米国糖尿病学会の歴史的変化と糖質制限食の容認。
【17/02/19 糖質制限ママ

自然派医師の意見について

こんばんは。1型の主人と共に超糖質制限に取り組んでおり、ブログや書籍、いつも有り難く拝読させて頂いております。

子供のワクチンなどのことを調べておりましたら、自然派医師と称される本間真二郎先生が、昨日一昨日、糖質制限食は今すぐやめるべき!糖質制限をすると身体が中身のない現代農法の野菜と同じ状態になる。見た目は元気でも中身はスカスカだ!腸内細菌目線ではない、間違っている!とブログや雑誌にて声高に申され、糖質制限者がコメント欄にて不服申立てをし、炎上している状態でした。

付け加えるように一部の人には仕方なし、くらいに書かれており、非常に不愉快極まり無かったです…。子供のワクチンは否定するのにインスリン注射は肯定なのか?と矛盾を感じずにはいられませんでした。

江部先生の記事にて腸内細菌も適応していくと述べられておりましたが、モヤモヤして悔しい気持ちでいっぱいです。。

江部先生のご意見がお伺い出来ましたら幸いでございます。どうぞ宜しくお願い申し上げます。】


こんばんは。

糖質制限ママ さんから、自然派医師と称しておられる本間真二郎医師が糖質制限に否定的な意見を述べておられるとのコメントを頂きました。

ネットを見てみると、確かに、ご自身のブログで

『腸および腸内細菌の状態が人の健康にとって最も大事~糖質制限は今すぐやめましょう!~』

と記載してありました。

一人の医師が、自己責任で個人的な意見を述べるのは、もちろん個人の自由ですので、本間医師の見解も、そういう仮説があるのだなということです。

つまりエビデンスレベルのお話では全くないということです。

本間医師の仮説を信じるか否かは、そのブログを見た読者が、自分自身で考えて判断することが大切です。

その判断材料として、米国糖尿病学会の糖質制限食に対するスタンスの歴史的変遷がとても参考になると思います。

まずは米国糖尿病学会の糖質制限食に対する立場の変遷を確認しましょう。

1)2007年までは、糖質制限食を否定です。
2)2008年に、肥満を伴う糖尿病患者に1年間の期限つきで有効性を認めました。
3)2011年に、肥満を伴う糖尿病患者に2年間の期限つきで有効性を認めました。
4)2013年10月、成人糖尿病患者の食事療法に関する声明を2008年以来5年ぶりに改訂し、
  適切な三大栄養素比率は確立されていないことを明言しました。
  そして「糖質130g/日が平均的な最小必要量」という文言を削除し、
  肥満の有無は関係なく、期限なしで、正式に糖質制限食を容認しました。
患者ごとに個別に様々な食事パターン〔地中海食,ベジタリアン食,糖質制限食,低脂質食, DASH(Dietary Approaches to Stop Hypertension)食〕が受容可能。

つまり、米国糖尿病学会は2008年以降、数々のエビデンスに基づいて糖質制限を容認の方向に踏み出しました。

その後、5年間のエビデンスの蓄積(糖質制限食肯定も否定も含めて)を経て糖質制限食を正式容認です。

米国糖尿病学会の見解は、一個人の医師の見解とは異なり多くのエビデンスに基づくものですから、意義は大変大きいです。

2型糖尿病に対する食事療法として、米国では今や糖質制限食は重要な位置を占めるようなってきています。

例えば、米国のデューク大学(米ノースカロライナ州ダーラム)は、糖質制限食に関する臨床研究を積極的に行っています。

デューク大学のWilliam S. Yancy Jr.准教授は2013年10月のADA声明改訂委員の1人でもあります。

一般内科のEric C. Westman准教授は同大学生活習慣医学クリニック所長です。

Westman准教授は、炭水化物20g/日未満をクリニックで実践しています。

このようにデューク大学では、高雄病院のスーパー糖質制限食よりさらに厳格なケトジェニックダイエットを糖尿病治療食の標準として実践しています。


江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
自然派医師
江部先生
本間真二郎先生のブログを見ました。
糖質制限否定もワクチン否定も全く科学的ではないですね。
私は子どもたちにも糖質制限食(必要な栄養素を取れる食品をしっかり食べて、結果的に糖質の摂取割合が減っていく食事)を勧めています。
また同時に、ワクチンで防ぐことのできる病気に対するワクチンは積極的に接種を勧めています。
麻しんや細菌性髄膜炎は糖質制限をしていてもかかるときはかかります。
2017/02/20(Mon) 21:28 | URL | おかだ | 【編集
本間真二郎医師が糖質制限に否定的な意見を述べているのは、ご本人が糖尿病ではなく、ご飯とかうどんとかパンが大好きだからだと思います。
2017/02/20(Mon) 21:56 | URL | モリタ | 【編集
糖質制限と痴呆症
江部先生

いつもブログで勉強させていただいております。
食後高血糖があるため、糖質制限をしておりますが、近所の内科で、そういう生活は長持ちしない、脳が機能するには糖が必要であり、1日最低130gは糖質をとらないと、痴呆症になる。あなた、若年痴呆症になりたくないでしょう?と言われ、恐れおののいています。

