2016年08月30日 (火)
こんにちは。
今朝はとても涼しくて、めっきり秋めいてきた京都です。
おかげでクーラーなしで、ぐっすり眠れました。
夏は、キリリと冷えた辛口の白ワイン、秋と言えば、やっぱり赤ワインですかね。
五訂日本食品標準成分表によれば、
赤ワイン100ml中に1.5gの糖質、
白ワイン100ml中に2.0gの糖質、
純米酒100ml中には3.6gの糖質、
純米吟醸酒だと100ml中に4.1gの糖質、
ビールは100ml中に3.1gの糖質、
がそれぞれ含まれています。
しかし、辛口ワインの血糖を上昇させる糖質はもっと少ないと考えられます。
以前ワインの糖質量に関してYukiさんから、とても詳しいコメントをいただきました。
ブログ読者の皆さんも是非この貴重な情報を共有して欲しいと思い再び記事にしました。
Yukiさんのコメントは大変長い力作です。
ネットでいろいろ調べていただいて、苦労されたことと思います。
Yukiさん、ありがとうございました。m(_ _)m
長編なのですが、興味がある方は、是非、Yukiさんの本編をお読みいただけば幸いです。
お忙しい方には以下、私が、Yukiさんのコメントの要約を作成してみました。
①
「甲府盆地にあるワイナリー"機山ワイン"のサイトによれば、
辛口ワインの場合、含まれるブドウ糖(グルコース)量は
ボトル一本(720ml)あたり最小で0.15g、最大で0.6g。
果糖(フルクトース)は最小0.75g、最大1.5g。」
これでおよその目処が立ちますね。
②
「栽培条件の異なるブドウ『甲州』を用いた
ワインの 個性化醸造技術の確立に関する研究(第3報)
www.yitc.go.jp/Houkoku/data/H19/kei14.pdf
表16 38試験区のワインの各種分析結果 から
平均値(g/L)
有機酸:クエン酸0.7 酒石酸2.1 リンゴ酸1.8 コハク酸1.0 乳酸0.3 酢酸0.3(合計6.2)
糖類:ブドウ糖0.0 果糖3.8(合計3.8)
グリセリン6.5(グリセリン?!そんな物が入っていたとは知りませんでした)
これらを合計すると、1リットル中に全部で16.5g。
その内ブドウ糖、果糖以外の炭水化物が12.7g。
他にタンニン、アントシアニンなどのポリフェノールが
赤ワインの場合平均230mg/100ml(2.3g/L)含まれているはずなので、
おおざっぱに、糖類以外の炭水化物15g、糖類は4g、全炭水化物19g。
結局、辛口赤ワインには100ml中1g以下の糖類しか含まれておらず、
その内多くが果糖、故に血糖値をほとんど上げないお酒ってことになるのでは?」
私もYukiさんの説に賛成です。
ワイン1リットル中に、炭水化物が合計19g。
ワイン1リットル中に、血糖値を上昇させる糖類(ワインなら果糖とブドウ糖)は4gていど。
残りの15gの炭水化物は血糖値を上昇させない、グリセリンや有機酸など。
結局、辛口赤ワインなどには、
100ml中0.4gの糖類しか含まれておらず、その多くが果糖。
果糖は血糖にはほとんど変わらない。果糖のGIは20。
このように考察してみると、辛口赤ワインはビールに比べれば全然安全ですね。
③
「五訂増補日本食品標準成分表 [第1章]-2-2
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu3/toushin/05031802/001/002.htm
> (4) 一般成分
> 4 炭水化物
> 炭水化物は、従来同様いわゆる『差し引き法による炭水化物』すなわち、
> 水分、たんぱく質、脂質及び灰分の合計(グラム)を100グラムから
> 差し引いた値で 示した。
つまり、 水、たんぱく質、脂質、灰分、以外の物はみんなまとめて炭水化物扱い。
結局は残り物の数合わせなので、糖質、食物繊維の含有量が低い食品の場合、
あんまり当てになる数字じゃなくなっていると思います。
> なお、硝酸イオン、アルコール、酢酸、タンニン、カフェイン及びテオブ
>ロミンを比較的多く含む食品や、加熱により二酸化炭素が多量に発生する
>食品 については、これらの含量も差し引いて炭水化物量を求めた。
そこで五訂日本食品標準成分表を見ると、ワインは備考欄にアルコール以外の記載がないので、
有機酸、ポリフェノール、糖アルコール、その他の微量な芳香成分などひっくるめて炭水化物にカウントされている思われます。
ワインは有機酸が多いのでこれが結構な%を占めてるはず。
あと、調べてみたらグリセリンがかなり含まれてて、ちょっとびっくりしました。
www.yitc.go.jp/Houkoku/data/H19/kei14.pdf
によると、これらのワインの平均値では、グリセリンが6.5g/L、有機酸は6.2g/L。
これだけでも100ml中1.3gになりますから、炭水化物カウントの過半数を占めてしまいます。」
炭水化物の定義が
『水分、たんぱく質、脂質及び灰分の合計(グラム)を100グラムから差し引いた値』
なので、五訂増補日本食品標準成分表の中の赤ワイン100g中に1.5gの炭水化物、食物繊維はゼロ。
1.5gからグリセリンと有機酸1.3gをひけば、血糖値を上昇させる果糖やブドウ糖などは0.2gと極微量ですね。
これなら血糖値はほとんど上昇しません。
④
「結論。
ことワインに関しては炭水化物量ではなく"残糖"、を指標にしましょう。
私の独断ですが、ワインに含まれる糖分以外の炭水化物(定義上の)による血糖上昇作用は、きっと、、、おそらく、、、たぶん、、、、、、無視してかまわないレベルだと思われます。
(本当かな?)
