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糖質制限食とAGEs
こんばんは。

今日の記事は糖質制限食とAGEs についての考察です。

近年、 AGEs*の血管壁への蓄積が糖尿病合併症の元凶ではないかと言われています。
AGEsには体内で産生されるものと食事由来のものがあります。

糖質制限食では、肉や魚や卵など動物性たんぱく質を焼いて食べることがよくありますので食事由来のAGEsが有害か無害か気になるところです。

この間、同級生や知人の糖尿病専門医に複数尋ねて、AGEsに対する見解をご教示いただき、現時点での結論らしきものに辿り着きました。


A)体内産生される AGEsは有害

1. 体内で高血糖により産生されたAGEsが、細小血管合併症に関わることは、以前から指摘されていました。

細小血管合併症とは、糖尿病網膜症や糖尿病腎症です。

2. さらに近年「高血糖の記憶**」という概念で、米国の大規模臨床研究・DCCTのフォローアップ試験であるEDIC-DCCTの報告、
UKPDSの20年後の解析で、大血管合併症にもAGEsが関わっているという説が有力となっています。

大血管合併症とは、心筋梗塞や脳梗塞などです。

高血糖の記憶・借金を残さないためには、糖尿病発症の初期の段階から血糖コントロールを保つことが大切です。
当然、早ければ早いほどいいわけです。

糖尿人の皆さん、カロリー制限食(高糖質食)では必ず、食後高血糖が生じ将来に借金を残します。

是非、糖質制限食で速やかな血糖コントロールを目指して下さいね。


B) 食品由来のAGEsについては、有害か否か不明

食品に含有されるAGEsが人体に有害か否かは、現在論争中です。

米国の文献では、食品中のAGEsも人体に有害という論文もあります。

しかし、日本の糖尿病専門医の多くが、食品に含有されるAGEsは、人体に有害という立場はとっていません。

その間接的証拠といいますか、日本では血中や尿中AGE濃度の検査は、全くといっていいほど実施されていません。

また、歴史的にみると人類が火を使うようになり、食事からの「AGEs」摂取は劇的に増加しました。

しかし、火を使い始めて人類の寿命が縮んだという話は聞いたことがありません。人類が自ら火をおこして日常的に使い始めたのがいつからかは、明確にはわかっていませんが、10万年~20万年前とされているようです。


C) AGEs値の検査

様々な AGEsがあるので、一つの検査法でAGEsの総量を測定することは困難です。

一方、近年各種AGEsの化学構造が解明されたことや抗体作成技術の進歩によって、CML、ピラリン、ペントシジン、クロスリンなど、個別AGEの血液検査での測定法が確立されました。

2006年にはELISA法による血中ペントシジン測定が腎機能検査項目において保険収載(実施料130点)され、臨床検査として測定されるようになりました。

しかし、まだ一般的でなく、研究機関によって測定方法も異なっているなど課題が多い段階です。

現段階で臨床的にどのていどの意義があるのか評価は未定です。

現在、日本最大の検査会社であるSRLにおいても、AGEs値の検査はほとんど行われていません。

AGE測定器(腕に光をあてて測定)も、ありますが、血液検査と同様に、臨床的評価は未定です。



D)私の結論

1)体内の血糖により産生された「AGEs」は、動脈硬化や老化や糖尿病合併症などのリスクとなる。
  すなわち、糖質摂取による食後高血糖が大きなリスクとなる。

2)食事由来の「AGEs」は、動脈硬化や老化や糖尿病合併症などのリスクにはならない可能性が高い。

諸説ありますが、私は、現時点でこのように考えています。



*AGE

タンパク質と糖が結びついた物質で、Advanced Glycation End-productの頭文字をとってAGEと呼ばれます。
日本語では終末糖化産物と訳されています。

