2017年03月27日 (月)
こんばんは。
今日は、糖質制限食と野菜と果物について考えてみます。
高雄病院の糖質制限食は、狩猟・採集時代の人類700万年の進化の過程で摂取してきたものを基本としています。
従って適切な野菜、適量のナッツ類は必要と考えていますし、少量の果物も許容できると思います。
人類は、700万年の進化の過程で狩猟・採集を生業として突然変異を繰り返しながら、消化管・生理・栄養・代謝などのシステムを完
成させてきました。
この間、考えられる主食の候補としては、肉、魚介類、骨髄、根茎・・・などだったと思うのですが、年間通して野菜(野草)も食べてきたはずですし、四季折々の果物やナッツも食べていたと考えられます。
また、ビタミンCを人類は体内で合成できないので食物から摂取する必要があります。
従って、野草や野生の果物を食べてビタミンCを確保していたと考えられます。
そして食物繊維は大腸の腸内細菌の餌としても必要です。実は腸内細菌が、食物繊維を分解して、大腸の唯一のエネルギー源となる短鎖脂肪酸を生産しているのです。
そう考えると、適量の野菜・果物・ナッツを摂取することは、人体にとって自然なことと思います。
例えば、葉野菜の白菜の糖質含有量が1.9g/100gですから、低糖質食材です。
しかし白菜半玉なら1kgくらいありますので、大食の人が鍋で煮て半玉も食べれば、摂取糖質量は19gになります。野菜でも大食には要注意です。
糖質が少ない野菜は、ブロッコリー、りょくとうもやし、小松菜、春菊、ズッキーニ、チンゲンサイ、ゴーヤ、ほうれん草、レタス、・・などです。
サラダ菜、大豆もやし、マッシュルーム、マイタケは、なんと糖質ゼロです。
なお、ご先祖が食べていた野生の果物は、野いちごや小さな林檎などで、あまおうやふじのような糖度の高い巨大な人工の果物とは全く異なるものなのでこちらも注意が必要ですね。
従って、現代の糖質セイゲニストにおける適量の果物とはアボカド以外は、ごく少量となります。
江部康二
今日は、糖質制限食と野菜と果物について考えてみます。
高雄病院の糖質制限食は、狩猟・採集時代の人類700万年の進化の過程で摂取してきたものを基本としています。
従って適切な野菜、適量のナッツ類は必要と考えていますし、少量の果物も許容できると思います。
人類は、700万年の進化の過程で狩猟・採集を生業として突然変異を繰り返しながら、消化管・生理・栄養・代謝などのシステムを完
成させてきました。
この間、考えられる主食の候補としては、肉、魚介類、骨髄、根茎・・・などだったと思うのですが、年間通して野菜(野草)も食べてきたはずですし、四季折々の果物やナッツも食べていたと考えられます。
また、ビタミンCを人類は体内で合成できないので食物から摂取する必要があります。
従って、野草や野生の果物を食べてビタミンCを確保していたと考えられます。
そして食物繊維は大腸の腸内細菌の餌としても必要です。実は腸内細菌が、食物繊維を分解して、大腸の唯一のエネルギー源となる短鎖脂肪酸を生産しているのです。
そう考えると、適量の野菜・果物・ナッツを摂取することは、人体にとって自然なことと思います。
例えば、葉野菜の白菜の糖質含有量が1.9g/100gですから、低糖質食材です。
しかし白菜半玉なら1kgくらいありますので、大食の人が鍋で煮て半玉も食べれば、摂取糖質量は19gになります。野菜でも大食には要注意です。
糖質が少ない野菜は、ブロッコリー、りょくとうもやし、小松菜、春菊、ズッキーニ、チンゲンサイ、ゴーヤ、ほうれん草、レタス、・・などです。
サラダ菜、大豆もやし、マッシュルーム、マイタケは、なんと糖質ゼロです。
なお、ご先祖が食べていた野生の果物は、野いちごや小さな林檎などで、あまおうやふじのような糖度の高い巨大な人工の果物とは全く異なるものなのでこちらも注意が必要ですね。
従って、現代の糖質セイゲニストにおける適量の果物とはアボカド以外は、ごく少量となります。
江部康二
