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第20回日本病態栄養学会コントラバシー3(2017/1/15)、ご報告。
2017/1/16、武田純先生からご連絡頂きました。

事務局からの連絡で、講演依頼は「低炭水化物食の是非」についてであって、糖尿病とは指定されてなかったということです。

また、同様に講演時間が各30分間で討論が20分間と記載されていたとのことです。

事務局のメールを確認しました。

以上、追加させて頂きます。

江部康二



【日付 17/01/15 しらねのぞるば

第20回日本病態栄養学会 3日目 コントラバシー#3の感想

江部先生,本日のDebate お疲れ様でした. いい席をとるために,早朝から雪の中を,国際会議場に一番乗りしましたが,その甲斐はありました.

本日の『コントラバシー#3』のテーマ名は,『低炭水化物の食事療法の是?非?』でしたが,先生も途中述べられたように,「炭水化物」と「糖質」ではまるで意味合いが異なるので,これは適切とは思えません. 先生が提唱されているのは,糖質制限であって,食物繊維摂取を否定しているわけではないからです.

また,「食事療法」としての是非を問うているのであって,ひとつ前のコントラバシー#2のように,肥満者のダイエットとしての是非を論ずる場ではなかったはずです. ところが,糖質制限食を『否』とする岐阜大学 武田先生は,ほとんど,糖尿病患者への治療効果には触れませんでした. 糖尿患者の食事療法についてのDebateなのに,血糖値やHbA1cのスライドが1枚もなかったのは,不思議を通り越して,あっぱれです.まあ触れることができなかったというべきでしょうが.

また,高糖質食で体重が減少した例として,刑務所の食事や 昭和20年代の日本を引き合いに出していましたが,これは作戦失敗だったと思います.なぜなら武田先生が引用した,厚生省(当時)の『国民栄養調査』ですが,武田先生は 本当にこの調査書を読まれたのか疑問だからです.

例えば昭和22年の調査書本文にもある通り;

http://www0.nih.go.jp/eiken/chosa/kokumin_eiyou/doc_year/1947/1947_kek.pdf

当時の公衆保険局栄養課長は,こう述べています.

『以上を要するに,蛋白質摂取量もまた熱量と同様,都市・農村ともに前年より増加をみたが,これを標準量に対比するときいずれも18~20%不足であり,即ち蛋白質の不足が都市・農村に共通的にみられ,特に農村においては動物性蛋白質の著しき不足という質的缺陥が認められる.』

『脂肪の摂取量は,都市の年間平均は約15.3gであり,農村のそれは約13.4gで,これらは望ましき標準必需量に比較すると,なお,40~50%の不足である.』

武田先生は,昭和21~25年のマクロ栄養表だけをスライドに出して,『理想の食事構成』と言わんばかりでしたが,ここでは『劣悪きわまる栄養事情』とされているのです. 実際,その通りで,調査書結語では;

『身体的症候の発現率は前年度よりは一般に減少したが,母乳分泌不良・月経異常・腱反射消失・口角炎,貧血等はなお相当多く見られる.』

とあるように,当時の日本人は,このひどい食料事情による疾病・短寿命・子供の発育不良に苦しんでいたのです. 武田先生は,現在の日本から,こういう状況に戻すべきだと,本当にお考えなのでしょうか?

「当時は糖尿病は少なかった」と言われていましたが,当たり前です. 糖尿病になれるほどの栄養も摂れず,糖尿病が発見されやすくなる年齢に達する前に死んでしまう人が多かったからです. だいたい 当時は,今のように血糖値が簡単に測定できるわけではなく,糖尿病かどうかは『尿を試験管にとり,ヨードを一滴たらしてみる』程度で判定していたのですから(それすら 全例ではない),現在の糖尿病 有病率と比較すること自体が間違っています.数字どうしであれば,なんでも比較できるというわけではないでしょう.

武田先生は,遺伝子がご専門だそうで,いろいろと難しいことを並べておられましたが,それらは,実際に患者を直接診察・対話し,患者のQOL・健康を高めることを目的にされているのか,それとも単に DNAサンプルを集める対象としてしかみていないのではないのかとも思いました.

