2008年04月16日 (水)
おはようございます。
いよいよ暖かくなってきましたね。広沢の池の桜もすっかり散ってしまいました。
さて今回は、スーパー糖室制限食を実践中のふくちゃんからコメント・質問をいただきました。
『08/04/14 ふくちゃん
お世話になっております。2週間ほど前に投稿しましたふくちゃんです。スーパー糖室制限食を実施して2週間、はじめての検査結果がでましたHbA1cが前回の11,8から10,4に下がりました。アマリールは朝と夕2mgづつの指示でしたが1mgづつに勝手に減らしました。炭水化物を全く摂取していないのに膵臓に負担をかけ過ぎたくなかった為です。グルコバイは朝昼晩100mgづつ服用しました。
主治医には糖質制限食を実行していることは言っていませんが、このままだとやはりインスリン注射を指導することになると言われました。私的にはHbA1cは1~2か月前の血糖状態と解釈しておりますので糖質制限食を始めた2週間前からの成果は次回の検査で明らかになると思うのですが間違っているでしょうか・・・。またアマリールの量を勝手に減らしてもよかったのでしょうか・・・。お忙しいところ恐れ入りますがどうぞ宜しくお願いいたします。あ、それから糖質制限食を始めてから体重が65キロから62キロに減少し(身長は176センチ)、常に下痢気味だった便が良い便が出るようになりました。これだけでも成果だと思っています。』
ふくちゃん様。
スーパー糖質制限食2週間で、HbA1cが前回の11,8から10,4%と、1.4%も改善ですので、
とても良い経過ですよ。(^o^)v
HbA1c(*)は過去1~2ヶ月間の平均血糖値を反映してますので、次回の検査は更なる改善が期待できると思います。アマリールは減量しても、 HbA1cが良くなっているのでOKですね。一ヶ月後の次回検査で、おそらく8%台になっているでしょう。
主治医殿には、「アマリールを減らして、食事療法をきっちりやって、HbA1cが改善した。」ということで、相談してみてください。
順調にいけば三ヶ月後には6%台となりますので、インスリンの話が主治医殿からでなくなると思います。
もしどんな食事療法かと、主治医殿に聞かれたら、例によって「欧米では既に一般的で、日本でも始まりつつある<糖質管理食(**)>を徹底して実践しました。」ということで説明して理解を求めてください。
「糖質制限食を始めてから体重が65キロから62キロに減少し(身長は176センチ)、常に下痢気味だった便が良い便が出るようになりました。これだけでも成果だと思っています。」
良かったです。糖質制限食で当初、便秘したりする人もいますが快便となったのですね。糖質制限食で代謝全体が改善しますので中長期的には体調もよくなります。
江部康二
*HbA1c
赤血球の中に含まれているヘモグロビンは、鉄を含む赤色の色素部分のヘムと、蛋白部分のグロビンでできています。ヘモグロビンはグロビン部分の違いによりHbA、HbA2、HbFの3種類に分けられます。成人では、HbAが97%を占めています。
血液中には、赤血球や糖類やその代謝産物が流れていて、お互いに結合する傾向があります。赤血球中のヘモグロビンと、血中のブドウ糖など単糖類が結合したものが、グリケーティッドヘモグロビンです。
これを略してグリコヘモグロビンですが、HbA1とほぼ同義語として使用されています。グリコヘモグロビンは、元のヘモグロビンとは電気的性質が異なるため、検査により識別することができます。
HbA1は、さらにHbA1a、HbA1b、HbA1cなどに分けることができます。
このうち糖尿病の検査の指標として汎用されているHbA1cはヘモグロビンA(HbA)にグルコース(ブドウ糖)が結合したものです。当然、血糖値が高値であるほど、ヘモグロビンと結合しやすいのです。
HbA1cの生産量は、Hb(ヘモグロビン)の寿命と血糖値に依存します。赤血球は骨髄で作られ、血液中を循環し寿命は約120日間ですから、HbA1cは過去4ヶ月(120日間)の血糖値の動きを示しています。
より詳しく分析すると、HbA1c値の約50%は過去1ヶ月間の間に作られ、約25%が過去2ヶ月、残りの約25%が過去3、4ヶ月で作られます。
従いまして、HbA1cの値は通常は過去1、2ヶ月の平均血糖値を反映していると考えればよいことになります。
**糖質管理食
やはり主治医とよく相談されて、低血糖予防のためアマリールを減量されるのがよろしいですね。確かに糖質制限食といきなり言うと、主治医が拒否反応を起こされるかもしれませんので、糖質管理食を実践中ということで如何でしょう?
