2017年03月23日 (木)
【17/03/22 精神科医師A
山田悟先生の講演
2017/2/24 滋賀県高島市医師会にて
東京の日の丸交通タクシーでの運転手へのロカボ指導の成果について講演した。タクシー運転手に食後の運動をせよといっても、できるわけがない。それでロカボの指導を行い、勤務ごとの同じ時間に、会社で血糖や血圧/体重を測定し記録してみた。それなりのメタボ改善の成果が得られたとおっしゃってた。実行しやすい「ゆる糖」は意味があると思います。
さらに最後の方になって、カロリー制限は意味がなく、糖質制限のみが価値があると主張し始めた、糖尿病学会のガイドラインは、山田DrのRCT論文を、意図的に無視していると怒っていた。
今年の糖尿病学会のデベートの、「食事療法について再考する~エネルギー制限か糖質制限か?~」で山田先生が出るとのこと。
聴衆から思いがけない質問が出た。ブランデーにはカラメルが入っており、糖質制限のマイナスとなること。山田Drもくわしくはご存じなかったようだ。
◇ ◇
調べてみると、コニャック・アルマニャックにおいては4つの添加物が認められています。「蒸留水」「オークチップス」「糖」「カラメル」です
http://brandydaddy.com/chishiki_06_jukusei.html
また、スコッチウイスキーでカラメルは認められています
http://www.nikka.com/web-service/nikka/bbs/view.psp.html?I=20041003113748201&T=000737 】
こんにちは。
精神科医師Aさんから、山田悟医師の講演の報告、ブランデーとカラメルについてコメント頂きました。
ありがとうございます。
タクシー運転手にロカボの指導をしてそれなりにメタボ改善ということで、よいお話と思います。
緩やかな糖質制限でも一定の効果は期待できるということですね。
一方、タクシー運転手にとって一番肝腎なのは、食後の眠気が生じないような食事だと思います。
食後の眠気が一番事故の元になりやすいです。
一回の食事の糖質量30~40gの「緩やかな糖質制限食」では、血糖変動幅がかなり生じるので、食後の眠気が生じる可能性が高いです。
一回の食事の糖質量10~20g以下の「スーパー糖質制限食」なら、血糖変動幅がほとんど生じず、食後の眠気も起こりません。
タクシー運転手だけではなく、トラックやバスなどの職業ドライバーにも食後の眠気を生じない「スーパー糖質制限食」が推奨されます。
また一般のドライバーにおいても、高速道路とか長距離ドライブのときには眠気の生じない「スーパー糖質制限食」で安全運転を目指して欲しいものです。
「さらに最後の方になって、カロリー制限は意味がなく、糖質制限のみが価値があると主張し始めた。」
これは、私もびっくりですね。
少し前までは、山田悟医師は、
「カロリー制限が上手くいかない糖尿人においては糖質制限食も選択肢の一つ」
といったかなり抑えたトーンでしたが激変しましたね。
とても好ましい変化ですので、熱烈歓迎です。
私はもちろん、糖質制限食を開始した当初(2001年)から、
「カロリー制限は意味がなく、糖質制限のみが価値がある」
と一貫して主張してきました。
ともあれ、2017年度の日本糖尿病学会のディベートは楽しみです。
それから、ブランデーとカラメルについては、私も全く知りませんでした。
「調べてみると、コニャック・アルマニャックにおいては4つの添加物が認められています。」
「スコッチウイスキーでカラメルは認められています」
貴重な情報をありがとうございます。
とても参考になりました。
蒸留酒には糖質ゼロでも、糖やカラメルは糖質そのものですからスコッチウィスキーやコニャック・アルマニャックはNG食品や要注意食品に格下げの可能性もありますね。
江部康二
山田悟先生の講演
2017/2/24 滋賀県高島市医師会にて
東京の日の丸交通タクシーでの運転手へのロカボ指導の成果について講演した。タクシー運転手に食後の運動をせよといっても、できるわけがない。それでロカボの指導を行い、勤務ごとの同じ時間に、会社で血糖や血圧/体重を測定し記録してみた。それなりのメタボ改善の成果が得られたとおっしゃってた。実行しやすい「ゆる糖」は意味があると思います。
さらに最後の方になって、カロリー制限は意味がなく、糖質制限のみが価値があると主張し始めた、糖尿病学会のガイドラインは、山田DrのRCT論文を、意図的に無視していると怒っていた。
