空腹時血糖値高値、たんぱく尿、微量アルブミン尿について
【16/10/19 DM
ご相談

初めまして、江部先生、質問させて下さい。

5年前に人間ドッグでHbA1c6.3%と指摘され、叔父が糖尿病もあり、予備軍なので 食生活に注意してくださいと指導を受けました。その際には非常に軽く考えており、 麺類などの糖質が大好きなままの生活を続けており、日々の仕事の忙しさを理由に 人間ドッグなどの健康診断をまったく受けないままとなっておりました。

数年ぶりに人間ドッグで空腹時血糖 192、HbA1c 9.3%、尿糖3+、蛋白1+という結果をつきつけられました。

20代半ばから尿蛋白1+~2+、+-をいったりきたりしており、 何らかの腎炎はあるが、血圧も浮腫もないので腎生検することもないので経過観察と されていたのもあり、人間ドッグでは評価困難とのことでした。腹部エコーなどでも腎臓は異常なしとの結果。

後悔先に立たず・・・と江部先生の糖質制限に出会い、1日60gのスーパー糖質制限を妻の協力のもと始めました。

最初は簡易血糖検査を使い、90~100まで空腹時血糖にまで下がり、非常に喜んでいたのですが、中途で同じことをしているのに140とかになるようになってしまい、いくつものメーカーの簡易血糖検査でみると全く異なることに愕然とし、測定することをやめました。

そのままスーパー糖質制限をして、2か月が過ぎた頃に採血と尿検査を実施しました。

その結果、

空腹時血糖 148、
60分 188
120分 153
HbA1c 7.0%
空腹時インスリン 6.9
60分 24.5
120分 26.8
尿検査:蛋白 33.6
    糖 10
    アルブミン 188.7
    クレアチニン換算値 135.3
尿一般定性:蛋白1+
      糖 -
      ケトン体 -

空腹時血糖が148なのであまりあてにならないのでしょうけど、一応、 HOMA-R=2.521、HOMA-β=29.22 となっています。

そこで質問なのですが、空腹時血糖が今のこの状態で148と高いのはなぜでしょうか?

他の数値などから考えると130未満でもいいような気もするのですがいかがでしょうか?

それともともと何らかの腎炎があり、20年ほど、尿蛋白が1+、+-、時に2+の時ある状態で今回の尿検査の結果をどう解釈したらよいのでしょうか?

血圧は121~131/70~90、e-GFR 97.6。(人間ドッグ時で90)

この微量アルブミン尿 188.7は・・・

上記2点について、御助言頂けると幸いです。

精査すべき検査項目などありますでしょうか?精神的に妻とともにショックを受けており、 どのように解釈をしてよいか、悩んでおります。

私も妻も医療従事者ですが、近隣に糖尿病専門医、また、糖質制限に理解のある医師が 不在というのもあり、一度、受診し、処方を受けたりすると断るわけにもいかず・・・

眼科の先生に網膜症の有無のチェックだけで受診しただけで、病院には糖尿病に関してはかかっておりません。(網膜症:なし)

どこにかかるべきは、もう少し自分で勉強しつつ頑張るべきか。。。悩んでおります。

今回も負荷試験は糖質制限中はあまり意味がなく、膵臓に負担をかけるだけになるので、 30分の採血は失念して、実施せずでした。。。

御多忙かとは存じますが、御助言頂けると幸いです。一度、先生の外来に受診させて頂きたいと思っております。

下記の結果が検査待ちです。
グリコアルブミン
静脈中ケトン体分画
抗GAD抗体】


おはようございます。

医療従事者のDMさんから、空腹時血糖値高値、たんぱく尿、微量アルブミン尿についてコメント・質問を頂きました。

DMさんは、『5年前に、人間ドックでHbA1cが6.3%で、予備軍。』

この時点で、平均血糖値は134.1mg/dlです。

『2016年、人間ドッグで空腹時血糖 192mg、HbA1c 9.3%、尿糖3+、蛋白1+』
立派な糖尿病で、平均血糖値は220.2mg/dlです。

その後スーパー糖質制限食実践して2ヶ月後には、
『空腹時血糖値が148mg/dl、HbA1c 7.0% 、空腹時インスリン 6.9 』
平均血糖値は154.2mg/dlです。

人間ドック後、2ヶ月のスーパー糖質制限食で、HbA1cは9.3% → 7.0%と著明な改善です。


1)
早朝空腹時血糖値が148mg/dlと高値なのは暁現象と思われます。

このまま、スーパー糖質制限食で、経過をみてよいと思います。

3ヶ月経過して、改善がないなら、メトグルコやDPP-4阻害剤の投与で、早朝空腹時血糖値を下げることを考慮です。

2)
『何らかの腎炎があり、20年ほど、尿蛋白が1+、+-、時に2+』

今回の尿蛋白が33.6mg/dlなのは、元々の腎炎の影響があると考えられます。
蛋白尿がある場合、尿中微量アルブミンは、通常は検査しません。

何故なら、蛋白尿がある場合は、クレアチニン補正値で、尿中微量アルブミンは300mgを超えることがほとんどだからです。
DMさんの場合、クレアチニン換算値 135.3 なので、30mgを超えていて尿中微量アルブミン陽性です。

