久山町研究、アルツハイマー型認知症激増。
おはようございます。

精神科医師Aさんから、久山町(ひさやままち)研究の情報をコメント頂きました。
ありがとうございます。
週刊ポストの記事です。


A)
久山町研究において、1988年から2002年まで、14年間も運動療法と食事療法(従来の糖尿病食)をしっかり指導したにも関わらず、糖尿病発症予防に失敗して、かえって激増させてしまったことは、過去本ブログ記事で再三、述べてきました。

端的に言って、従来の糖尿病食(高糖質食)が、糖尿発症を激増させたという信頼度の高い結論がでたということです。

男性
        1988         2002
糖尿病    15.0        23.6%
IGT      19.2        21.6%
IFG      8.0         14.7%
合計      42.2        59.9%


女性 
        1988         2002
糖尿病     9.9         13.4%
IGT       18.8         21.3%
IFG       4.9          6.6%
合計      33.6         41.3%



B)
「久山町では1985年から2012年まで5回にわたり65歳以上の全住民を対象にした認知症に関する調査を実施。
過去5回で高齢者認知症の有病率が6.7%から17.9%まで急増。
認知症患者の6割を占めるアルツハイマー型に限れば、約9倍に増えていた。」


今回は、認知症が増加して、アルツハイマー病は、実に27年間で9倍に増加です。

1985年から2012年までの調査結果ですが、A)の1988~2002年の、従来の糖尿病食での食事療法介入期間もしっかり含まれています。

糖尿病患者のアルツハイマー型発症リスクはそうでない人の2.1倍ですから、従来の糖尿病食で、久山町の糖尿病を激増させたことが、久山町のアルツハイマー病激増に、おおいに関わっていると考えられます。

「従来の糖尿病食は、糖質摂取比率60%で、しっかりご飯を摂取する」というものです。


C)
「米の摂取量を減らして、大豆、緑黄色野菜、淡色野菜、海藻類、牛乳・乳製品を多く摂るというパターンで認知症のリスクが下がる」

その通りだと思います。

このパターンに、魚と肉と卵を加えたら、何とそのまま『糖質制限食』ではありませんか。

しかし、清原裕氏、米の摂取を減らして『野菜の多い和食+牛乳・乳製品』が望ましい食事・・・

米を減らして乳製品?・・・これのどこが和食なのでしょうね。

かなり苦しいコメントです。

スーパー糖質制限食なら、そもそも糖尿病発症予防ができますし、すでに糖尿病を発症した人も、コントロール良好が維持できます。

糖尿病患者において『食後高血糖』と『平均血糖変動幅増大』という酸化ストレスリスクを予防できるのは、糖質制限食だけです。

糖尿病患者における酸化ストレスが、糖尿病合併症だけでなく、アルツハイマー病、がん、動脈硬化、老化・・・様々な生活習慣病の元凶です。

血糖コントロール良好なら、酸化ストレスリスクは生じず、合併症は発生せず、アルツハイマー病などのリスクもありません。

私は、現在66歳、糖尿病歴が足かけ15年の前期高齢者です。

スーパー糖質制限食で、血糖コントロール良好で、認知症とも合併症とも無縁です。

歯は全部残っていますし、前立腺肥大もありません。

ブログ読者の皆さんも、久山町のように、アルツハイマー病が激増しないように美味しく楽しく末長く糖質制限食に取り組みましょう。


江部康二



☆☆☆

以下 週刊ポストのサイトから抜粋

http://www.news-postseven.com/archives/20160915_445476.html?PAGE=1#container

50年以上続くヒサヤマ・スタディから判明 認知症を防ぐ食事
2016.09.15 07:00


認知症を防ぐメニューは?
【認知症を防ぐメニューは?】


 50年以上にわたる疫学研究として国際的にも評価が高い「久山町研究(ヒサヤマ・スタディ)」のリーダーを務めてきた清原裕氏はこの春、
九州大学大学院第二内科での研究の舵取りのバトンを40代の二宮利治教授に渡し、サポート役へと退いた。プロジェクトは進化を遂げながら、新たな課題に挑戦している。

「現在の最大のターゲットは認知症です。患者の爆発的な増加は国の将来を左右する危機と考えており、チームの主力を割いています」(清原氏)

