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渡邊昌先生、門脇孝先生、江部康二の3人で鼎談を行いました。
おはようございます。

2017年2月7日(火)午後から、東京に行ってきました。

渡邊昌先生、門脇孝先生、江部康二の3人で鼎談を行いました。

二人で話し合うのが対談で、三人で話し合うのが鼎談です。

渡邊昌先生は、医学雑誌「医と食」の編集長です。

門脇孝先生は、
一般社団法人 日本糖尿病学会 理事長
であり、
東京大学大学院医学系研究科糖尿病・代謝内科教授
です。

御茶ノ水駅で渡邊昌先生と待ち合わせてタクシーで東大医学部に向かいました。

東大医学部は、昔のままの「東京帝国大学医学部」をイメージできる古い建物でした。

そう言えば、生まれて初めて東大の構内に入ったこととなります。

門脇孝先生のお部屋で、午後4時半から6時まで、お話しすることができました。

ケトン体、SGLT2阻害薬の話もありました。
SGLT2阻害薬の研究報告EMPA-REG outcome trialにも言及されました。

EMPA-REG outcome trial
『対象患者 心血管疾患のある2型糖尿病患者7,028例。
結論 心血管イベントのリスクが高い2型糖尿病患者において, 標準治療へのempagliflozinの追加は心血管疾患による死亡,心血管イベント,および全死亡の発症率を低下させた。糖尿病治療薬ではじめての効果。』


EMPA-REG outcome trialにおける、
「心血管イベント,および全死亡の発症率を低下」
は、ケトン体の心筋保護作用や臓器保護作用が有利に働いた可能性があるなど、門脇先生はケトン体に対してポジティブな面を強調され、私も大変嬉しく思いました。

カロリー制限食に関しても、個人的には、画一的に糖質50~60%を押し付けるのではなく、一人ひとりの患者さんで、糖質摂取比率を考慮する方向を目指すのがリーズナブルと述べておられました。

このお考えにも賛成ですし、とても柔軟な姿勢と思いました。

現実に東大病院では、2015年4月から、糖質摂取比率40%の糖尿病食が提供されており、門脇先生ご自身も、糖質摂取比率40%の緩やかな糖質制限食を実践しておられました。

渡邊昌先生、ご自身も糖尿病であり、その体験談を語られました。

とてもみのりの多い話し合いとなり、有意義な時間をもつことができました。

総じて、とてもフレンドリーで和気あいあいとした雰囲気の鼎談でした。

最後は握手をして、挨拶を交わして、教授室をあとにしました。

渡邊昌先生、門脇孝先生、ありがとうございました。

なお、鼎談の内容は、3月号の「医と食」に掲載されます。



江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
おめでとうございます。
江部先生、おはようございます。
あの門脇先生と鼎談とは、おめでとうございます。日本の糖尿病治療の夜明けが近付いた感があります。素晴らしい!!
2017/02/09(Thu) 08:31 | URL | ヘルミ | 【編集
毎日ブログ拝見して勉強させていただいています。門脇先生のケトン体にポジティブな見解、嬉しく拝見しました。

私には糖尿病2型の友人がおり、スイニーを服用しながら一食の糖質40g以下の緩やかな糖質制限をしています。
5ヶ月で10キロ減量し、hba1cも8.6から7.2に下がっています!素晴らしいですが、10キロ減量後もbmiは30前後だとおもいます。
たまに油断すると食後血糖値が200を超えたり、一か月前には目や耳のトラブルでステロイドが使えなくて困ったこともあったようです。

心血管系の問題はないとおもいますが、友人がスーパー糖質制限まで到達出来ない場合、sglt2を使って合併症がないところまで短期間に持っていくのはありでしょうか?

よろしくお願いいたします。
2017/02/09(Thu) 08:45 | URL | なか | 【編集
さすが江部先生。
先生のお人柄ですね。
時代がかわりつつあるのが、実感されます。
鼎談拝読するのがたのしみです。
2017/02/09(Thu) 09:12 | URL | おかだ | 【編集
京大のホームページ
東大の門脇先生がそうであれば,例の 京都大学 糖尿病・内分泌・栄養内科のホームページにある;

『糖尿病教室』
http://metab-kyoto-u.jp/to_patient/classroom.html

では,長年,『体内にケトン体という有害物質』という記述がされていたので,今はどうなっているのかと見てみたところ,この記述があった,『糖尿病といふ病気・続編』の項目だけ,まったく見られなくなっていることに気づきました(白紙が表示されるのみ).