というのも,聴衆は非常に少なかったですが,本日 朝一の『コントラバシー#1』の最後に,奈良県立医大の石井均先生が,『近年の医療は,何でもEvdence,Evidenceで,人間である患者の気持ちを見落としていないか. 科学だけで患者が見えていないのでは』
と述べられたのが,強く印象に残ったからです.】


しらねのぞるば さん

2017/1/15(日)第20回日本病態栄養学会年次学術集会、コントラバシー3のご感想、ありがとうございます。

私も同感です。

確かに武田先生のお話では、糖尿病の話題は、ほぼ皆無でしたね。

糖尿病の疫学研究も臨床研究も症例もなしでした。

食事の総論の話とかいきなり遺伝子研究の誰にもわからない話とか、受けを狙った刑務所の話とか一貫性がなくて、バラバラで、議論しにくいようにするテクニックだったのでしょうか?

また、私が稲垣座長にわざわざ確認して25分間きっちり時間キープして講演しているのに、平気で35分間講演とか、こちらもよくわからないです。

話だしたら止まらないキャラクターなのでしょうか。

私が一番先輩で、次が武田氏で、稲垣教授は一番年下なので、座長としては、いろいろ遠慮されたのかもしれませんね。

コントラバシー2の名古屋大学の清野祐介先生のお話しは、引用論文など含めて、私の講演の、ほどよい援護となりました。

清野先生に感謝です。

今回のコントラバシーの会場は、メインホールで、参加者は1500人くらいと多数でした。

私は、以下のスライド1~40までを提示して、糖質制限食の有効性・安全性・長期予後に関して、理路整然とわかりやすくお話ししました。

私としても満足のいく、是側の講演であったと自負しています。


1 糖質制限食(低炭水化物食)の有効性・安全性・長期予後

2 開示すべきCOI はありません。

3 血糖と糖質・蛋白質・脂質 米国糖尿病学会(2004)

4 栄養素が血糖に変わる割合と時間

5 近年の米国糖尿病学会(ADA)と糖質制限食

6  米国糖尿病学会が糖質制限食も受容
2013年10月、5年ぶりに「食事療法に関する声明」を改訂

7 総摂取カロリーの対エネルギー比の比較 
スタンダード糖質制限食 スーパー糖質制限食 従来の糖尿病食

8 糖尿病治療において糖質制限食(低炭水化物食)が有効である

9 高雄病院の症例
糖質制限食と従来の糖尿病食(高糖質食)
同一カロリーでの血糖値比較データ

10 血糖値日内変動 M・S・ 19歳女性。 
2015年、HbA1c:9.9%。2016年7月、8.8%。
8月から2ヶ月間糖質制限し、2016年10月18日入院、
HbA1c:5.9%(NGSP)
スーパー糖質制限食は食後高血糖、平均血糖変動幅なし
糖質を摂取すれば300mg/dlを超える食後高血糖と平均血糖変動幅増大。

11 CGM 2型糖尿病 70歳男性(M・K)HbA1c:7.0%
従来の糖尿病食だと、1日3回、200mg/dlを超える食後高血糖。
スーパー糖質制限食なら血糖値は基準値内。

12 CGM 2型糖尿病  71歳女性(S・M) 糖質制限なし。
HbA1c:7.0%(2017年1月4日) 146cm 48kg 1200kcal/日1/4~入院中。
入院前も入院後も『従来の糖尿病食』で糖質あり。経口糖尿病薬なし。
GA:18.7%(2017/1/4)  
軽症DMであるが朝食後2時間値は200mg/dlを超えている。

13 糖質制限食のみのHbA1c経過2型DM(2007年、発症時51才男性)
2007/3/7、HbA1c11.4% 空腹時血糖値389mg/dl。
即、糖質制限食を開始し、4/7、HbA1c9.0%、
空腹時血糖値243mg/dl。半年後、全てのデータ正常に。
・・・2016年12月、HbA1c5.6%、空腹時血糖値104mg。165cm。

