インスリン基準値。現代人と狩猟採集時代のご先祖と糖質セイゲニスト。
こんにちは。

今日は、空腹時のインスリン基準値に関して
現代人と狩猟採集時代のご先祖と糖質セイゲニストで
どう違うのか同じなのかを考えてみます。

早朝空腹時のインスリン(基礎分泌インスリン)の基準値ですが、
朝昼夕と3食、穀物など糖質を摂取している現代人と、
狩猟・採集時代(穀物なし)のご先祖とでは、違っている可能性が高いと思います。

インスリンの基準値に関して、検査機関によりいろいろあります。

例えば一例として、京都の微生物研究所の基準値は<3~15 μU/mL>です。

これは、勿論、糖質を普通に食べている人のインスリンの基準値です。

スーパー糖質制限食実践中の人の基準値は、もう少し低い可能性があります。

すなわち、
狩猟・採集時代で穀物摂取がなく糖質制限食だった頃の人類のインスリンの基準値は、
現代の基準値より低かった可能性が高いのです。

さてインスリンには、24時間少量持続的に出ている基礎分泌と、
糖質やタンパク質を摂取したときにでる追加分泌があります。

一般に、空腹時のIRI(インスリン)は、
基礎分泌とインスリン抵抗性の評価に用います。

インスリン抵抗性があるときは、
インスリンが多く出るようになります。
つまりインスリンの効きが悪いので、
通常より多くのインスリンを分泌して血糖コントロールをする必要があるのです。

インスリン抵抗性はHOMA-Rで計算しますが、
空腹時のIRI(インスリン)が、基準値の上限近い、
あるいはそれ以上あればそれだけでもインスリン抵抗性がある可能性が高いです。

私は、最近は、農耕以前(穀物摂取なし)の人類のご先祖の早朝空腹時のインスリン値は、
1.5~6.0μU/mlくらいが基準値ではなかったかと考えています。
そして、スーパー糖質制限食実践中で、
血糖コントロール良好を維持している糖尿人の早朝空腹時のインスリン値も
ご先祖と同様で、1.5~6.0μU/mlくらいではないかと考えています。
糖尿人ではない糖質セイゲニストの方々も同様です。

つまり、空腹時IRI:10μU/mlなどは、
現代の基準値(3~15μU/ml)内ですが、
すでに肥満などによるインスリン抵抗性があるのではないかと思うのです。

さて、インスリンは人体にとって必要不可欠のホルモンです。
1921年にインスリンが合成されるまでは、
1型糖尿病で内因性インスリンゼロの場合は平均余命は半年程度でした。
つまり、基礎分泌インスリンがないとヒトは生きていけません。

一方、インスリンは肥満ホルモンであり、過剰分泌では発癌性があり、
アルツハイマー病のリスクともなり、老化のリスクでもあります。

このようにインスリンというホルモンは人体に絶対に必要なのですが、
血糖コントロールができている限りにおいて、
その分泌は少なければ少ないほど身体には優しいのです。

即ち、インスリン分泌が少なくてすむ食生活を心がけていれば、
肥満、癌、アルツハイマー病、老化、動脈硬化などのリスクは減少するのです。
そして、インスリン分泌が必要最低限で少なくてすむ食生活が
『スーパー糖質制限食』なのです。

例えば、私の過去の血液検査で、以下のA)B)C)のデータがありました。

A)IRI:2.4(3~15μU/ml) 空腹時血糖値:97mg/dl
B)IRI:3.5(3~15μU/ml) 空腹時血糖値:94mg/dl
C)IRI:5.1(3~15μU/ml) 空腹時血糖値:90mg/dl

B)C)は、IRIも空腹時血糖値も基準値で勿論、OKなのですが、
私自身は、IRIが現代の基準値を下回っていますが、
A)が一番好ましいと思っています。

A)はインスリンが現代の基準値以下にも関わらず、
血糖値は基準値を維持しているので、
最も良いパターンと考えられるのです。

結論です。
早朝空腹時のIRIが、
現代の基準値の <3~15 μU/mL>より低値で
1.5とか2.4であっても血糖値が正常なら、
それはとても好ましい状況と言えるのです。
早朝空腹時のCPR(C-ペプチド)に関しても同様です。


江部康二
コメント
糖質制限ブーム
外食産業も、食品メーカーも、糖質制限は勢いづいています

◇すき家、「牛&こんにゃく麺」の低糖質な新メニュー
http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1703/28/news104.html


◇糖質制限ブーム加速、関連商品への参入に広がり
http://kabukei.jp/posts/5410917
2017/03/30(Thu) 17:04 | URL | 精神科医師A | 【編集
低糖質食を東洋医学的に考えると
私は鍼灸師で、東洋医学的な考えに基づき治療をしています。
低糖質食で効果を感じるほどに、これは東洋医学的にはどう解釈できるのだろうか?
ということが気になっています。
東洋医学的な解釈は検索しても見つからないようでしたのでよかったらどのようにお考えか教えていただけたら嬉しいです。
2017/03/30(Thu) 17:51 | URL | 鈴木二郎 | 【編集
Re: 低糖質食を東洋医学的に考えると

鈴木二郎 さん

東洋医学的には、薬膳の考え方があります。
食材と漢方薬を合わせた食養生といったイメージです。
また、古来、食医という存在があり王の飲食を司っていて、疾病を診る医師より、位は上だったようです。

歴史的には、中国医学は、周,春秋,戦国時代から始まっています。

従いまして、700万年の人類の歴史から、語る「糖質制限食」は、とてもスケールの大きな概念であり、
東洋医学の範疇にも西洋医学の範疇にも収まらないと思います。

医学の範疇をはるかに超えて、食生活を根底から変える健康革命が、「糖質制限食」と思います。
2017/03/31(Fri) 10:15 | URL | ドクター江部 | 【編集
IRI値2.0 総ケトン体1202
3年程前に一度コメントさせていただいた者です。
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-2983.html
その後も糖質制限を継続、少し緩めてますが体重71.5・体脂肪率15%前後で安定推移、体調も引き続きとっても良好で、目立ち始めていた白髪も3年の間にほとんどなくなったのは新たな発見です。
改めて御礼申し上げます。
本当にありがとうございます!

さて、本題です。
記事を拝見した翌週が健康診断だったので、血液検査項目を追加してもらった結果のご報告です。
IRI 2.0
総ケトン体 1202
でした。
ほか、
HbA1c5.2
空腹時血糖73
HDL92
LDL79
中性脂肪38 です。

現在は概ね一日2食で昼は糖質10g内外ですが、夜は割と緩めにしていて、月に1、2回はお祝いのケーキやお寿司を制限なしに食べることもあるので、IRI・ケトン体とも一般の基準値内かな、と思っていましたが、うまく代謝が切り替わっているということでしょうか、先生の理論どおりの結果です。

担当していただいた医師には、「なんで?どうせ結果はわかっているのに・・・」と言われ「糖質制限しているので知っておきたいので」等押し問答がありましたが、少々不機嫌ながら「全額自費ですよ」ということで追加してもらいました。

といっても合計1,000円程度なので、他の読者の皆さんも確認してみては、ということと先生のもとに事例が集まったら、などと思いつつご報告させていただきました。

先生の益々のご活躍を祈念しております。

2017/04/21(Fri) 20:52 | URL | サラリーマン | 【編集
Re: IRI値2.0 総ケトン体1202
サラリーマン さん

コメント、ありがとうございます。
素晴らしいデータです。
とても参考になります。
2017/04/22(Sat) 07:52 | URL | ドクター江部 | 【編集
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