江部先生、いかがでしょうか?」
Yukiさん。
ありがとうございます。
【ワインに含まれている炭水化物のかなりの量を「グリセリン+有機酸」が占めていて、これらは血糖値を上昇させない。】
【ワインに含まれている「果糖+ブドウ糖」の"残糖"およびエリスリトール以外の糖アルコールなどが血糖値を上昇させるが、
極微量である。】
私もYukiさんの結論に賛成です。
少なくとも辛口ワインなら、赤でも白でも糖質制限食OK食品と言えそうですね。(⌒o⌒)v
なお、甘口ワインは"残糖"が、辛口の10倍くらいあるので、NGですね。
江部康二
☆☆☆
<Yukiさんのコメント>
10/03/05 Yuki
ワインの血糖上昇作用について
江部先生こんにちは、初めてコメントします。以前から、大変素晴らしいブログと思いよく読ませて頂いておりました。どうやら私の母が境界型の糖尿病で、いよいよ本気で糖質制限を始めました。今後もこのブログにお世話になって参ります。 非常に長文で失礼します。
ワインの血糖上昇作用、私も非常に気になります。 調べてみました。
まず、これです。
オーストラリアワインについてのページから
甘辛度の表示
>1リットル当たりの残糖量(RZ/l)
>トロッケン(辛口):残糖分は最大9 g RZ/l。
>ただし、糖度と酸度の差が2 g/l 未満であること。
>例えば、残糖8 g/lのワインが辛口に分類されるためには、
>酸度が6g/l以上でなければならない。
>エクストラトロッケン(極辛口):残糖分は4 g /l以下。
>ハルプトロッケン(中辛口):残糖分は12 g /l以下。
>リープリッヒ:(中甘口):残糖分は45 g /l以下。
>ズュース(甘口): 残糖分は45 g /l以上。
(http://www.winesfromaustria.jp/wl-quality.html)
残糖=ワイン中の、ブドウ糖+果糖です
更に、別のサイトをヒットしたので、そのデータで計算してみました。
甲府盆地にあるワイナリー"機山ワイン"のサイトから
"ワイナリー便り" vol.128 2007/2"
>ぶどう中の糖は酵母によって代謝され、アルコールを生産します。
>酵母はグルコースとフルクトースを同時にアルコール発酵に使用し
>ますが代謝に必要なエネルギーが異なるため、グルコースを消費す
>る速度の方がややフルクトースを消費する速度より早くなります。
>このため醗酵が進むにつれてフルクトースの割合が高くなってきま
>す( glucophillic)。
>一般に辛口ワインには 0.2-0.8 g/Lのグルコースと1-2 g/Lのフルクト
>ースが含まれており、超甘口ワインでは30 g/Lのグルコースと60 g/L
>のフルクトースが含まれていると言われています。
(http://www.kizan.co.jp/monthly/0702.html)
こういうのって、多分ソムリエには常識なんでしょうが、素人には初耳でした。もっとまとまったサイトがあれば良いんですが。
このデータによれば、辛口ワインの場合、含まれるブドウ糖(グルコース)量はボトル一本あたり最小で0.15g、最大で0.6g。
果糖(フルクトース)は最小0.75g、最大1.5g。
ワインに含まれている総炭水化物量が仮に15g/L(五訂日本食品標準成分表から赤ワインのデータ、100ml中に1.5g)として、ボトル一本で11.3g。ブドウ糖と果糖以外の炭水化物が9.2gから10.4g。
この、その他の炭水化物とはアラビノースやキシロースなど五炭糖(血糖上昇作用はあるのか?)、マルトースやキシリトール(血糖上昇が遅い)、更にはエリスリトール(血糖上昇を起こさない)、などでしょうから、血糖上昇はかなり穏やかになるはず。
仮に、これらが全部エリスリトール以外の糖アルコールだとして、ブドウ糖の半分の血糖上昇作用があるとすれば、ブドウ糖換算で4.5gから5.2g程度分の血糖上昇を引き起こす計算。
つまり、辛口赤ワインの場合、ブドウ糖が一本あたりおよそ4.7gから5.8g、果糖が0.75gから1.5g含まれているのと同じ。
果糖のグリセミック指数を20として、ブドウ糖の5分の1の血糖上昇作用とすれば、正常人の場合、辛口赤ワイン一本飲むとブドウ糖を4.9gから6.1g摂取したのと同じ血糖上昇が起きるはず。
2型糖尿病の場合、糖質1gあたりの血糖値上昇を3mgとして、ブドウ糖6.1gで約18.3mgの血糖値上昇。で、いいのかな~。
結構安全?
いや、ビール750ml(ワインボトル一本分)中、糖質23gよりははるかに安全だと思います。ビールはアルコール度数が低いので赤ワインと同じだけ酔っぱらおうと思ったらこの2~3倍飲まないとなりませんし。
これが正しければ、先生のおっしゃってた
「2009年05月10日 (日) またあくまでも体験と印象ていどですが、赤ワインをボトル1本飲んでも血糖値は上昇しないようです。ビールなどとは、はっきり違います。」
の謎が解けるのでは?
更に、ちょっと良い物を見つけました。
"株式会社 和田屋"のホームページから
低糖ドイツワインの説明文を引用。
1. 通常ワインには果汁由来のぶどう糖(グルコース)、果糖(フラクトース)の2種の糖分が含まれています。
2. ドイツ発低糖ワインは分子構造が小さく、体内にすぐ吸収され、血糖値を左右するぶどう糖の量を極力抑え、体内で分解される速度が比較的緩やかな果糖により「ドイツワインのおいしさ」の1つの要素である甘み成分を一定量残す事に成功したものです。
3. 製法的には、果汁を発酵させる際に、ぶどう糖の方が果糖より早くアルコール分解されるという特性を利用し、ある程度発酵が進んだ段階で遠心分離器及びフィルターによる澱引きを行い、果糖の割合を高めています。
4. 下記 基準を守ってつくられています。
■全糖リッター当り20g以下、そのうちぶどう糖は4g以下。
■酸化防止剤(亜硫酸塩)は150mg/L以下。
■アルコール度は12%以下。
■ワインとアルコールのカロリー値は、663/Lキロカロリー以下。
■総カロリーは740/Lキロカロリー以下。
(http://www.rakuten.co.jp/wadaya/138900/1863119/)
このサイトで掲示している栄養成分表示はどうやら間違っているらしいので、別のサイトでみつけた同じワインの栄養成分表示を出しておきます。
"テーニッヒャー・ザンクト・ミヒャエル・リースリング・カビネット・トロッケン"
白 やや辛口 アルコール度数 10% 産地 モーゼル 格付 カビネット
栄養成分表示<100ml当たり>
エネルギー61kcalたんぱく質0.2g 脂質0g 炭水化物2.0g ナトリウム2.2mg フラクトース0.41g グルコース0.29g
(http://www.newmenu.net/wine/detail/gekkeikan:10000093.html)
"モーゼルラント・ドルンフェルダー・トロッケン"
赤 ライトボディー アルコール度数 11% 産地 ドイツ 格付 ターフェルヴァイン
栄養成分表示<100ml当たり>
エネルギー76kcalたんぱく質0.1g 脂質 0g 炭水化物1.0g ナトリウム1.7mg フラクトース0.3g グルコース0.2g
(http://www.newmenu.net/wine/detail/gekkeikan:10000095.html)
かなり良さそうですよね?