14 2型糖尿人 江部康二の検査データ 
2002年糖尿病診断(HbA1c6.7%)からスーパー糖質制限食、随時血糖値240mg。
血糖値は速やかに正常化。
糖質制限食開始半年で10kg減量メタボの基準も改善。
2016年12月身長167cm 57kg。糖質制限食15年。合併症なし。血液・尿検査正常。

15 従来の糖尿病食の問題点
 カロリー制限が最優先であり、高糖質食である。
高糖質食を摂取すると、
  必ず「食後高血糖」「平均血糖変動幅増大」を生じる。
食後高血糖と平均血糖変動幅増大は、
  明白な酸化ストレスリスクである。
酸化ストレスは糖尿病合併症の大きな要因である。
従って、従来の糖尿病食では合併症予防は困難である。

16 2型糖尿病の厳格な血糖管理の利益はわずかRCTメタ解析報告  2011年

17 糖尿病合併症
2013年の日本糖尿病学会・熊本宣言における記載
  1)糖尿病網膜症による失明者は年間3,000人以上(新規失明者の約18%)
  2)糖尿病腎症による新規透析導入者は年間16,000人以上(新規透析導入の約44%)
  3)糖尿病足病変による下肢切断者が年間3,000人以上(全切断患者の40~45%)
  4)糖尿病合併症で苦しむ患者さんの数は今なお減少していない。

*現行の日本糖尿病学会推奨の糖尿病治療
「カロリー制限食(高糖質食)+薬物療法」
は、合併症の減少に関しては、あまり効果をあげていない可能性がある。
→カロリー制限食(高糖質食)では酸化ストレスは防げないので、合併症予防が困難。

18 糖尿病合併症(透析)と死亡率の乖離
 現行の糖尿病治療を早期開始することで死亡率は減らせる可能性がある。
一方、現行の糖尿病治療を早期開始しても、合併症予防は困難の可能性がある。

19 糖質制限食の利点
1)食後高血糖がほとんど生じない。→酸化ストレス↓
2)一日の平均血糖変動幅も極めて少ない。→酸化ストレス↓
3)基礎分泌インスリンがあるていど保たれている段階なら、空腹時血糖値も改善する。
4)従って、1)2)3)によりHbA1cも速やかに改善する。
5)追加分泌インスリンの必要性が極めて少ないので疲弊していたβ細胞が休養でき回復する。
6)中性脂肪値は速やかに改善する。
7)HDL-Cは、増加する。
8)LDL-Cは、低下・不変・増加と3パターンあるが半年~1・2年~数年で基準値となることが多い。
9)薬が必要ないか、最小限ですむので低血糖になりにくい。
10)酸化ストレスが少ないので、糖尿病合併症予防が可能である。
11)肥満が改善する。

20 低炭水化物食が肥満、HDL-C、TG改善          
JAMA  RCT研究論文 2007年3月
 The A TO Z Weight Loss Study 4群で比較

21 Atkins Diet(当初2-3ヶ月間C20g/日以下→その後50g/日以下)
  が、一番肥満改善

22 低炭水化物食で体重減少・ HDL-C増加 
ニューイングランドジャーナル RCT研究論文 DIRECT
 
23 各ダイエットグループにおける2年間の体重変化    グラフ      
Iris Shai et al. :NENGLJ MED , VOL359.NO.3 :229-241,2008

24 糖質制限食(低炭水化物食)の安全性に関する考察
糖質制限食は高脂質・高タンパク食
糖質制限食で血中ケトン体が上昇

25 低炭水化物・高脂肪・高タンパク食に冠動脈疾患のリスクなし
ニューイングランドジャーナルのコホート研究(20年間追跡)
 Halton TL, et al. Low-carbohydrate-diet score and the risk of coronary heart disease in women.
New England Journal of Medicine 2006;355:1991-2002.

26 低脂肪食は心疾患リスクを下げない脂肪悪玉説→根拠なし
Journal of American Medical Association(JAMA)誌
  2006年2月8日号の疾患ごとにまとめられた3本の論文で報告。
JAMA ,295(6):629-642.  643-654. 655-666.