江部先生のおっしゃるとおり、自分自身で判断することが必要なのですが、もしよろしければこの説について江部先生のご意見をいただければ幸いです。
2017/02/20(Mon) 22:34 | URL | Akane | 【編集
有難う御座いました!
この度は課題に取り上げて頂きまして誠に有難う御座いました。
歴史的観点からの、認めざるを得なかったのではないかという各方面からの功績にさらなる発展を期待したく思います。
子供の糖質制限の本も拝読し、これからの子育てに活かしていきたいと思った矢先でしたので…Facebookでの炎上が早く鎮火することを願います。
そして情報に振り回されず、かといって頑なでもない柔軟な心で今後も取り組みたいと思います。
とても励まされました。この度は有難う御座いました。
2017/02/21(Tue) 00:10 | URL | 糖質制限ママ | 【編集
本間医師
本間先生のブログ読みましたが、必ずしも糖質制限を否定しているものではないと思います。糖類を減らすべき、お菓子やインスタント食品を減らすべきところなどは賛成できます。多糖類については間違っておられるところもありますが。
2017/02/21(Tue) 07:19 | URL | HK | 【編集
Re: 糖質制限と痴呆症
世界初の研究成果
中鎖脂肪酸油を含むケトン食による高齢者の認知機能向上
~国際科学雑誌Psychopharmacologyで発表~

 国立精神・神経医療研究センター神経研究所(所長:武田伸一)の疾病研究第三部太田深秀室長、功刀浩部長らと株式会社 明治(代表取締役社長:川村 和夫)の共同研究グループは、中鎖脂肪酸油※1(MCT)を含むケトン食の摂取により、認知症でない 高齢者の認知機能が向上することを世界で初めて明らかにしました。
 本研究成果は、2016年8月30日に国際科学雑誌Psychopharmacologyのオンライン版で公開されました。

http://www.ncnp.go.jp/press/release.html?no=116
2017/02/21(Tue) 16:19 | URL | 精神科医師A | 【編集
Re: 自然派医師
おかだ 先生

私も、麻疹や細菌性髄膜炎などのワクチンは必要と思います。
2017/02/21(Tue) 16:41 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 糖質制限と痴呆症
Akane さん

久山町研究で、白米を多く食べる人ほど、アルツハイマー病になりやすいことが報告されています。

そして、糖質を摂取しなくても、肝臓や腎臓が糖新生によりブドウ糖を作るので
血糖値は正常に保たれます。

2013年10月、米国糖尿病学会は、成人糖尿病患者の食事療法に関する声明を2008年以来5年ぶりに改訂し、
  適切な三大栄養素比率は確立されていないことを明言しました。
  そして「糖質130g/日が平均的な最小必要量」という文言を削除し
  肥満の有無は関係なく、期限なしで、正式に糖質制限食を容認しました。
患者ごとに個別に様々な食事パターン〔地中海食,ベジタリアン食,糖質制限食,低脂質食, DASH(Dietary Approaches to Stop Hypertension)食〕が受容可能。

としました。
2017/02/21(Tue) 16:50 | URL | ドクター江部 | 【編集
本間医師の「腸内細菌目線」という言葉に引っかかりました。

本間医師によると、
腸および腸内細菌の状態が人の健康にとって最も大事です。
日本人の腸内細菌のエサの多くは糖質を好みます。
だから、腸内細菌のために、エサである糖質を極端に制限すべきではない、
という事でした。

確かに腸内細菌は、人間と共生関係にある大切な存在です。
しかし、腸内細菌の好みに合わせて、
人間が食事を選ばなくてはならないと言う事に違和感を感じます。

私たちは、本来肉食動物なのに、
「糖質が主食」を強いられました。

栄養摂取の基準を決めようとした当時の、
一般的な庶民の食事アンケートの大多数の結果を、
理想的な栄養摂取バランスと決められ、

科学的根拠のない、
間違った栄養指導をされ続けました。

その結果、
日本人の腸内細菌の多くが糖質を好むのも仕方ないかもしれません。

でも、私たちが、エネルギーを、
糖質によるブドウ糖ではなく、
糖質制限によるケトン体を主にした、
人間という肉食動物本来の栄養摂取に戻せば、
(時間を要するかもしれませんが)
それに合った腸内細菌フローラになると私は信じます。

糖質制限にあう腸内細菌になっていくのではないかと思います。
2017/02/21(Tue) 19:08 | URL | Etsuko | 【編集
どうもありがとうございました!
江部先生
お忙しい中、早速どうもありがとうございました!
その先生の説明は、糖質制限をしているとどんどん脳細胞がはがれるということでした・・・。

これで、不安にならずに糖質制限を続けられます。ありがとうございました!

これからも先生のブログを参考に糖質制限を続けます。
2017/02/21(Tue) 20:00 | URL | Akane | 【編集
精神科医師A
大変参考になるリンクを張っていただき本当にありがとうございました!安心することができました!!!!
2017/02/21(Tue) 20:02 | URL | Akane | 【編集
Re: タイトルなし
Etsuko さん

私は、2002年以来、ずっとスーパー糖質制限食です。
腸内細菌もそれなりに適合してくれていると思います。

食物繊維はしっかり摂取していますので、腸内細菌の餌も足りていると思います。
2017/02/21(Tue) 21:17 | URL | ドクター江部 | 【編集
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