閉経後の骨粗鬆症にはピルが有効。ニキビにもピルが有効。
【17/04/19 産婦人科医師
女性の骨粗鬆症予防にはホルモン補充療法が有効
閉経後の骨粗鬆症の原因として最も重要なのは、
エストロゲン低下による骨密度の低下と骨梁構造の悪化です。
もちろんビスフォスフォネートによる治療も有効ですが、
顎骨壊死や食道ビランなど重篤な副作用も多数報告されており、
継続した服用には注意が必要です。
ぶっちゃけ、閉経後のご婦人の血中エストロゲン量は、
同年代のオッサンの血中エストロゲン量よりも低いです。
そこでオススメなのが更年期のホルモン補充療法です。

ビスフォスフォネートが骨にしか効果が無いのに対し、
ホルモン補充療法は全身の細胞に数々の効果があります。

もちろん骨密度も増加、お肌ツルツル、髪の毛シットリ、
動脈プルプルになること間違いなしです。

糖質制限も併用すれば更に効果が上がることでしょう。

骨粗鬆症のガイドラインにはホルモン補充療法は出てきません。
なぜって?整形外科医が作成したからです。

ニキビのガイドラインにピルが出てこないのと同じです。
皮膚科医はピルを処方しないからです。】



こんばんは。
産婦人科医師さんから、とても役に立つ情報をコメントして頂きました。
ありがとうございます。

そうですね。
ご指摘通り、閉経後の女性の骨粗鬆症予防にはピルが有効ですね。

私は、整形外科の情報ばかり見ていましたので、
うっかりしていました。
助かります。

閉経後のご婦人の血中エストロゲン量は、
同年代のオッサンの血中エストロゲン量よりも低いとは、
びっくりしました。

『糖質制限食+低容量ピル』で、女性の骨粗鬆症は、かなりカバーできそうです。

ただし、ピルには副作用もあるので、
どのくらい継続服用するのか、産婦人科医とよく相談することが必要です。

ピルのこわい副作用としてまれではありますが
乳がん・子宮がん、血栓症があります。
小さな副作用として
頭痛、吐き気、乳房の張り、体重増加などがあります。

ニキビにも低容量ピルが有効なことがあるのですね。
勉強になります。
生理前に増える男性ホルモンは、皮脂分泌を過剰にする働きがあり、毛穴をふさぎ、
ニキビをできやすくさせます。
低容量ピルを飲むことで、男性ホルモンを抑え、
女性ホルモンを補うことで、ニキビが改善するという理屈です。

ニキビは、スーパー糖質制限食で、ほとんど良くなります。
しかし、スーパー糖質制限食が困難な女性でニキビに悩んでいる方は
産婦人科医師と相談という選択肢もありですね。


江部康二
コメント
夜間頻尿に関して
夜間頻尿に悩んでいます。
hba1cをどれぐらいに抑えれば、
夜間頻尿はなくなるでしょうか?
2017/04/20(Thu) 21:57 | URL | 誠 | 【編集
整形外科が骨粗鬆症に女性ホルモンを使わないわけ
整形外科医が骨粗鬆症に女性ホルモンを使わないのは、乳がん子宮がんの発ガン性を否定できないからで、女性ホルモンに似たSERMを使うほうが、妥当だからです。産婦人科の先生の誤解です。
2017/04/20(Thu) 22:36 | URL | 新庄信英 | 【編集
Re: 夜間頻尿に関して
誠 さん

夜間頻尿は、HbA1cだけの問題ではないので、回答不能です。
2017/04/20(Thu) 23:00 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 整形外科が骨粗鬆症に女性ホルモンを使わないわけ
新庄信英 先生

コメントありがとうございます。
大変参考になります。
2017/04/20(Thu) 23:00 | URL | ドクター江部 | 【編集
整形外科医が骨粗鬆症に女性ホルモンを使わないのは、乳がん子宮がんの発ガン性を否定できないからで、女性ホルモンに似たSERMを使うほうが、妥当だからです。産婦人科の先生の誤解です。
2017/04/20(Thu) 23:02 | URL | 新庄信英 | 【編集
Re: タイトルなし
新庄信英先生

