糖質制限食による体重減少効果、その理由。2016年12月。
こんにちは。

糖質制限食による体重減少効果に関して、よく質問があります。

スーパー糖質制限食なら、 運動量不変で、体脂肪が減ります。

例えば、血中総ケトン体の基準値は、26~122μM/Lですが、スーパー糖質制限食実践中は、 400~1000~2000μM/Lくらいに上昇します。

肝臓で脂肪酸の分解物のアセチルCoAからケトン体を作ります。

ケトン体の上昇は、まさに脂肪が燃えている証拠ですね。

かくいう私も、52歳のとき、167cm、67kgから、運動量は不変で、半年で57kgに減量し、学生時代の体重に戻りました。

階段は駆け上がるし、週1テニスは普通にしてましたので、 筋肉は落ちていないと思いますので、脂肪が燃えて減量できたと考えられます。

66歳現在も57kgで、階段は駆け上がります。

但し、4階くらいまでですが・・・。(^^;)

なお、筋肉は年齢相応ていどあると思いますが、増えてはいません。
筋肉を増やすには筋トレが必要です。

今回は、復習を兼ねて糖質制限食で何故、脂肪が燃えて減量できるのかを考えて見ます。

まず、インスリンについて考えて見ます。

◇インスリンは脂肪細胞内の中性脂肪分解を抑制します。
◇インスリンは血中の中性脂肪を分解し脂肪細胞内に蓄えます。
◇インスリンは筋肉細胞に血糖を取り込ませますが、余剰の血糖は脂肪細胞に取り込ませ て中性脂肪として蓄えます。
◇肥満のメカニズムはインスリンによる脂肪蓄積と考えられます。
◇インスリンを大量に分泌させるのは、糖質のみです。
◇インスリンは、別名肥満ホルモンと呼ばれています。


<スーパー糖質制限食の4つの利点>

◆<糖質制限食による体重減少効果>
①インスリン(肥満ホルモン)追加分泌が少量ですむ。
②食事中も含めて常に体脂肪が燃えている。
③食事中も含めて常に肝臓で糖新生が行われ、それにかなりのエネルギーを消費する。
④高タンパク食により、食事誘発熱産生(DIT)が亢進する。

高蛋白食は、摂食時の食事誘発熱産生(DIT)が通常食に比べて増加します。

DITによる消費エネルギーは、実質吸収エネルギーの、糖質では6%、脂質では4%、タンパク質で30%です。

食事誘発熱産生(DIT)を、もっと簡単に説明すると、食事において
100キロカロリーの糖質だけを摂取した時は、6キロカロリーが、
100キロカロリーの脂質だけを摂取した時は、4キロカロリーが、
100キロカロリーのタンパク質だけを摂取した時は、30キロカロリーが
熱に変わり、消費エネルギーとしてカウントされるということです。


◆<糖質を摂取した場合>
A)血糖値が上昇してインスリン(肥満ホルモン)がたっぷり分泌される。
B)体脂肪は燃えなくなり、血糖値が中性脂肪に変わり蓄積される。
C)肝臓の糖新生はストップする。
D)高タンパク食よる亢進した食事誘発熱産生(DIT)はなくなる。


①②③④とA)B)C)D)両者を比べてみれば、高糖質食より糖質制限食の方が、体重減少効果が高いことが一目でわかると思います。

たとえ低脂質食でカロリー制限していても、糖質を摂れば体重減少への利点がすべて消えてしまうわけです。

これは食べ物に含まれるカロリーとは無関係の生理学的な特質であり、あくまで糖質を摂るかどうかがカギとなります。


<摂取エネルギーと消費エネルギー、基礎代謝量、身体活動量、食事誘発熱産生>

1)摂取エネルギー > 消費エネルギー   → 体重増加
  摂取エネルギー = 消費エネルギー   → 体重不変
  摂取エネルギー < 消費エネルギー   → 体重減少

2)通常のカロリー制限食(高糖質食)なら
  「消費エネルギー=基礎代謝量+身体活動量(運動や家事)+食事誘発熱産生(DIT)」

3)糖質制限食なら、高糖質食の時には無い
 「肝臓の糖新生でエネルギーを消費」→基礎代謝の増加
 「高蛋白食摂取」→食事誘発熱産生(DIT)の増加 」
 が認められる。

