2016年07月26日 (火)
こんにちは。
1がたさんから、コメント・質問を頂きました。
東京大学先端科学技術研究センター
オープンキャンパス公開シンポジウム
がんと生活習慣病の新しい栄養学(2016年6月3日)
の情報もコメント頂きました。
ありがとうございます。
とても参考になるので記事にしました。
「糖質を抑えることで健康になる」
「ケトン体が安全」
「脳はケトン体をエネルギー源とする」
「がん細胞のエネルギー源はブドウ糖」
・・・など
東京大学先端科学技術研究センターの先生方、私が日頃主張していることをきっちり説明して頂いて、素晴らしいです。 ヾ(^▽^)
good job です。
感謝です。 m(_ _)m
東大の最先端の研究者の先生方が糖質制限賛成派とは嬉しい限りで、大変、心強いですね。
江部康二
【16/07/16
1がた
はじめまして。最近ブログで勉強させていただいています。
本も買って先日読みました。
こちらには1型糖尿病のカテゴリーもあり、とても勉強になります。
私は1型糖尿病になり10年経ちます。女性で中年の年代です。
今までは打った分を食べて、上がりすぎては追加し、下がりすぎては食べて、、、ということで乱高下する事が多く、50から300、、など体に悪いなーと思いつつそんなことも珍しくないような状態でした。
病歴10年でも日々食べるものは違い、運動量も違います。
そんな中、昨年バセドー病を発症し投薬治療をしています。
薬の影響もあり最近体重が増えてきて悩んでいました。
そこで、低糖質にチャレンジしています。
完璧ではないにしても2週間ほどやってみて、体重はほとんど変わっていません。
インスリンの量はかなり減るようになりました。
バセドー病の薬を飲みつつ体重をキープしてるのがなんとなくの効果なのかな、とも思いますが、人生初の60キロ超えの体重をなんとか落としたいと切実に思っています。
太った?と言われたりして、人と会ったり外出も億劫になるような気分でおかしくなりそうです。
1型の場合は、ケトン体がですぎるとケトアシドーシスになり危険なのでしょうか。
でも、日に何度も測っていて、それほど血糖値が高くなるということありません。
それでもケトアシドーシスは心配なものでしょうか。
あと、1型の場合低血糖がこわいです。
健常の身体なら低糖質にした場合でも低血糖にならずにケトン体でエネルギーとなるんですよね?
1型の場合はそこまでいかずに低血糖になってしまい、ブドウ糖が必要になりますよね?
すると、低糖質の食事だとしても痩せられる気がしません。
以上の2点、もしよろければ教えていただけないでしょうか。
すでにそのような内容がもしあって読み切れてなければ申し訳ありません。
1型のカテゴリーも読んでいて、低血糖に効果的であることも読んだので、チャレンジしてみているのですが、あまりに体重が減らないので悲しくなってきました。
よろしくお願い致します。】
16/07/16 ドクター江部
1がた さん
1型糖尿病でも、脂肪酸-ケトン体は普通にエネルギー源にします。
糖質制限食でインスリン注射の量がかなり減ったのは、とても良いことです。
インスリンが減れば、低血糖も減ります。
インスリンは肥満ホルモンですので、それが減れば体重も減りやすくなります。
1型でもインスリンを注射して、インスリン作用が保たれているなら、「ケトアシドーシス」にはなりません。
インスリン作用が保たれていれば、血中ケトン体高値でも、それは全く安全なエネルギー源です。
糖質制限食実践で食後高血糖が改善しますが、血糖値が正常値でも低値になってくると 、肝臓で糖新生して血糖値を保つので低血糖にはなりません。
【16/07/16
1がた
江部先生
さっそくのお返事ありがとうございます。
気になっていたことが理解でき、スッキリしました。
コメント思い切ってしてよかったです。
また疑問があった時にはよろしくお願いします。】
【16/07/21
1がた
きのうの番組見ました。
なんだかいろいろつっこみどころ満載な感じでしたね。Twitterの反応見てみると、「やっぱり糖質制限は危険、こわい」などがならび、多くの人々がテレビの内容を素直に受け取っていました。なんだかなー。
家族や知人に反対されているような人はここぞとばかり非難の的になってしまうでしょうし。。
隠れメタボになるのもカロリー摂らなすぎの極端なダイエットしてる若い子にはよく言われていることですよね。ひとこと、糖質制限ではカロリーは確保してください、と言えばいいものを、、、悪意を感じましたよ。。
先月東大の先端研で行われた一般向けのセミナーで、新しい栄養の取り方、というような内容でいろいろな著名な先生方の研究発表がありました。内容は知らずに行きましたが、糖質を抑えることで健康になる、という内容がありました。ケトン体が安全とのこと。
1型の私、ケトアシドーシスはこわいこわいと教えられてきたので、目からウロコ状態でした。いろいろな情報聞きかじっていて、どれがほんとかわからない状態でしたが、そういう最先端の研究をされている先生方が江部先生と同じようなお話をされていたので、これは信用できるかな、と思い真剣に取り組むようになったのでした。
なぜ、テレビはああいうみんなが混乱する間違えた情報をわざわざ流すのでしょうねー。】
16/07/21 ドクター江部
1がた さん
『ひとこと、糖質制限ではカロリーは確保してください、と言えばいいものを、、、』
全く同感です。
NHKクローズアップ現代、
「糖質制限はダイエットにとても良い食事療法ですが、カロリーの確保だけ注意して下さい」
くらいなら、フェアな表現といえますね。
先月東大の先端研で行われた一般向けのセミナーで 『糖質を抑えることで健康になる。ケトン体が安全。』とのこと、 これは嬉しい情報ですね。 ありがとうございます。
最先端の研究をされている先生方、もし所属や姓名がわかれば、ご教示頂けば幸いです。
一般向けのセミナーでしたら、公開されたチラシかパンフレットがあったのでしょうね。
【16/07/21
1がた
http://www.lsbm.org/news/2016/0226.html
先月のセミナーのリンクです。
たまたま立ち寄ったようなセミナーでしたが、とても勉強になりました。