27 Ketogenic Diet(ケトン食)

28 ケトン体の安全性

29 胎盤・臍帯のケトン体値英文論文
*Ketone body elevation in placenta, umbilical cord,newborn and mother in normal delivery  Glycative Stress Research 2016; 3 (3): 133-140
Tetsuo Muneta 1), Eri Kawaguchi 1), Yasushi Nagai 2), Momoyo Matsumoto 2), Koji Ebe 3),Hiroko Watanabe 4), Hiroshi Bando 5)

30 糖質制限食は持久力アスリートにおいて、不利にはならない。
Metabolism(2016; 65: 100-110)

31 糖質制限食(低炭水化物食)の長期予後に関する考察
動物性脂肪摂取が増えるが大丈夫?

32 飽和脂肪酸摂取量と脳心血管イベント発生は関係がない
 2010年のAm J Clin Nutrの総説

33 RCT研究論文のメタ解析
研究期間にかかわらず糖質制限食が体重,脂質,血糖,血圧を改善させる。
Obes Rev 2012; 13: 1048-1066

34 RCT研究論文  ランセット
システマティック・レビュー/53RCTのメタアナリシス
低脂肪食よりも糖質制限食の方が減量効果が高い
Lancet Diabetes Endocrinol 2015 Dec 01;3(12)968-979,

35 糖質制限食と長期の研究  NIPPON DATA80 日本人のデータ
女性においては糖質摂取が少ないほど、心血管死、総死亡が少ない。
Br J Nutr 2014; 112: 916-924

36 糖質制限食と長期の研究    JPHC研究  
「日本人女性において『低炭水化物、高たんぱく・高脂質食』が、
2型糖尿病リスク低下と関連」
PLoS One誌2015年2月19日号に掲載

37 厚生労働省・国民栄養の現状
三大栄養素(たん白質・脂質・炭水化物)の摂取熱量比率推移
1955~2014年

38 日本における糖尿病患者数の推移
厚生労働省の「国民健康・栄養調査結果」 5年に1回推計
1990 1997 2002 2007 2012

39 糖質摂取比率減少し、糖尿病増加急減予備軍は初の減少 
厚生労働省の「2012年国民健康・栄養調査結果」
1990年:560万人1997年:690万人(130万人増加) 以後、5年に1回推計
2002年:740万人(50万人増加) → 5年間で7.2%の増加率
2007年:890万人(5年間で150万人増加) → 5年間で20%の増加率 → 急増
2012年:950万人(5年間で60万人増加)  → 5年間で6.7%の増加率 → 急減
2008年→2010年 97年以来13年ぶりに炭水化物比率が減少 60.4%→59.4%
        97年以来13年ぶりに脂質比率が上昇    24.9%→25.9% 
2007年→2012年 糖尿病の増加が急減
  糖尿病予備軍は、約1100万人で、2007年から約220万人減少。
  国民健康・栄養調査が始まって以来の快挙。
炭水化物摂取比率:2008(60.4)→2010(59.4)→2012(59.2)→2014(59.0%)
脂質摂取比率: 2008(24.9)→2010(25.9)→2012(26.2)→2014(26.3%)
*「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」2005年。江部康二著、刊行。
*2000年~2012年まで日本の人口は約1億2000万人で大きな変化なし。
高齢化進行なので、本来糖尿病は増加し易い状況。

40 糖質制限食の長期予後は良好の可能性が高い

食後高血糖改善など血糖値改善。
平均血糖変動幅改善。
低血糖が少ない。
糖尿病合併症予防が理論的に可能。
酸化ストレス改善。
HbA1c改善。
中性脂肪値改善。
HDL-C値増加。
肥満改善。
LDL-C値は不変・低下・上昇の3パターンあるが、一旦増加しても半年から1年・2年~数年で基準値となることが多い。
☆☆☆現在動脈硬化リスク要因として確定の上記が全て改善→予後良好


江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
ダルビッシュの苦言は正しいか。ソフト柳田の鶏肉&ゆで卵8個トレの是非
江部先生
いつもブログを楽しく拝見しております。

