イヌイットと糖質制限食。生活習慣の変化がもたらしたもの。 
こんにちは。

イヌイットに関して、改定版の記事です。

今日の記事は、日本糖質制限医療推進協会発行の
「糖質制限通信 秋号 Vol.6 2016年10月」
に掲載されたものを基に書きました。

イヌイットと糖質制限食

スーパー糖質制限食に近い伝統的食生活を長期間続けてきた民族といえば、イヌイットが思い浮かびます。

グリーンランドで伝統的食生活を保っていたころのイヌイットの3大栄養素摂取比率は、「たんぱく質:47.1%、炭水化物:7.4%、脂質:45.5%」で、まさにスーパー糖質制限食でした。

これは1855年の成人イヌイットの食事をバングらが試算したデータです。

現代の高雄病院のスーパー糖質制限食が「たんぱく質:32%、炭水化物:12%、脂質:56%」ですから、当時のイヌイットでは、糖質摂取の少なさとたんぱく摂取比率の多さが、際立っています。

それが1976年の調査では、「たんぱく質:23%、炭水化物:38%、脂質:39%」に変化しました(*)。

約120年の間に、炭水化物の摂取比率が5倍に急上昇したことが分かります。

生活習慣の変化がもたらしたもの 

カナダ東部極北地域では、1910年代にハドソン湾会社などの交易会社が進出し、各地に毛皮交易所が設置されました。そして食生活に大きな変化をもたらしました。例えばこの地域では、交易によって手に入れた小麦を使った「バノク」と呼ばれる無発酵パンが、20年代ごろから広まったとみられます。

このように欧米人との交流が徐々に盛んになるにつれ、がんについては異なるパターンを示すようになりました。

まず、一つ目の大きな変化は、ヘルペスウイルスの仲間である「EBウイルス」が外部からイヌイット社会に持ち込まれたことによって起きました。免疫がなかったことと民族的特性により、EBウイルスによる鼻とのど、そして唾液腺のがんが急速に増えたのです。

二つ目の大きな変化は、交流が活発になり40〜50年が経過した50年代から顕著になりました。たばこや飲酒、食事など生活習慣と関係のあるがん(肺がん、大腸がん、乳がんなど)が増加してきたのです。アルコール、たばこ、麻薬はかつてイヌイット社会になかったものですが、外部から持ち込まれて急速に浸透していき、人々を苦しめ大きな影を落とすこととなりました。

また、定住化、都市化、欧米化の進行により、食生活も大きく変化していきました。冒頭に述べたように、1976年の調査では1855年時と比べて、炭水化物の摂取比率は約30%も上昇しています。

また、1993年のカナダ・マギル大学の先住民栄養環境研究センターの調査に至ると、イヌイットの若者は、ハンバーガーやピザなどを好み、摂取カロリーの大半が、これら糖質を大量に含むジャンクフードでした。

続く。

参考:
(*)Am.J.Clin.Nutr.33:2657-2661.1980.
The composition of the Eskimo food in northwestern Greenland1’2
H. 0. Bang, M.D., Ph.D., J. Dyerberg, M.D., Ph.D., and
H. M. Sinclair, Prof, D.M., D. Sc., FR. C.P.
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
こーゆう時は、
先生先日はありがとうございました。
先日先生の診療所で診察頂きしばらく経ちましたが、厳格な糖質制限を4月から始め、先日までずっと安定していた空腹時血糖値が、上っています。せっかく診療所でも褒めて頂いたのに。
朝70から80、昼前70から80くらいだった血糖値ですが、ここ1週間ほど朝95、昼前106
くらいになっています。
体重も少し増えました。152センチ45キロ。2キロほど増えています。
食べている内容は脂質を少し増やしているだけで、別段変わっておりません。
4月から数ヶ月空腹時が60台の事はあれど、3桁の事は一度も無かったのに、ここ1週間ずっと高めなので驚いています。
ちょうど喉風邪をひいたせいかと思っていましたが、抗生剤内服後、風邪は治っていますし、私は月のものは止まっていて、影響はありません。

空腹時血糖値が上がる理由は、糖尿病の悪化でしょうか。
数ヶ月測定していて一度もなかった空腹時3桁が続くので心配しています。
2016/11/10(Thu) 13:41 | URL | サワ | 【編集
イヌイットと日本人は、、、。
都内河北 鈴木です。