コメントをありがとうございます。
SERMは、初めて知りました。
勉強になります。

2017/04/21(Fri) 07:23 | URL | ドクター江部 | 【編集
糖質制限について
こんにちは。私は若い頃の摂食障害(過食、拒食症)が原因で糖尿病予備軍になりました。もしかしたらもう糖尿なのかもしれませんが、怖くて検査はしていません。
そこで江部先生の糖質制限を知り、数年前からスーパー糖質制限をしています。一年後の健康診断ではhba1c5.6だったのが5.2となり、血糖も空腹時100を切り、安心していたのですが、やはりお米やパンを我慢しているのがストレスとなり、気付けば週一回は「一週間頑張ったから」とややどか食いをしてしまう日々が続いてしまっていました。するとまた一年後には5.6に戻り…再び食生活を見直そうと思うのですが、どうしても仕事上の付き合いなどで、週一回は飲み会や食事会で糖質の摂りすぎになってしまいます。
どか食いを防ぐためには、1日一回はお米かパンなどで欲求を満たした方が、膵臓に負担をかけないで済むでしょうか。一週間に1回の糖質オーバー(多分糖質100近くはとってしまっています)はかえって膵臓の負担を大きくしてしまうのか、悩んでいます。お時間ありましたらアドバイスを頂けるとありがたいです。
2017/04/21(Fri) 12:25 | URL | まめこ | 【編集
人工甘味料について
私は糖質を控えた食生活をしていてふとこんな記事を見つけました。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170421-35100153-cnn-int
人工甘味料の危険性について書いてありますが、引き続き糖質オフの清涼飲料水を飲んでも大丈夫でしょうか?それともジュースなどに切り替えた方がいいでしょうか?
宜しくお願いします。
2017/04/21(Fri) 14:16 | URL | ピコ | 【編集
Re: 糖質制限について
まめこ さん

『仕事上の付き合いなどで週一回は飲み会や食事会で糖質の摂りすぎ』

これぐらいは、仕方ないと思います。
毎日3回以上、糖質を普通に摂取している方々に比べれば、はるかにましです。

スーパー糖質制限食は、3食主食なしです。

スタンダード糖質制限食は、1日1回、糖質摂取です。
サラリーマンなどで、昼食に糖質なしが困難な場合はスターダード糖質制限としています。
糖尿人の場合は、食直前にαGI薬などを内服して、食後高血糖を軽減させます。

どちらでも、自分がやりやすいやり方で良いと思います。
2017/04/21(Fri) 16:53 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 人工甘味料について
ピコ さん

私も時々、サントリーオールフリーなど飲んでいますが、
人工甘味料(アセスルファムK)が入っています。

スーパー糖質制限食なら、そもそも脳梗塞や認知症になりにくいので
全く気にしていません。

たまに飲む人工甘味料より、毎日摂取する糖質のほうがはるかに、脳梗塞や認知症のリスクとして大きいです。




2017/04/21(Fri) 17:04 | URL | ドクター江部 | 【編集
SERMもねぇ
産婦人科のホルモン屋ですので、もちろんSERMも知っております。
簡単にいえば「なんちゃってエストロゲン」、あるいは「エストロゲンもどき」であり、ラロキシフェンのお仲間としてはクロミフェン、タモキシフェンなどがあります。

この内、骨粗鬆症で使われるのはラロキシフェン(エビスタ)であります。
乳がんのリスクを上げずに、骨密度を増やすという触れ込みで開発・発売されました。
確かに不正出血の頻度も低そうです。
発売されて10年以上が経ち、ジェネリックも発売されています。でも結局、静脈血栓症のリスク、子宮内膜がんのリスクなどが否定出来ていないこと、またほてり(2.9%)、乳房緊満(2.9%)、嘔気(1.6%)、多汗(1.6%)、そう痒症(1.6%)、下肢痙攣(1.3%)など整形外科では対応出来ない(したくない)であろう更年期様症状が結構な割合で出ること(海外文献ではもっと頻度が高かったハズです)から、実際には整形外科分野でもあまり多く処方されていないのではと推測します。

骨粗鬆症の治療薬としても、腰椎骨密度を比較するとラロキシフェンでは1年目で+2.5%、2年目で+2.9%、3年目で+3.2%と増加する程度で、あまりパッとしない成績です。
ちなみにアクトネルでは2年間で+6.4%ですから、そりゃあビスフォスフォネート製剤を使いたくなる気持ちも分かります。

骨粗鬆症の薬としてもパッとしない、慣れない変な副作用も出るでは、やはり整形外科の先生方としてはエビスタは使いにくいのではないでしょうか。

これに対し、産婦人科のホルモン補充療法で使用するエストラジオール(ジュリナ)の成績を示しますと、腰椎骨密度は半年で+6.16%、1年で+7.95%、 2年で+10.15%と驚異的な増加を示します。ジュリナでホルモン補充療法を行った場合は骨密度が増加するのに加え、加えて骨梁構造も劇的に改善されることが分かっており、骨強度は骨密度の増加以上に更にぐんと上がります(ビスフォスフォネート製剤では骨密度が上がる割には骨強度は余り上がらない)。

確かにジュリナの副作用としては、不正出血がありますが、多くの場合は一過性(始めの半年)であり、最悪ジュリナを2錠から1錠に減量すれば回避出来ることが多いです。
子宮がある場合には黄体ホルモンの併用が必要ですが、天然型に近いデュファストンとの組み合わせであれば乳がんリスクも上昇しないであろうといわれています。
大昔のプレマリンとMPAの組み合わせでは確かに乳がんリスクは上昇しましたが、その原因はプレマリンのせいではなく、実は黄体ホルモンであるMPAのためであったことが分かっています。
デュファストンを組み合わせれば子宮内膜がんのリスクも当然低下します。ただし不正出血の継続などがあれば子宮内膜細胞診は当然必要です。
ジュリナ+デュファストンでは乳がんリスクが増加することはありませんが、乳がんであると判明した場合には禁忌となるため定期的な乳がん検診も必要です。ジュリナ単剤では乳がんリスクは上昇しません。現在、日本人女性の生涯乳がん発症率はどんどん上昇しているので、注意が必要です。