プロ野球のトレーニングにおいて糖質制限の是非が掲載されておりました。

https://news.nifty.com/article/sports/baseball/12177-01151s/
2017/01/16(Mon) 21:02 | URL | Sランナー | 【編集
HDLについて
江部先生
いつも楽しく拝見させて頂いております。今回、コレステロール、特にHDLにつきご質問をさせて下さい。

175cm31歳の男です。この1年、糖質制限に取組み下記の通り数値改善しました。

体重 80→68kg
総コレステロール 220→241
HDL 30→53
LDL 147→174
中性脂肪 175→71

ブログ・ご著書拝見し、総コレステロール、LDLの増加、中性脂肪の減少に問題無いことは理解しますが、HDLはわずかに上がった程度です。過去ブログでは糖質制限の改善でHDLも大幅上昇の方ばかり?なので、不思議です。

糖質制限下で、HDLは目指すべき数値の指標はありますでしょうか?それとも数値は本質ではなく「HDLの数値が改善した」という事実のほうを重要視すべきなのでしょうか?

3食スーパー糖質制限を実践。。。ですが食べるものは肉・卵・チーズばかり、ほぼ運動なしで3000Kalは食べる大食漢手前です。

ご回答頂けますと幸いです。
2017/01/17(Tue) 10:20 | URL | 善玉・悪玉くん | 【編集
素晴らしかったです
病態栄養学会では江部先生の講義を拝聴したくて、メインホールど真ん中の一番前の席をGETしたくて、早朝から伺いました。

先生のお話は本当に素晴らしかったです。

患者を中心にした医療そのものです。

直近で糖尿病学の進歩・病態栄養学会に参加させて頂き感じることは、食後高血糖が問題としながら、その本質に切り込む議論があまりにもされていないことです。

製薬会社の薬の連呼や、学術ばかりに特化し、本質から離れていることに強い違和感を覚えます。

私の主人は糖尿病ですが、病院の管理栄養士ではなく、ただの妻として主人の合併症を予防したいと思って夫婦でスーパー糖質制限を1年以上前から始めました。

糖尿病学会の見解など、家族にとってはどうでもよく、糖質制限でコントロール良好になればこんなにありがたいことはありません。

最後に、武田先生の発表は甚だ疑問でした。

わざと撹乱させるように大人の事情が絡んだのかな?と個人的には感じました。

江部先生、これからもご活躍を応援するとともに、大ファンでいさせて頂きます。
2017/01/17(Tue) 13:42 | URL | 糖質制限に目覚めた管理栄養士 | 【編集
Re: ダルビッシュの苦言は正しいか。ソフト柳田の鶏肉&ゆで卵8個トレの是非
Sランナー さん

柳田選手、
<高タンパク、低糖質、低脂肪>食ですね。
どのような筋肉を作る目的なのか?
期間は2ヶ月とか短期なのか?

もし、長期に続けるなら、必須脂肪酸もいるので、ダルビッシュ選手の言うように脂肪摂取もいると思います。
2017/01/17(Tue) 16:56 | URL | ドクター江部 | 【編集
私も中央最前列で拝聴しました。
感想としましては、武田先生は学会慣れしてて話が上手い(よく喋る)方だなぁと。
近くの席の方も終演後に武田先生のご発言の疑問点を話していて、糖質制限の広がりを感じました。
どの学会のコントラバシーでもそうですが、是が非かの100対0はありえないので「糖質は何%が適切か」「糖質制限はすべきなのか、してもいいのか、してはいけないのか」みたいなタイトルだと議論も変わってくるのかなと思いました。
2日目の会長特別企画の中で門脇先生が糖質制限について「動脈硬化が進む、サルコペニアになる、40%以下が極端な糖質制限」と仰っておられ、色々と疑問を感じました。
2017/01/17(Tue) 19:39 | URL | YT | 【編集
Re: 素晴らしかったです
糖質制限に目覚めた管理栄養士 さん

応援ありがとうございます。

ご指摘通り、「食後高血糖」「平均血糖変動幅増大」が最大の酸化ストレスリスクなのに、
その元凶の糖質摂取に焦点を当てずに、薬物投与というのは、大変違和感を覚えますね。



2017/01/17(Tue) 20:34 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: タイトルなし
YT さん