ともあれ、蛋白尿が陽性の場合は、尿中微量アルブミンを検査してもあまり意味がありません。

3)
75g経口ブドウ糖負荷試験は、仰るとおり、糖尿病の診断が確定している場合は、実施しません。

糖尿病と判っている人に、わざわざ高血糖を招く検査は、倫理的にも良くないです。

4)
空腹時インスリンは6.9 と正常値ですが、空腹時血糖値が148mg/dlと高値なので明らかにインスリン抵抗性があります。

スーパー糖質制限食を続けることで、改善が期待できますが、必要なら、上述のようにメトグルコやDPP-4阻害剤の投与を考慮です。



江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
アルブミン
いつもお世話になっております。
私は、銀座のクリニックにかかっております。
確かアルブミンが50超えたとき、オルメテックという薬を処方され、正常値になりました。
元々腎盂腎炎を3回患い、腎臓がそんなに強くないのかもしれません。
高血圧が良くないとのことで、血圧には、注意しておりま。
とりとめもない話になり、お許し下さい。
2016/10/20(Thu) 15:41 | URL | 菜の花 | 【編集
ケトン体3分画測定
当院でもケトン体を測定しようと考えているのですが、保険病名をどうすれば良いのでしょうか?
教えて頂けませんか?
2016/10/20(Thu) 16:19 | URL | 藤川徳美 | 【編集
Re: ケトン体3分画測定
藤川徳美 先生

糖尿病の人で、3~6ヶ月に1回くらいなら、保険でOKと思います。

ただ、糖尿病の人全員に、ケトン体検査をしたら、まず削られます。

あるていど選択して検査ということと思います。
2016/10/20(Thu) 18:42 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re.Re.ケトン体三分画測定
江部先生、有り難うございます。
2016/10/20(Thu) 20:07 | URL | 藤川徳美 | 【編集
半年後の結果です
こんばんは。糖尿発覚&糖質制限を始めて半年経過しました。最新検査結果が出ましたので、ご報告します。凄い改善ぶりです。気になっていた「HbA1cが2か月間6.0から下がらなかった」のも、半年丁度でやっと5.7になりました。

☆発覚時のHbA1c 10.5(3/22検査・結果が分かったのは4/2)
結果を聞いてすぐに糖質制限を開始し、同時にジャヌビア100服用。4/13よりクレストール服用。8月頭からジャヌビアは50に減薬。

☆3/22・4/8のHbA1cはBMLでの数値、それ以降は転院した病院内の機器測定なので、誤差があるようです。

<4/8、4/12、最新10/17の数値>

HbA1c 9.7→10.2→5.7
総コレステロール 記載無→331→196
中性脂肪 292→141→89
HDL 46→51→52
LDL 266→247→120
L/H比 5.8→4.8→2.3

<4/13、最新10/17のインスリン関係数値>
空腹時IRI 6.0→3.2
HOMA-R 1.91→0.79
HOMA-β 32.7→31.1

なお、4/12のコレステロール関係の数値は食後1.5h、それ以外は空腹時です。

気になるのはHOMA-βの数値が微妙に下がっている点です。当日の空腹時血糖は100になっています。その1時間前に自宅で計測した際は84でしたが、車の運転をして病院に行ったため、確実に上昇しています(自分の測定器でも確認済みです)。こういうのはどれ程影響するものなのか…。主治医は「別に問題ないですよ」と仰っていましたが。

クレストールは今後も継続、ジャヌビアは終了しました。

今後はL/H比が下がる事を目標に…と言っても、今まで通りやっていけば問題は無さそうなので、このままのんびり糖質制限生活を楽しみたいと思います。
そしてついに夫も糖質制限を始めました。もっと脂肪を落としたいそうです。おかずで共通で食べるものについては既に糖質制限仕様にしており、主食部分をお豆腐と糖質制限パンにするだけです。ただ、パンを焼く頻度が上がるのでちょっとそこだけ面倒かも…(笑)

江部先生には本当に感謝しております。
2016/10/21(Fri) 02:44 | URL | 黒兎 | 【編集
江部先生
早速のコメント有難うございます。
妻と一緒に2か月間必死に頑張ってきただけにこの結果をどのように解釈してよいか悩み、そして、ショックをう受けていました。
糖尿病ガイドラインや多くの書籍などを読みながら、薬剤には必ず副作用は存在するわけで、しかし、必要なときは必要なわけで・・・

糖尿病の一時期の皮膚外傷の消毒しない、乾燥させないといったことが180度変わったように過渡期なのかも・・・という想いもあり、自分なりに科学者としても納得したく、そして、患者としても納得したく。
薬をいっぱい飲んで、カロリー交換の食事制限を10年以上頑張っても透析になられる患者さんもおられますし、DPP-4阻害薬で糸球体線維化する可能性もあるという報告もあり、まだまだ5年ちょっとの薬だけに評価も難しく、米国のように内服するのであれば、エビデンスがそろうまでメトグルコ1stにすべかなどと・・・

先生のコメントのおかげで、もう少しスーパー糖質制限のみで頑張ってみようと思いました。

本当に有難うございます。今後も宜しくご指導願います。

有難うございます。
2016/10/21(Fri) 04:47 | URL | DM | 【編集
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