 厚労省は2012年時点の認知症患者数を462万人と推計しているが、「この推計値は低すぎる」と清原氏はいう。

「久山町の認知症発症の割合を全国に適用すると、国の推計より約90万人多い551万人に上る」

 久山町では1985年から2012年まで5回にわたり65歳以上の全住民を対象にした認知症に関する調査を実施しており、
受診率は92~99%と驚異的なレベルに達している(国推計の根拠となる調査の受診率は69%)。

 過去5回で高齢者認知症の有病率が6.7%から17.9%まで急増している。認知症患者の6割を占めるアルツハイマー型に限れば、約9倍に増えていた。

「脳卒中が減っていくのと反対に急激に増えたのが認知症でした。調査ごとの年齢構成の違いを考慮しても増えており、認知症の発生率は高齢化のスピードを上回っているといえます。
そこで、認知症増加の要因は、高齢化以外にもあると考えたのです」

 その要因は追跡調査によって明らかになった。これも「糖尿病」だ。
15年間の糖負荷試験の結果と認知症発症の関係をみると、糖尿病患者のアルツハイマー型発症リスクはそうでない人の2.1倍に上ったのだ。




http://www.news-postseven.com/archives/20160915_445476.html?PAGE=2

久山での研究結果をきっかけに、病理の研究も進みつつある。
東京医科大学病院の羽生春夫・副院長が説明する。

「糖尿病はアルツハイマー型の原因物質であるアミロイドβというたんぱく質を増やし、それが神経細胞を死滅させ記憶障害を引き起こします。
また、高血糖が続くことで糖を燃やしてできる有害物質が処理しきれなくなり、神経細胞にダメージを与えることもある」

 清原氏は大規模疫学調査の意義を改めて訴える。

「疫学の強みは、病気が発症するメカニズムが完全に解明されていない段階から、危険因子を取り除く予防につなげられる点です。
久山町研究は1995年、世界に先駆けて『運動がアルツハイマー型認知症発症のリスクを引き下げる』と報告しました。
さらにその後の追跡調査では、そのリスク引き下げ効果が40%もあると明らかにしています。
どのような運動をどれだけやるのが効果的かは、今も追跡中です」

 認知症予防に関しては、久山町では食事パターンの追跡例もある。
1988年の健診で食事調査を受けた認知症を発症していない高齢者をその後17年間追跡。
その結果を踏まえ、清原氏はこういう。

「望ましい食事のイメージは『野菜の多い和食+牛乳・乳製品』です。

 住民の皆さんの食生活の中に見られるいくつかのパターンのうち、
米の摂取量を減らして、大豆、緑黄色野菜、淡色野菜、海藻類、牛乳・乳製品を多く摂るというパターンで認知症のリスクが下がることがわかってきた。
だからといって、米の摂取量を単独で見ても認知症のリスクとは相関はありません」

 あくまでバランスのよい食事がリスクを減らすとの考えだ。

※週刊ポスト2016年9月16・23日号
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
GTFクロム
こんにちは、いつも楽しく拝読しております。
このブログ内も検索してみたのですが、見つからず、GTFクロムについて、先生のお考えをお伺いしたいと思いました。GTFクロムは耐糖能力をアップする、というサイトをけっこう見かけます。またGTFクロム摂取によって癌になるというサイトも見かけます。江部先生はどのようにお考えでしょうか。このブログの読者は私も含め皆さん、ある程度、糖質制限をされて、他に特に不自由なく、普段はただそれだけで健康にすごされていると思うのですが、そろそろ気になるのが年末年始の食事のこと、特にお寿司、まさかシャリだけ全部残せないけど、私はごはんは砂糖の塊にみえてしまいます。例えば今からGTFクロムを飲んで、お正月までに耐糖能力をあげておく、などということができるものなのでしょうか。おせちも普通に作られたものなら糖質だらけ、お羊羹やおもちも食べずに済めばよいのですが、よそからのいただきものなど、本当に迷惑ですが、まさか言えないし・・・もっと糖質制限の必要性が世の中に浸透してくれて糖質を含まない食品を食べることが当然になってくれないと困るな、とつくづく思います。
2016/09/24(Sat) 09:05 | URL | にゃんこママ | 【編集
血糖改善教室参加拒否連絡?
都内河北 鈴木です。

都内杉並区高円寺保健センタ~
「血糖改善教室」10月1日
講師・杉並区阿佐ヶ谷河北総合病院
内科副部長・岡田光正(てるまさ)
東大卒・肩書き多数
東大・門脇孝直弟子

へ参加申し込みし参加案内状待ちでしたが、
昨日10日後5度目の留守電に参加拒否連絡ありました。

理由は「今年3月参加しているから」でしたが、講師は違うのであれば、新たな知識情報が得られるかと思ったのですが、残念です!!