江部先生、イヌイットと日本人はDNAが同じモンゴロイドですよね。

何か共感できるものがありますね。

だから単純に糖質制限食生活違和感出る訳無いですよね。

何故なら私は信者に情報隠蔽され重症化一途、眼・脳に後遺症残しながらも
糖質制限理論で改善以上、生還できましたから。

先日内科通院で、糖質制限理論肯定論文発表している私の内科担当医I・J医師との会話で私は思わず言いました。
「1880年(136年前)脚気の原因に気付いた高木兼寛医師の歴史事実を知識として理解把握していれば、江部先生理論を理解するのは容易い!!」
と日本医療と日本糖尿病信者へのストレス高揚して発言してしまいました。

担当医I・J医師は、明らかなる生還結果だし、益々の頚動脈プラ~ク減少改善画像提示され、
私の発言に納得したかの様に無言でした。

私の担当医の立場を考慮の上、苦情でなく糖質制限理論推進の為の更なる努力要望での発言です。
敬具
2016/11/10(Thu) 13:47 | URL | 都内河北 鈴木 | 【編集
健康診断の結果について伺いたいことがあります
突然のメッセージ失礼致します。
海外に住んでいる、35歳の女性です。
身長159cm体重45kgです。
2016年10月10日に健康診断を受け、結果が届いたところです。
その中でとても心配な点がありました。

空腹時血糖値 基準値70ー90(mg/dL)が74
ヘモグロビンA1c 基準値0ー6.4%が5.6
空腹時インスリン 基準値1.5ー14.5(ulU/mL)が0.8

でした。
空腹時インスリンがとても低いのですが、
糖尿病なのでしょうか?
すぐに治療を始める状態なのでしょうか?
とても怖くて、心配でなりません。
海外のためすぐに病院で確かめたり、相談できるところがありません。
そこで、こちらで江部先生にご相談したく、メッセージ致しました。
ご多忙と思いますが、どうかお返事を頂きたく、お願い申し上げます。
2016/11/10(Thu) 18:02 | URL | harusuitusoyo | 【編集
がん細胞を兵糧攻め!「究極糖質制限」の威力 初の臨床研究で約7割の末期がんが改善した
江部先生

糖質制限(ケトン体)もますます勢いに拍車がかかりそうです。

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『がん細胞を兵糧攻め!「究極糖質制限」の威力
初の臨床研究で約7割の末期がんが改善した』
http://toyokeizai.net/articles/-/144042
2016/11/10(Thu) 18:09 | URL | 福助 | 【編集
Re: こーゆう時は、
サワさん

シックデイは、1週間近く続くことがあります。
また、秋から冬にかけて血糖値が上がるタイプがあります。

糖尿病が悪化する要因がサワさんには見当たらないので、このまま経過をみて良いと思います。
さらに血糖値が上昇するようなら受信してください。
2016/11/10(Thu) 18:31 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 健康診断の結果について伺いたいことがあります
harusuitusoyo さん

空腹時血糖値:74
ヘモグロビンA1c:5.6
空腹時インスリン :0.8

これなら、インスリン抵抗性の指標のHOMA-Rは、0.146で、とてもいいです。

少ないインスリンで、血糖値74が保てているので、インスリンの効きがとてもよいわけてで、好ましい状態です。
2016/11/10(Thu) 18:36 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: がん細胞を兵糧攻め!「究極糖質制限」の威力 初の臨床研究で約7割の末期がんが改善した
福助 さん

情報をありがとうございます。
2016/11/10(Thu) 18:36 | URL | ドクター江部 | 【編集
ありがとうございます
シックデイを引きずってしまっているのかもしれませんから、少し様子をみます。
血糖値が概ね30程上がっているので、a1cが動いてしまいそうで怖いですが笑
季節性なら手も足も出ませんね。
分かりました。しばらく様子をみて、上がる様なら様なら受診します!
回答ありがとうございます。
2016/11/10(Thu) 19:18 | URL | サワ | 【編集
江部先生、早速のお返事、ありがとうございます。
安心いたしました。
感謝いたします。
2016/11/10(Thu) 22:26 | URL | harusuitusoyo | 【編集
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