過剰な血糖は、糖化反応により血管壁のコラーゲンなど様々なタンパク質に付着します。

付着した糖は一部変性してアマドリ化合物(変性ブドウ糖)となります。

このアマドリ化合物からさらに糖化反応が進行するとAGE(終末糖化産物)ができます。

AGEは、糖尿病合併症を引き起こす、重大な原因の1つです。
AGEには多種の物質があります。
それらを総称してAGEsといわれます。

日常よく検査されるグリコヘモグロビンやグリコアルブミンは、糖化反応の前期生成物であるアマドリ転位生成物です。


**高血糖の記憶

糖尿病血管合併症のメカニズムを特徴的に説明する、高血糖の記憶(hyperglycemic memory)と呼ばれる概念があります。

「高血糖の記憶」とは、過去の高血糖レベルとその曝露期間が生体に記憶され、その後の血管合併症の進展を左右するという考え方です。

ヒトの糖尿病において、この「高血糖の記憶」の存在を示すエビデンス(証拠)として、米国の1型糖尿病患者の大規模臨床研究・DCCTのフォローアップ試験であるEDIC-DCCTの報告があります。

DCCTでは、1型糖尿病患者を従来の通常療法群と、より厳格に血糖管理を行う強化療法群に分け、平均6.5年間追跡しました。

その結果、通常療法群に比べ強化療法群で平均HbA1c値が1.9%低下し、強化療法群で血管合併症の進展リスクが大幅に減少しました。(☆)

同研究終了後に行われたEDIC-DCCTでは、通常療法群にも強化療法を実施し、両群をさらに平均11年間追跡しました。

つまり「継続的な強化療法群」と「通常療法→強化療法群」の2つのグループの比較が、DCCT終了後11年間行われたことになります。

その結果、開始から3~4年で両群の平均HbA1c値がほぼ同等となったにも関わらず、11年間の心筋梗塞、脳卒中、心血管死のリスクは「継続的な強化療法群」の方がやはり低かった(相対リスク57%低下)ことが報告されたのです。(☆☆)

すなわち、糖尿人において一定期間血糖コントロールが不良であれば、高血糖の記憶が「借金」のように生体内に残り、その後良好なコントロールが得られても、血管合併症リスクの差は縮まらないことが示されたわけです。

この借金の正体が、組織沈着AGEsではないかと言われています。

まだ仮説ではありますが、組織に沈着したAGEsが血管を傷害し続け、動脈硬化の元凶となり「高血糖の記憶」を最もよく説明するとされています。

(☆)N Engl J Med 1993; 329: 977-986

(☆☆)N Engl J Med 2005; 353: 2643-2653



テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
私らこが、糖質制限食開始後
焼肉や焼魚は以前より、多く食べるようになりました。糖質止めた分、タンパク質と油脂摂取する必要があるからです。

◎扁桃腺肥大
◎末端神経痛
◎両眼性複視
◎顔の吹き出物
◎アレルギー性鼻炎

などなどの糖尿病合併症がウソのように全部無くなりました。

AGEsは残っているハズですが、増えてはいない様子です。焼肉や焼魚は毎日食ってますがw
2016/11/07(Mon) 18:51 | URL | らこ | 【編集
Re: 私らこが、糖質制限食開始後
らこ さん

それはそれは、良かったです。

焼肉や焼魚からのAGEs摂取は、体内では悪さをしてないのだと思いますよ。
2016/11/07(Mon) 19:12 | URL | ドクター江部 | 【編集
糖質制限パニック
日経ビジネス2016年11月7日号
特集「糖質制限パニック」

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/NBD/15/special/110100472/?ST=pc


伊藤忠・岡藤社長「糖質制限、ファンになった」

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/110400080/110400003/?rt=nocnt
2016/11/07(Mon) 23:07 | URL | 精神科医師A | 【編集
日経ビジネス11月7日号の糖質制限特集より
糖質制限パニック
伊藤忠・岡藤社長「糖質制限、ファンになった」
わずか1カ月で血液検査の結果が劇的に改善!
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/110400080/110400003/?P=1
2016/11/07(Mon) 23:43 | URL | ぐうたら糖質制限 | 【編集
上記が読めない方はこちらをご覧ください。
「伊藤忠・岡藤社長「糖質制限、ファンになった」1カ月で血液検査劇的に改善 糖質制限のマーケットは、これからもっと大きくなる」
http://www.asyura2.com/16/hasan115/msg/407.html