武田先生が、糖尿病の臨床にまったく言及されなかったのには違和感を覚えましたが
戦略だったのかもしれませんね。
糖尿病の話になれば、糖質制限食が実例でもEBMでも圧倒的に有利なので、そこを避けられたでしょう。
確かに頭はいい方のようです。

門脇先生は、エビデンスもないのに「厳格な糖質制限で、動脈硬化が進む、サルコペニアになる」と仰るとは
残念ですね。


2017/01/17(Tue) 20:39 | URL | ドクター江部 | 【編集
勝ち負け以前に…
このコントラバシー、楽しみにしていました!

拝聴して感じたのは「住んでいる世界が違うんだな」ということです。

話しの本筋がかみ合っていないようでしたね(^^;)

糖質制限に意味が有るか無いか、安全かどうか、の討論のはずが、継続できないとか検索数が多い少ないという見解にずれ込んだのは呆れました。

江部先生のお話は私が今まで理解し実践してきたことの再確認になりました。



話は変わりますが、当方は香川県在住でして、2年前に高松で開催された江部先生の糖質制限セミナーにも参加させていただいています。

それからというもの自身での継続と啓蒙を続けています。

今年の元旦の地元紙で、香川県の小児生活習慣病予防検診(県下4年生対象)の最新結果で、肥満は改善傾向であるものの、HbA1c、脂質異常、肝機能異常がどれも増加傾向にあることが取り上げられました。

原因を分析していましたが、魚よりも肉が多い、食事の早食いや量の多さ、運動不足、野菜摂取不足ばかりが挙げられていましたが、うどんを始めとする糖質過多には全く触れていないようでした。

うどんが産業になっていることもありますが、地方ではまだまだ理解が広まっていないように感じています。

また、機会あって肥満気味の小学生自身から痩せるにはどうしたら良いですか?と(悲痛な?)質問を受けました。

普段からうどん大+揚げ物、食後にメロンソーダ1本…とかなりの糖質過多な食習慣のようでしたが、保護者の理解の有無が子供の未来を左右するなということを身をもって感じました。

このままでは糖尿病も小児からの肥満も増える一方なので糖質制限でなんとかしたいです。
2017/01/17(Tue) 23:19 | URL | 管理栄養士 みやさん | 【編集
Re: 勝ち負け以前に…
管理栄養士 みやさん

コメントありがとうございます。

そうですね。
あまり討議が噛み合いませんでした。

せめて、糖尿病の臨床について、討議したかった思いはあります。
参加者もそれを望んでいたと思います。

香川県の小児生活習慣病予防検診は興味深いです。
今後、糖質摂取という元凶を無視した香川県の努力が、どんな結果を生み続けるのか
見届けることが必要です。



2017/01/18(Wed) 10:44 | URL | ドクター江部 | 【編集
武田先生は刑務所食がおすすめです!
病態栄養学会3日目 コントラバシーの『低炭水化物の食事療法の是?非?』の江部康二先生と武田純先生のディベートを見学に行ってきました。
江部先生は、40枚のスライドを時間通りにきちんとまとめて理路整然と見事でした。
一方の武田純先生は、私が3年前に岐阜の糖尿病妊娠学会において、ポスターセッションの発表していた時に、学会会長でありながら、座長を無視して乱入して、「ケトン体は知能を低下させる」「こんな研究は倫理委員会にかけろ」と大騒ぎした岐阜大学の教授です。私たちの発表は胎盤、臍帯血、妊婦のケトン体値が高いという発表であって、「ケトン体産生食を使った糖尿病治療という、最近の素晴らしい成果」を発表したわけではありません。非難されるべきことではなく、この衝撃的事実をどう考えるかというべきものでした。
さらにこの時に、後ろで、糖尿病学会のある幹部は、「糖尿病の母親から生まれた子は知能が下がる」のだと、大きな声で騒ぎまくりました。それは「ケトン体が高い母から生まれた子の知能発達が遅れるという例の論文」をうのみに言っていたのですが、それと妊婦がケトン体が高いということとはまったく意味が違うのです。私に言わせれば、今までの糖尿病治療の結果生まれた子供にいろいろなハンディがあるとしたら、それは今までの治療の結果です。責任はあなたたちの今の治療にあるのです。しかも悪者にしているケトン体は、もともと高いのですから、なにもこれには、責任はないのです。この事実はなぜかこの学会の幹部の方々には認めがたいことらしいのでした。3年たって、この教授がどのくらい時代の進歩についてきているのかを興味深く見てまいりました。