特に2つ目の発表されていた、脂肪を燃やす、というお話をされていた先生がケトンについて話されていました。
てんかんでしたっけ、ケトン食で健康には問題なく、脳はブドウ糖だけではなくケトンも栄養にできること、癌はブドウ糖をエサにして大きくなること、あとはFGF21というホルモン?とにかく飢餓シグナルが健康にいいことなど、なかなか難しい話でしたが、わかるところだけでも最先端の研究に触れることができてすごいなーと思いました。
わたしも普通に脳はブドウ糖しか栄養にできない、なんてずっと信じていたので。こういうことを知っていたら病気の経過もずいぶん変わっていたように思います。
先日、長く診ていただいている主治医に低糖質のことを言いましたら、筋肉が減っていくよ、と否定的な様子でした。少し残念ですが、人体実験のつもりでやっていきます。
もうすでに病気だし、リスクはもともとたくさん持っているわけで、A1cが下がる方がリスク回避としては上かと思うからです。
ちなみにタンパク質や脂肪は糖質の代わりにたくさんとっているので、お肌の状態などは以前よりいいですよ!】
16/07/21 ドクター江部
1がた さん
情報をありがとうございます。
とても助かります。
東京大学の公式サイトに載ってますね。
東京大学先端科学技術研究センター オープンキャンパス公開シンポジウム
がんと生活習慣病の新しい栄養学
2016年6月3日 午後2時から5時 先端研3号館 ENEOSホール
最先端の研究者のお話しですから、素晴らしい体験をされたと思います。
・脳はケトン体をいくらでもエネルギー源として利用する。
・ケトン食は難治性小児てんかんの治療食として公的ガイドラインが認めている。
・癌細胞はブドウ糖しかエネルギー源にできない。
これらは全て事実です。
そして、糖質制限食は、蛋白質を充分量摂取しますので、カロリーさえ確保しておけば筋肉が減少することはありません。
カロリー制限食は、蛋白質摂取も減ることがあるので筋肉減少の危険があります。
糖質制限食こそが、人類本来の食事であり、人類の健康食なのです。
☆☆☆
東京大学の公式サイト
東京大学先端科学技術研究センター システム生物医学ラボラトリー
http://www.lsbm.org/news/2016/0226.html
News
2016.02.26
東京大学先端科学技術研究センター オープンキャンパス公開シンポジウム
がんと生活習慣病の新しい栄養学
2016年6月3日 午後2時から5時 先端研3号館 ENEOSホール
高齢化社会になり、これまでの「野菜とお米」を食べていれば健康にいい、という刷り込みが本当なのか疑問がもたれています。
遺伝学の研究から、ずっと栄養がたりているより、周期的にネエルギー不足にし、「飢餓シグナル」を働かせた方が、寿命が長くなることがわかってきました。
体の中の異邦人のミトコンドリアの代謝のメカニズム理解をもとに最先端の気鋭の研究者が、「ちょっと難しいが大事な栄養のメカニズム」の入り口をツアーガイドしてくれます。
オープンキャンパスの公開シンポジウムで、誰もが迎えるエイジング、そしてがんと生活習慣病について、新しい考え方を紹介します。(無料、参加自由)
2時00分 オープニングリマーク 新しい栄養学
児玉 龍彦 (先端研教授)
2時10分 脂肪を燃やすメカニズム
酒井 寿郎 (先端研教授)
2時35分 FGF21ってなんだろう
稲垣 毅 (先端研准教授)
3時00分 がんになると代謝がかわる
大沢 毅 (先端研助教)
(休憩)
3時35分 脂肪肝
中島 淳(横浜市大教授)
4時00分 飢餓シグナルと生活習慣病治療
田中 十志也(先端研教授)
4時25分 エイジングと目の病気と栄養
坪田 一男 (慶応大教授)
4時50分 クロージングリマーク 新しい栄養学
中村 和男 (シミックホールディングス CEO)
1がたさんから、コメント・質問を頂きました。
東京大学先端科学技術研究センター
オープンキャンパス公開シンポジウム
がんと生活習慣病の新しい栄養学(2016年6月3日)
の情報もコメント頂きました。
ありがとうございます。
とても参考になるので記事にしました。
「糖質を抑えることで健康になる」
「ケトン体が安全」
「脳はケトン体をエネルギー源とする」
「がん細胞のエネルギー源はブドウ糖」
・・・など
東京大学先端科学技術研究センターの先生方、私が日頃主張していることをきっちり説明して頂いて、素晴らしいです。 ヾ(^▽^)
good job です。
感謝です。 m(_ _)m
東大の最先端の研究者の先生方が糖質制限賛成派とは嬉しい限りで、大変、心強いですね。
江部康二
【16/07/16
1がた
はじめまして。最近ブログで勉強させていただいています。
本も買って先日読みました。
こちらには1型糖尿病のカテゴリーもあり、とても勉強になります。
私は1型糖尿病になり10年経ちます。女性で中年の年代です。
今までは打った分を食べて、上がりすぎては追加し、下がりすぎては食べて、、、ということで乱高下する事が多く、50から300、、など体に悪いなーと思いつつそんなことも珍しくないような状態でした。
病歴10年でも日々食べるものは違い、運動量も違います。
そんな中、昨年バセドー病を発症し投薬治療をしています。
薬の影響もあり最近体重が増えてきて悩んでいました。
そこで、低糖質にチャレンジしています。
完璧ではないにしても2週間ほどやってみて、体重はほとんど変わっていません。
インスリンの量はかなり減るようになりました。
バセドー病の薬を飲みつつ体重をキープしてるのがなんとなくの効果なのかな、とも思いますが、人生初の60キロ超えの体重をなんとか落としたいと切実に思っています。
太った?と言われたりして、人と会ったり外出も億劫になるような気分でおかしくなりそうです。
1型の場合は、ケトン体がですぎるとケトアシドーシスになり危険なのでしょうか。
でも、日に何度も測っていて、それほど血糖値が高くなるということありません。
それでもケトアシドーシスは心配なものでしょうか。
あと、1型の場合低血糖がこわいです。
健常の身体なら低糖質にした場合でも低血糖にならずにケトン体でエネルギーとなるんですよね?