10/03/05 Yuki
ワインの血糖上昇作用について追伸
あっと、追加です。
ワインに含まれるエリスリトールについて、
http://www.mfc.co.jp/erisuri/002.htm
技術情報|エリスリトール|主要製品紹介|三菱化学フーズ株式会社
赤ワイン 170mg/L (つまり0.017g/100ml)
白ワイン 280mg/L (つまり0.028g/100ml)
大した事ないですね。
キシリトールについては分かりませんでした。
先のコメントで、有機酸とかポリフェノールを忘れてました。これらは炭水化物として計算されてるはず。
何とか含有量が分からないかと探してみました。
栽培条件の異なるブドウ「甲州」を用いたワインの 個性化醸造技術の確立に関する研究(第3報) www.yitc.go.jp/Houkoku/data/H19/kei14.pdf 表16 38試験区のワインの各種分析結果 から
平均値(g/L)
有機酸:クエン酸0.7 酒石酸2.1 リンゴ酸1.8 コハク酸1.0 乳酸0.3 酢酸0.3(合計6.2)
糖類:ブドウ糖0.0 果糖3.8(合計3.8)
グリセリン6.5(グリセリン?!そんな物が入っていたとは知りませんでした)
これらを合計すると全部で16.5。
その内ブドウ糖、果糖以外の炭水化物が12.7。
他にタンニン、アントシアニンなどのポリフェノールが赤ワインの場合平均230mg/100ml(2.3g/L)含まれているはずなので、 おおざっぱに、糖類以外の炭水化物15g、糖類は4g、全炭水化物19g。
結局、辛口赤ワインには100ml中1g以下の糖質しか含まれておらず、その内多くが果糖、故に血糖値をほとんど上げないお酒ってことになるのでは?
10/03/05 Yuki
ワインの炭水化物カウント
ワインの炭水化物カウント
あ、糖質ポリスさんこんにちは、実はblogにお世話になってます。
どうも。
五訂増補日本食品標準成分表 [第1章]-2-2
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu3/toushin/05031802/001/002.htm
> (4) 一般成分
> 4 炭水化物
> 炭水化物は、従来同様いわゆる「差し引き法による炭水化物」すなわち、
> 水分、たんぱく質、脂質及び灰分の合計(グラム)を100グラムから
> 差し引いた値で 示した。
つまり、 水、たんぱく質、脂質、灰分、以外の物はみんなまとめて炭水化物扱い。 結局は残り物の数合わせなので、糖質、食物繊維の含有量が低い食品の場合、あんまり当てになる数字じゃなくなっていると思います。
> なお、硝酸イオン、アルコール、酢酸、タンニン、カフェイン及びテオブ
>ロミンを比較的多く含む食品や、加熱により二酸化炭素が多量に発生する
>食品 については、これらの含量も差し引いて炭水化物量を求めた。
そこで五訂日本食品標準成分表を見ると、ワインは備考欄にアルコール以外の記載がないので、有機酸、ポリフェノール、糖アルコール、その他の微量な芳香成分などひっくるめて炭水化物にカウントされている思われます。
ワインは有機酸が多いのでこれが結構な%を占めてるはず。 あと、調べてみたらグリセリンがかなり含まれてて、ちょっとびっくりしました。
www.yitc.go.jp/Houkoku/data/H19/kei14.pdf
によると、これらのワインの平均値では、グリセリンが6.5g/L、有機酸は6.2g/L。これだけでも100ml中1.3gになりますから、炭水化物カウントの過半数を占めてしまいます。
結局そういうことじゃないかと。
それに加えてポリフェノールが赤で平均0.23g/100ml、エリスリトールが0.017g/100ml。その他の微量成分の積み重ねがあって炭水化物カウントは増えるけれども、つまるところ平均的な人間が、「辛口だな~、糖分がないな~」と感じる、いわゆる辛口ワイン(含まれる糖分10g/L以下の定義で) の100m中に含まれる糖分は1g以下。
ブドウ果汁中の糖分はほぼ全部ブドウ糖と果糖です。start地点でのそれらの割合は半々。しかし、ワイン酵母はアルコール発酵に際してブドウ糖を優先的に使うので、赤だろうが白だろうがワインが辛口になるまで発酵させた場合、残糖として残るのはあらかた全部果糖になってしまいます。
したがって、トロッケン、セック、セッコなどEU法で保証された辛口スティルワインの場合、含まれるブドウ糖の量は0.5g/100ml以下(それどころかおそらく果糖の半分以下のはず。0.0g/100mlであることも多いはず。)であると確信を持って言うことができます。
そのため辛口ワインを飲んだときの血糖値上昇は更に起きにくくなっている、と。
何て素晴らしい、安心して飲めるじゃありませんか。
中口のスティルワイン(モワルー、ミルト、アマービレなど)の場合でも含まれるブドウ糖は1.5g/100ml以下ですね。ボトル一本飲んだらブドウ糖が最大で11.25g。ここまでくるとちょっとまずいかな。
結論。
ことワインに関しては炭水化物量ではなく"残糖"、を指標にしましょう。私の独断ですが、ワインに含まれる糖分以外の炭水化物(定義上の)による血糖上昇作用は、きっと、、、おそらく、、、たぶん、、、、、、無視してかまわないレベルだと思われます。(本当かな?)
江部先生、いかがでしょうか?