『糖尿病といふ病気・続編』
http://metab-kyoto-u.jp/to_patient/online/a005.html

これ以外の項目は,すべて表示されます.
たしかにこの項目では,『体内にケトン体という有害物質』という言葉だけを削除しても,全体の文章がおかしくなってしまいますから,全面的に改訂中なのでしょうね.

なお,表示は白紙ですが,HTMLファイルそのものは残っており,ただスクリプトを1行だけ削除して,動作しなくなっているだけですから,改定後に差し替えるつもりなのでしょう.
2017/02/09(Thu) 12:47 | URL | しらねのぞるば | 【編集
ブログ内容とは関係ないんですが、
質問させてください。
自分なりに調べてはいるんですが、ハッキリ分からなくて…

家族に糖尿病がいるため、糖質制限を心がけたいと思ってます。
だけど、甘いものがどうしてもやめれそうになくて…
緩やかな糖質制限は30~40gとのことですが、その範囲なら甘いものでも食べても大丈夫なんでしょうか?
同じ糖質量ても甘いものだと血糖上昇とかインスリン分泌などに違いあるんでしょうか?
2017/02/09(Thu) 13:44 | URL | 甘いもの大好き | 【編集
Re: おめでとうございます。
ヘルミ さん

ありがとうございます。

門脇先生
「日本の糖尿病患者さんのために、共に頑張っていきましょう」

とのことでした。
2017/02/09(Thu) 14:09 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: タイトルなし
なか さん

ご本人が、SGLT2阻害剤の長所と欠点(脱水注意)を理解したうえで
使ってみたいということなら、主治医とよく相談して決めましょう。
2017/02/09(Thu) 14:12 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: タイトルなし
おかだ 先生

ありがとうございます。

とても良い一歩が踏み出せたと思います。
2017/02/09(Thu) 14:15 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 京大のホームページ
しらねのぞるば さん

興味深い情報をありがとうございます。

京大でも、ケトン体ポジティブに転換中なのでしょうかね。
2017/02/09(Thu) 14:18 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: タイトルなし
甘いもの大好き さん

緩やかな糖質制限は30~40gとのことですが、その範囲なら甘いものでも食べても大丈夫なんでしょうか?

大丈夫です。


同じ糖質量ても甘いものだと血糖上昇とかインスリン分泌などに違いあるんでしょうか?

砂糖も白米も一緒です。
2017/02/09(Thu) 14:20 | URL | ドクター江部 | 【編集
ありがとうございます。

砂糖と白米は一緒とのことですが、
お肉とか魚類とはやはり違うんでしょうか?
2017/02/09(Thu) 14:44 | URL | 甘いもの大好き | 【編集
ありがとうございます。

砂糖と白米は一緒とのことですが、お肉とか魚類とはやはり違うんでしょうか?

180~190台となってしまった原因は、体調以外にどういうことが考えられますか?ハッキリとした糖質量は分からないんですが、130台となった食事より少ないとは思ったんですが、糖質が多かったということでしょうか?
過去に糖質を50~60摂取したときでも150前後だったので、血糖値は高くてもそれくらいだと思ったんですが…
2017/02/09(Thu) 15:17 | URL | 甘いもの大好き | 【編集
記事とは関係ありませんが。
江部先生の著書に出会い、身体のために糖質制限をはじめて3か月たちます。糖依存からも解放され、楽しく糖質制限ライフをおくっています。
最近、朝食を豆乳だけで済ますことが多いのですが、間食(クルミやアーモンド、チーズ)を取らずにいると11時手前で必ず生あくびと酷い胃痛・腹痛が襲ってきます。
昼ご飯を食べたら何事もなかったかのように収まります。
受診しましたが、胃腸炎ではありませんでした。
このようなケースは他にありますか?また、なにか対応策はありますか?
お手すきの時、ご教授いただければと思います。
2017/02/09(Thu) 16:43 | URL | ぽぽ | 【編集
門脇氏の方針の変化はSGLT2阻害剤の発売によるものかも知れませんね。
ケトン体の扱いに困りますものね。
2017/02/09(Thu) 16:48 | URL | taka | 【編集
尿酸値について
こんにちは。
今年1月11日に、尿酸値について相談した者です。
先生の助言を信じ、1日の摂取カロリーを意識して増やしたところ、先生の仰ったとおり、1ヶ月で尿酸値が大きく改善しました。
しかも、摂取カロリーは増やしたにも関わらず、HbA1cは更に下がりました。
本当にありがとうございます。