3月講師は同じ病院内科部長・吉田勢津子で、余りの時代錯誤の血糖改善講義教室でしたので、
思わず「江部先生・糖質制限理論」での改善生還した事実証明にデ~タ提示し質疑応答したのですが、
肩書き重視の行政に専門医の無能程度証明した事で、
ある意味マ~クされていたようです。

今回講師には診療時改善への暴言受けていた事もあり、今回あれから3年経過し、
どの様な知識学習したのか質疑応答したかったのですが、
残念です!!

師匠東大・糖尿病学会理事長門脇孝自身も「糖質制限実践している」と今年の東洋経済誌で表明しているのだから、
東大直弟子・岡田光正テルマサ副部長も進化学習していると思い、又私の益々の改善報告をしたかったのですが、
実に残念です!!

又の機会を待ちます!
今後も私の後遺症がより改善は可能性大だから!!
報告できる事を共に喜んでくれるでしょう!!
敬具
2016/09/24(Sat) 13:00 | URL | 都内河北 鈴木 | 【編集
Re: GTFクロム
にゃんこママ さん

すいません。
GTFクロムについては、全く知りません。

まあ、少なくとも、スーパー糖質制限食なら、必要ないですね。
2016/09/24(Sat) 14:18 | URL | ドクター江部 | 【編集
ミネラルのサプリについて
GTFクロムについては存じませんが、私は以前アメリカの通販でポーリング博士のマルチビタミン+マルチミネラル剤を購入し飲んでいたことがありました。
しかし飲み始めてから数カ月すると体中が痒くてたまらなくなったのです。
丁度そのころNHKで全身性金属アレルギーを取り上げた番組があり、過敏な方は大豆を余計に食べるだけでクロム過敏症により、全身の痒みで苦しむことを知りました。
私が飲んでいたマルチミネラル剤にも微量のクロムが入っており、飲むのを止めたところ数日で痒みは無くなり、再発もしていません。
参考までに。
2016/09/24(Sat) 15:51 | URL | 六花 | 【編集
質問をしたいのですが
こんにちは、初めまして。
江部先生の著書を何冊か読ませてもらってから糖質制限に興味を持ち、実践中のキックボクサーです。

自分は今糖質制限を緩く始めて3か月、スーパー糖質制限を始めて1か月半です。
江部先生のおっしゃっておられるスーパー糖質制限は、1日の糖質量が60g以下でケトン体が産生されるとのことだと思うのですが、それに従って1日の糖質量は50g程に抑えています。
そこで質問なのですが、自分は今1日に平均の総摂取カロリーを3500kcal程を摂っていて、糖質量だと50g程を摂っています。
そこから言うと、総摂取カロリーの6〜7%の糖質量になっていて、今自分はケトン回路になっていると思うのですが、このケトン回路を切らずにギリギリ摂ってもいいとされる糖質量はどれくらいなのかを教えて頂けたらと思い質問させてもらいました。

キックボクシングの様な高強度の繰り返しの格闘技が、ケトン回路に有効に働くと言う報告をほぼ聞かないので実践中なのですが、最近の試合も問題ありませんでしたし、練習も問題なくやれています。

お暇な時にでも返信頂けたら幸いです。
2016/09/24(Sat) 15:52 | URL | 駿太 | 【編集
江部先生、こんにちは。
本日の血糖値、朝食前81、夕食前100です。
インスリンは、前と変わらず朝夕食前ノボラピッド4単位、夕食前トレシーバ3単位です。

糖尿人になって三か月ですが、糖質制限にはもちろん興味があります。
ただ、インスリンを打っている身なので簡単に導入できないのが悩みです。
一度、迂闊にも晩御飯にそれをやってしまい、低血糖を起こしてしまいました。
お伺いしたいのですが、インスリンを打っている身としての糖質制限をやるには何に気を付けた方が良いのでしょうか?