アフリカに住むライオンなどの肉食動物は捕獲したガゼルなどの草食動物の肉を1番に食べるのは胃から大腸にかけてと聞いております。加熱せずにもちろん食べるわけですからビタミンCも失われず、腸に含まれている草食動物が食べた草にビタミンCが含まれていると聞いています。つまり肉食動物は生肉を食べることによって豊富なビタミンC及びそれ以外のビタミンも摂取できているわけです。これは私たちのご先祖様でも同じことが言えていたのではないでしょうか?。したがって果実やナッツを日常的に摂取していたかどうかは? のような気もします。生肉を食べることでビタミンCを始めとする必須ビタミンは摂取できていたのではないのでしょうか? アザラシの肉を食べるイヌイットの人たちも同じことが言えますよね。生肉を食べることで豊富なビタミンを摂取していると思います。
ジェームズ中野 さん
生肉や血液ににビタミンCは含まれていますが少量です。
イヌイットは、ビタミンC不足で、壊血病予備群状態です。
肉食動物は、ビタミンCを体内で合成できます。
ヒトや霊長類は、ビタミンCを体内で合成できません。
生肉や血液ににビタミンCは含まれていますが少量です。
イヌイットは、ビタミンC不足で、壊血病予備群状態です。
肉食動物は、ビタミンCを体内で合成できます。
ヒトや霊長類は、ビタミンCを体内で合成できません。
2017/03/28(Tue) 22:21 | URL | ドクター江部 | 【編集】
イヌイット人が壊血病予備軍になっているのはここ近年の事では無いのですか?昔はどうだったのでしょうか?普通に生肉を食べて、その生肉からビタミンCを含む多くのビタミンを摂取できていたのではないのでしょうか? 今のイヌイット人が壊血病予備軍になったのはいわゆる「西洋食」が入ってからのことですよね。つまり生肉を食べなくなったから。だと思います。
ジェームズ中野 さん
イヌイットは、伝統的食生活の頃に、ビタミンCが不足していました。
以下の本ブログ記事を参考にして頂けば幸いです。
[undefined]2014年04月25日 (金)
ビタミンCとイヌイット、新生児高チロシン血症、壊血病
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-2937.html[/undefined]
イヌイットは、伝統的食生活の頃に、ビタミンCが不足していました。
以下の本ブログ記事を参考にして頂けば幸いです。
[undefined]2014年04月25日 (金)
ビタミンCとイヌイット、新生児高チロシン血症、壊血病
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-2937.html[/undefined]
2017/03/30(Thu) 11:47 | URL | ドクター江部 | 【編集】
江部先生ありがとうございます。古代人が何を食べて暮らしてきたのか、自分なりに勉強してまいります。貴重な情報いつもありがとうございます。
はじめまして、まちゃはると申します。
お忙しい中すいません。
今年の8月に脳リンパ腫を患いました。幸いにも抗がん剤などでなんとかガンを制御できています。
その間、HPや書籍を参考にしながら自己流ですが糖質制限食も実施しています。
入院しながらの糖質制限なので、20~40g/day程度は摂取しています。
(が、ケトン測定紙で測定すると+2or+3です)
今後、自己末梢血移植を予定しており、来週早々にでも自己末梢血採取が予定されています。
そこで質問なのですが、
現状の糖質制限食を継続しながら採血及び移植を進めても問題ないでしょうか?
もし、エビデンスがないのであれば、一時中断することも考えています。
よろしくお願いいたします。
お忙しい中すいません。
今年の8月に脳リンパ腫を患いました。幸いにも抗がん剤などでなんとかガンを制御できています。
その間、HPや書籍を参考にしながら自己流ですが糖質制限食も実施しています。
入院しながらの糖質制限なので、20~40g/day程度は摂取しています。
(が、ケトン測定紙で測定すると+2or+3です)
今後、自己末梢血移植を予定しており、来週早々にでも自己末梢血採取が予定されています。
そこで質問なのですが、
現状の糖質制限食を継続しながら採血及び移植を進めても問題ないでしょうか?
