2017年05月27日 (土)
おはようございます。
糖質セイゲニストは、必然的によく肉を食べます。
肉の摂取と発がんのリスクについて
心配している糖質セイゲニストも多いと思いますので、
今回は、それについて考えて見ます。
赤身の肉・加工肉ですが、
がんのリスクを高めることを示唆する文献はあります。
そういう結論のいろんな文献がありますが、
全て糖質を約40~60%摂取している集団のデータなので、
スーパー糖質制限食実践者(糖質摂取比率12%)には、実はあてはまりません。
次に世界ガン研究基金の2007年の報告について検討してみます。
Food, Nutrition, Physical Activity and the the Prevention of Cancer: A Global Perspective
「食べもの、栄養、運動とがん予防」
http://www.wcrf.org/sites/default/files/english.pdf
まずは、ウィキペディアの解説です。
よくまとまっているので、以下に一部引用しました。
【食生活指針
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A3%9F%E7%94%9F%E6%B4%BB%E6%8C%87%E9%87%9D
2007年11月1日、世界がん研究基金とアメリカがん研究協会によって
7000以上の研究を根拠に「食べもの、栄養、運動とがん予防」が報告されている。
①肥満 ゴール:BMIは21-23の範囲に。 推薦:標準体重の維持、BMI25未満。
②運動 推薦:毎日少なくとも30分の運動。
③体重を増やす飲食物 推薦:高エネルギーの食べものや砂糖入り飲料やフルーツジュース、ファーストフードの摂取を制限する。飲料として水や茶や無糖コーヒーが推奨される。
④植物性食品 ゴール:毎日少なくとも600gの野菜や果物と、少なくとも25グラムの食物繊維を摂取するための精白されていない穀物である全粒穀物と豆を食べる。 推奨:毎日400g以上の野菜や果物と、全粒穀物と豆を食べる。精白された穀物などを制限する。
トランス脂肪酸は心臓病のリスクとなるが、がんへの関与は知られていない。
⑤動物性食品 赤肉(牛・豚・羊)を制限し、加工肉(ハム、ベーコン、サラミ、燻製肉、熟成肉、塩蔵肉)は避ける。赤肉より、鶏肉や魚が推奨される。 ゴール:赤肉は週300g以下に。 推奨:赤肉は週500g以下に。乳製品は議論があるため推奨していない。
⑥アルコール 男性は1日2杯、女性は1日1杯まで。
⑦保存、調理 ゴール:塩分摂取量を1日に5g以下に。 推奨:塩辛い食べものを避ける。塩分摂取量を1日に6g以下に。カビのある穀物や豆を避ける。
⑧サプリメント ゴール:サプリメントなしで栄養が満たせる。
推奨:がん予防のためにサプリメントに頼らない。
⑨母乳哺育 6か月、母乳哺育をする。
これは母親を主に乳がんから、子供を肥満や病気から守る。
⑩がん治療後 がん治療を行ったなら、栄養、体重、運動について専門家の指導を受ける。
***
タバコの煙もがんの主因であると強調している。また、タバコとアルコールは相乗作用で発癌物質となる。】
①
肥満に関しては、大腸・食道・膵臓・腎臓・子宮内膜(子宮)・乳房のガンになるリスクが高まるとしています。
これら6つのガンに関しては、はっきり肥満がリスクになるということです。
また、胆嚢に関しては、肥満がおそらく発ガンのリスクを高めるとしています。
糖質制限食が肥満にはもっとも有効な治療法です。 (^_^)
肥満がリスクになるガンは、
高インスリン血症が関与している可能生が高いと思います。
「高インスリン血症」と「高血糖」には、
発ガンリスクであるというエビデンスがあります。
国際糖尿病連合(IDF)2011年の報告では
「食後高血糖は癌発症リスク上昇と関連する」として、
食後血糖値は、食後1~2時間で測定されるべきで、
160mg/dl未満が目標というのが加わりました。
②運動
③体重を増やす飲食物
は①とも関連してますね。私も賛成です。
④植物性食品では、食物繊維の摂取を推奨ですね。
また精製炭水化物の制限を推奨です。
賛成です。
⑤動物性食品
赤肉(牛・豚・羊)は週500g以下にという目標は、
日本人にはそんなに難しくはないように思いますが、
米国人にはとんでもなく厳しい数値目標ですね。
しかし、世界ガン研究基金の報告の元になった数多くの文献も、
やはり全て糖質を約40%~60%摂取している集団のデータなので、
スーパー糖質制限食実践者にはあてはまりません。
最近は、動物性脂肪の害はないという文献も出てきているので個人的には、
もう少し赤肉を食べてもいいように思います。
ごく普通の食事をしている集団(糖質摂取比率約40%~60%)においては、
糖質摂取比率12%のスーパー糖質制限食集団に比べると、
糖尿病でない耐糖能正常の人においても、
必ず「食後血糖値の上昇」と「高インスリン血症」を生じています。
