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インスリン分泌機能
おはようございます。今朝はいい天気です。

でも、例によって空の下のほう1/3くらい、霞がかかっています。京の空から、霞が消える日はくるのでしょうか?

さて今回は、インスリン分泌機能について、インスリン治療中のみやびさんから、コメント・質問をいただきました。


『08/04/03 みやび
インスリン分泌機能について
江部先生。
江部先生のブログを読まれている皆様。
こんばんゎ♪最近 たびたびお邪魔させていただいております みやびです♪♪♪

先生のブログ 毎日の更新が楽しみで、欠かさず読んで 勉強させていただぃております。自分の弱さに押し潰されそぅな時、ここへ来ると 勇気と自信を取り戻すことができます。 本当に いつも有り難うございます♪

私はいま スーパー糖質制限食(朝抜き 1日2食)を実践中です。インスリン治療を行っています。医師の指示では 朝/ノボラピッド300 8単位・昼/ノボラピッド300 5単位・夕/ノボラピッド30ミックス 18単位ですが、糖質制限しているので、当然 指示通り打つと 低血糖を起こしてしまぃます。

医師には糖質制限していることを まだ話していないため、本当はイケないやり方だけど、朝/0・昼/ノボラピッド300 3単位・夕/ノボラピッド300 3単位・就寝前/ノボラピッド30ミックス 13~15単位といった具合に 自分でアレンジして打ってます。

江部先生にも怒られそう… (>_<)

でも その方が合っているらしく、ずいぶんと管理がしやすくなりました♪

ただ、最近 また少し上がり気味です…特に 早朝空腹時血糖が 150mg/dlから下がらなくなりました。就寝前のインスリンを2~3単位増やしても 変わりがないのです。

管理が悪い状態を続けてしまったせいで 知らずにインスリン分泌機能が低下し もう使い物にならないくらい すい臓が弱ってしまったのでしょうか?

ちなみに
糖質制限 開始前のHbA1Cは
H19/9/20 7.0%
10/13 7.2%
11/22 7.4%
12/20 7.8%
H20/1/17 7.7%
2/21 8.2%
でした。そして 先月、糖質制限を始めて 初めての診察で 微々たる下がりでしたが 7.8%でした。

インスリンが 自分の体内でどの程度分泌しているのか 考えると少し不安です。これって…定期的に検査するものなのでしょうか?

長くなってしまぃ すみません。できれば、保険が適用されるのか否か 費用なんかも教えていただけたら有り難いです。 m(_ _)m 』



みやびさん。
朝食抜き、一日二食のスーパー 糖質制限食ですか。私とまったく一緒のパターンですね。(^o^)v

まずご質問の、「自前のインスリンが体内でどの程度分泌されているか?」ですが、定期的に健康保険で検査可能です。

通常は血液中のインスリン(IRI)そのものを測定しますが、インスリン注射中の糖尿人は、C-ペプタイド(CPR)というものを調べます。**

IRIの測定は、注射したインスリンの影響を受けますので不正確になりますが、CPRのほうは、外から注射したインスリンとは無関係の内因性インスリンの分泌状態を示しています。

早朝空腹時CPRを測定することで、インスリンの基礎分泌能力があるていどわかります。蓄尿して一日尿中のCPRを測定することは一日の内因性インスリン分泌総量の指標となります。

費用ですが、インスリン(IRI) 120点、 C-ペプタイド(CPR)130点です。 1点が10円ですから、1200円と1300円で、それの3割負担ですね。

「先月、糖質制限を始めて 初めての診察で 微々たる下がりでしたが 7.8%でした。」

インスリンの量を減らしてHbA1cが改善しておられるので、効果がでているのでしょう。糖質制限食を実践すれば、インスリンの量を減らさないと低血糖になりますから、みやびさんが血糖自己測定しながら、自分でアレンジして減らされたのは、やむを得なかったのでしょうね。

ただお奨めは、やはり主治医とよく相談されて、インスリン減量がよろしいですね。確かに糖質制限食といきなり言うと、主治医が拒否反応を起こされるかもしれませんので、糖質管理食を試してみたいということで如何でしょう?

2008年1月の米国糖尿病協会(ADA)の栄養勧告で、「炭水化物をモニタリングすることは、炭水化物計算にしろ、炭水化物交換にしろ、経験に基づく評価にしろ、血糖コントロールを達成するための鍵となる戦略である。」と、炭水化物(糖質)を日常的に継続的に点検することを、強く推奨しています。

その中で炭水化物を計算するやり方は、糖質管理食(carbohydrate counting)といい、欧米では一般的に定着している糖尿病食事療法です。

日本でも「糖尿病のあなたへ かんたんカーボカウント―豊かな食生活のために 」医薬ジャーナル社 (2006/03) という糖質管理食の本が、大阪市立大学大学院医学研究科発達小児医学教室 大阪市立大学医学部附属病院栄養部から出版されています。

この糖質管理食を徹底したのが、 糖質制限食です。従いまして主治医殿には「欧米では一般的で日本でも始まりつつある糖質管理食を実践してみたら血糖値がコントロールしやすくなり、結果としてインスリンの量が減りました」といった感じでよく相談されて、インスリンの量も決めていけばよいと思います。

「早朝空腹時血糖が 150mg/dlから下がらなくなりました。」自前の基礎分泌のインスリンがやや減少していると考えられます。

これは、就寝前のインスリンを、ランタスなど約22~24時間持続して基礎分泌のかわりとなるタイプに変更することも選択肢の一つと思います。上手くいけば、ランタスの1回注射とスーパー 糖質制限食の実践で、朝・昼・夕の食前インスリンが要らなくなる可能性もありますから、主治医殿とインスリンの種類の変更などよくよく相談してくださいね。☆(u_u)☆

**
C-ペプタイド(CPR)
C-ペプタイド(CPR)は、インスリン生合成の過程におけるプロインスリンの分解によって生じる副産物である。インスリンとCPRの分泌動態には平行関係が存在する。血中・尿中のCPR濃度を測定することにより、膵ランゲルハンス島β細胞機能、内因性インスリン分泌能を推測することができる。


江部康二
テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
ありがとぅござぃました。
江部先生。

お忙しぃ中にもかかわらず、質問に わかりやすく答えていただき 又、記事にも取りあげていただき 本当にありがとぅござぃました。

近ければ 即!!!高雄病院に転院したぃところですが、私は茨城に住んでいるので 新幹線を使っても、行くのに半日かかってしまぃそぅです。機会があれば、旅行気分で 診療所の方を受診できたらとも思っていますが、カウンセリング的な受診でも可能ですか?


とりあえず 効果を出して主治医に誇らしく報告したぃ という思いで、今の自分を奮い起たせているところです(笑)でも インスリン注射の必要がなくなるかもしれなぃなら、やっぱり 相談すべきですね。主治医が 頭の柔らかぃ人であるよぅ 願うばかりです。

これからも 頑張ります!!!
本当にありがとぅござぃました。
<(_ _)>

2008/04/09(Wed) 15:15 | URL | みやび | 【編集
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