HbA1c
10/26 8.7
1/10 5.5
2/ 8 5.2

尿酸値
10/26 5.6
1/10 9.6
2/ 8 7.6

糖尿病、尿酸値ともに、薬無しでここまで改善しました。勿論痛風発作も起きておりません。

尿酸値はまだ少し高めなので、引き続きカロリーを意識しつつ、これからも糖質制限を楽しんでいきます。

先月、不安でどうにかなりそうだった時、先生のお陰で落ち着いて対処することが出来ました。
感謝してもしきれません。
本当にありがとうございます。
2017/02/09(Thu) 19:13 | URL | かな | 【編集
ありがとうございました
お忙しい中ありがとうございました。
友人の頑張りをみまもり、困る場合は選択肢として提案してみます。

友人は目が悪く本はあまり読めませんが、先日神戸の先生のNHKカルチャーセンター講演会を受けに行きましたので、スーパー糖質制限までグレードアップするつもりらしいです。サポートしたいと思います。
2017/02/09(Thu) 19:41 | URL | なか | 【編集
鼎談場所に疑問??
都内河北 鈴木です。

江部先生、遠路御苦労様でした。
些細な事ですが、「鼎談場所が何故本郷東大??」と怒り疑問考えてしまいます。

日々、医療理念ある無償の情報提供を、多忙な仕事の間を捌き多忙な江部先生を、
遠方より足運ばせるのか、「礼儀・常識を疑います!!」

私は日本糖尿病学会専門組織に、糖尿病に21年間(2005年以降7年間も)何の改善有益情報と指導を記憶していません!!

悪化一途で投薬量が増えただけ!!
(証明医療デ~タあります。)

上記重症化する糖尿病病態及び脳梗塞頚動脈プラ~ク減少改善が成し得たのは、
医療理念ある江部先生「糖質制限理論」による改善効果を、
門脇孝さんはどの様に考え、
現在も「自戒の念」はないのでしょうか??
不思議です??

江部先生「糖質制限理論」食生活実践により改善以上、生還した事を、
何等アドバイス指導したわけでも無い2人目担当医は、
初診時「結果オ~ライ」などと明らかに開き直り「暴言!!」

患者私へ、「心無い暴言発言」した糖尿病学会公認医者は、門脇孝さん貴方の直弟子ですよ
御存知ですか?」
と問いたいですね!!

門脇孝さん、何故、鼎談場所が本郷東大なんですか??
日本国民になんの改善可能性無い「カロリ~制限理論」に固執する貴方が出向け!!
と言いたいです!!

江部先生、遠路御足労、ありがとうございます。
江部先生の心労が気がかりです。
敬具
2017/02/09(Thu) 20:09 | URL | 都内河北 鈴木 | 【編集
Re: タイトルなし
甘いもの大好き さん

砂糖も白米も蕎麦も芋も小麦も、糖質という意味では同じことで、血糖値を直接上げます。
肉や魚の糖質はごく微量ですので、血糖値を直接上げることはありません。

たんぱく質は、グルカゴンとインスリンを分泌させます。
グルカゴン優位の場合、たんぱく質が間接的に血糖値を上昇させることがあります。

脂質は直接的にも間接的にも血糖値を上昇させることはありません。
2017/02/10(Fri) 07:39 | URL | ドクター江部 | 【編集
おめでとうございます。
江部先生、おはようございます。
昨日のブログ記事を読んで幸せな気持ちになり、一人ニンマリと祝杯を挙げました!
いいお酒でした・・
これからもお身体を大切に、ますますご活躍下さいませ。
2017/02/10(Fri) 07:50 | URL | マロロビ | 【編集
Re: タイトルなし
ぽぽ さん

