過度のアルコール・糖質摂取で筋肉痛、横紋筋融解症を発症。
【16/10/17 糖質制限2年11ヶ月

筋肉が糖質を受け付けなくなっている?

はじめまして。2013年11月から糖質制限を始め、2年11ヶ月になる50歳女性です。

最初の半年で25キロ減り現在もほぼキープ、年1回の健康診断でも異常なしを保っております。(こちらのブログでいろいろ勉強させていただき感謝しております)

ですが実は2か月に1度くらいのペースで2~3日糖質制限を解除し、菓子・麺類やビール・ワインをドカ摂取しガス抜きをしておりました。(その後一週間ほどスーパー糖質制限で元の体重に戻す)

そんな糖質制限生活を丸2年以上続けた今年の2月、いつもの解除で糖質・アルコールをドカ食いした後ふくらはぎの激しい筋肉痛に襲われ、歩行もままならなくなりました。(こむら返りではなくずっと激痛が続く)

医院で検査したところ筋肉が壊れた時に出る酵素(?)の数値が何万倍とのことで大きい病院を紹介されました。そこでも異常値だったのですが、数値的には改善しており、原因とみられる病変が特段見つからなかったこともあり経過観察ということで終了。(私には橋本病があるので自己免疫性の何かが原因かもしれないとは言われました。)結局痛みは一週間ほどで自然に治りました。自分では年齢的にもアルコールに弱くなってきたのが原因かなと考えておりました。

その後も2か月に一度のドカ糖質のたびにふくらはぎの筋肉痛に襲われます。2月に懲りたのでアルコール量は控えめにしているのですが、まだ症状が出るのは糖質の方が原因かとここにきて考え始めました。

そして先生のブログの
>「ブドウ糖-グリコーゲンシステム」主体から「脂肪酸-ケトン体システム」

の記事を拝読。もしや「長年の糖質制限で筋肉の糖質受け入れ可能値が衰えたか、またあるいは『ブドウ糖-グリコシステム』が働かなくなっている、そのためたまに糖質を摂取するとすぐ筋肉内が糖質飽和状態となり、電解質のバランスが崩れ筋組織崩壊→ふくらはぎ激痛」という事になっているのではないかと素人なりに考えてみました。このような可能性はあるでしょうか?

ちなみに私は定期的に運動をしており、筋肉量もジムで時々測定しますがいつも女性としては多いという判定です。(161センチ52キロ)

お忙しいのにこんな漠然とした質問をしてすみません。こういう症例もあるよ、という一報告としてでもお耳に入れさせていただければと思い書かせていただきました。

先生のお考えをお聞かせいただければ幸甚に存じます。】


おはようございます。

糖質制限2年11ヶ月 さんから、アルコール摂取と糖質摂取で筋肉痛が生じるというコメントを頂きました。

25kgの減量成功で、健康診断も異常なしで良かったです。

しかし、2016年2月、

『いつもの解除で糖質・アルコールをドカ食いした後ふくらはぎの激しい筋肉痛に襲われ、歩行もままならなくなりました。(こむら返りではなくずっと激痛が続く) 』

横紋筋融解症と思われる症状を発症です。

この時は、CK(CPK)という筋肉細胞が壊れたとき上昇する酵素が異常に高値となったようですが、過度のアルコール摂取が誘因となり、『横紋筋融解症』を発症したと考えられます。