追伸
ワインの甘辛度による分類法(EUの場合)、見つけました。
http://blogs.dion.ne.jp/yottyokky/archives/8945908.html
(1)残糖
*残糖とは、発酵完了後あるいは人工的に発酵を中断させた時点のワイン中に残る1リットル当りの糖分のことである。EUの規定では、この残糖分の量により甘辛度が分類される。
(2)スティル・ワインの分類
※数値の重複部分はどちらの表示でも可。
*フランス
0~5g/l:ブリュット(Brut)
0~10g/l:セック(Sec)
10~20g/l:ドゥミ・セック(Demi-sec)
20~30g/l:モワルー(Moelleux)
30~40g/l:ドゥー(Doux)
40g/l~:リクルー(Liquoreux)
*ドイツ
0~10g/l:トロッケン(Trocken)
10~20g/l:ハルプトロッケン(Halptrocken)
20~30g/l:ミルト(Mild)
30~40g/l:リープリッヒ(Lieblich)
40g/l~:ズィス(S醇гs)
*イタリア
0~10g/l:セッコ(Secco)
10~20g/l:アッボカート(Abboccato)
20~30g/l:アマービレ(Amabile)
30~40g/l:ドルチェ(Dolce)
(3)スパークリング・ワインの分類
※数値の重複部分はどちらの表示でも可。
*フランス
0~3g/l:ブリュット・ナチュール(Brut Nature)
0~ 6g/l:エクストラ・ブリュット(Extra Brut)
0~15g/l:ブリュット(Brut)
12~20g/l:エクストラ・セック(Extra Sec)
17~33g/l:セック(Sec)
33~50g/l:ドゥミ・セック(Demi Sec)
50g/l~:ドゥー(Doux)
*ドイツ
0~6g/l:エクストラ・ブリュット(Extra Brut)
6~15g/l:ブリュット(Brut)
12~20g/l:エクストラ・トロッケン(Extra Trocken)
17~35g/l:トロッケン(Trocken)
35~50g/l:ハルプ・トロッケン(Halbtrocken)
50g/l~:ミルト(Mild)
*イタリア
0g/l:ドス・パセ(Dos Passe)
0~6g/l:エクストラ・ブリュット(Extra Brut)
0~15g/l:ブリュット(Brut)
12~20g/l:エクストラ・セッコ(Extra Secco)
17~35g/l:セッコ(Secco)
35~50g/l:セミ・セッコ(Semi Secco)
50g/l~:ドルチェ(Dolce)
今朝はとても涼しくて、めっきり秋めいてきた京都です。
おかげでクーラーなしで、ぐっすり眠れました。
夏は、キリリと冷えた辛口の白ワイン、秋と言えば、やっぱり赤ワインですかね。
五訂日本食品標準成分表によれば、
赤ワイン100ml中に1.5gの糖質、
白ワイン100ml中に2.0gの糖質、
純米酒100ml中には3.6gの糖質、
純米吟醸酒だと100ml中に4.1gの糖質、
ビールは100ml中に3.1gの糖質、
がそれぞれ含まれています。
しかし、辛口ワインの血糖を上昇させる糖質はもっと少ないと考えられます。
以前ワインの糖質量に関してYukiさんから、とても詳しいコメントをいただきました。
ブログ読者の皆さんも是非この貴重な情報を共有して欲しいと思い再び記事にしました。
Yukiさんのコメントは大変長い力作です。
ネットでいろいろ調べていただいて、苦労されたことと思います。
Yukiさん、ありがとうございました。m(_ _)m
長編なのですが、興味がある方は、是非、Yukiさんの本編をお読みいただけば幸いです。
お忙しい方には以下、私が、Yukiさんのコメントの要約を作成してみました。
①
「甲府盆地にあるワイナリー"機山ワイン"のサイトによれば、
辛口ワインの場合、含まれるブドウ糖(グルコース)量は
ボトル一本(720ml)あたり最小で0.15g、最大で0.6g。
果糖(フルクトース)は最小0.75g、最大1.5g。」
これでおよその目処が立ちますね。
②
「栽培条件の異なるブドウ『甲州』を用いた
ワインの 個性化醸造技術の確立に関する研究(第3報)
www.yitc.go.jp/Houkoku/data/H19/kei14.pdf
表16 38試験区のワインの各種分析結果 から
平均値(g/L)
有機酸:クエン酸0.7 酒石酸2.1 リンゴ酸1.8 コハク酸1.0 乳酸0.3 酢酸0.3(合計6.2)
糖類:ブドウ糖0.0 果糖3.8(合計3.8)
グリセリン6.5(グリセリン?!そんな物が入っていたとは知りませんでした)
これらを合計すると、1リットル中に全部で16.5g。
その内ブドウ糖、果糖以外の炭水化物が12.7g。
他にタンニン、アントシアニンなどのポリフェノールが
赤ワインの場合平均230mg/100ml(2.3g/L)含まれているはずなので、
おおざっぱに、糖類以外の炭水化物15g、糖類は4g、全炭水化物19g。
結局、辛口赤ワインには100ml中1g以下の糖類しか含まれておらず、
その内多くが果糖、故に血糖値をほとんど上げないお酒ってことになるのでは?」
私もYukiさんの説に賛成です。
ワイン1リットル中に、炭水化物が合計19g。
ワイン1リットル中に、血糖値を上昇させる糖類(ワインなら果糖とブドウ糖)は4gていど。
残りの15gの炭水化物は血糖値を上昇させない、グリセリンや有機酸など。
結局、辛口赤ワインなどには、
100ml中0.4gの糖類しか含まれておらず、その多くが果糖。
果糖は血糖にはほとんど変わらない。果糖のGIは20。
このように考察してみると、辛口赤ワインはビールに比べれば全然安全ですね。
③
「五訂増補日本食品標準成分表 [第1章]-2-2
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu3/toushin/05031802/001/002.htm
> (4) 一般成分
> 4 炭水化物
> 炭水化物は、従来同様いわゆる『差し引き法による炭水化物』すなわち、
> 水分、たんぱく質、脂質及び灰分の合計(グラム)を100グラムから
> 差し引いた値で 示した。
つまり、 水、たんぱく質、脂質、灰分、以外の物はみんなまとめて炭水化物扱い。
結局は残り物の数合わせなので、糖質、食物繊維の含有量が低い食品の場合、
あんまり当てになる数字じゃなくなっていると思います。
> なお、硝酸イオン、アルコール、酢酸、タンニン、カフェイン及びテオブ
>ロミンを比較的多く含む食品や、加熱により二酸化炭素が多量に発生する
>食品 については、これらの含量も差し引いて炭水化物量を求めた。
そこで五訂日本食品標準成分表を見ると、ワインは備考欄にアルコール以外の記載がないので、
有機酸、ポリフェノール、糖アルコール、その他の微量な芳香成分などひっくるめて炭水化物にカウントされている思われます。
ワインは有機酸が多いのでこれが結構な%を占めてるはず。
あと、調べてみたらグリセリンがかなり含まれてて、ちょっとびっくりしました。
www.yitc.go.jp/Houkoku/data/H19/kei14.pdf
によると、これらのワインの平均値では、グリセリンが6.5g/L、有機酸は6.2g/L。
これだけでも100ml中1.3gになりますから、炭水化物カウントの過半数を占めてしまいます。」
炭水化物の定義が
『水分、たんぱく質、脂質及び灰分の合計(グラム)を100グラムから差し引いた値』
なので、五訂増補日本食品標準成分表の中の赤ワイン100g中に1.5gの炭水化物、食物繊維はゼロ。
1.5gからグリセリンと有機酸1.3gをひけば、血糖値を上昇させる果糖やブドウ糖などは0.2gと極微量ですね。
これなら血糖値はほとんど上昇しません。
④
「結論。
ことワインに関しては炭水化物量ではなく"残糖"、を指標にしましょう。
私の独断ですが、ワインに含まれる糖分以外の炭水化物(定義上の)による血糖上昇作用は、きっと、、、おそらく、、、たぶん、、、、、、無視してかまわないレベルだと思われます。
(本当かな?)