基本的に、昼ご飯時にやっている感じなのですが、それでいいのでしょうか>
2016/09/24(Sat) 18:48 | URL | 蒼き炎 | 【編集
おはようございます
先生のセミナーでも話に出る『久山町の悲劇』
住民が真面目な分、タチが悪い例ですね。
結果から見れば、あまりにも酷な実験だったと思わされます。
責任をどうこう言える段階ではありませんが、その非を認め、早めに対処していくしかないのでしょうね。
起こってしまったことは取り返しがつかないですが、これ以上悪くすることはないはずですから。
そういった方向転換と間違いを認めるのが、大きな組織になればなるほど、難しいのはどうしてでしょうね。
余計なプライドなど捨ててしまえばいいのですがねぇ・・。
糖質制限・・週末にはスタンダードに戻りつつも、本当に継続して行っていきたいと思います。
2016/09/25(Sun) 07:07 | URL | クワトロ | 【編集
大豆
いつも参考にしております
先日知人と食事制限について話したところ
「糖質を制限するのはよくない」と言われました
私がご飯の代わりに大豆製品を摂る様にしていると言ったのに引っ掛かった様で
「大豆の摂りすぎは大豆アレルギーになる」と脅されました
ネットで調べたところその様な事例は見受けられず、何より1~2食は糖質を摂っていると言っても理解して貰えません
無知な人に理解してもらう必要は無いと思いますが、周囲にその様な人がいると厄介ですね
江部先生をはじめ皆様の日々のご苦労を思い知りました
知人とは距離を置き自分なりに糖質を制限したいと思います
今後ともよろしくお願い致します
2016/09/25(Sun) 12:13 | URL | ほあろ | 【編集
血糖改善教室参加拒否ですか、、、
江部先生ご本尊でなくても、糖質制限食派は目の敵ですか! ><
2016/09/25(Sun) 18:51 | URL | らこ | 【編集
Re: 質問をしたいのですが
駿太 さん

ケトジェニックダイエット実践者において
ケトン体の上昇ていどは、かなり個人差があります。

ともあれ、一回の糖質量が10~20g以下だと
脂肪酸-ケトン体システム優位が保てると思います。

2016年07月24日 (日)の本ブログ記事
「サッカー・インテル長友佑都選手の食事と糖質制限食とスタミナ。」
もご参照頂けば幸いです。

2016/09/25(Sun) 23:12 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: タイトルなし
蒼き炎 さん

「朝夕食前ノボラピッド4単位、夕食前トレシーバ3単位」

この量のインスリンなら、スーパー糖質制限食なら、即中止しても全く問題ないと思います。
医療費削減ですね。
2016/09/25(Sun) 23:14 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 大豆
ほあろ さん

厚生労働省の見解では、食品としての大豆製品摂取に関しては、量的にも問題ないとしています。

大豆イソフラボンを単独でサプリで摂るような場合は一定の量の制限を推奨しています。
2016/09/25(Sun) 23:19 | URL | ドクター江部 | 【編集
久山町研究
◇学会誌「糖尿病」2008年6月号

舟形町研究/久山町研究
https://www.jstage.jst.go.jp/browse/tonyobyo/51/6/_contents/-char/ja/



◇循環器疫学サイトより

久山町研究
http://www.epi-c.jp/e001_1_0001.html

学会報告・日本疫学会2016
http://www.epi-c.jp/entry/e800_0_jea2016.html

学会報告・日本高血圧学会2015
http://www.epi-c.jp/entry/e800_0_jsh2015.html
2016/09/26(Mon) 19:47 | URL | 精神科医師A | 【編集
Re: 久山町研究
精神科医師A さん

情報をありがとうございます。
2016/09/26(Mon) 21:26 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 江部先生、六花さん
江部先生、お忙しい中、お返事、有難うございます。六花さんも有難うございます。参考にさせていただきます。薬を飲んでまで糖質を食べたくはないしサプリも更に信頼性は疑問なんですね。これから食べるという時には、やはり筋トレしておくとかして、がんばります。
2016/09/27(Tue) 04:34 | URL | にゃんこママ | 【編集
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