1型の場合はそこまでいかずに低血糖になってしまい、ブドウ糖が必要になりますよね?
すると、低糖質の食事だとしても痩せられる気がしません。
以上の2点、もしよろければ教えていただけないでしょうか。
すでにそのような内容がもしあって読み切れてなければ申し訳ありません。
1型のカテゴリーも読んでいて、低血糖に効果的であることも読んだので、チャレンジしてみているのですが、あまりに体重が減らないので悲しくなってきました。
よろしくお願い致します。】
16/07/16 ドクター江部
1がた さん
1型糖尿病でも、脂肪酸-ケトン体は普通にエネルギー源にします。
糖質制限食でインスリン注射の量がかなり減ったのは、とても良いことです。
インスリンが減れば、低血糖も減ります。
インスリンは肥満ホルモンですので、それが減れば体重も減りやすくなります。
1型でもインスリンを注射して、インスリン作用が保たれているなら、「ケトアシドーシス」にはなりません。
インスリン作用が保たれていれば、血中ケトン体高値でも、それは全く安全なエネルギー源です。
糖質制限食実践で食後高血糖が改善しますが、血糖値が正常値でも低値になってくると 、肝臓で糖新生して血糖値を保つので低血糖にはなりません。
【16/07/16
1がた
江部先生
さっそくのお返事ありがとうございます。
気になっていたことが理解でき、スッキリしました。
コメント思い切ってしてよかったです。
また疑問があった時にはよろしくお願いします。】
【16/07/21
1がた
きのうの番組見ました。
なんだかいろいろつっこみどころ満載な感じでしたね。Twitterの反応見てみると、「やっぱり糖質制限は危険、こわい」などがならび、多くの人々がテレビの内容を素直に受け取っていました。なんだかなー。
家族や知人に反対されているような人はここぞとばかり非難の的になってしまうでしょうし。。
隠れメタボになるのもカロリー摂らなすぎの極端なダイエットしてる若い子にはよく言われていることですよね。ひとこと、糖質制限ではカロリーは確保してください、と言えばいいものを、、、悪意を感じましたよ。。
先月東大の先端研で行われた一般向けのセミナーで、新しい栄養の取り方、というような内容でいろいろな著名な先生方の研究発表がありました。内容は知らずに行きましたが、糖質を抑えることで健康になる、という内容がありました。ケトン体が安全とのこと。
1型の私、ケトアシドーシスはこわいこわいと教えられてきたので、目からウロコ状態でした。いろいろな情報聞きかじっていて、どれがほんとかわからない状態でしたが、そういう最先端の研究をされている先生方が江部先生と同じようなお話をされていたので、これは信用できるかな、と思い真剣に取り組むようになったのでした。
なぜ、テレビはああいうみんなが混乱する間違えた情報をわざわざ流すのでしょうねー。】
16/07/21 ドクター江部
1がた さん
『ひとこと、糖質制限ではカロリーは確保してください、と言えばいいものを、、、』
全く同感です。
NHKクローズアップ現代、
「糖質制限はダイエットにとても良い食事療法ですが、カロリーの確保だけ注意して下さい」
くらいなら、フェアな表現といえますね。
先月東大の先端研で行われた一般向けのセミナーで 『糖質を抑えることで健康になる。ケトン体が安全。』とのこと、 これは嬉しい情報ですね。 ありがとうございます。
最先端の研究をされている先生方、もし所属や姓名がわかれば、ご教示頂けば幸いです。
一般向けのセミナーでしたら、公開されたチラシかパンフレットがあったのでしょうね。
【16/07/21
1がた
http://www.lsbm.org/news/2016/0226.html
先月のセミナーのリンクです。
たまたま立ち寄ったようなセミナーでしたが、とても勉強になりました。
特に2つ目の発表されていた、脂肪を燃やす、というお話をされていた先生がケトンについて話されていました。
てんかんでしたっけ、ケトン食で健康には問題なく、脳はブドウ糖だけではなくケトンも栄養にできること、癌はブドウ糖をエサにして大きくなること、あとはFGF21というホルモン?とにかく飢餓シグナルが健康にいいことなど、なかなか難しい話でしたが、わかるところだけでも最先端の研究に触れることができてすごいなーと思いました。
わたしも普通に脳はブドウ糖しか栄養にできない、なんてずっと信じていたので。こういうことを知っていたら病気の経過もずいぶん変わっていたように思います。
先日、長く診ていただいている主治医に低糖質のことを言いましたら、筋肉が減っていくよ、と否定的な様子でした。少し残念ですが、人体実験のつもりでやっていきます。
もうすでに病気だし、リスクはもともとたくさん持っているわけで、A1cが下がる方がリスク回避としては上かと思うからです。
ちなみにタンパク質や脂肪は糖質の代わりにたくさんとっているので、お肌の状態などは以前よりいいですよ!】
16/07/21 ドクター江部
1がた さん
情報をありがとうございます。
とても助かります。
東京大学の公式サイトに載ってますね。
東京大学先端科学技術研究センター オープンキャンパス公開シンポジウム
がんと生活習慣病の新しい栄養学
2016年6月3日 午後2時から5時 先端研3号館 ENEOSホール
最先端の研究者のお話しですから、素晴らしい体験をされたと思います。
・脳はケトン体をいくらでもエネルギー源として利用する。
・ケトン食は難治性小児てんかんの治療食として公的ガイドラインが認めている。
・癌細胞はブドウ糖しかエネルギー源にできない。
これらは全て事実です。
そして、糖質制限食は、蛋白質を充分量摂取しますので、カロリーさえ確保しておけば筋肉が減少することはありません。
カロリー制限食は、蛋白質摂取も減ることがあるので筋肉減少の危険があります。
糖質制限食こそが、人類本来の食事であり、人類の健康食なのです。
☆☆☆
東京大学の公式サイト
東京大学先端科学技術研究センター システム生物医学ラボラトリー
http://www.lsbm.org/news/2016/0226.html
News