江部先生、いかがでしょうか?」
Yukiさん。
ありがとうございます。
【ワインに含まれている炭水化物のかなりの量を「グリセリン+有機酸」が占めていて、これらは血糖値を上昇させない。】
【ワインに含まれている「果糖+ブドウ糖」の"残糖"およびエリスリトール以外の糖アルコールなどが血糖値を上昇させるが、
極微量である。】
私もYukiさんの結論に賛成です。
少なくとも辛口ワインなら、赤でも白でも糖質制限食OK食品と言えそうですね。(⌒o⌒)v
なお、甘口ワインは"残糖"が、辛口の10倍くらいあるので、NGですね。
江部康二
☆☆☆
<Yukiさんのコメント>
10/03/05 Yuki
ワインの血糖上昇作用について
江部先生こんにちは、初めてコメントします。以前から、大変素晴らしいブログと思いよく読ませて頂いておりました。どうやら私の母が境界型の糖尿病で、いよいよ本気で糖質制限を始めました。今後もこのブログにお世話になって参ります。 非常に長文で失礼します。
ワインの血糖上昇作用、私も非常に気になります。 調べてみました。
まず、これです。
オーストラリアワインについてのページから
甘辛度の表示
>1リットル当たりの残糖量(RZ/l)
>トロッケン(辛口):残糖分は最大9 g RZ/l。
>ただし、糖度と酸度の差が2 g/l 未満であること。
>例えば、残糖8 g/lのワインが辛口に分類されるためには、
>酸度が6g/l以上でなければならない。
>エクストラトロッケン(極辛口):残糖分は4 g /l以下。
>ハルプトロッケン(中辛口):残糖分は12 g /l以下。
>リープリッヒ:(中甘口):残糖分は45 g /l以下。
>ズュース(甘口): 残糖分は45 g /l以上。
(http://www.winesfromaustria.jp/wl-quality.html)
残糖=ワイン中の、ブドウ糖+果糖です
更に、別のサイトをヒットしたので、そのデータで計算してみました。
甲府盆地にあるワイナリー"機山ワイン"のサイトから
"ワイナリー便り" vol.128 2007/2"
>ぶどう中の糖は酵母によって代謝され、アルコールを生産します。
>酵母はグルコースとフルクトースを同時にアルコール発酵に使用し
>ますが代謝に必要なエネルギーが異なるため、グルコースを消費す
>る速度の方がややフルクトースを消費する速度より早くなります。
>このため醗酵が進むにつれてフルクトースの割合が高くなってきま
>す( glucophillic)。
>一般に辛口ワインには 0.2-0.8 g/Lのグルコースと1-2 g/Lのフルクト
>ースが含まれており、超甘口ワインでは30 g/Lのグルコースと60 g/L
>のフルクトースが含まれていると言われています。
(http://www.kizan.co.jp/monthly/0702.html)
こういうのって、多分ソムリエには常識なんでしょうが、素人には初耳でした。もっとまとまったサイトがあれば良いんですが。
このデータによれば、辛口ワインの場合、含まれるブドウ糖(グルコース)量はボトル一本あたり最小で0.15g、最大で0.6g。
果糖(フルクトース)は最小0.75g、最大1.5g。
ワインに含まれている総炭水化物量が仮に15g/L(五訂日本食品標準成分表から赤ワインのデータ、100ml中に1.5g)として、ボトル一本で11.3g。ブドウ糖と果糖以外の炭水化物が9.2gから10.4g。
この、その他の炭水化物とはアラビノースやキシロースなど五炭糖(血糖上昇作用はあるのか?)、マルトースやキシリトール(血糖上昇が遅い)、更にはエリスリトール(血糖上昇を起こさない)、などでしょうから、血糖上昇はかなり穏やかになるはず。
仮に、これらが全部エリスリトール以外の糖アルコールだとして、ブドウ糖の半分の血糖上昇作用があるとすれば、ブドウ糖換算で4.5gから5.2g程度分の血糖上昇を引き起こす計算。
つまり、辛口赤ワインの場合、ブドウ糖が一本あたりおよそ4.7gから5.8g、果糖が0.75gから1.5g含まれているのと同じ。
果糖のグリセミック指数を20として、ブドウ糖の5分の1の血糖上昇作用とすれば、正常人の場合、辛口赤ワイン一本飲むとブドウ糖を4.9gから6.1g摂取したのと同じ血糖上昇が起きるはず。
2型糖尿病の場合、糖質1gあたりの血糖値上昇を3mgとして、ブドウ糖6.1gで約18.3mgの血糖値上昇。で、いいのかな~。
結構安全?
いや、ビール750ml(ワインボトル一本分)中、糖質23gよりははるかに安全だと思います。ビールはアルコール度数が低いので赤ワインと同じだけ酔っぱらおうと思ったらこの2~3倍飲まないとなりませんし。
これが正しければ、先生のおっしゃってた
「2009年05月10日 (日) またあくまでも体験と印象ていどですが、赤ワインをボトル1本飲んでも血糖値は上昇しないようです。ビールなどとは、はっきり違います。」
の謎が解けるのでは?