そうしましたら、驚くべきことに、日本人の昭和20年代の栄養分析表を持ち出して炭水化物が80%だったのに糖尿病がなかった。また刑務所の食事では糖尿病が少なかったというのです。昭和20年代は平均寿命が世界の後進国だった時代です。内容は、しらねのぞるばさんが詳細に検討しておられますが、低たんぱく質で、低脂肪で栄養失調があふれていて、結核や脚気で命を落とし、妊婦や新生児がたくさんなくなっていた時代の栄養です。その頃は、糖尿病が少なかったというのです。その時代にどうやって血糖や尿糖が測れたというのでしょう。当時の診断能力や有病率は、かなり怪しいものですが、多くの方は、糖尿病になる前に死んでいた時代です。
最新の遺伝子の研究者であるというなら、そういう時代と現代人では、遺伝子が違うとでもいうならわかります。基本的な栄養が足らない時代をもとに、昔の食事が良かったというこの教授は総合的な判断力がないようです。
武田先生のスライドには自分の大学で、どんな風に自身の研究のおかげで、患者が良くなってきたかというようなものはまったくありませんでした。
そのあとにあげたのは、つんく氏のおにぎりダイエットです。これがいいというのです。つんく氏がどんな病気と闘っているかを考えると、私は糖質は癌のエサということを思い浮かべてしまいます。癌も戦後激増している病気だからです。またホリエモンが刑務所で30キロ以上も減量したということで刑務所の食事を礼賛していました。今の日本では、到底、実現できない、昭和20年代や、刑務所の栄養に、答えを求めるこの教授には、驚きました。当時の栄養を病態栄養学会で推奨しようとでもいうのでしょうか?
武田先生は、日本食が世界で評価されていると喜び、絶賛しました、国民がすべて和食だった時代の平均寿命は50歳代です。そのころは必須脂肪酸や必須アミノ酸が足らない食生活です。武田先生の思考回路は70年前に戻ってしまったようです。
そういえば、何年か前に、私が糖質制限でよくなった糖尿病患者のことを発表していた時には、お米と砂糖は同じと言ったら怒ってかみついてきた先生方が減り、今年の演題も糖質制限を肯定したものが増えているようです。大きく流れが変わっていることがうかがえました。
江部先生のきっぱりとまとめられた、文句のつけようがない理論的な発表に比べて、武田先生は、正面からの戦いを避け、科学的根拠がない、現代の栄養学に何ら貢献できない、医学的臨床データーもない、低炭水化物食の非をとなえる雑談でありました。
江部康二先生、素晴らしい発表、ご苦労様でした。
2017/01/18(Wed) 14:17 | URL | muneta | 【編集
Re: 武田先生は刑務所食がおすすめです!
宗田先生

コメント、ありがとうございます。

3年前の岐阜の糖尿病妊娠学会では、大変でしたね。
それに比べると、今回の日本病態栄養学会は、糖質制限賛成派もかなり発表があり、
良い方に大きく変化したと思います。

2017/01/19(Thu) 08:40 | URL | ドクター江部 | 【編集
江部先生お疲れ様でした
 5年前と同様Visitorで聴講するべく,宿やFlightを取っていましたが,あいにく雪深いところから行きは可能だったものの帰路の天気が怪しかったので,断腸の思いで「遠征」を断念しました.皆様のコメントを拝見して,糖質制限食の利点を5年間の新知見を加えて理路整然とお話になった様子が伺えました.また相対する先生の話は聞くほどでもなかったとこのとなので妙に安心しました.
 これからも地元での啓蒙活動に地道にいそしんで参ります.
2017/01/20(Fri) 18:17 | URL | 倉内宣明 | 【編集
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