「糖質制限パニック」
 ご飯やパンなど糖質の摂取を抑え、肥満や糖尿病など生活習慣病のもとを断つ──。
 そんな「糖質制限」が日本中を席巻している。
 世間にあまたあるダイエット法の一つと思うのは間違いだ。
 実践者は若年層から企業のエグゼクティブ層まで及び、関連市場は3000億円を突破。
 飲食・食品業界の垣根を越えて、様々な産業のビジネスモデルまで揺るがし始めた。
 降って湧いた食の一大トレンド変化にいかに対峙するか。
 それは、「本物の変化対応力」を持つ企業を見極めるためのリトマス試験紙にもなる。
2016/11/08(Tue) 11:52 | URL | 福助 | 【編集
またまた勉強になりました
糖質制限の正確な情報を得るのには、先生のところが一番ですね。
毎日楽しみに読学させてもらってます。
また、セイゲニストの皆さんのコメントも大変勉強になります。
生きた言葉ですからね。
今年もあと60日を切りました。
これからもよろしくお願いします。
2016/11/08(Tue) 13:15 | URL | クワトロ | 【編集
Re: 糖質制限パニック
精神科医師A さん

情報をありがとうございます。

日経ビジネスの取材は受けたのですが、まだ記事は見ていません。
2016/11/08(Tue) 14:35 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: タイトルなし
福助 さん

おかげさまで
やっと、「伊藤忠・岡藤社長「糖質制限、ファンになった」
の記事は見ることができました。

ありがとうございます。
2016/11/08(Tue) 14:37 | URL | ドクター江部 | 【編集
LDLコレステロール高値の原因は?
こんばんは。

糖質制限で痩せすぎたことについてご相談させていただいた雨音です。
お世話になっております。

あれから食べる量を少し増やしていますが、体重はあまり頻繁に測るとかえってストレスになりそうなのでまだ測っていません。
少しずつでも増えていってくれればと思っています。

ところで、先日甲状腺機能の検査を受けた際、血糖・HbA1c・総コレステロール・HDLコレステロール・尿素窒素・AST・ALT・γ-GTP・ALP等も検査したのですが、総コレステロールが296と相当高かったのです。
HDLコレステロールが高いのならいいのですが、HDLコレステロールは69ですので、LDLコレステロールが227と基準値を大幅に上回っています。
それ以外に基準値を外れていたのは、ALP75と、尿素窒素22.3で、血糖は79、HbA1cは5.1、ASTは24、ALTは25、γ-GTPは11と基準値内でした。

先生の過去のブログ記事に、「もともと菜食中心(コレステロールが少ない食材)だった人が、スーパー糖質制限食で肉、魚、卵、チーズなどコレステロールの多い食材を食べるとしばらくはLDLコレステロールが上昇する」とあったのですが、私の場合、スーパー糖質制限ほど厳しくはしていませんし、糖質制限を始めてから確かに肉・魚・卵・チーズを食べる量は増えましたが、糖質制限を始める前の食事も、主食が菓子パンで副食がお菓子、たまに肉・卵・野菜といった感じで、もともとかなりコレステロールは多かったと思います。

このような場合でも、LDLコレステロールが高値になるのでしょうか?
それとも、他に何か原因が考えられますか?

また、8/30(糖質制限を始めてから2か月半)に受けた検査では、LDLコレステロールは151.8で、その時も高いと思ったのですが、そこからさらに急激に高くなっているのも気になります。

結果を説明してくれた医師(機能性低血糖症を診断したのとは別の医師)に、「糖質制限の影響かもしれないから、やめた方がいい」と言われ困っています。

お忙しいところ申し訳ありませんが、先生のご見解をお聞かせいただければ幸いです。
2016/11/08(Tue) 21:37 | URL | 雨音 | 【編集
Re: LDLコレステロール高値の原因は?
雨音 さん