1)は生理学的事実です。
2)3)を比較すると糖質制限食の方が高糖質食に比し、体重が減少しやすいことは明白です。


<推定エネルギー必要量と糖質制限食>

減量を目指す時に、日本糖尿病学会推奨のように

男性:1400~2000kcal/日
女性:1200~1800kcal/日

といった、厳しいカロリー制限は必要ありません。
「日本人の食事摂取基準」(2015年、厚生労働省)
に示す推定エネルギー必要量の範囲、
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000041955.pdf

推定エネルギー必要量/日
              男性                  女性
15-17才        2500 2850 3150          2050 2300 2550kcal
18-29才        2300 2650  3050          1650  1950   2200
30-49才        2300 2650  3050            1750  2000  2300
50-69才        2100 2450  2800           1650  1900 2200 
70才          1850 2200  2500            1500  1750 2000

身体活動レベル    低い 普通 高い         低い  普通  高い

くらいが目安です。

スーパー糖質制限食実践と「日本人の食事摂取基準」の標準的な摂取エネルギーなら、適正体重になると思います。


<倹約遺伝子タイプ>

なお、倹約遺伝子をもつ基礎代謝が体質的に低い方々は痩せにくいです。

この場合は「スーパー糖質制限食+カロリー制限食」が必要です。

身長にもよりますがおよそ

男性1600~1800kcal/日
女性1200~1400kcal/日

くらいが目安でしょうか?

倹約遺伝子タイプは、女性が多いと思います。



江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
江部先生、いつもお世話になっております。先生の書かれた「①インスリン(肥満ホルモン)追加分泌が少量ですむ。
②食事中も含めて常に体脂肪が燃えている。
③食事中も含めて常に肝臓で糖新生が行われ、それにかなりのエネルギーを消費する。
④高タンパク食により、食事誘発熱産生(DIT)が亢進する。」についてそうだったのかと思ってしまいました。今年はまだやや暖冬のせいかもしれませんが毎年11月の下旬には電気敷き毛布を敷いていましたが、12月になっていったん電気敷き毛布設置したものの暑くて夜眠れなくて結局外してしまいました。(寝る直前にはスイッチは切っている)今年の2月22日から糖質制限をし、 9月1日からスーパー糖質制限をしている私ですが、体の中がきっと燃えているのですね?だから電気敷き毛布が不要になったのですね?以前と比べて体温を測っても 36度5分が平熱になっております。これは以前の体温に比べても0.3から0.4度上昇しているように思います。すごいぞ、スーパー糖質制限。失礼しました。
2016/12/27(Tue) 17:14 | URL | ジェームズ中野 | 【編集
お奨めの本
こんばんは。
12月25日の徒然日記で、江部先生よりご紹介頂きましたマンガでわかる「糖質オフ!」健康法をアマゾンで取り寄せ拝読致しました。

糖質制限すると何故痩せるの?何故血糖値が下がるの?糖質制限とケトン体ってどういう関係?という素朴な疑問をお持ちの方へ

その答えが簡潔明瞭に分かりやすく説明してございます。
また、難しい医学書を読んで調べるより、ずっと楽しく学ぶことができました。

皆様方へ是非お奨め致します。
※あっという間に読み終えましたよ。

2016/12/28(Wed) 01:53 | URL | 直感 | 【編集
お奨めの本(追記)
おはようございます。
寝ぼけてうっかり大切なことを書き忘れました。
グルコーススパイクって何?のお答え(P46~)も是非お奨めです。
2016/12/28(Wed) 10:27 | URL | 直感 | 【編集
Re: タイトルなし
ジェームズ中野 さん

私も、電気毛布とか、全くなしです。
オイルヒーターだけで、あとは寝室に暖房器具もなしです。
2016/12/28(Wed) 13:27 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: お奨めの本
直感 さん

拙著のご購入、ありがとうございます。
お役に立てて、嬉しいです。
2016/12/28(Wed) 13:58 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: お奨めの本(追記)
直感 さん