更に、ちょっと良い物を見つけました。
"株式会社 和田屋"のホームページから
低糖ドイツワインの説明文を引用。
1. 通常ワインには果汁由来のぶどう糖(グルコース)、果糖(フラクトース)の2種の糖分が含まれています。
2. ドイツ発低糖ワインは分子構造が小さく、体内にすぐ吸収され、血糖値を左右するぶどう糖の量を極力抑え、体内で分解される速度が比較的緩やかな果糖により「ドイツワインのおいしさ」の1つの要素である甘み成分を一定量残す事に成功したものです。
3. 製法的には、果汁を発酵させる際に、ぶどう糖の方が果糖より早くアルコール分解されるという特性を利用し、ある程度発酵が進んだ段階で遠心分離器及びフィルターによる澱引きを行い、果糖の割合を高めています。
4. 下記 基準を守ってつくられています。
■全糖リッター当り20g以下、そのうちぶどう糖は4g以下。
■酸化防止剤(亜硫酸塩)は150mg/L以下。
■アルコール度は12%以下。
■ワインとアルコールのカロリー値は、663/Lキロカロリー以下。
■総カロリーは740/Lキロカロリー以下。
(http://www.rakuten.co.jp/wadaya/138900/1863119/)
このサイトで掲示している栄養成分表示はどうやら間違っているらしいので、別のサイトでみつけた同じワインの栄養成分表示を出しておきます。
"テーニッヒャー・ザンクト・ミヒャエル・リースリング・カビネット・トロッケン"
白 やや辛口 アルコール度数 10% 産地 モーゼル 格付 カビネット
栄養成分表示<100ml当たり>
エネルギー61kcalたんぱく質0.2g 脂質0g 炭水化物2.0g ナトリウム2.2mg フラクトース0.41g グルコース0.29g
(http://www.newmenu.net/wine/detail/gekkeikan:10000093.html)
"モーゼルラント・ドルンフェルダー・トロッケン"
赤 ライトボディー アルコール度数 11% 産地 ドイツ 格付 ターフェルヴァイン
栄養成分表示<100ml当たり>
エネルギー76kcalたんぱく質0.1g 脂質 0g 炭水化物1.0g ナトリウム1.7mg フラクトース0.3g グルコース0.2g
(http://www.newmenu.net/wine/detail/gekkeikan:10000095.html)
かなり良さそうですよね?
10/03/05 Yuki
ワインの血糖上昇作用について追伸
あっと、追加です。
ワインに含まれるエリスリトールについて、
http://www.mfc.co.jp/erisuri/002.htm
技術情報|エリスリトール|主要製品紹介|三菱化学フーズ株式会社
赤ワイン 170mg/L (つまり0.017g/100ml)
白ワイン 280mg/L (つまり0.028g/100ml)
大した事ないですね。
キシリトールについては分かりませんでした。
先のコメントで、有機酸とかポリフェノールを忘れてました。これらは炭水化物として計算されてるはず。
何とか含有量が分からないかと探してみました。
栽培条件の異なるブドウ「甲州」を用いたワインの 個性化醸造技術の確立に関する研究(第3報) www.yitc.go.jp/Houkoku/data/H19/kei14.pdf 表16 38試験区のワインの各種分析結果 から
平均値(g/L)
有機酸:クエン酸0.7 酒石酸2.1 リンゴ酸1.8 コハク酸1.0 乳酸0.3 酢酸0.3(合計6.2)
糖類:ブドウ糖0.0 果糖3.8(合計3.8)
グリセリン6.5(グリセリン?!そんな物が入っていたとは知りませんでした)
これらを合計すると全部で16.5。
その内ブドウ糖、果糖以外の炭水化物が12.7。
他にタンニン、アントシアニンなどのポリフェノールが赤ワインの場合平均230mg/100ml(2.3g/L)含まれているはずなので、 おおざっぱに、糖類以外の炭水化物15g、糖類は4g、全炭水化物19g。
結局、辛口赤ワインには100ml中1g以下の糖質しか含まれておらず、その内多くが果糖、故に血糖値をほとんど上げないお酒ってことになるのでは?
10/03/05 Yuki
ワインの炭水化物カウント
ワインの炭水化物カウント
あ、糖質ポリスさんこんにちは、実はblogにお世話になってます。
どうも。
五訂増補日本食品標準成分表 [第1章]-2-2
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu3/toushin/05031802/001/002.htm
> (4) 一般成分
> 4 炭水化物
> 炭水化物は、従来同様いわゆる「差し引き法による炭水化物」すなわち、
> 水分、たんぱく質、脂質及び灰分の合計(グラム)を100グラムから
> 差し引いた値で 示した。
つまり、 水、たんぱく質、脂質、灰分、以外の物はみんなまとめて炭水化物扱い。 結局は残り物の数合わせなので、糖質、食物繊維の含有量が低い食品の場合、あんまり当てになる数字じゃなくなっていると思います。
> なお、硝酸イオン、アルコール、酢酸、タンニン、カフェイン及びテオブ
>ロミンを比較的多く含む食品や、加熱により二酸化炭素が多量に発生する
>食品 については、これらの含量も差し引いて炭水化物量を求めた。
そこで五訂日本食品標準成分表を見ると、ワインは備考欄にアルコール以外の記載がないので、有機酸、ポリフェノール、糖アルコール、その他の微量な芳香成分などひっくるめて炭水化物にカウントされている思われます。
ワインは有機酸が多いのでこれが結構な%を占めてるはず。 あと、調べてみたらグリセリンがかなり含まれてて、ちょっとびっくりしました。
www.yitc.go.jp/Houkoku/data/H19/kei14.pdf
によると、これらのワインの平均値では、グリセリンが6.5g/L、有機酸は6.2g/L。これだけでも100ml中1.3gになりますから、炭水化物カウントの過半数を占めてしまいます。
結局そういうことじゃないかと。
それに加えてポリフェノールが赤で平均0.23g/100ml、エリスリトールが0.017g/100ml。その他の微量成分の積み重ねがあって炭水化物カウントは増えるけれども、つまるところ平均的な人間が、「辛口だな~、糖分がないな~」と感じる、いわゆる辛口ワイン(含まれる糖分10g/L以下の定義で) の100m中に含まれる糖分は1g以下。
ブドウ果汁中の糖分はほぼ全部ブドウ糖と果糖です。start地点でのそれらの割合は半々。しかし、ワイン酵母はアルコール発酵に際してブドウ糖を優先的に使うので、赤だろうが白だろうがワインが辛口になるまで発酵させた場合、残糖として残るのはあらかた全部果糖になってしまいます。
したがって、トロッケン、セック、セッコなどEU法で保証された辛口スティルワインの場合、含まれるブドウ糖の量は0.5g/100ml以下(それどころかおそらく果糖の半分以下のはず。0.0g/100mlであることも多いはず。)であると確信を持って言うことができます。
そのため辛口ワインを飲んだときの血糖値上昇は更に起きにくくなっている、と。
何て素晴らしい、安心して飲めるじゃありませんか。
中口のスティルワイン(モワルー、ミルト、アマービレなど)の場合でも含まれるブドウ糖は1.5g/100ml以下ですね。ボトル一本飲んだらブドウ糖が最大で11.25g。ここまでくるとちょっとまずいかな。
結論。
ことワインに関しては炭水化物量ではなく"残糖"、を指標にしましょう。私の独断ですが、ワインに含まれる糖分以外の炭水化物(定義上の)による血糖上昇作用は、きっと、、、おそらく、、、たぶん、、、、、、無視してかまわないレベルだと思われます。(本当かな?)