2008年1月の米国糖尿病協会(ADA)の栄養勧告で、「炭水化物をモニタリングすることは、炭水化物計算にしろ、炭水化物交換にしろ、経験に基づく評価にしろ、血糖コントロールを達成するための鍵となる戦略である。」と、炭水化物(糖質)を日常的に継続的に点検することを、強く推奨しています。
その中で炭水化物を計算するやり方は、糖質管理食(carbohydrate counting)といい、欧米では一般的に定着している糖尿病食事療法です。
日本でも「糖尿病のあなたへ かんたんカーボカウント―豊かな食生活のために 」医薬ジャーナル社 (2006/03) という糖質管理食の本が、大阪市立大学大学院医学研究科発達小児医学教室 大阪市立大学医学部附属病院栄養部から出版されています。
この糖質管理食を徹底したのが、 糖質制限食です。
いよいよ暖かくなってきましたね。広沢の池の桜もすっかり散ってしまいました。
さて今回は、スーパー糖室制限食を実践中のふくちゃんからコメント・質問をいただきました。
『08/04/14 ふくちゃん
お世話になっております。2週間ほど前に投稿しましたふくちゃんです。スーパー糖室制限食を実施して2週間、はじめての検査結果がでましたHbA1cが前回の11,8から10,4に下がりました。アマリールは朝と夕2mgづつの指示でしたが1mgづつに勝手に減らしました。炭水化物を全く摂取していないのに膵臓に負担をかけ過ぎたくなかった為です。グルコバイは朝昼晩100mgづつ服用しました。
主治医には糖質制限食を実行していることは言っていませんが、このままだとやはりインスリン注射を指導することになると言われました。私的にはHbA1cは1~2か月前の血糖状態と解釈しておりますので糖質制限食を始めた2週間前からの成果は次回の検査で明らかになると思うのですが間違っているでしょうか・・・。またアマリールの量を勝手に減らしてもよかったのでしょうか・・・。お忙しいところ恐れ入りますがどうぞ宜しくお願いいたします。あ、それから糖質制限食を始めてから体重が65キロから62キロに減少し(身長は176センチ)、常に下痢気味だった便が良い便が出るようになりました。これだけでも成果だと思っています。』
ふくちゃん様。
スーパー糖質制限食2週間で、HbA1cが前回の11,8から10,4%と、1.4%も改善ですので、
とても良い経過ですよ。(^o^)v
HbA1c(*)は過去1~2ヶ月間の平均血糖値を反映してますので、次回の検査は更なる改善が期待できると思います。アマリールは減量しても、 HbA1cが良くなっているのでOKですね。一ヶ月後の次回検査で、おそらく8%台になっているでしょう。
主治医殿には、「アマリールを減らして、食事療法をきっちりやって、HbA1cが改善した。」ということで、相談してみてください。
順調にいけば三ヶ月後には6%台となりますので、インスリンの話が主治医殿からでなくなると思います。
もしどんな食事療法かと、主治医殿に聞かれたら、例によって「欧米では既に一般的で、日本でも始まりつつある<糖質管理食(**)>を徹底して実践しました。」ということで説明して理解を求めてください。
「糖質制限食を始めてから体重が65キロから62キロに減少し(身長は176センチ)、常に下痢気味だった便が良い便が出るようになりました。これだけでも成果だと思っています。」
良かったです。糖質制限食で当初、便秘したりする人もいますが快便となったのですね。糖質制限食で代謝全体が改善しますので中長期的には体調もよくなります。
江部康二
*HbA1c