私は朝食は、「コーヒー+生クリーム」だけです。
昼までというかそのまま、午後2時とかでもどうもありません。
私と同様の朝食なしの一日2食の人はかなりいると思います。

ぽぽさんの胃痛・腹痛の原因はよくわかりませんが、
朝食「豆乳+クルミ、アーモンド、チーズ」とかなら糖質制限OKですし、現実に快適なほうがいいと思います。
2017/02/10(Fri) 07:52 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: タイトルなし
taka さん

そうですね。

SGLT2阻害剤の研究報告(EMPA-REG outcome trial)で非常によい結果がでて、
あるていど勉強している世界中の医師が、ケトン体ポジティブに変わってきていると思います。
2017/02/10(Fri) 07:56 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 尿酸値について
かな さん

HbA1c、尿酸値の改善、良かったですね。
2017/02/10(Fri) 07:59 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 鼎談場所に疑問??
都内河北 鈴木 さん

実は、2011/1/15(日)京都国際会館で開催された日本病態栄養学会年次学術集会にて
渡邉昌先生、門脇孝先生、江部康二の鼎談が企画されていたのですが、
なかなか3人が揃う予定が組めずに流れてしまいました。

このまま中止するには惜しい企画ですので、私が比較的フリーな2017/2/7(火)に予定を変更して
東京での鼎談となりました。
渡邉先生も門脇先生も東京ですので、私一人が行く方が簡単なのです。

門脇先生も「わざわざご足労頂き申し訳ありません」と仰っておられました。
2017/02/10(Fri) 08:11 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: おめでとうございます。
マロロビ  さん

応援、ありがとうございます。
2017/02/10(Fri) 08:12 | URL | ドクター江部 | 【編集
糖質制限とチートデイについて
糖質制限ダイエットの停滞期にはチートデイ(敢えて好きな物を好きなだけ食べる日)を設ければ飢餓状態を脱出出来る、という記事を読んだのですが、これに科学的な根拠はあるでしょうか?むしろ今迄制限していた反動で太る可能性の方が高いとは思いますが…
2017/02/10(Fri) 19:50 | URL | サルサ | 【編集
時代の流れ
江部先生、こんばんは

渡邉先生、門脇先生と鼎談されたとの事で
とても嬉しく思います。

門脇先生に対しては、私はこのブログでは
いつも厳しいコメントを書いていました。

越後屋と〇代官と書いていた時もありましたが
「日本の糖尿病患者さんのために、共に頑張っていきましょう」
とおっしゃられたとの事ですので
やっとこの時がきたかという思いです。

私ですらそう感じますので
江部先生はそれをとても強く感じられた事と思います。

こうなったら、門脇先生は糖尿病学会の理事長さんですので
水戸黄門よろしく全国の病院を回って
(糖質制限)「ひかえおろ~ この文字が目に入らぬか!」とやって欲しいですね。

お目汚し、失礼致しました。
2017/02/10(Fri) 22:09 | URL | モン吉 | 【編集
Re: 糖質制限とチートデイについて
サルサ さん

そういう説もあるということと思いますが、科学的根拠はないと思います。

ただ、糖尿人が、それをすれば、食後高血糖は必発ですので、良くないですね。

少なくとも私は、チートデイなしで、2002年~2017年まで、
美味しく楽しくスーパー糖質制限食を続けています。

2017/02/11(Sat) 10:08 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 時代の流れ
モン吉 さん

そうですね。
とても良い流れとなってきました。
2017/02/11(Sat) 10:55 | URL | ドクター江部 | 【編集
門脇氏との関係にはご注意された方が…
意見対立のあった関係に歩み寄りがあったのは、喜ばしいこととは存じますが、「選択」という雑誌に、東大医学部論文不正疑惑の記事が掲載されました。
東大医学部開学以来、最大の危機を迎えています。
関係者の間ではずっとくすぶり続けていた疑惑が、ここへ来てやっと明るみ出はじめてきたようです。
江部先生が、政治的に利用されないことをお祈りします。
2017/02/23(Thu) 23:00 | URL | kayson | 【編集
Re: 門脇氏との関係にはご注意された方が…
kayson さん

ありがとうございます。
幸い、江部康二は政治的に利用されるほどの立場にはありませんので、ご安心下さい。
2017/02/24(Fri) 16:11 | URL | ドクター江部 | 【編集
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