「食後血糖値の上昇」と「高インスリン血症」を日常的に生じている集団においては、
世界ガン研究基金の報告のように
「動物性食品 赤肉(牛・豚・羊:四つ足動物)を制限し、
加工肉(ハム、ベーコン、サラミ、燻製肉、熟成肉、塩蔵肉)は避ける」
ほうが、発ガンに関して、安全な可能性が高いということには私も賛成です。
⑥アルコール
「男性は1日2杯まで」
これは仰有る通りかもしれませんが、残念ながら私には守れそうもありませんし、守っていませんね。(-_-;)
⑦保存、調理
塩分6g以下ですか。結構厳しいですね。σ(=_=;)ヾ
⑧⑨⑩は賛成です。
タバコの害も言うまでもないですね
個人的には「高インスリン血症」と「食後血糖値の上昇」という
発ガンリスクがほとんどないスーパー糖質制限食なら、
少なくとも、肥満関連のガンに対しては、
予防効果がある可能性が高いと思いますが、
あくまでも仮説であり、エビデンスがあるわけではありません。
加工肉にはいろいろな添加物が多いので、少量がいいかと思います。
そして魚と肉との比率は、大ざっぱに<1:1>くらいがいいかなと思っています。
勿論、魚が多くてもいいです。
私自身はスーパー糖質制限食を 2002年から実践して足かけ16年目ですが、
赤みの肉はしっかり食べています。
鶏肉も魚貝も卵も大豆製品もよく食べますし、葉野菜、海藻、茸もよく食べます。
間食でチーズ、ナッツ、スルメ、焼き海苔、干し海老、メザシ・・・もよく食べます。
果物は、少量を時に食べることがあります。
以下、結論です。
<スーパー糖質制限食とヒト発癌に関する考察>
A)「スーパー糖質制限食で発癌のリスク上昇というエビデンスはない。」
B)「スーパー糖質制限食で発癌のリスク減少というエビデンスもない。」
C)「糖質摂取比率12%の集団と通常食の集団における癌の発生を、長期間経過観察した臨床研究は、存在しない。」
1)スーパー糖質制限食で、明確な発癌リスクである食後高血糖と高インスリン血症は、
一日を通して確実に改善する。
2)スーパー糖質制限食で、発癌リスクを減らすHDL-Cが増加する。
3)スーパー糖質制限食を長期間続けて将来発癌リスクが上昇するとしたら
1)2)の利点を帳消しにしてさらにそれを上回る何らかの発癌リスクがあると仮定するしかない。
◇ →そのようなリスクは知られてない。
4)
1)2)3)を考慮すれば、あくまでも仮説であるが、
スーパー糖質制限食により、肥満関連のがんの予防効果が期待できる。
江部康二
糖質セイゲニストは、必然的によく肉を食べます。
肉の摂取と発がんのリスクについて
心配している糖質セイゲニストも多いと思いますので、
今回は、それについて考えて見ます。
赤身の肉・加工肉ですが、
がんのリスクを高めることを示唆する文献はあります。
そういう結論のいろんな文献がありますが、
全て糖質を約40~60%摂取している集団のデータなので、
スーパー糖質制限食実践者(糖質摂取比率12%)には、実はあてはまりません。
次に世界ガン研究基金の2007年の報告について検討してみます。
Food, Nutrition, Physical Activity and the the Prevention of Cancer: A Global Perspective
「食べもの、栄養、運動とがん予防」
http://www.wcrf.org/sites/default/files/english.pdf
まずは、ウィキペディアの解説です。
よくまとまっているので、以下に一部引用しました。
【食生活指針
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A3%9F%E7%94%9F%E6%B4%BB%E6%8C%87%E9%87%9D
2007年11月1日、世界がん研究基金とアメリカがん研究協会によって
7000以上の研究を根拠に「食べもの、栄養、運動とがん予防」が報告されている。
①肥満 ゴール:BMIは21-23の範囲に。 推薦:標準体重の維持、BMI25未満。
②運動 推薦:毎日少なくとも30分の運動。
③体重を増やす飲食物 推薦:高エネルギーの食べものや砂糖入り飲料やフルーツジュース、ファーストフードの摂取を制限する。飲料として水や茶や無糖コーヒーが推奨される。
④植物性食品 ゴール:毎日少なくとも600gの野菜や果物と、少なくとも25グラムの食物繊維を摂取するための精白されていない穀物である全粒穀物と豆を食べる。 推奨:毎日400g以上の野菜や果物と、全粒穀物と豆を食べる。精白された穀物などを制限する。
トランス脂肪酸は心臓病のリスクとなるが、がんへの関与は知られていない。
⑤動物性食品 赤肉(牛・豚・羊)を制限し、加工肉(ハム、ベーコン、サラミ、燻製肉、熟成肉、塩蔵肉)は避ける。赤肉より、鶏肉や魚が推奨される。 ゴール:赤肉は週300g以下に。 推奨:赤肉は週500g以下に。乳製品は議論があるため推奨していない。
⑥アルコール 男性は1日2杯、女性は1日1杯まで。
