㎎ 就寝前1回1錠
ペルサンチン-Lカプセル150㎎ 朝夕食後1回1錠
ここ数年、血液検査の結果や処方内容に変化はありません。
主治医からは悪玉コレステロールが高い事を毎回指摘されるようですが、
IgA腎症発症後、腎機能が徐々に悪くなり人工透析へ移行する患者が多い中、
主人の場合は2013年から進行しておらず、
もしかしたらこの状態のままこの先も行けるのではないかとも言われています。
去年の10月より夫婦で糖質制限を開始しました。
その時点では腎臓病患者の糖質制限には注意が必要であることを知りませんでした。
主人はスタンダードで続けています。
食事内容の一例です。
朝:ヨーグルト、リンゴ4分の1個程度のフルーツ
昼:味噌汁、肉野菜炒め、サラダ、オムレツ、キムチ
夜:お弁当(ごはん120g、ハンバーグ、卵焼き、ミニトマト、ナスのピリ辛炒め、いんげんのお浸し)
間食:ナッツ、クリームチーズ
9ヵ月間で73㎏→64㎏まで減量し(身長170cm)、それ以上減らなくなっているようです。
喘息、アトピー、下痢、片頭痛が治まり、肩こり以外は体調は良好なようです。
江部先生のブログを読み進めていくうちに、
eGFRが60未満の場合、糖質制限をするのに相談が必要であることを知りました。
糖質制限で減量に成功し、アトピーなどが改善し快適な反面、
腎臓への影響が心配でこの先も続けるべきか迷っています。
今6割ほどしか使えていない腎機能をこれ以上悪化させず、現状維持のまま生涯過ごさせたいのです。
①eGFR44.5の主人が、今のような糖質制限食を続けても腎機能に不具合は生じないのでしょうか?
②LDL180という数値はやはり高すぎで、投薬治療が必要なレベルなのでしょうか?
10年以上飲み続けているプラバスタチンNa錠のお陰でLDLコレステロールが180程度で保たれているのか、
それとも本当は飲む必要がない薬なのか分かりません。
③その他、腎臓病患者が糖質制限をする上での注意点を教えてください。
以上、お忙しい中恐縮ですが、
IgA腎症患者と糖質制限との付き合い方をご教授ください。
よろしくお願い致します。
2017/07/15(Sat) 14:28 | URL | かずみ | 【編集】
かずみ さん
2016年年10月より夫婦で糖質制限を開始されて
その後、9ヶ月が経過していますが、
腎機能が不変なら、今後も糖質制限食を続けられてよいと思います。
9ヵ月間で73㎏→64㎏まで減量(身長170cm)
減量も腎臓には優しいのでとても良いことです。
喘息、アトピー、下痢、片頭痛が治まり、肩こり以外は体調は良好とは
素晴らしいです。
腎臓病と糖質制限食に関しては、個人差があるので
個々に医師と相談するのが原則ですが、
ご主人が結果として、腎機能を維持しておられるのなら
とてもよいことと思います。
可能なら「血清シスタチンC」も検査してみましょう。
血清クレアチニンより、血清シスタチンCのほうが、より信頼度の高い
腎機能検査です。
2013年から進行しておられないので、治療薬は現状維持で良いと思います。
2016年年10月より夫婦で糖質制限を開始されて
その後、9ヶ月が経過していますが、
腎機能が不変なら、今後も糖質制限食を続けられてよいと思います。
9ヵ月間で73㎏→64㎏まで減量(身長170cm)
減量も腎臓には優しいのでとても良いことです。
喘息、アトピー、下痢、片頭痛が治まり、肩こり以外は体調は良好とは
素晴らしいです。
腎臓病と糖質制限食に関しては、個人差があるので
個々に医師と相談するのが原則ですが、
ご主人が結果として、腎機能を維持しておられるのなら
とてもよいことと思います。
可能なら「血清シスタチンC」も検査してみましょう。
血清クレアチニンより、血清シスタチンCのほうが、より信頼度の高い
腎機能検査です。
2013年から進行しておられないので、治療薬は現状維持で良いと思います。
2017/07/15(Sat) 15:34 | URL | ドクター江部 | 【編集】
丁寧なご回答ありがとうございました。
これで安心して糖質制限を続けていけます。
「血清シスタチンC」の検査の件も、主人に伝えてみます。
主人の父(腎臓病)も私の父(糖尿病)も人工透析患者でその辛さを知っているので、
何としても主人は透析にまで至らないようにしたいのです。
私もこの9ヵ月で17kgの減量しました。
元々がかなりの肥満でしたのでまだダイエット途中なのですが、
坐骨神経痛や膝痛が改善され、洋服も標準サイズが着れるようになり、
とても嬉しいです。
これからも工夫しながら糖質制限食を続けて行こうと思います。
ありがとうございました。
これで安心して糖質制限を続けていけます。
「血清シスタチンC」の検査の件も、主人に伝えてみます。
主人の父(腎臓病)も私の父(糖尿病)も人工透析患者でその辛さを知っているので、
何としても主人は透析にまで至らないようにしたいのです。
私もこの9ヵ月で17kgの減量しました。
元々がかなりの肥満でしたのでまだダイエット途中なのですが、
坐骨神経痛や膝痛が改善され、洋服も標準サイズが着れるようになり、
とても嬉しいです。
これからも工夫しながら糖質制限食を続けて行こうと思います。
ありがとうございました。
2017/07/15(Sat) 18:46 | URL | かずみ | 【編集】
かずみ さん
17kgのダイエット成功、良かったです。
体重が減ると、坐骨神経痛や膝痛は改善しやすいですね。
17kgのダイエット成功、良かったです。
体重が減ると、坐骨神経痛や膝痛は改善しやすいですね。
2017/07/16(Sun) 12:11 | URL | ドクター江部 | 【編集】
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