2016.02.26
東京大学先端科学技術研究センター オープンキャンパス公開シンポジウム
がんと生活習慣病の新しい栄養学
2016年6月3日 午後2時から5時 先端研3号館 ENEOSホール
高齢化社会になり、これまでの「野菜とお米」を食べていれば健康にいい、という刷り込みが本当なのか疑問がもたれています。
遺伝学の研究から、ずっと栄養がたりているより、周期的にネエルギー不足にし、「飢餓シグナル」を働かせた方が、寿命が長くなることがわかってきました。
体の中の異邦人のミトコンドリアの代謝のメカニズム理解をもとに最先端の気鋭の研究者が、「ちょっと難しいが大事な栄養のメカニズム」の入り口をツアーガイドしてくれます。
オープンキャンパスの公開シンポジウムで、誰もが迎えるエイジング、そしてがんと生活習慣病について、新しい考え方を紹介します。(無料、参加自由)
2時00分 オープニングリマーク 新しい栄養学
児玉 龍彦 (先端研教授)
2時10分 脂肪を燃やすメカニズム
酒井 寿郎 (先端研教授)
2時35分 FGF21ってなんだろう
稲垣 毅 (先端研准教授)
3時00分 がんになると代謝がかわる
大沢 毅 (先端研助教)
(休憩)
3時35分 脂肪肝
中島 淳(横浜市大教授)
4時00分 飢餓シグナルと生活習慣病治療
田中 十志也(先端研教授)
4時25分 エイジングと目の病気と栄養
坪田 一男 (慶応大教授)
4時50分 クロージングリマーク 新しい栄養学
中村 和男 (シミックホールディングス CEO)
外科と代謝・栄養50巻3号 2016年6月15日発行
日本外科代謝栄養学会第53回学術集会プログラム・予稿
P178
糖質制限食が腸管虚血再灌流後の生体反応に及ぼす影響について
○渡邊智記1)2)、深柄和彦2)、村越智2)、 守屋智之 1)、李基成2)、山本順 司1)、長谷和生1)、安原洋2)
1)防衛医科大学校外科 2)東京大学医学部附属病院手術部
【背景】近年、肥満患者に対する糖質制限食(Low carbohydrate-high fat diet 以下LCHFD)による栄養介入が、体重減少・耐糖能の改善や循環器疾患リスクの軽減に有効と報告されている。しかし、高脂肪食による炎症反応増悪の報告もあり、LCHFD摂取患者が外科侵襲後に予期せぬ転帰をたどる危険性も否定できない。今回我々は、LCHFD の摂取が外科侵襲時に及ぼす影響に関してマウス腸管虚血再灌流モデルで検討した。
【方法】1) マウスを通常食群 (以下N群)(N=30)とLCHFD群(以下LCHFD群)(N=29)の2群に分けそれぞれ食餌を3週間自由摂取させた。
食餌の組成内容は通常食: 炭水化物65% 脂質16% アミノ酸19%、LCHFD食: 炭水化物20% 脂質62% アミノ酸18%であった。その後麻酔下に上腸間膜動脈をクランプ、60分後にクランプを解除し再灌流後の生存を48時間観察した。
2) マウスをN 群(N=9)、LCHFD群(N=9)の2群に分け、1)と同様に3週間の自由摂取の後に60分間の腸管虚血を施行。再灌流後6時間に致死せしめ、血液・腸管組織を採取。血清中のアデイポサイトカイン値、腸管組織のSOD活性値を測定しおよび腸管傷害度をChiu分類にて評価した。
【結果】1) 再灌流後の生存率はN群、LCHFD群の順に12時間(80% vs 100%)、24時間(53% vs 69%)、48時間(30% vs 52%)であり、いずれもLCHFD群で良好で特に12時間での生存率では有意差を認 めた (Fisher's exact test: p=0.02)。生存時間においてもLCHFD群で良好な傾向がみられた (log rank test: p=0.07 )
2) 再灌流後6時間での各項目の値はN群、LCHFD群の順にアデイポネクチン: 5.8±0.7μl/ml vs 5.9±0.6μl/ml、レプチン: 4.4±0.5ng/ml vs 4.3±0.4ng/ml、 SOD活性値: 27.8±5.6u/g vs 34.1±4.7u/gと同等で、Chiu分類による腸管障害度の評価もN群平均Grade2.3、LCHFD群 平均Grade2.2であった。
【結語】糖質制限食の比較的長期間(3週間)の自由摂取は腸管虚血再灌流後の予後改善をもたらした。しかし、血清中のアデイポサイトカイン値、腸管組織中SOD活性、腸管傷害の程度は大きな違いを認めず、生存改善の機序についてはさらなる検討が必要である。
日本外科代謝栄養学会第53回学術集会プログラム・予稿
P178
糖質制限食が腸管虚血再灌流後の生体反応に及ぼす影響について
○渡邊智記1)2)、深柄和彦2)、村越智2)、 守屋智之 1)、李基成2)、山本順 司1)、長谷和生1)、安原洋2)
1)防衛医科大学校外科 2)東京大学医学部附属病院手術部
【背景】近年、肥満患者に対する糖質制限食(Low carbohydrate-high fat diet 以下LCHFD)による栄養介入が、体重減少・耐糖能の改善や循環器疾患リスクの軽減に有効と報告されている。しかし、高脂肪食による炎症反応増悪の報告もあり、LCHFD摂取患者が外科侵襲後に予期せぬ転帰をたどる危険性も否定できない。今回我々は、LCHFD の摂取が外科侵襲時に及ぼす影響に関してマウス腸管虚血再灌流モデルで検討した。
【方法】1) マウスを通常食群 (以下N群)(N=30)とLCHFD群(以下LCHFD群)(N=29)の2群に分けそれぞれ食餌を3週間自由摂取させた。
食餌の組成内容は通常食: 炭水化物65% 脂質16% アミノ酸19%、LCHFD食: 炭水化物20% 脂質62% アミノ酸18%であった。その後麻酔下に上腸間膜動脈をクランプ、60分後にクランプを解除し再灌流後の生存を48時間観察した。
2) マウスをN 群(N=9)、LCHFD群(N=9)の2群に分け、1)と同様に3週間の自由摂取の後に60分間の腸管虚血を施行。再灌流後6時間に致死せしめ、血液・腸管組織を採取。血清中のアデイポサイトカイン値、腸管組織のSOD活性値を測定しおよび腸管傷害度をChiu分類にて評価した。