江部先生、いかがでしょうか?
追伸
ワインの甘辛度による分類法(EUの場合)、見つけました。
http://blogs.dion.ne.jp/yottyokky/archives/8945908.html
(1)残糖
*残糖とは、発酵完了後あるいは人工的に発酵を中断させた時点のワイン中に残る1リットル当りの糖分のことである。EUの規定では、この残糖分の量により甘辛度が分類される。
(2)スティル・ワインの分類
※数値の重複部分はどちらの表示でも可。
*フランス
0~5g/l:ブリュット(Brut)
0~10g/l:セック(Sec)
10~20g/l:ドゥミ・セック(Demi-sec)
20~30g/l:モワルー(Moelleux)
30~40g/l:ドゥー(Doux)
40g/l~:リクルー(Liquoreux)
*ドイツ
0~10g/l:トロッケン(Trocken)
10~20g/l:ハルプトロッケン(Halptrocken)
20~30g/l:ミルト(Mild)
30~40g/l:リープリッヒ(Lieblich)
40g/l~:ズィス(S醇гs)
*イタリア
0~10g/l:セッコ(Secco)
10~20g/l:アッボカート(Abboccato)
20~30g/l:アマービレ(Amabile)
30~40g/l:ドルチェ(Dolce)
(3)スパークリング・ワインの分類
※数値の重複部分はどちらの表示でも可。
*フランス
0~3g/l:ブリュット・ナチュール(Brut Nature)
0~ 6g/l:エクストラ・ブリュット(Extra Brut)
0~15g/l:ブリュット(Brut)
12~20g/l:エクストラ・セック(Extra Sec)
17~33g/l:セック(Sec)
33~50g/l:ドゥミ・セック(Demi Sec)
50g/l~:ドゥー(Doux)
*ドイツ
0~6g/l:エクストラ・ブリュット(Extra Brut)
6~15g/l:ブリュット(Brut)
12~20g/l:エクストラ・トロッケン(Extra Trocken)
17~35g/l:トロッケン(Trocken)
35~50g/l:ハルプ・トロッケン(Halbtrocken)
50g/l~:ミルト(Mild)
*イタリア
0g/l:ドス・パセ(Dos Passe)
0~6g/l:エクストラ・ブリュット(Extra Brut)
0~15g/l:ブリュット(Brut)
12~20g/l:エクストラ・セッコ(Extra Secco)
17~35g/l:セッコ(Secco)
35~50g/l:セミ・セッコ(Semi Secco)
50g/l~:ドルチェ(Dolce)
江部先生へ
過日主人の寝汗の件、薬の件(ジャヌビア)等でご相談させて頂きました者です。あれからHbA1cは「5・9」となり(三ヶ月続いており)、ジャヌビアを飲むのをやめる様言われ、様子を見ておりましたがその後HbA1cは「5・9」と変わりません。以前江部先生のアドバイスでCペプチドの検査がが「1・6」でした。ここ数カ月インスリンをジャヌビアもやめ「5・9」と安定しております。ジャヌビアをやめてから「5・9」で一月たち日も浅いですがずっとスーパー糖質制限を続けています。今回のご相談ですが一ツ月に一回ぐらい少量のお寿司が食べたいと本人が言い、先生の御本に糖質を取る時だけ薬を使うなら「グルコバイ、ベイスン」等の「αグルコミターゼ阻害薬」が良いでしょうと書かれてあり、基本糖質制限を続けますか?、一ツ月に一回少量のお寿司を食べた時に飲む薬として「グルコバイ、ベイスン」の違い又、使用方法の事をお聞きしたくアドバイスを宜しくお願い致します。
過日主人の寝汗の件、薬の件(ジャヌビア)等でご相談させて頂きました者です。あれからHbA1cは「5・9」となり(三ヶ月続いており)、ジャヌビアを飲むのをやめる様言われ、様子を見ておりましたがその後HbA1cは「5・9」と変わりません。以前江部先生のアドバイスでCペプチドの検査がが「1・6」でした。ここ数カ月インスリンをジャヌビアもやめ「5・9」と安定しております。ジャヌビアをやめてから「5・9」で一月たち日も浅いですがずっとスーパー糖質制限を続けています。今回のご相談ですが一ツ月に一回ぐらい少量のお寿司が食べたいと本人が言い、先生の御本に糖質を取る時だけ薬を使うなら「グルコバイ、ベイスン」等の「αグルコミターゼ阻害薬」が良いでしょうと書かれてあり、基本糖質制限を続けますか?、一ツ月に一回少量のお寿司を食べた時に飲む薬として「グルコバイ、ベイスン」の違い又、使用方法の事をお聞きしたくアドバイスを宜しくお願い致します。
2016/08/30(Tue) 18:24 | URL | ケセラセラ | 【編集】
ケセラセラ さん
2015年08月03日 (月)の本ブログ記事
「『α-グルコシダーゼ阻害薬』(グルコバイ、ベイスン、セイブル)」
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-3472.html
をご参照頂けば幸いです。
2015年08月03日 (月)の本ブログ記事
「『α-グルコシダーゼ阻害薬』(グルコバイ、ベイスン、セイブル)」
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-3472.html
をご参照頂けば幸いです。
2016/08/30(Tue) 18:40 | URL | ドクター江部 | 【編集】
江部先生、こんばんは。
できる範囲で糖質制限を継続しています。
さて、インターネットで検索していると、とんでもない書籍が出版されることがわかりました。
糖質制限が病気を作る (仮) 松生恒夫 竹書房(2016/09/30発売)
出版社内容情報
極端な糖質制限は、食物繊維摂取度の低下や高脂肪化を招き大腸がんの原因となる。現代の糖質制限ブームに警鐘を鳴らす一冊!
この著者の本は読んだことがありませんが、とてもエビデンスに基づいた内容とは思えません。
できる範囲で糖質制限を継続しています。
さて、インターネットで検索していると、とんでもない書籍が出版されることがわかりました。
糖質制限が病気を作る (仮) 松生恒夫 竹書房(2016/09/30発売)
出版社内容情報
極端な糖質制限は、食物繊維摂取度の低下や高脂肪化を招き大腸がんの原因となる。現代の糖質制限ブームに警鐘を鳴らす一冊!