「主食が菓子パンで副食がお菓子、たまに肉・卵・野菜」

これは、炭水化物ばかりで、コレステロールはかなり少ないパターンです。
菓子パンやお菓子は、ほぼ糖質で、コレステロールは少ないです。

HDLコレステロールは69と充分あり、おそらく中性脂肪は正常で低めと思います。
そうなら、小粒子LDLコレステロールや酸化LDLコレステロールという悪玉は少ないので、心配ないと思います。
雨音 さんのLDLコレステロールは、肝臓からコレステロールを末梢組織まで運んでいる正常な善玉のLDLコレステロールの可能性が高いです。
2016/11/09(Wed) 07:51 | URL | ドクター江部 | 【編集
安心しました
早速のご回答ありがとうございます。

菓子パンやお菓子などはコレステロールが高いイメージだったのですが、そうではなかったのですね。
考えてみると、スーパーで売っているような安い菓子パンやお菓子は、バターや生クリーム等の動物性脂肪よりも、安価なショートニングやマーガリンが使われてますから、コレステロールは少ないのでしょうね。

HDLコレステロールは69で十分なのですね。
中性脂肪は今回は検査していないのですが、2か月前は51とかなり低かったので、多分大丈夫だと思います。
正常な善玉のLDLコレステロールである可能性が高いとのことで、安心しました。

昨日血糖値測定器を入手しましたので、これで血糖値が高くなりすぎないようチェックしながら、少し糖質の摂取を増やして(スタンダードとプチの間ぐらい?)、体重を戻したいと思います。
2016/11/09(Wed) 21:19 | URL | 雨音 | 【編集
中性脂肪が急上昇
いつもお世話になっております。

先日、「LDLコレステロールが高くてもHDLコレステロールが十分あり中性脂肪も正常ならば酸化LDLコレステロールは少ない可能性が高い」とのお答えをいただき安心していたのですが、11/11に受けた血液検査の結果で中性脂肪が171に急上昇しており、ショックでした。
中性脂肪が高ければ、酸化LDLコレステロールも多くなりますよね?

それにしても、8/30には51だった中性脂肪がどうしてこんなに高くなったのか、さっぱりわかりません。
しいて原因になりそうなことを挙げるとすると、最近血糖値測定器を入手したので、糖質を1人前摂取した時の血糖値の上がり具合を調べてみようと思い、血液検査の前々日(11/9)にご飯180gを卵ご飯にして食べてみたことぐらいです。
(ちなみに、食前の血糖値は93、食後1時間158、食後2時間120でした)
これぐらいのことでも、中性脂肪は高くなってしまうものなのでしょうか?

お忙しいところ度々の質問申し訳ありませんが、ご意見をお伺いできれば嬉しいです。
2016/11/16(Wed) 13:32 | URL | 雨音 | 【編集
Re: 中性脂肪が急上昇
雨音 さん

食後の検査だと、糖質制限中でも中止脂肪は上昇します。

糖質制限食を実践していて、翌日早朝空腹時の検査なら、中性脂肪は正常範囲内の低めになります。
2016/11/17(Thu) 07:05 | URL | ドクター江部 | 【編集
そうなんですね!
早速のご回答ありがとうございます。

血液検査をするのはいつもだいたい朝の空腹時なのですが、先日の検査は午前中病院の予約が取れず、午後3時過ぎに採血したので、昼食の影響があったということなのですね。

納得です。

ありがとうございました。
2016/11/17(Thu) 07:17 | URL | 雨音 | 【編集
糖質制限のパン
江部 先生、
私と主人がスーパー糖質制限食を始めて、三か月余りになります。 主人は、糖尿病、私は、予備軍です。
今のところは、劇的な改善はみられてはいませんが、体の調子がなんとなくいいので、続けていこうと思っていた矢先に、グルテンが体に悪いという記事を読み、不安になりましたので、投稿しています。
私は、糖質制限ドットコムで、パン用粉を買って作ってきましたが、主な原材料が、グルテンだからです。
グルテンは、本当に大丈夫なのでしょうか?
脳梗塞、認知症、癌になり易い、とありました。このまま、ずっと糖質制限のパンを食べていくことに不安を感じています。
よろしくお願い致します。
2016/11/17(Thu) 14:33 | URL | 国行 千子 | 【編集
ケトン体とAGE
永井竜児氏(生化学者?)のグループが、ケトン体がAGEを生むなる研究論文を書いています。(リンク先URL また他に
https://katosei.jsbba.or.jp/view_html.php?aid=376 
http://jglobal.jst.go.jp/public/20090422/200902160310671524