もし、エビデンスがないのであれば、一時中断することも考えています。
よろしくお願いいたします。
まちゃはる さん
「現状の糖質制限食を継続しながら採血及び移植を進めても問題ないでしょうか?」
エビデンスはありませんが、
糖質制限食は人類本来の食事であり、人類の健康食ですので、
続けられても問題はないと私は思います。
がんのエネルギー源はブドウ糖だけですので、糖質制限して悪いことは何もないと思います。
あとは、ご自身で判断して、糖質制限をするかしないかを、選択していただけば幸いです。
「現状の糖質制限食を継続しながら採血及び移植を進めても問題ないでしょうか?」
エビデンスはありませんが、
糖質制限食は人類本来の食事であり、人類の健康食ですので、
続けられても問題はないと私は思います。
がんのエネルギー源はブドウ糖だけですので、糖質制限して悪いことは何もないと思います。
あとは、ご自身で判断して、糖質制限をするかしないかを、選択していただけば幸いです。
2017/10/24(Tue) 16:33 | URL | ドクター江部 | 【編集】
江部先生
まちゃはるです。
早々のご返信、ありがとうございます。
やはりエビデンスはないですよね…
私も糖質制限によって末梢血採取/移植への影響は皆無だと思っています。
ただ、移植に関しては一点だけ、気なっていることがあり、
ケトン体濃度が上がる(高い?)ことによる生着への影響
です。
ケトン体の濃度は高々しれていますので影響があったとしても
わずかだと思います。ただ、メカニズムなどがわかっていないのであれ
ば不安が残ります。
不安を持ったまま移植するぐらいならやめたほうが良いと思いました。
移植は生着しないと全く意味がないので…
不安の種をなくして移植に向かいます。
もしかしたら、生着が早くなるかもしれませんが…(笑)
採取及び移植の数日前からは、多少の糖分/炭水化物(低GIのもの、果物等)を
とるようにします。
お忙しい中、ありがとうございました。
まちゃはるです。
早々のご返信、ありがとうございます。
やはりエビデンスはないですよね…
私も糖質制限によって末梢血採取/移植への影響は皆無だと思っています。
ただ、移植に関しては一点だけ、気なっていることがあり、
ケトン体濃度が上がる(高い?)ことによる生着への影響
です。
ケトン体の濃度は高々しれていますので影響があったとしても
わずかだと思います。ただ、メカニズムなどがわかっていないのであれ
ば不安が残ります。
不安を持ったまま移植するぐらいならやめたほうが良いと思いました。
移植は生着しないと全く意味がないので…
不安の種をなくして移植に向かいます。
もしかしたら、生着が早くなるかもしれませんが…(笑)
採取及び移植の数日前からは、多少の糖分/炭水化物(低GIのもの、果物等)を
とるようにします。
お忙しい中、ありがとうございました。
内臓脂肪がストンと抜ける食事法を購入いたしました。興味深く、分かりやすくて面白かったです。ところが、本の内容では「タンパク質は血糖値を上げない」という内容がありまして、私が知ってる限りでは糖質と違い、2時間〜4時間程度にかけてゆっくり血糖値に影響する、と知ってます。実際、私自身もリブレを装着し、いろいろ食べて血糖値を確認していますが、確かにステーキなどの高タンパク食は1時間〜2時間の血糖は食前と比べさほど変わりませんが2時間30分頃よりじわじわ食前よりは高めでした。
例えば 食前75 30分 82 1時間 84 2時間 85 3時間94 4時間90
という感じ。
実際、血糖値に関する資料を見るとタンパク質摂取量の50%は血糖値上昇に関与するとの資料が多いですがいかがでしょうか?
私自身は肉が大好きで一食、普通に200ー400gも食べれますのでたくさん食べても問題ないなら嬉しいですが、低糖質を押している他の先生の中ではタンパクも血糖値を多少上げるから肉も減らすように主張する先生も多いです。
お忙しいところ申し訳ありませんがもし可能でしたが教えていただけると喜びます。
例えば 食前75 30分 82 1時間 84 2時間 85 3時間94 4時間90
という感じ。
実際、血糖値に関する資料を見るとタンパク質摂取量の50%は血糖値上昇に関与するとの資料が多いですがいかがでしょうか?
私自身は肉が大好きで一食、普通に200ー400gも食べれますのでたくさん食べても問題ないなら嬉しいですが、低糖質を押している他の先生の中ではタンパクも血糖値を多少上げるから肉も減らすように主張する先生も多いです。
お忙しいところ申し訳ありませんがもし可能でしたが教えていただけると喜びます。
いろいろ さん
正確には「血糖に直接影響を与えるのは糖質だけで、タンパク質・脂質は直接の影響はない」
ということです。
間接的には、タンパク質摂取で、アミノ酸が吸収されて、グルカゴンによる糖新生で間接的に血糖値が上昇します。
正常の人は、同時にインスリンも分泌されて効果が相殺されるので、タンパク質で血糖値の上昇はありません。
一方、典型的には、1型糖尿病で、インスリン分泌能力がゼロの場合、蛋白質摂取で、グルカゴンだけが分泌されるので
糖新生で間接的に血糖値が上昇します。
詳しくは以下のブログ記事をご参照頂ければ幸いです。
蛋白質・脂質・糖質と血糖値上昇に関しての論考。
2020年03月29日 (日)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-5202.html
正確には「血糖に直接影響を与えるのは糖質だけで、タンパク質・脂質は直接の影響はない」
ということです。
間接的には、タンパク質摂取で、アミノ酸が吸収されて、グルカゴンによる糖新生で間接的に血糖値が上昇します。
正常の人は、同時にインスリンも分泌されて効果が相殺されるので、タンパク質で血糖値の上昇はありません。
一方、典型的には、1型糖尿病で、インスリン分泌能力がゼロの場合、蛋白質摂取で、グルカゴンだけが分泌されるので
糖新生で間接的に血糖値が上昇します。
詳しくは以下のブログ記事をご参照頂ければ幸いです。
蛋白質・脂質・糖質と血糖値上昇に関しての論考。
2020年03月29日 (日)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-5202.html
2020/07/17(Fri) 19:52 | URL | ドクター江部 | 【編集】
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