この著者の本は読んだことがありませんが、とてもエビデンスに基づいた内容とは思えません。
2016/08/30(Tue) 21:43 | URL | じょん | 【編集】
じょん さん
2013年10月の米国糖尿病学会「栄養療法に関する声明」において
糖質制限食は、地中海食、ベジタリアン食、脂肪制限食、高血圧食とともに正式に容認されました。
ここにおいて、糖質制限食の有効性と安全性は、担保されたと言えます。
また、糖質制限食では、ビタミンC確保のため、葉野菜、ブロッコリ、ゴーヤ、海藻など摂取しますので、
食物繊維が不足することはありません。
2013年10月の米国糖尿病学会「栄養療法に関する声明」において
糖質制限食は、地中海食、ベジタリアン食、脂肪制限食、高血圧食とともに正式に容認されました。
ここにおいて、糖質制限食の有効性と安全性は、担保されたと言えます。
また、糖質制限食では、ビタミンC確保のため、葉野菜、ブロッコリ、ゴーヤ、海藻など摂取しますので、
食物繊維が不足することはありません。
2016/08/31(Wed) 07:16 | URL | ドクター江部 | 【編集】
赤ワインについての再掲ありがとうございます(^_^)
先生のブログは過去から今読んでいるところですが検索せず赤ワインで酔っ払って質問してしまいお手数かけました(^_^;)
おかげで昨日は残りのフルボディのボトルを心おきなく楽しむことができました♪私が感じるあの甘さはほぼ血糖値を上げるタイプのものではないということですね。
元々糖質が多いお酒が苦手で日本酒も白ワインも辛口でも甘くて苦手なのですが、糖質たっぷりのビールが大好きです。ビールって恐ろしいですね。お酒は赤ワインと蒸留酒に切り替えようと思います(^^)
先生のブログは過去から今読んでいるところですが検索せず赤ワインで酔っ払って質問してしまいお手数かけました(^_^;)
おかげで昨日は残りのフルボディのボトルを心おきなく楽しむことができました♪私が感じるあの甘さはほぼ血糖値を上げるタイプのものではないということですね。
元々糖質が多いお酒が苦手で日本酒も白ワインも辛口でも甘くて苦手なのですが、糖質たっぷりのビールが大好きです。ビールって恐ろしいですね。お酒は赤ワインと蒸留酒に切り替えようと思います(^^)
2016/08/31(Wed) 10:00 | URL | gotothe.. | 【編集】
江部先生こんにちは、
いつも記事との関連性がなくすみません。
片づけ術と糖質制限食、意外な組み合わせだと思われることでしょう。
糖質制限食を実践されている方にはお分かり頂けると思いますが、 体から余分な脂肪が無くなり、体が軽くなり、そして動きもよくなる、頭もすっきり。
これは、必要のないものを捨て、必要のないものを買わないようにし、もの中心の生活から離れる。
結果として片付く。
やましたひでこさんの言う、断捨離なのです。 (「断捨離」という言葉は商標登録されています)
○やましたひでこ流 断捨離
断 →モノが入ってくるのを断つ
捨 →不要なモノを捨てる
離 →モノへの執着から離れる
断捨離というと新しい片づけ術かと思うかもしれませんが、そうではありません。
断捨離とは、モノへの執着を捨てることが最大のコンセプトです。
モノへの執着を捨てて、身の周りをキレイにするだけでなく、 心もストレスから解放されてスッキリする。
これが断捨離の目的です。
○オスティナート流 糖質制限食
断 →炭水化物(糖質)が入ってくるのを断つ
捨 →不要な炭水化物(糖質)を捨てる
離 →炭水化物(糖質)への執着から離れる
糖質制限食というと単なるダイエット術かと思うかもしれませんが、そうではありません。
糖質制限食とは、炭水化物(糖質)への執着を捨てることが最大のコンセプトです。
炭水化物(糖質)への執着を捨てて、お腹まわりをキレイにするだけでなく、 心もストレスから解放されてスッキリする。
これが糖質制限食の目的です。
長年生きてきた結果、貯まった体の中の必要のないものを掃除し、スッキリ、スリムになった体で生活する。 糖質制限食と断捨離の関係、意外な発見でした。
いつも記事との関連性がなくすみません。
片づけ術と糖質制限食、意外な組み合わせだと思われることでしょう。
糖質制限食を実践されている方にはお分かり頂けると思いますが、 体から余分な脂肪が無くなり、体が軽くなり、そして動きもよくなる、頭もすっきり。
これは、必要のないものを捨て、必要のないものを買わないようにし、もの中心の生活から離れる。
結果として片付く。
やましたひでこさんの言う、断捨離なのです。 (「断捨離」という言葉は商標登録されています)
○やましたひでこ流 断捨離
断 →モノが入ってくるのを断つ
捨 →不要なモノを捨てる
離 →モノへの執着から離れる
断捨離というと新しい片づけ術かと思うかもしれませんが、そうではありません。
断捨離とは、モノへの執着を捨てることが最大のコンセプトです。
モノへの執着を捨てて、身の周りをキレイにするだけでなく、 心もストレスから解放されてスッキリする。
これが断捨離の目的です。
○オスティナート流 糖質制限食
断 →炭水化物(糖質)が入ってくるのを断つ
捨 →不要な炭水化物(糖質)を捨てる
離 →炭水化物(糖質)への執着から離れる
糖質制限食というと単なるダイエット術かと思うかもしれませんが、そうではありません。
糖質制限食とは、炭水化物(糖質)への執着を捨てることが最大のコンセプトです。
炭水化物(糖質)への執着を捨てて、お腹まわりをキレイにするだけでなく、 心もストレスから解放されてスッキリする。
これが糖質制限食の目的です。
長年生きてきた結果、貯まった体の中の必要のないものを掃除し、スッキリ、スリムになった体で生活する。 糖質制限食と断捨離の関係、意外な発見でした。
2016/09/01(Thu) 13:23 | URL | オスティナート | 【編集】
オスティナート さん
なるほど
断 →炭水化物(糖質)が入ってくるのを断つ
捨 →不要な炭水化物(糖質)を捨てる
離 →炭水化物(糖質)への執着から離れる
必須糖質は理論的にはないので、「断捨離」ですね。
納得です。
なるほど
断 →炭水化物(糖質)が入ってくるのを断つ
捨 →不要な炭水化物(糖質)を捨てる
離 →炭水化物(糖質)への執着から離れる
必須糖質は理論的にはないので、「断捨離」ですね。
納得です。
2016/09/02(Fri) 07:44 | URL | ドクター江部 | 【編集】
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