ありがとうございます。
2016/12/28(Wed) 13:58 | URL | ドクター江部 | 【編集
糖質制限と体温について個人差はありますか?
私は、糖質制限前も後も特には変わらない気がします。
京都在住ですが、中心部に近い単身者用マンションに住んでおり部屋では半袖に短パンです。エアコンも12月は一度だけで、今日は朝みぞれと雪も散らつき流石に寒いと感じますが、外出で薄手のショートネックを上に着て歩いていると汗がでました。
あらてつさんは、寒さに弱い?ようでよく冬が嫌いだとブログに書いていますね。50歳にも届いてないはずですが、中に着込む下着のパッチというものを使っているようです。
以前江部先生の後輩の京大医学部生さんと話した時、京都の郊外の一軒家に住んでいたけど、小学校の編入に合格して家族で中心部のマンションに引っ越してから、母親の冬の頭痛がなくなったと言っていました。
京都は底冷えがきついので、一軒家じゃ床暖房がないと体に堪えるようですね。
たしかにマンションは暖かいです。
府立医大の近くの荒神橋辺りに、価格が西日本一のマンションができるそうですが完売らしいです。
大阪のタワーマンションより高く5億円以上とからしいです。
住む世界が違います。
あの辺りの鴨川では、子供達がサッカーしたり府立医大のテニスコートも接していたり春は小さい桜で皆さんお弁当食べたり環境良いんですよね、もうちょっと行ったら鴨川にかかる亀石で飛んで遊んだり。
2016/12/28(Wed) 14:53 | URL | R | 【編集
冷え性が治りました。
ジェームズ中野さんのコメントを読んで私も一言。
私も冬は足が氷のように冷たくなっていつも眠れない日々が続いていました。
3月からスーパー糖質制限をしていまして
気付くと今年は靴下も履かず足がポカポカと温かいのです。
おなか回りも冷え切っていたのに体中が温かく糖質制限のおかげと感謝しています。

「漫画でわかる糖質オフ健康法」も先ほどアマゾンから届きました。
日々知人には勧めていますが、漫画だと読みやすいしちょうど良さそうです。
(私もこれから読ませていただきます。)
ここのところ、甘いものの誘惑に少し負けつつあるので、気を引き締めていきたいと思います。

江部先生、いつもありがとうございます。
2016/12/28(Wed) 17:34 | URL | 鈴木澄子 | 【編集
江部先生のスーパー個人情報を開示いただき、有り難うございました。
2016/12/28(Wed) 17:42 | URL | ジェームズ中野 | 【編集
子供へ著書を渡す!
江部先生

いつもブログで、多くの有益な情報発信ありがとうございます。

私には子供二人、その孫が3人いますが、孫がおやつや糖質摂りすぎなので、減らすように注意しています。

保健師さんから、子供の糖尿病や癌が増えている、その理由、その責任は親にああると、

罹患した子供が、成長して分別ができると、子供が親に、なぜ糖質主体の食事を食べさせたんだ、甘い飲料水や菓子を、やめろと注意してくれなかったんだと、親を恨んで、責めているケースが増えていると....、

子供の食育で、おやつを減らし、市販の甘い飲料水の飲みすぎは親が責任を持ってほしいと


そうならないために、
「糖質制限が子供を救う」「マンガでわかる糖質オフ健康法」を子供2家族へ購入して渡しました、よく読んで、私の子供、その婿や嫁も、孫も糖質制限に進んで欲しい!

世の中がその流れに進むの期待しています。

医学常識はウソだらけ、図解版が発売となったようです。
玄米体に良い、卵はコレステロールの元、バターやラードは体に悪い、食塩摂りすぎると高血圧になる....などガラパゴス医療知識を改める書籍のようで、Amazonでも買えるが、人気で在庫切れのようで、私も読んでみようと思います。

その中に、糖尿病とその食事の間違いが指摘されていれば良いなぁ~、と思います。
2016/12/29(Thu) 06:50 | URL | 元気な中高年 | 【編集
Re: 子供へ著書を渡す!
元気な中高年 さん

本のご購入、ありがとうございます。
子供さんやお孫さんが『糖質制限』を理解してくれたらいいですね。
2016/12/29(Thu) 13:38 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 冷え性が治りました。
鈴木澄子 さん

拙著のご購入、ありがとうございます。

冷え性の改善、良かったですね。
2016/12/29(Thu) 13:39 | URL | ドクター江部 | 【編集
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