もちろんその他の更年期症状にも劇的な改善が認められます。全身の全ての細胞に染み渡ります。閉経後の女性にとっては正にアンチエイジングドーピングです。

慣れないと使いにくいかとは思いますが、婦人科のホルモン補充療法は非常に切れのある本当に良い治療だと思います。それが証拠にいったん治療を始めると、止める患者さんがほぼいません。

さて、どうやら陸上動物で「閉経」があるのはヒトのみのようです。
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/news/14/8468/
しかも下手をすると、閉経前よりも閉経後の人生の方が長い女性も長寿社会の日本では沢山いらっしゃいます。
生物学的全般に見渡せば、閉経後の女性ホルモンが全く分泌されていない状態で長期間生きている方が異常であるといえるのではないでしょうか。
エストロゲンと糖質制限で元気で長生き、それが閉経後女性には理想かと思います。

バゼドキシフェン(ビビアント)ていうのも出ているようですが新薬なので詳細不明です。
2017/04/21(Fri) 20:28 | URL | 産婦人科医師 | 【編集
Re: SERMもねぇ
産婦人科医師 さん

詳細な説明をありがとうございます。
産婦人科のホルモン補充療法は、どんどん進歩しているのですね。

門外漢の私の知識は、
「大昔のプレマリンとMPAの組み合わせでは確かに乳がんリスクは上昇」

で、止まっていました。
とても勉強になり、参考になります。
2017/04/22(Sat) 07:47 | URL | ドクター江部 | 【編集
江部先生のブログなのにすみません。
産婦人科医さんに質問させてください。
ちょうどHRTについて悩んでいるところでした。
すでに9年ほどHRTを使用しています、今年で60歳になるのでそろそろやめようと思い三か月ほどやめたら不眠、肩こり、強い疲労感で動けないほどになりました。
またコレステロールもかつてないほど上昇してしまいました。
骨粗鬆症のことも気になるのでHRTを再開したいのですが近所の医師は高齢女性には進められないと、なんと向精神薬を処方されてしまいました。
高齢女性、高コレステロール、境界型糖尿がある場合のHRTについて、お考えをお聞かせください。
2017/04/22(Sat) 17:01 | URL | ココア | 【編集
整形外科ではビビアントはよく使われます
ビビアントは2010年から使ってます。もう7年たちます。整形外科医は普通に使ってます。ビスフォスフォネート製剤は4年以上使用で副作用報告(骨硬化による骨折、顎骨壊死など)を認めますので整形外科医は骨粗鬆症薬を多用、変更します。
2017/04/23(Sun) 22:57 | URL | 新庄信英 | 【編集
骨粗鬆症薬について整形外科では
なお整形外科ではX線検査(腰椎、大腿骨頚部等)、骨量検査(DEXA),血液検査(TRACP-5b,P1NP,Ca濃度)(ほぼ全例でします)を調べ、骨密度だけでなく骨質形成、年齢、活動性等で判断し、色々な骨粗鬆薬を慎重に使い分けています。
2017/04/23(Sun) 23:43 | URL | 新庄信英 | 【編集
60歳以降のHRT
高コレステロール血症は通常であれば治療の必要なし、境界型糖尿病は糖質制限で対応ということで。
現状のHRTのガイドラインでは、60歳以降にHRTを続けるかどうかは相談の上でということになっています。
極端に言えば、中止するか、続けるかどちらかということになります。
60歳でいきなり中止すれば更年期症状が再燃するのは当然です。
1)再開(おばちゃんモードに復帰)
2)そのまま体が慣れるのを待つ(おばあちゃんモードに突入)
3)エストリールに変更(副作用が少ないかわりに効き目も少ない)
しかありません。
あとは60歳以降でもHRTしてもいいという考えの医師に当たるかどうかです。
2017/04/24(Mon) 12:55 | URL | 産婦人科医師 | 【編集
Re: 整形外科ではビビアントはよく使われます
新庄信英 先生

整形外科の第一線臨床での、骨粗鬆症の治療の情報をありがとうございます。

骨粗鬆症の内服薬を適宜変更して、副作用を防ぎ、症状もコントロールするということですね。
大変参考になります。
2017/04/24(Mon) 16:09 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 骨粗鬆症薬について整形外科では
新庄信英 先生

貴重な情報をありがとうございます。
とてもきめ細かい診療で、骨粗鬆症に対応しておられ、素晴らしいと思います。
内科医の私からみると、羨ましい限りです。
2017/04/24(Mon) 16:14 | URL | ドクター江部 | 【編集
産婦人科医師 様
ご回答ありがとうございました。そうなんです、60歳以降もHRTを認めてくれる医師が中々いないのが悩みです。最初に診てもらった医師は一生続けてもいいと言ってましたが転居でその医師のところへ行くのが難しくなってしまいました。
2017/04/24(Mon) 16:29 | URL | ココア | 【編集
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