「炭水化物は生命維持に不可欠な栄養素である」なる書き出しから読む気を失わせるものですが、永井氏はケトン体からAGEsが生成する可能性の検討を行った研究で,ケトン体分解物であるアセトールからCELが生成することが確認されたと主張しています。
江部先生は永井氏の論文をどのようにお考えでしょうか?


2016/11/26(Sat) 00:43 | URL | HSE | 【編集
ケトン体とAGE(2)
永井氏の論文は、反糖質制限論者のブログでちょくちょく引用されているのを目にします。
ただ、永井氏が反糖質制限論者かというと
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19592500
http://jams.med.or.jp/symposium/full/128034.pdf
では、アディポネクチンが、高血糖の環境下は減ると主張していて、話が単純ではありません。
アディポネクチン研究者で、反糖質制限論者である門脇孝氏にとっては、大打撃の内容となっているのです。
素人である私にはよく分かりかねますが、仮にケトン体がAGEを生む可能性があるならば、クエン酸水をがんがん飲むことにします(笑)これは害ないですよね?

2016/11/26(Sat) 01:04 | URL | HSE | 【編集
Re: ケトン体とAGE
HSE さん

永井 竜児氏は
東海大学農学部バイオサイエンス学科所属で
基礎系の研究者のようです。

そのサイトには参考になる記述もあります。

「動物実験でケトン体分解物であるアセトールからCELが生成することが確認された」
これは枝葉末節なお話しですね。

ケトン体は、糖質を食べている人においても、総ケトン体の基準値は26~122μM/Lであり、
人体に常に普通に存在している物質です。

さらに、宗田先生のご研究で、胎盤のケトン体値(βヒドロキシ酪酸値)は、85以下が基準値に対して
60検体の平均で2200くらいあり、それが普通ということです。
これによりケトン体の安全性は担保されたと言えます。
2016/11/26(Sat) 08:06 | URL | ドクター江部 | 【編集
食物内のAGE
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16037268

日本女子大学の研究グループによると、ラットの実験という限定付きですが、「食物に含まれるAGEは生体系には無害」であるとのことです。
2017/01/14(Sat) 13:33 | URL | HSE | 【編集
Re: 食物内のAGE
HSE さん

興味深い情報をありがとうございます。
2017/01/14(Sat) 17:33 | URL | ドクター江部 | 【編集
AGE
いろいろ調べましたが

★ ケトン体がAGEの前駆物質であるメチルグリオキサールを増やすという論文があるが、誤りであるる。メチルグリオキサールは解糖系から産生される。

★ メチルグリオキサールは悪性細胞に対抗する作用もあり、必ずしも有害とは言えない。

★ グルコースは主としてエネルギー源として使われ、糖化をあまり促進しない。

★ ケトン体からカルボキシエチルリジンが産生される。

糖質制限で、解糖系経由のAGEの産生は抑えられますが、代わりにカルボキシエチルリジンが、通常食の人より多く産生されます。

糖尿病の人は高血糖の害を避けるために糖質制限すればよいと思いますが、そうでない人が「健康法」として糖質制限して果たしてよいものか、少々疑問に思います。
2017/02/18(Sat) 23:18 | URL | HSE | 【編集
Re: AGE
HSE さん

カルボキシメチルリジン(CML)やカルボキシエチルリジン(CEL)というアミノ酸誘導体は、タンパク質とブドウ糖との反応で生じたAGE構造体の1つの産物と考えられています。

やはり高血糖が一番、AGEsを生産すると考えられます。

ケトン体からカルボキシエチルリジン(CEL)が産生されるというのは、良くわかりません。

基本「ブドウ糖+たんぱく質=AGEs」と思われます。
2017/02/19(Sun) 17:42 | URL | ドクター江部 | 【編集
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