【結果】1) 再灌流後の生存率はN群、LCHFD群の順に12時間(80% vs 100%)、24時間(53% vs 69%)、48時間(30% vs 52%)であり、いずれもLCHFD群で良好で特に12時間での生存率では有意差を認 めた (Fisher's exact test: p=0.02)。生存時間においてもLCHFD群で良好な傾向がみられた (log rank test: p=0.07 )
2) 再灌流後6時間での各項目の値はN群、LCHFD群の順にアデイポネクチン: 5.8±0.7μl/ml vs 5.9±0.6μl/ml、レプチン: 4.4±0.5ng/ml vs 4.3±0.4ng/ml、 SOD活性値: 27.8±5.6u/g vs 34.1±4.7u/gと同等で、Chiu分類による腸管障害度の評価もN群平均Grade2.3、LCHFD群 平均Grade2.2であった。
【結語】糖質制限食の比較的長期間(3週間)の自由摂取は腸管虚血再灌流後の予後改善をもたらした。しかし、血清中のアデイポサイトカイン値、腸管組織中SOD活性、腸管傷害の程度は大きな違いを認めず、生存改善の機序についてはさらなる検討が必要である。
2016/07/26(Tue) 22:47 | URL | 精神科医師A | 【編集】
P198
糖質制限食にてCEA doubling timeと CRPが改善した肺癌終末期の1例
~Cancer as a Metabolic Disease~
○高坂佳宏、白畑 敦 IMSグループ横浜旭中央総合病院外科
【緒言】昨今分子生物学的な解明には目覚ましいものがあり、腫瘍を代謝・炎症性疾患と捉えた治療の Strategyが脚光を浴びるようになってきた。今回糖質制限によりCEA Doubling Time(以後C-DT)とCRPの改善がみられた症例を経験したので 文献的な考察を加え報告する。
【症例】68歳、男性。2013年2月 右下葉肺癌(T2NxMx)にて内科より紹介。根治術を前提にした全身精査を薦めるも、社会的、経済的諸事情より癌に対する精査加療を拒否され、対症療法のみ希望され経過観察を行っていた。今回2014年12月より緩和療法の一環として糖質制限を開始した。
【方法】緩和医療における支持療法という位置づけで説明し納得された上で、糖質摂取量1日20g以下となるように食事指導し、目標摂取カロリー等細かい指導は行わず6ケ月間(2ヵ月毎にdata確認)介入した。内服薬の変更は行っていない。
介入前後でのCTDT、CRP等を測定した。
<C-DT計算法> C-DT=(経過日数×log2)/(log(当回検査値/前回検査値))
<介入時現症> 身長163cm、体重58kg、BMI 21.8、特に食思不振等の症状はなく、標準的な食事を摂取していた。
<介入時血液検査所見> 初診時(2013.2) CEA107.4ng/ml、介入時(2014.12) CEA518.5ng/ml、sAlb4.lg/dl、CRP16.3mg/dl、総ケトン体(TKB) 32μmo1/1(初診時~ 2014.12までの) C-DT: 298日。
【結果】実際の食事を解析し平均すると、総摂取カロリー1245kcal/日 、糖質量64g/日(20%E)、蛋白質量74g/日(24%E)、脂質量77g/日(56%E)という状況であった。
(2015.2)/(2015.4)/(2015.6) 体重57/54/60kg、BMI 21.5/20.3/22.6。
<介入後血液検査所見> (2015.2)/(2015.4)/(2015.6): CEA539.4/612.3/923.8ng/ml、sAlb 3.9/3.9/3.3g/dl、CRP l0.7/11.1/6.5mg/dl、TKB 658/310/469μmol/l、C-DT: 895/306/106日。経過中低栄養、低血糖症状等問題はなかった。
【考察】糖質制限によりC-DTとCRPの改善をみた可能性が考えられる。その機序として1)Warburg効果を有する腫瘍に対するエネルギー源と基質供給の抑制による抗腫瘍効果、2)またそれによる腫瘍由来炎症性サイトカインの産生低下、3)高血糖状態で惹起する腫瘍増殖シグナル伝達系(Ras/MAPK系、P13K/mTOR系)及び炎症系シグナル伝達系 (NF-κB、TNF-α 等)の抑制等が考えられる。
【結語】腫瘍及びそれによる炎症に対するStrategy としての糖質制限の可能性が示された。
糖質制限食にてCEA doubling timeと CRPが改善した肺癌終末期の1例
~Cancer as a Metabolic Disease~
○高坂佳宏、白畑 敦 IMSグループ横浜旭中央総合病院外科
【緒言】昨今分子生物学的な解明には目覚ましいものがあり、腫瘍を代謝・炎症性疾患と捉えた治療の Strategyが脚光を浴びるようになってきた。今回糖質制限によりCEA Doubling Time(以後C-DT)とCRPの改善がみられた症例を経験したので 文献的な考察を加え報告する。
【症例】68歳、男性。2013年2月 右下葉肺癌(T2NxMx)にて内科より紹介。根治術を前提にした全身精査を薦めるも、社会的、経済的諸事情より癌に対する精査加療を拒否され、対症療法のみ希望され経過観察を行っていた。今回2014年12月より緩和療法の一環として糖質制限を開始した。
【方法】緩和医療における支持療法という位置づけで説明し納得された上で、糖質摂取量1日20g以下となるように食事指導し、目標摂取カロリー等細かい指導は行わず6ケ月間(2ヵ月毎にdata確認)介入した。内服薬の変更は行っていない。
介入前後でのCTDT、CRP等を測定した。
<C-DT計算法> C-DT=(経過日数×log2)/(log(当回検査値/前回検査値))
<介入時現症> 身長163cm、体重58kg、BMI 21.8、特に食思不振等の症状はなく、標準的な食事を摂取していた。
<介入時血液検査所見> 初診時(2013.2) CEA107.4ng/ml、介入時(2014.12) CEA518.5ng/ml、sAlb4.lg/dl、CRP16.3mg/dl、総ケトン体(TKB) 32μmo1/1(初診時~ 2014.12までの) C-DT: 298日。