赤血球の中に含まれているヘモグロビンは、鉄を含む赤色の色素部分のヘムと、蛋白部分のグロビンでできています。ヘモグロビンはグロビン部分の違いによりHbA、HbA2、HbFの3種類に分けられます。成人では、HbAが97%を占めています。
血液中には、赤血球や糖類やその代謝産物が流れていて、お互いに結合する傾向があります。赤血球中のヘモグロビンと、血中のブドウ糖など単糖類が結合したものが、グリケーティッドヘモグロビンです。
これを略してグリコヘモグロビンですが、HbA1とほぼ同義語として使用されています。グリコヘモグロビンは、元のヘモグロビンとは電気的性質が異なるため、検査により識別することができます。
HbA1は、さらにHbA1a、HbA1b、HbA1cなどに分けることができます。
このうち糖尿病の検査の指標として汎用されているHbA1cはヘモグロビンA(HbA)にグルコース(ブドウ糖)が結合したものです。当然、血糖値が高値であるほど、ヘモグロビンと結合しやすいのです。
HbA1cの生産量は、Hb(ヘモグロビン)の寿命と血糖値に依存します。赤血球は骨髄で作られ、血液中を循環し寿命は約120日間ですから、HbA1cは過去4ヶ月(120日間)の血糖値の動きを示しています。
より詳しく分析すると、HbA1c値の約50%は過去1ヶ月間の間に作られ、約25%が過去2ヶ月、残りの約25%が過去3、4ヶ月で作られます。
従いまして、HbA1cの値は通常は過去1、2ヶ月の平均血糖値を反映していると考えればよいことになります。
**糖質管理食
やはり主治医とよく相談されて、低血糖予防のためアマリールを減量されるのがよろしいですね。確かに糖質制限食といきなり言うと、主治医が拒否反応を起こされるかもしれませんので、糖質管理食を実践中ということで如何でしょう?
2008年1月の米国糖尿病協会(ADA)の栄養勧告で、「炭水化物をモニタリングすることは、炭水化物計算にしろ、炭水化物交換にしろ、経験に基づく評価にしろ、血糖コントロールを達成するための鍵となる戦略である。」と、炭水化物(糖質)を日常的に継続的に点検することを、強く推奨しています。
その中で炭水化物を計算するやり方は、糖質管理食(carbohydrate counting)といい、欧米では一般的に定着している糖尿病食事療法です。
日本でも「糖尿病のあなたへ かんたんカーボカウント―豊かな食生活のために 」医薬ジャーナル社 (2006/03) という糖質管理食の本が、大阪市立大学大学院医学研究科発達小児医学教室 大阪市立大学医学部附属病院栄養部から出版されています。
この糖質管理食を徹底したのが、 糖質制限食です。
江部先生お返事といいますかブログの題材にしていただきまして光栄です。先生に出会えたことに心より感謝しております。当初はきつかった糖質制限食にもすっかり慣れてきました。これがカロリー制限食だったら継続不可能だったと思います。糖質制限ということでおからや肉類が食べられることで体力もキープできていますし
炭水化物が摂れないストレスもあまり感じません。順調にHbA1cが下がってみさなんと同じような数値になれるように今後も頑張っていきたいと思います(^0^)V今後ともどうぞ宜しくお願い致しますm(_ _)m
炭水化物が摂れないストレスもあまり感じません。順調にHbA1cが下がってみさなんと同じような数値になれるように今後も頑張っていきたいと思います(^0^)V今後ともどうぞ宜しくお願い致しますm(_ _)m
2008/04/16(Wed) 15:34 | URL | ふくちゃん | 【編集】
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