脂質栄養学会講演。脂質栄養学での論文。 糖尿病、久山町の悲劇と糖質制限法。
【17/05/23 らこ
江部先生の論文紹介お願い申し上げます。
脂質栄養学 第26巻,第 1 号(2017)p.47-57

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jln/26/1/26_47/_pdf

よろしくお願いします。】


おはようございます。

らこさんから
私の論文が、ネットにpdfファイルで公開されているとの
コメントをいただきました。
ありがとうございます。
論文は書きましたが、ネットでpdfファイル公開とは知りませんでした。

以下は
2016年9月16日(金)日本脂質栄養学会での発表の講演要旨です。
この講演を基に論文を執筆しました。
論文は
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jln/26/1/26_47/_pdf
を御覧頂けば幸いです。
やや長文となりますが、とても参考になると思います。

江部康二

糖尿病、久山町の悲劇と糖質制限法

財団法人高雄病院、日本糖質制限医療普及推進協会代表理事
江部 康二


講演要旨 
抄録

「摂取後直接、血糖に影響を与えるのは糖質のみであり、蛋白質・脂質は、摂取後、直接血糖に影響を及 ぼすことはない。」というのが米国糖尿病学会の見解である。これらは含有エネルギーとは無関係の生理学的事実である。食後高血糖と一日平均血糖変動幅増大が、糖尿病患者において最大の酸化ストレスリスクとなるが、これらを生じるのは糖質摂取だけであり、脂質や蛋白質を摂取しても生じない。糖質制限食なら食後高血糖は生じず、平均血糖変動幅は速やかに改善する。一方カロリー制限食を実践しても糖質を摂取すれば、必ず食後高血糖と平均血糖変動幅増大を生じる。酸化ストレス亢進は、糖尿病合併症、動脈硬化、ガン、老化、アルツハイマ-病、パーキンソン病などの元凶とされている。米国糖尿病学会は、2013 年 10 月、5 年ぶりに「栄養療法に関する声明」を発表し、全ての糖尿病患者に適した唯一無二の食事パターンはないと明言し、糖質制限食、地中海食、ベジタリアン食、低脂質食、DASH食を受容した。脳はブドウ糖だけでなくケトン体をエネルギー源としていくらでも利用する。ケトン体はインスリン作用が保たれているかぎり安全な物質である。ケトン体は肝細胞内で「脂肪酸→β酸化→アセチルCoA→ケトン体」という順番で日常的につくられていて、肝臓では使われずに、他の臓器・脳・筋肉のエネルギー源として供給される。日常生活では空腹時は心筋・骨格筋など多くの体細胞は脂肪酸・ケトン体を主エネルギー源としているのに対して、赤血球・脳・網膜など特殊な細胞だけがブドウ糖を主エネルギー源としている。なお赤血球はミトコンドリアがないのでブドウ糖だけが唯一のエネルギー源である。2型糖尿病高雄病院入院患者において、同一カロリーにそろえた従来の糖尿病食(高糖質食)と糖質制限食における血糖の日内変動を比較検討してみた。その結果、糖質制限食では従来の糖尿病食に比べて顕著な食後血糖改善効果が認められた。糖尿病合併症は米国においては激減したが、日本では毎年16000人が透析、3000人以上が失明、3000人以上が足切断に陥っている。九州大学医学部が1961年以来継続している信頼度の高い久山町研究において、糖尿病発症予防のため1988年から「食事療法+運動療法」により強力に指導が行われた。しかし2002年の統計では、従来の糖尿病食指導により糖尿病発症が激増しており、私はこれを久山町の悲劇と呼んでいる。

コメント
先生、お忙しいところありがとうございました。
かつての長寿国はすべて錯覚と誤解?とは
どういったことなんでしょうか。
(お時間がなければスルーでかまいません)
私も糖質制限を知って(MECもですが)
人間の体はタンパク質でできていますし
とても大切だと思っています。
100歳のフォトジャーナリストの笹本さんも
確かにお肉を召し上がってますよね!!
ですが、高齢になってもお肉を食べられるという
100歳を超えても元気な『消化器官(腸)』をお持ちだ、
ということになるのではないでしょうか。
肉は発がん性物質が含まれていて、
タバコよりも害があるという記事も読みました。

長生きしたいわけではありませんが
情報がたくさんあって何を信じていいのか
わかりません・・・。
ですが、糖質を抑えるということは
これだけは信じています。

※船瀬俊介著/健康寿命120歳説を読んで
色々考えさせられました
2017/05/25(Thu) 09:25 | URL | 美月 | 【編集
Re: タイトルなし
美月 さん

誤解や錯覚ですが
かつて、「世界三大長寿地域」としてもてはやされた
パキスタン北部のフンザ、
南米エクアドルのビルカバンバ、
カスピ海ヨーグルトでブレイクしたロシアのコーカサス
地方がその一例です。

例えばビルカバンバでは100歳を超え
る老人が数多く生活し、140歳を超える長
寿者も生存していると信じられてきました。
しかし約30数年前に、米国の調査団によって
100歳以上の人が過去にも現在もゼ
ロだったことが実証されています。

世界137カ国を調査して、脂肪消費量が多いほど寿命が延びるという研究もあります。

発がん性に関しては、日光、アルコール、ガソリンにもおおいにあります。
2017/05/25(Thu) 19:07 | URL | ドクター江部 | 【編集
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