⑦保存、調理 ゴール:塩分摂取量を1日に5g以下に。 推奨:塩辛い食べものを避ける。塩分摂取量を1日に6g以下に。カビのある穀物や豆を避ける。
⑧サプリメント ゴール:サプリメントなしで栄養が満たせる。
推奨:がん予防のためにサプリメントに頼らない。
⑨母乳哺育 6か月、母乳哺育をする。
これは母親を主に乳がんから、子供を肥満や病気から守る。
⑩がん治療後 がん治療を行ったなら、栄養、体重、運動について専門家の指導を受ける。
***
タバコの煙もがんの主因であると強調している。また、タバコとアルコールは相乗作用で発癌物質となる。】
①
肥満に関しては、大腸・食道・膵臓・腎臓・子宮内膜(子宮)・乳房のガンになるリスクが高まるとしています。
これら6つのガンに関しては、はっきり肥満がリスクになるということです。
また、胆嚢に関しては、肥満がおそらく発ガンのリスクを高めるとしています。
糖質制限食が肥満にはもっとも有効な治療法です。 (^_^)
肥満がリスクになるガンは、
高インスリン血症が関与している可能生が高いと思います。
「高インスリン血症」と「高血糖」には、
発ガンリスクであるというエビデンスがあります。
国際糖尿病連合(IDF)2011年の報告では
「食後高血糖は癌発症リスク上昇と関連する」として、
食後血糖値は、食後1~2時間で測定されるべきで、
160mg/dl未満が目標というのが加わりました。
②運動
③体重を増やす飲食物
は①とも関連してますね。私も賛成です。
④植物性食品では、食物繊維の摂取を推奨ですね。
また精製炭水化物の制限を推奨です。
賛成です。
⑤動物性食品
赤肉(牛・豚・羊)は週500g以下にという目標は、
日本人にはそんなに難しくはないように思いますが、
米国人にはとんでもなく厳しい数値目標ですね。
しかし、世界ガン研究基金の報告の元になった数多くの文献も、
やはり全て糖質を約40%~60%摂取している集団のデータなので、
スーパー糖質制限食実践者にはあてはまりません。
最近は、動物性脂肪の害はないという文献も出てきているので個人的には、
もう少し赤肉を食べてもいいように思います。
ごく普通の食事をしている集団(糖質摂取比率約40%~60%)においては、
糖質摂取比率12%のスーパー糖質制限食集団に比べると、
糖尿病でない耐糖能正常の人においても、
必ず「食後血糖値の上昇」と「高インスリン血症」を生じています。
「食後血糖値の上昇」と「高インスリン血症」を日常的に生じている集団においては、
世界ガン研究基金の報告のように
「動物性食品 赤肉(牛・豚・羊:四つ足動物)を制限し、
加工肉(ハム、ベーコン、サラミ、燻製肉、熟成肉、塩蔵肉)は避ける」
ほうが、発ガンに関して、安全な可能性が高いということには私も賛成です。
⑥アルコール
「男性は1日2杯まで」
これは仰有る通りかもしれませんが、残念ながら私には守れそうもありませんし、守っていませんね。(-_-;)
⑦保存、調理
塩分6g以下ですか。結構厳しいですね。σ(=_=;)ヾ
⑧⑨⑩は賛成です。
タバコの害も言うまでもないですね
個人的には「高インスリン血症」と「食後血糖値の上昇」という
発ガンリスクがほとんどないスーパー糖質制限食なら、
少なくとも、肥満関連のガンに対しては、
予防効果がある可能性が高いと思いますが、
あくまでも仮説であり、エビデンスがあるわけではありません。
加工肉にはいろいろな添加物が多いので、少量がいいかと思います。
そして魚と肉との比率は、大ざっぱに<1:1>くらいがいいかなと思っています。
勿論、魚が多くてもいいです。
私自身はスーパー糖質制限食を 2002年から実践して足かけ16年目ですが、
赤みの肉はしっかり食べています。
鶏肉も魚貝も卵も大豆製品もよく食べますし、葉野菜、海藻、茸もよく食べます。
間食でチーズ、ナッツ、スルメ、焼き海苔、干し海老、メザシ・・・もよく食べます。
果物は、少量を時に食べることがあります。
以下、結論です。
<スーパー糖質制限食とヒト発癌に関する考察>
A)「スーパー糖質制限食で発癌のリスク上昇というエビデンスはない。」
B)「スーパー糖質制限食で発癌のリスク減少というエビデンスもない。」
C)「糖質摂取比率12%の集団と通常食の集団における癌の発生を、長期間経過観察した臨床研究は、存在しない。」
1)スーパー糖質制限食で、明確な発癌リスクである食後高血糖と高インスリン血症は、
一日を通して確実に改善する。
2)スーパー糖質制限食で、発癌リスクを減らすHDL-Cが増加する。
3)スーパー糖質制限食を長期間続けて将来発癌リスクが上昇するとしたら
1)2)の利点を帳消しにしてさらにそれを上回る何らかの発癌リスクがあると仮定するしかない。
◇ →そのようなリスクは知られてない。
4)
1)2)3)を考慮すれば、あくまでも仮説であるが、
スーパー糖質制限食により、肥満関連のがんの予防効果が期待できる。
江部康二
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