今年の糖尿病学会のデベートの、「食事療法について再考する~エネルギー制限か糖質制限か?~」で山田先生が出るとのこと。
聴衆から思いがけない質問が出た。ブランデーにはカラメルが入っており、糖質制限のマイナスとなること。山田Drもくわしくはご存じなかったようだ。
◇ ◇
調べてみると、コニャック・アルマニャックにおいては4つの添加物が認められています。「蒸留水」「オークチップス」「糖」「カラメル」です
http://brandydaddy.com/chishiki_06_jukusei.html
また、スコッチウイスキーでカラメルは認められています
http://www.nikka.com/web-service/nikka/bbs/view.psp.html?I=20041003113748201&T=000737 】
こんにちは。
精神科医師Aさんから、山田悟医師の講演の報告、ブランデーとカラメルについてコメント頂きました。
ありがとうございます。
タクシー運転手にロカボの指導をしてそれなりにメタボ改善ということで、よいお話と思います。
緩やかな糖質制限でも一定の効果は期待できるということですね。
一方、タクシー運転手にとって一番肝腎なのは、食後の眠気が生じないような食事だと思います。
食後の眠気が一番事故の元になりやすいです。
一回の食事の糖質量30~40gの「緩やかな糖質制限食」では、血糖変動幅がかなり生じるので、食後の眠気が生じる可能性が高いです。
一回の食事の糖質量10~20g以下の「スーパー糖質制限食」なら、血糖変動幅がほとんど生じず、食後の眠気も起こりません。
タクシー運転手だけではなく、トラックやバスなどの職業ドライバーにも食後の眠気を生じない「スーパー糖質制限食」が推奨されます。
また一般のドライバーにおいても、高速道路とか長距離ドライブのときには眠気の生じない「スーパー糖質制限食」で安全運転を目指して欲しいものです。
「さらに最後の方になって、カロリー制限は意味がなく、糖質制限のみが価値があると主張し始めた。」
これは、私もびっくりですね。
少し前までは、山田悟医師は、
「カロリー制限が上手くいかない糖尿人においては糖質制限食も選択肢の一つ」
といったかなり抑えたトーンでしたが激変しましたね。
とても好ましい変化ですので、熱烈歓迎です。
私はもちろん、糖質制限食を開始した当初(2001年)から、
「カロリー制限は意味がなく、糖質制限のみが価値がある」
と一貫して主張してきました。
ともあれ、2017年度の日本糖尿病学会のディベートは楽しみです。
それから、ブランデーとカラメルについては、私も全く知りませんでした。
「調べてみると、コニャック・アルマニャックにおいては4つの添加物が認められています。」
「スコッチウイスキーでカラメルは認められています」
貴重な情報をありがとうございます。
とても参考になりました。
蒸留酒には糖質ゼロでも、糖やカラメルは糖質そのものですからスコッチウィスキーやコニャック・アルマニャックはNG食品や要注意食品に格下げの可能性もありますね。
江部康二
はじめてコメントさせていただきます。
当方45歳男性です。昨年5月の月の検診にてHbA1cが7.2(血糖値147)となり、担当医のすすめもあってジャヌビアを処方されました。9月に再度検査したところHbA1cは7.4(血糖値135)、効果が実感できなかったため1月年頭よりスーパー糖質制限を導入しました(ジャヌビアは継続して内服)。
2月の血液検査ではHbA1c6.6(血糖値126)と良化の兆しが見られ、勇気100倍と更なる制限に励んでおります。体重も100kgから8kg減、ウエストに至ってはデニム38インチから34インチまでサイズダウンに成功しました。体調もすこぶる良好です。これも先生の著書に触れたお陰です。ありがとうございます。
さて質問なのですが、現在は平行して服用しているジャヌビアですが、この先も続けて良いものなのでしょうか?担当医からは『念のため』と変わらず処方されているのですが、やや悩ましいところです。よろしければご助言賜りますようお願い申し上げます。
当方45歳男性です。昨年5月の月の検診にてHbA1cが7.2(血糖値147)となり、担当医のすすめもあってジャヌビアを処方されました。9月に再度検査したところHbA1cは7.4(血糖値135)、効果が実感できなかったため1月年頭よりスーパー糖質制限を導入しました(ジャヌビアは継続して内服)。