【結果】実際の食事を解析し平均すると、総摂取カロリー1245kcal/日 、糖質量64g/日(20%E)、蛋白質量74g/日(24%E)、脂質量77g/日(56%E)という状況であった。
(2015.2)/(2015.4)/(2015.6) 体重57/54/60kg、BMI 21.5/20.3/22.6。
<介入後血液検査所見> (2015.2)/(2015.4)/(2015.6): CEA539.4/612.3/923.8ng/ml、sAlb 3.9/3.9/3.3g/dl、CRP l0.7/11.1/6.5mg/dl、TKB 658/310/469μmol/l、C-DT: 895/306/106日。経過中低栄養、低血糖症状等問題はなかった。
【考察】糖質制限によりC-DTとCRPの改善をみた可能性が考えられる。その機序として1)Warburg効果を有する腫瘍に対するエネルギー源と基質供給の抑制による抗腫瘍効果、2)またそれによる腫瘍由来炎症性サイトカインの産生低下、3)高血糖状態で惹起する腫瘍増殖シグナル伝達系(Ras/MAPK系、P13K/mTOR系)及び炎症系シグナル伝達系 (NF-κB、TNF-α 等)の抑制等が考えられる。
【結語】腫瘍及びそれによる炎症に対するStrategy としての糖質制限の可能性が示された。
2016/07/26(Tue) 22:49 | URL | 精神科医師A | 【編集】
「SGLT2阻害薬のケトアシドーシス」への解答
米国臨床内分泌医会・米国内分泌学会の合同声明から
北里研究所病院糖尿病センターセンター長 山田悟
https://medical-tribune.co.jp/rensai/2016/0707503998/?utm_source=mail&utm_medium=recent160707&utm_campaign=mailmag
SGLT2阻害薬を内服している患者が、ケトアシドーシスを示唆するような症状(腹痛、嘔気、嘔吐、倦怠感、呼吸困難)を呈していたら、ケトアシドーシスの診断を考慮すべきであり、適切な診療がなされなくてはならない。
低重炭酸血症や尿ケトン体陽性はケトアシドーシスを示唆するが、正確ではないかもしれない。
よって、本委員会は血中ケトン(βヒドロキシ酪酸)と動脈pHの直接測定が診断の確定に必要であると勧告する。正常血糖はSGLT2阻害薬内服中のケトアシドーシスの診断を除外しない。
米国臨床内分泌医会・米国内分泌学会の合同声明から
北里研究所病院糖尿病センターセンター長 山田悟
https://medical-tribune.co.jp/rensai/2016/0707503998/?utm_source=mail&utm_medium=recent160707&utm_campaign=mailmag
SGLT2阻害薬を内服している患者が、ケトアシドーシスを示唆するような症状(腹痛、嘔気、嘔吐、倦怠感、呼吸困難)を呈していたら、ケトアシドーシスの診断を考慮すべきであり、適切な診療がなされなくてはならない。
低重炭酸血症や尿ケトン体陽性はケトアシドーシスを示唆するが、正確ではないかもしれない。
よって、本委員会は血中ケトン(βヒドロキシ酪酸)と動脈pHの直接測定が診断の確定に必要であると勧告する。正常血糖はSGLT2阻害薬内服中のケトアシドーシスの診断を除外しない。
2016/07/26(Tue) 23:04 | URL | 精神科医師A | 【編集】
糖尿病は海馬萎縮のリスク因子―罹病期間が長いほど萎縮進む、久山町研究
http://www.carenet.com/news/general/hdnj/42303
糖尿病があると記憶に関わる脳の海馬の萎縮が進みやすく、罹病期間が長く、診断時期が早いほどそのリスクが高まることが、九州大学大学院衛生・公衆衛生学分野の久山町研究グループにより明らかにされた。この知見では、脳や海馬の萎縮には、空腹時血糖値ではなく食後2時間血糖値が有意に関連していたことから、糖尿病患者の海馬萎縮、認知症の発症予防には食後高血糖の是正が鍵となる可能性がある。詳細は「Diabetes Care」オンライン版に7月6日掲載された。
これまで欧米を中心とした研究で、糖尿病患者ではアルツハイマー病の発症リスクが高まることや、非糖尿病患者に比べてアルツハイマー病の特徴とされる海馬の萎縮が進んでいることが報告されている。久山町研究では、糖尿病および食後2時間血糖高値がアルツハイマー病の発症や老人斑の形成と有意に関連することが報告されているが、今回、同研究グループは、頭部MRIを用いて脳容積を測定し、糖尿病の有無との関連を検討した。
本研究では、65歳以上の福岡県久山町住民1,238人を対象に頭部MRI検査を行い、全脳容積(TBV)、頭蓋内容積(ICV)、海馬容積(HV)を測定。全脳萎縮の指標にTBV/ICV比、海馬萎縮の指標にHV/ICV比、海馬優位の脳萎縮の指標にHV/TBV比を算出し、糖尿病の指標との関連を調べた。対象者のうち23%(286人)が糖尿病患者であった。
その結果、年齢や性などの因子を調整した解析により、糖尿病患者では、非糖尿病患者に比べてTBV/ICV比、HV/ICV比、HV/TBV比はいずれも有意に小さく、糖尿病患者では脳萎縮、なかでも海馬萎縮が進んでいることがわかった(それぞれ77.6%対78.2%、0.513%対0.529%、0.660%対0.676%、いずれもP<0.01)。
また、これらの3つの指標はいずれも、食後2時間血糖値の上昇に伴って有意に小さくなったが、空腹時血糖値との関連はみられなかった。さらに、糖尿病罹病期間が長くなるほど3つの指標は小さくなる傾向がみられ、罹病期間が17年以上の患者では非糖尿病患者に比べて有意差が認められた。中年期に糖尿病と診断された患者では、高齢になってから診断された患者に比べて海馬の萎縮が有意に進んでいることもわかった。
