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ケトン食とスタミナ。
【17/03/12 ぷろていん

1日糖質20g以下にて5ヶ月経過
主食抜き→スーパー糖質制限→40g以下→20g以下にて人体実験中の者です。

1日糖質20g以下(飲み会や食べ放題で月1、2回程度は糖質摂取)にて5ヶ月以上経過しました。

ケトン体が糖尿病医の言うように危険なものならばそろそろ死んでる頃だと思うのですが、ぴんぴんしております。

それどころか逆に健康過ぎてヤバイぐらいです。

本日糖質2g以下のスポーツドリンクのみでロードバイク3時間走ってきましたが、今でも軽い筋肉痛がある程度で疲れも眠くもありません。

しかもそのあとジムに行って45分有酸素運動してさらにまだ余力があります。

あとこれから仕事しようと思います。

中毒を抜け出せず実践出来ない人には分からないと思うのですが、糖質に弱い人間ほど糖質減は効果が大きいです。

糖質過多で自分が中毒で苦しんでいることにすら気づけなかった頃を思うと、つくづく肥満、鬱、慢性疾患の元は糖質だったのだと感じます。】


こんばんは。

プロテインさんから
スーパー糖質制限食からさらに進めて
20g/日以下の糖質制限にして、5ヶ月間経過して
「ロードバイク3時間+ジムで有酸素運動45分」で
さらに余力があり、これから仕事をしようという
元気いっぱいの嬉しいコメントを頂きました。
ありがとうございます。

1日に20g以下の糖質摂取なら、まさしく『ケトジェニックダイエット』 であり、糖質摂取比率は4%以下と思います。

血中ケトン体は、2000~4000μM/L(26~122μM/L)レベルで、さぞかし「ケトン体質」になっておられることと思います。

サッカーの長友佑都選手以上のケトン体質ですから、スタミナは抜群と思います。


参考になる文献として

「オフロードサイクリストにおける運動代謝と身体能力へのケトン食の影響」

という題のポーランドの研究があります。(*)

以下、この研究の要約と結果を、かなりアバウトに意訳してみました。

面倒なところは一部省いていますが、大意は合っていると思います。

<要約>
本研究の主な目的は、オフロードサイクリストの好気的パフォーマンスと運動代謝においての、
長期的ケトン食の効果を決定することであった。

被験者はトレーニング経験が5年間以上のオフロードサイクリングのアスリート。

8人の男性被験者、年齢は28.3±3.9歳

クロスオーバーで、ケトン食と混合食を一ヶ月ずつ。

それぞれ同じトレーニング負荷。

ケトン食:P:C:F=15:15:70
混合食:P:C:F=20:50:30

様々な強度でサイクロエルゴメーターで連続的な運動手順で検査を行った。

ケトン食は、体重、体組成、脂質及びリポタンパク質プロファイルにいおいて
好ましい変化があった。

最大酸素摂取量と乳酸閾値と呼吸交換率(RER)は、
安静時および運動の最初の3つの段階(10分、45分、90分・・・低~中程度の強度)においては、
ケトン食が優位であった。

最後のマックス強度の運動の時は、ケトン食の優位は逆転した。

<結果>
有酸素持続的なアスリートにおいては、ケトン食は好ましい可能性がある。

高容量で、低から中等度の強度のトレーニング負荷のトレーニング過程においては、
ケトン食は優位である可能性がある。
筋肉のダメージも少ない。

しかし最高強度の運動においては、
ケトン食は筋肉中のグリコーゲン貯蔵が少なく解糖酵素の能力が低下するので運動能力を低下させる。

*ケトン食は脂肪酸代謝を活性化させ、インスリンレベルとブドウ糖利用を減少させる。
 


自転車のアスリート8名の研究で、ケトン食を摂取した1ヶ月と混合食を摂取した1ヶ月で、それぞれデータをとって、比較した研究です。

結論は、有酸素運動(この研究では自転車競技)において、低強度~中等度の強度トレーニングなら、ケトン食は混合食(普通食)より優位であるけれど、最高強度のトレーニングでは、優位は逆転するということです。

これは、中程度の強度のトレーニングなら、ケトン食で脂肪酸代謝が活性化しているので、それをエネルギー源として筋肉は混合食(普通食)の時より効率的に活動できるということです。

この結論は、私の印象とも一致しています。


このことを考慮すると、有酸素運動が主のマラソンやトレイルランなどでは、ケトン食を実践していると、筋肉はしっかり「脂肪酸-ケトン体」を主たるエネルギー源として使って、中等度の強度の運動で走り続けて、ラストスパートだけは、「グリコーゲン-ブドウ糖」をエネルギーに使って無酸素運動で最高強度の運動で終了というパターンが可能です。