2月の血液検査ではHbA1c6.6(血糖値126)と良化の兆しが見られ、勇気100倍と更なる制限に励んでおります。体重も100kgから8kg減、ウエストに至ってはデニム38インチから34インチまでサイズダウンに成功しました。体調もすこぶる良好です。これも先生の著書に触れたお陰です。ありがとうございます。
さて質問なのですが、現在は平行して服用しているジャヌビアですが、この先も続けて良いものなのでしょうか?担当医からは『念のため』と変わらず処方されているのですが、やや悩ましいところです。よろしければご助言賜りますようお願い申し上げます。
2017/03/23(Thu) 20:09 | URL | ムシュー | 【編集】
ムシュー さん
拙著のご購入、ありがとうございます。
「2月の血液検査ではHbA1c6.6(血糖値126)
体重も100kgから8kg減」
ジャヌビアはそれなりに良い薬ですが、ムシューさんの場合は
中止してOKと思います。
体重が8kg減少ですが、さらに減量して、標準体重を目指せば、インスリン抵抗性が減るので
薬なしで、血糖値の改善が期待できます。
拙著のご購入、ありがとうございます。
「2月の血液検査ではHbA1c6.6(血糖値126)
体重も100kgから8kg減」
ジャヌビアはそれなりに良い薬ですが、ムシューさんの場合は
中止してOKと思います。
体重が8kg減少ですが、さらに減量して、標準体重を目指せば、インスリン抵抗性が減るので
薬なしで、血糖値の改善が期待できます。
2017/03/24(Fri) 07:55 | URL | ドクター江部 | 【編集】
耐糖能の正常な人にとっては緩やかな糖質制限でも血糖値の上下はあまりなく、よいのかもしれませんね。
2017/03/24(Fri) 08:58 | URL | HK | 【編集】
江部先生
いつもたくさんの知識、情報を発信下さりありがとうございます。
すでにご存じと思いますが下記発表がAHAでありました。
薬剤による糖質制限と言うべきSGLT2阻害剤の大規模試験結果で総死亡率を51%下げるという衝撃的な結果です。
英アストラゼネカ SGLT阻害剤、総死亡率を▲51%に低減
英アストラゼネカは21日までに、海外で実施されたSGLT2阻害剤の大規模リアルワールドエビデンス試験「CVD-REAL」の結果を発表した。6ヵ国30万例超の2型糖尿病を対象に、「フォシーガ」(一般名=ダパグリフロジン)を含む3剤のSGLT2阻害剤をほかの糖尿病治療剤と比較した。SGLT2阻害剤は総死亡率を▲51%、心不全による入院率を▲39%に低減させた。これらの複合評価の減少率は▲46%だった。全症例のうち87%の患者は心血管系疾患の既往歴がなかった。
評価対象となったSGLT2阻害剤はフォシーガのほか、「インヴォカナ」(カナグリフロジン)、「ジャディアンス」(エンパグリフロジン)。試験は米国とデンマーク、ドイツ、ノルウェー、スウェーデン、英国が参加した。解析データは診療記録など実臨床の情報源から入手された非特定化データを使用し、米セントルークス・ミッドアメリカ・ハート・インスティテュートの独立研究機関の統計グループによって検証された。今回の結果は米国心臓病学会年次学術集会で公表されたもの。
心不全による入院率の解析で処方された薬剤の内訳は、インヴォカナが全患者の52.7%、フォシーガが41.8%、ジャディアンスが5.5%だった。総死亡率の解析では、フォシーガが51%、インヴォカナが42.3%、ジャディアンスが6.7%だった。
記事のリンク
https://www.risfax.co.jp/risfax/article.php?id=53267
いつもたくさんの知識、情報を発信下さりありがとうございます。
すでにご存じと思いますが下記発表がAHAでありました。
薬剤による糖質制限と言うべきSGLT2阻害剤の大規模試験結果で総死亡率を51%下げるという衝撃的な結果です。
英アストラゼネカ SGLT阻害剤、総死亡率を▲51%に低減
英アストラゼネカは21日までに、海外で実施されたSGLT2阻害剤の大規模リアルワールドエビデンス試験「CVD-REAL」の結果を発表した。6ヵ国30万例超の2型糖尿病を対象に、「フォシーガ」(一般名=ダパグリフロジン)を含む3剤のSGLT2阻害剤をほかの糖尿病治療剤と比較した。SGLT2阻害剤は総死亡率を▲51%、心不全による入院率を▲39%に低減させた。これらの複合評価の減少率は▲46%だった。全症例のうち87%の患者は心血管系疾患の既往歴がなかった。