横紋筋融解症は、スタチン系薬剤(コレステロール低下剤)などの副作用として、有名ですが、過度のアルコール摂取でも生じるようです。

横紋筋融解症は、骨格筋細胞に融解や壊死が起こり、筋肉の成分が血液中に流出してしまう病気で、筋肉痛と筋力低下が必発です。

熱中症、長時間の運動、過度のトレーニングなどでも横紋筋融解症を起こすことがあります。


糖質制限2年11ヶ月 さんの、2月の症状は<過度のアルコール+過度の糖質>のダブルパンチで、かなり重症に陥ったものと考えられます。

糖質過剰摂取で血糖値が上昇するとインスリンの過剰分泌を生じ、筋肉細胞中に血糖を取り込みエネルギー源としたあと、 グリコーゲンとして蓄積します。

このグリコーゲン生成の過程で細胞内にカリウムが移動して、血中のカリウム濃度が低下することがあります。
低カリウム血症があると筋肉痛を生じることがあります。

インスリンは血中のブドウ糖を細胞内に取り込んで血糖値を下げます。

この際ブドウ糖が細胞内に取り込まれる過程で、血清中のカリウムが同時に細胞内に取り込まれます。

この性質を利用して高濃度ブドウ糖液とインスリンを同時投与することで、血清中カリウム濃度を下げようとする治療法を、 グルコース・インスリン療法といいます。

高カリウム血症で、危険なときは、グルコース・インスリン療法により血清カリウム値を低下させるのです。

ともあれ、「ブドウ糖-グリコーゲンシステム」が働かなくなるようなことはありません。

低カリウム血症は、徐々にくれば、症状もゆっくりです。

しかし、糖質のどか食いで、大量のインスリンが分泌されて、細胞内にカリウムが移動して、急激に低カリウム血症になれば、筋肉痛が生じてもおかしくありません。

過度のアルコール摂取も、過度の糖質摂取も、ご用心、ご用心。


江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
週刊朝日がスポ飯大絶賛
今度は週刊朝日が6ページにもわたってスポ飯を大絶賛しています。
2016/10/19(Wed) 06:52 | URL | leaf24 | 【編集
Re: 週刊朝日がスポ飯大絶賛
leaf24 さん

情報をありがとうございます。
週刊朝日は、江部診療所で購読しているので
本日、読んでみます。
2016/10/19(Wed) 07:49 | URL | ドクター江部 | 【編集
週刊現代も注目
週刊現代2016-10-29号(2016-10-14発売)

P66「唐揚げダイエット」をご存知か-油を摂らないと、人間は痩せない(渡辺信幸)

http://zasshi.jp/pc/action.php?qmode=5&qword=%E9%80%B1%E5%88%8A%E7%8F%BE%E4%BB%A3&qosdate=2016-10-14&qpage=2
2016/10/19(Wed) 22:00 | URL | 精神科医師A | 【編集
Re: 週刊現代も注目
精神科医師A さん

情報をありがとうございます。
2016/10/20(Thu) 18:16 | URL | ドクター江部 | 【編集
背中の痛み
先生の本を読ませて頂いて、糖質制限を始めて、4年になりました。体重は、お陰様で、60キログラムから、50キログラムに落ち、維持しています。私の掛かり付けのお医者さんは、糖質制限の知識はあまりなく、無理の無いように。と言われるだけです。先日、健康診断で、コレステロールが高くLDL 185,HDL 105,中性脂肪58,で、悪玉が高過ぎると言うことで、リピトール10㎎を処方されました。一応飲んでいるのですが、5日位前に背中の痛みで、目が覚めるほど、激痛が走りました。布団を代えて、落ち着きましたが、何か薬と関係が有るのでしょうか?お忙しいのに申し訳ありません。アドバイスをいただけましたら有り難いです。
2016/11/12(Sat) 11:02 | URL | 浩ちゃんママ | 【編集
Re: 背中の痛み
浩ちゃんママ さん

すぐに、リピトールを中止しましょう。

まれとは思いますが「横紋筋融解症」の可能性があります。

『LDL 185,HDL 105,中性脂肪58,』・・・このデータなら、そもそもリピトールは必要ないと思います。
2016/11/12(Sat) 17:41 | URL | ドクター江部 | 【編集
背中の痛み
先生早速のアドバイス有難うございました。薬は飲むのを止めました。これからも先生の本を色々読みながら、頑張ります。
2016/11/13(Sun) 09:10 | URL | 浩ちゃんママ | 【編集
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