Association Between Diabetes and Hippocampal Atrophy in Elderly Japanese: The Hisayama Study
http://care.diabetesjournals.org/content/early/2016/07/01/dc15-2800
http://www.carenet.com/news/general/hdnj/42303
糖尿病があると記憶に関わる脳の海馬の萎縮が進みやすく、罹病期間が長く、診断時期が早いほどそのリスクが高まることが、九州大学大学院衛生・公衆衛生学分野の久山町研究グループにより明らかにされた。この知見では、脳や海馬の萎縮には、空腹時血糖値ではなく食後2時間血糖値が有意に関連していたことから、糖尿病患者の海馬萎縮、認知症の発症予防には食後高血糖の是正が鍵となる可能性がある。詳細は「Diabetes Care」オンライン版に7月6日掲載された。
これまで欧米を中心とした研究で、糖尿病患者ではアルツハイマー病の発症リスクが高まることや、非糖尿病患者に比べてアルツハイマー病の特徴とされる海馬の萎縮が進んでいることが報告されている。久山町研究では、糖尿病および食後2時間血糖高値がアルツハイマー病の発症や老人斑の形成と有意に関連することが報告されているが、今回、同研究グループは、頭部MRIを用いて脳容積を測定し、糖尿病の有無との関連を検討した。
本研究では、65歳以上の福岡県久山町住民1,238人を対象に頭部MRI検査を行い、全脳容積(TBV)、頭蓋内容積(ICV)、海馬容積(HV)を測定。全脳萎縮の指標にTBV/ICV比、海馬萎縮の指標にHV/ICV比、海馬優位の脳萎縮の指標にHV/TBV比を算出し、糖尿病の指標との関連を調べた。対象者のうち23%(286人)が糖尿病患者であった。
その結果、年齢や性などの因子を調整した解析により、糖尿病患者では、非糖尿病患者に比べてTBV/ICV比、HV/ICV比、HV/TBV比はいずれも有意に小さく、糖尿病患者では脳萎縮、なかでも海馬萎縮が進んでいることがわかった(それぞれ77.6%対78.2%、0.513%対0.529%、0.660%対0.676%、いずれもP<0.01)。
また、これらの3つの指標はいずれも、食後2時間血糖値の上昇に伴って有意に小さくなったが、空腹時血糖値との関連はみられなかった。さらに、糖尿病罹病期間が長くなるほど3つの指標は小さくなる傾向がみられ、罹病期間が17年以上の患者では非糖尿病患者に比べて有意差が認められた。中年期に糖尿病と診断された患者では、高齢になってから診断された患者に比べて海馬の萎縮が有意に進んでいることもわかった。
Association Between Diabetes and Hippocampal Atrophy in Elderly Japanese: The Hisayama Study
http://care.diabetesjournals.org/content/early/2016/07/01/dc15-2800
2016/07/26(Tue) 23:09 | URL | 精神科医師A | 【編集】
ケトン体は絶食時でもエネルギー源として100%糖質に置き換わることはないので、糖質摂取を制限している場合は糖新生が常に起こっているという理解でよろしいでしょうか。
その場合、アミノ酸がどこから来るかですが、タンパク質の体の中での収支関係が良く分かりません。具体的に言うと、糖のエネルギーとしての消費の割合や摂取したタンパク質が糖新生の材料としてどの程度からだの中に残っていられるかがよく分かりません。例えば、タンパク質を一度取り、その後15時間タンパク質を摂取しなければ、筋肉の分解は起こりはじめるのでしょうか?朝食を抜けば容易にありうる状況です。
その場合、アミノ酸がどこから来るかですが、タンパク質の体の中での収支関係が良く分かりません。具体的に言うと、糖のエネルギーとしての消費の割合や摂取したタンパク質が糖新生の材料としてどの程度からだの中に残っていられるかがよく分かりません。例えば、タンパク質を一度取り、その後15時間タンパク質を摂取しなければ、筋肉の分解は起こりはじめるのでしょうか?朝食を抜けば容易にありうる状況です。
2016/07/27(Wed) 06:37 | URL | mama | 【編集】
江部先生、セイゲニストの皆様こんにちは
こちらのブログと糖質制限ドットコムのモリドルミルクチョコレートを愛しすぎている猫娘です。
いつも勉強になる情報を有り難うございます。
10年間の境界型を経て昨年5月糖尿病発症し昨年の7月からS糖質制限を開始しました。
発症時は
HA1C 11.3
血糖値 459(糖質祭りの間食後)でした。
S糖質制限実践3か月後位から今回検査までHA1C6.0~6.3で空腹時血糖は100~130くらいです。
体型も158㎝ 59キロから63キロくらいをウロウロ)で
HOMA 2.8
HOMA-β 36(HOMA値は昨年の5月で空腹時血糖139の時)
とインスリンの分泌不足と抵抗性もあるようです。
それで、前回初めてグリコアルブミンの検査をお願いして病院外注の検査結果が出ました。
HA1Cとの同月検査は自費でも出来ないと言われ、簡易の血糖計を使用しているので今後もグリコアルブミンの検査のみでお願いしました。
空腹時血糖 126(4月18日の健康診断時)
HA1C 6.1 (4月18日の健康診断時)
GA 13.1 (5月11日の検査時)
あとは本日7月27日の結果
空腹時血糖 117
HDL 58
LDL 146 (高い)
TG 70
Ch-E 486 (高い)
BUN 17.1
薬に頼ることもなく改善できて、やっぱり糖質制限は素晴らしい療法食です。
目標は、HA1C5.5以下なので、今後はカロリーも少し管理して1600くらいにしてみようかと思います。今はは2000カロリーくらい摂取していると思います。
それから尿中ケトンが+になったのがただ1度あったきりなのですが出ない人もいるのかな?と少々気になりました。
これからも、美味しく楽しく糖質制限を頑張ります。