この研究のケトン食は、糖質15%ですから、高雄病院のスーパー糖質制限食の12%と似たようなものです。

そうすると、長距離ランナーなどでいつも通りのトレーニングでスーパー糖質制限食を実践していると、筋肉は「脂肪酸-ケトン体エネルギーシステム」を使いやすくなります。

そして中程度の強度の走行では、脂肪酸-ケトン体を利用してブドウ糖-グリコーゲンエネルギーシステムを節約しておいて、ラストスパートで最後に効率的にそれを使うということが可能となります。


(*)
http://www.mdpi.com/2072-6643/6/7/2493#tabs-5
Nutrients 2014, 6, 2493-2508; doi:10.3390/nu6072493
The Effects of a Ketogenic Diet on Exercise Metabolism and
Physical Performance in Off-Road Cyclists
Adam Zajac 1
Stanisław Poprzecki 2
Adam Maszczyk 1,*, Miłosz Czuba 1
Małgorzata Michalczyk 3
and Grzegorz Zydek 3


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
記事にして頂き有り難うございます
色々試してきましたが、まさか10代の頃より健康で身体が軽く、スタミナや意欲がどんどん増して行くとは思いませんでした。
肥満や呼吸器疾患、スタミナ不足で色んなスポーツを諦めて来たので今とても楽しいです。

これからも人体実験続けていきたいと思います。
2017/03/14(Tue) 02:15 | URL | ぷろていん | 【編集
Re: 記事にして頂き有り難うございます
ぷろていん さん

糖質制限効果、素晴らしいですね。
良かったです。
2017/03/14(Tue) 12:12 | URL | ドクター江部 | 【編集
境界型糖尿病から妊娠出産をしました40代です。
授乳期間中の糖質制限はいいのでしょうか?
母乳がつまるからバターやお肉や動物性油脂などは避けるよう指導を受けた事があります。
授乳期間中でも糖質制限は安心でしょうか教えて頂けると幸いです。
2017/03/14(Tue) 16:33 | URL | お願いします | 【編集
Re: タイトルなし
お願いします さん

妊娠・出産・授乳・・・全て糖質制限食でOKです。

糖質制限食のほうが、良い母乳がでて、乳腺炎も起こさず、母子共に健康となります。

人類は、700万年間は狩猟・採集が生業であり、
穀物はないので、当然糖質制限食でした。
そして、糖質制限食を実践しながら、
妊娠・出産・子育て・日常生活を送ってきたのです。
すなわち糖質制限食は人類本来の食事であり人類の健康食です。
人類の身体は、糖質制限食に特化して適合していると言えます。
2017/03/14(Tue) 21:24 | URL | ドクター江部 | 【編集
朝飯抜き、水だけで琵琶湖一周とか乗鞍岳+安房峠いけますから
糖質制限していると朝飯抜きでロードバイク琵琶湖一周、乗鞍岳登ってさらに安房峠越えるとか水と塩だけ補給で出来るようになりましたからね。

よく補給食や朝飯食わないでロードバイクで走ると低血糖ハンガーノックで動けなくなると言われていますし、実際炭水化物ばっかり食ってた頃は動けなくなる経験がありましたが、糖質制限してからヒルクライムおかわりしてもハンガーノックが起きる気配がありません。
2017/03/15(Wed) 00:07 | URL | Naka | 【編集
Re: 朝飯抜き、水だけで琵琶湖一周とか乗鞍岳+安房峠いけますから
Naka さん

糖質制限食でスタミナ抜群ですね。
トレイルランや、市民マラソンの方からも、スタミナがついたというコメントを頂いてます。

「ケトン体-脂肪酸」エネルギーシステムがしっかり稼働しているものと考えられます。
2017/03/15(Wed) 13:30 | URL | ドクター江部 | 【編集
食後高血糖
ブログ拝見させていただいております。
先生の本も購入させていただきました。

お忙しいところ恐縮ですが、質問させてください。

39歳女性です。
12月の初めの健康診断で、HbA1cが6.0 4時間後血糖値91となり、12月後半に病院で再検査を受けたところ、HbA1c5.6 空腹時血糖105でした。
糖尿病ではないとの診断を受けました。