評価対象となったSGLT2阻害剤はフォシーガのほか、「インヴォカナ」(カナグリフロジン)、「ジャディアンス」(エンパグリフロジン)。試験は米国とデンマーク、ドイツ、ノルウェー、スウェーデン、英国が参加した。解析データは診療記録など実臨床の情報源から入手された非特定化データを使用し、米セントルークス・ミッドアメリカ・ハート・インスティテュートの独立研究機関の統計グループによって検証された。今回の結果は米国心臓病学会年次学術集会で公表されたもの。
心不全による入院率の解析で処方された薬剤の内訳は、インヴォカナが全患者の52.7%、フォシーガが41.8%、ジャディアンスが5.5%だった。総死亡率の解析では、フォシーガが51%、インヴォカナが42.3%、ジャディアンスが6.7%だった。
記事のリンク
https://www.risfax.co.jp/risfax/article.php?id=53267
2017/03/24(Fri) 09:35 | URL | 調剤未経験薬剤師 | 【編集】
江部先生初めまして。いつも勉強させて頂いております。
さて、スコッチウィスキーのカラメル添加についてですが、スコッチにおいて認められている唯一の添加物がE150aというカラメルです。これは、味付けの為ではなくスコッチの見た目を均一にする目的で添加されるものです。
スコッチファンの間でもカラメル添加は問題視されることが多いのですが、それは味が変化する為ではなく、カラメルを添加すると色が濃くなり熟成感を悪く言えば偽ることが出来る事が主な理由です。(味の変化もあると言われていますが)
実際に添加される量は全体の0.1~0.5%程度です。
1ℓウィスキーを飲んで1~5g程度です。ソースが私のメモしかないのですが、前に調べたところE150aの中の糖質は100g中12g程度です。
カラメル添加はスコッチ法で認められているので蒸留所によって添加するしないは異なりますが、カラメル添加をしていない事をポリシーとしている蒸留所も沢山あります。
ちなみにバーボンウィスキーはアメリカの法律でカラメル添加を認められていません。(何らかの味付けや添加物があるものはバーボンと呼称できません)
さて、スコッチウィスキーのカラメル添加についてですが、スコッチにおいて認められている唯一の添加物がE150aというカラメルです。これは、味付けの為ではなくスコッチの見た目を均一にする目的で添加されるものです。
スコッチファンの間でもカラメル添加は問題視されることが多いのですが、それは味が変化する為ではなく、カラメルを添加すると色が濃くなり熟成感を悪く言えば偽ることが出来る事が主な理由です。(味の変化もあると言われていますが)
実際に添加される量は全体の0.1~0.5%程度です。
1ℓウィスキーを飲んで1~5g程度です。ソースが私のメモしかないのですが、前に調べたところE150aの中の糖質は100g中12g程度です。
カラメル添加はスコッチ法で認められているので蒸留所によって添加するしないは異なりますが、カラメル添加をしていない事をポリシーとしている蒸留所も沢山あります。
ちなみにバーボンウィスキーはアメリカの法律でカラメル添加を認められていません。(何らかの味付けや添加物があるものはバーボンと呼称できません)
2017/03/24(Fri) 11:47 | URL | Tomatin | 【編集】
HK さん
そうですね。
少なくとも、境界型までは「緩やかな糖質制限食」が有効です。
そうですね。
少なくとも、境界型までは「緩やかな糖質制限食」が有効です。
2017/03/24(Fri) 16:18 | URL | ドクター江部 | 【編集】
調剤未経験薬剤師 さん
貴重な情報をありがとうございます。
極めて興味深い報告です。
記事にしたいと思います。
貴重な情報をありがとうございます。
極めて興味深い報告です。
記事にしたいと思います。
2017/03/24(Fri) 16:23 | URL | ドクター江部 | 【編集】
Tomatin さん
詳細なコメントをありがとうございます。
大変助かります。
詳細なコメントをありがとうございます。
大変助かります。
2017/03/24(Fri) 16:24 | URL | ドクター江部 | 【編集】
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