こちらのブログと糖質制限ドットコムのモリドルミルクチョコレートを愛しすぎている猫娘です。
いつも勉強になる情報を有り難うございます。
10年間の境界型を経て昨年5月糖尿病発症し昨年の7月からS糖質制限を開始しました。
発症時は
HA1C 11.3
血糖値 459(糖質祭りの間食後)でした。
S糖質制限実践3か月後位から今回検査までHA1C6.0~6.3で空腹時血糖は100~130くらいです。
体型も158㎝ 59キロから63キロくらいをウロウロ)で
HOMA 2.8
HOMA-β 36(HOMA値は昨年の5月で空腹時血糖139の時)
とインスリンの分泌不足と抵抗性もあるようです。
それで、前回初めてグリコアルブミンの検査をお願いして病院外注の検査結果が出ました。
HA1Cとの同月検査は自費でも出来ないと言われ、簡易の血糖計を使用しているので今後もグリコアルブミンの検査のみでお願いしました。
空腹時血糖 126(4月18日の健康診断時)
HA1C 6.1 (4月18日の健康診断時)
GA 13.1 (5月11日の検査時)
あとは本日7月27日の結果
空腹時血糖 117
HDL 58
LDL 146 (高い)
TG 70
Ch-E 486 (高い)
BUN 17.1
薬に頼ることもなく改善できて、やっぱり糖質制限は素晴らしい療法食です。
目標は、HA1C5.5以下なので、今後はカロリーも少し管理して1600くらいにしてみようかと思います。今はは2000カロリーくらい摂取していると思います。
それから尿中ケトンが+になったのがただ1度あったきりなのですが出ない人もいるのかな?と少々気になりました。
これからも、美味しく楽しく糖質制限を頑張ります。
精神科医師A さん
情報をありがとうございます。
【結語】腫瘍及びそれによる炎症に対するStrategy としての糖質制限の可能性が示された。
いいですね。
この肺癌患者さん、2015年6月までのデータですが、2016年7月現在、ご存命なのでしょうかね?
情報をありがとうございます。
【結語】腫瘍及びそれによる炎症に対するStrategy としての糖質制限の可能性が示された。
いいですね。
この肺癌患者さん、2015年6月までのデータですが、2016年7月現在、ご存命なのでしょうかね?
2016/07/27(Wed) 13:01 | URL | ドクター江部 | 【編集】
精神科医師A さん
情報をありがとうございます。
情報をありがとうございます。
2016/07/27(Wed) 13:53 | URL | ドクター江部 | 【編集】
精神科医師A さん
貴重な情報をありがとうございます。
糖尿病は海馬萎縮のリスク因子―罹病期間が長いほど萎縮進む、久山町研究
近いうちに記事にしたいと思います。
貴重な情報をありがとうございます。
糖尿病は海馬萎縮のリスク因子―罹病期間が長いほど萎縮進む、久山町研究
近いうちに記事にしたいと思います。
2016/07/27(Wed) 13:59 | URL | ドクター江部 | 【編集】
都内河北 鈴木です。
江部先生糖質制限理論で改善以上、生還を体感した者として、猫娘さんの感動には私自身の生還時の思いが思い出され、感動蘇り共感します。
悪徳信者共の犠牲回避できて良かったですね!!
敬具
江部先生糖質制限理論で改善以上、生還を体感した者として、猫娘さんの感動には私自身の生還時の思いが思い出され、感動蘇り共感します。
悪徳信者共の犠牲回避できて良かったですね!!
敬具
2016/07/27(Wed) 14:02 | URL | 都内河北 鈴木 | 【編集】
糖質を食べている人でも、食後数時間の空腹時や睡眠時は
赤血球のために糖新生しています。
赤血球はブドウ糖だけが唯一のエネルギー源です。
そして、糖質セイゲニストの場合は、ステーキなどを食べている最中にも
糖新生しています。
糖新生の原材料は、アミノ酸、乳酸、グリセロールなどです。
体重70kgの男性では、10~11kgの体タンパクがあり、タンパク質代謝の異化と同化の過程で、
そのうち約250~300gのタンパクが毎日入れ替わります。(約3%)。
その内、外因性(食事性)タンパクは100gとされ、
腸管内の消化液、剥離脱落した腸細胞、漏出した血漿タンパクなどの内因性タンパクの吸収と合わせ160gが消化管から吸収されます。
2011年04月30日 (土)の本ブログ記事
「タンパク質代謝」
をご参照頂けば幸いです。
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-1643.html
2016/07/27(Wed) 14:45 | URL | ドクター江部 | 【編集】
猫娘 さん
糖尿病は、素晴らしい改善ですね。
GA 13.1 (5月11日の検査時) ・・・11.8~16.0くらいが基準値なので、完全に正常です。
空腹時血糖は100~130くらいなのは、インスリン抵抗性があるためと思います。
そのため、HbA1cが、コントロール良好ではありますが、GAに比し、相対的に高めです。
57~58kgくらいになれば、HOMA-βが正常化し、空腹時血糖値も改善し、
HbA1cも良くなる思います。
血中ケトン体が高値でも、心筋や骨格筋が効率良く利用し、腎の再吸収も増加すれば、尿中には漏れなくなります。
糖尿病は、素晴らしい改善ですね。
GA 13.1 (5月11日の検査時) ・・・11.8~16.0くらいが基準値なので、完全に正常です。
空腹時血糖は100~130くらいなのは、インスリン抵抗性があるためと思います。
そのため、HbA1cが、コントロール良好ではありますが、GAに比し、相対的に高めです。
57~58kgくらいになれば、HOMA-βが正常化し、空腹時血糖値も改善し、
HbA1cも良くなる思います。
血中ケトン体が高値でも、心筋や骨格筋が効率良く利用し、腎の再吸収も増加すれば、尿中には漏れなくなります。
2016/07/27(Wed) 22:09 | URL | ドクター江部 | 【編集】
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