その後別の病院(過敏性腸症候群で通院中)でその話をしたら、隠れ高血糖があるので糖負荷検査をした方が良いと言われ検査を受けました。
その結果、
前:インスリン4.0 血糖100 尿糖0.010
60分:インスリン29.4 血糖197 尿糖0.028
120分:インスリン32.3 血糖174 尿糖0.041
となり、境界型と診断されました。
医師からは、カロリー制限(身長158cm)1日1600カロリーにすることと適度な運動を指示されました。血液検査に関しても、半年に1回位で良いと言われました。

しかし、2月にたまたま婦人科の病院に行った際にこの話をしたら、その医師からはカロリー制限ではなく糖質制限をするよう言われました。

その後、糖質制限+適度な運動(1日10000歩、週3日20分位のジョギング)をしています。
このまま今の病院(カロリー制限を指示した病院)で半年に1回位の血液検査で様子を見るだけで良いのでしょうか?
それとも、別の専門的な病院に行ったほうが良いのでしょうか?

食後高血糖を完治させたいと思いますが、どうしていけば良いのか分からずご質問させて頂きました。
また、東京都府中市近郊で専門医をご存知でしたらご教授ください。
2017/03/17(Fri) 23:22 | URL | ゆうくん | 【編集
Re: 食後高血糖
ゆうくん

拙著のご購入、ありがとうございます。

75g経口ブドウ糖負荷試験の結果は「境界型」です。
そして、1時間値が180mg/dlを超えているので将来糖尿病になりやすいです。

糖質制限+適度な運動(1日10000歩、週3日20分位のジョギング)

これで、大丈夫です。
将来の糖尿病発症も予防できます。
糖質制限食なら、食後高血糖は生じません。

糖質制限食実践なら、もう「75g経口ブドウ糖負荷試験」は必要ありません。

今後は、糖質制限賛成派の医師に診て貰うといいでしょう。
検査は半年に1回でよいと思います。

日本糖質制限医療推進協会
http://www.toushitsuseigen.or.jp/


提携医療機関をご参照頂けば幸いです。
2017/03/18(Sat) 17:26 | URL | ドクター江部 | 【編集
いつも有益な情報発信をありがとうございます。
江部先生の講演には2回参加させていただきました。江部先生の書籍もたくさん購入しました。
44歳までの健診でHgA1c5.0~5.2で推移していた私ですが ある日 食後高血糖(220⬆)があるという事実に直面し 絶望したあの日のショックがいまだに忘れられません。
52歳になった今、8年間の糖質制限生活を送っています。
江部先生のブログで知り得た情報は、本当に私の宝物です。

食生活の改善が、これ程体調を良くするなんて、ウソみたいなワールドに入らせてもらった気分です。
経験してみないとわからない事ですが、この生活は、ダイエット目的とか何処か中途半端な目的の入りでは長続きしない傾向があるように感じてます。体調が悪くないので、何処がどう改善したのか本人自身が自覚しにくい側面があるように思います。単に少し体重が減った!やったー! さぁ ご褒美に明日はいっぱい美味しいもん食べるぞー! みたいな構図。

私は 糖尿病合併症で長期に渡り苦しんで死んでいく多くの人達を、身近でみなければならない仕事に就いていることから、切実な思いでの糖質制限生活導入の経緯があります。
止めるわけにはいきませんでした。ひたすら食後高血糖を回避するために厳重な食事管理を何の迷いもなく継続させた結果、得られたものがあまりにも多大で、江部先生には感謝の言葉しかありません。

糖質制限生活8年目、先日 やっと気になっていたケトン体の数値を調べる事ができました。(最近 少し糖質量が増えているような気がしていたので自信は無かったのですが)
結果: 総ケトン体 1330
思わずガッツポーズ!でした。

当然 オーダーを出していただいたお医者さんは「やばいんじゃないの?」と…
私「いえいえ、これが私の目指すところです」と返答致しました。 なかなか理解を示してくださるお医者さんは、少ないように感じます。
これからも自分が納得した道を自分で選択しながら進んで行きたいと思います。
2018/08/15(Wed) 02:33 | URL | wako | 【編集
Re: タイトルなし
wako さん

糖質制限生活8年目で、総ケトン体1330、とても良い数字です。
脂肪がしっかり燃えていて、「ケトン-脂肪酸エネルギーシステム」がきっちり稼働していると思います。
私も52歳で糖尿病発覚以来、68歳現在まで、16年間、スーパー糖質制限食を続けています。
おかげで、AGEsの蓄積が、普通食で糖質を食べている人に比べると、極めて少なく、
糖化関連の老化が、かなり防げています。

wako さんも、美味しく楽しく糖質制限食を続けられて、「糖化→老化」を予防して
健康ライフを送って頂けば幸いです。
2018/08/15(Wed) 08:09 | URL | ドクター江部 | 【編集
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