2016年06月26日 (日)
こんばんは。
膵β細胞からのインスリン分泌と糖尿病の病態進展との関係は、過去いろいろ研究されてきました。
それで諸説あるのですが、「糖尿病を発症した時点で、膵臓のβ細胞量は35%残存で65%が失われている」というのが剖検研究からの仮説です。
同様に剖検による研究では、IGT(食後高血糖境界型・予備軍)の段階で、耐糖能正常の状態に対して、β細胞量は50%減少していることが報告されました。
つまり、糖尿病発症前の段階から、インスリン分泌の低下がすでに認められたわけです。
また他の多くの研究から、
「血糖値上昇と膵β細胞の機能低下が相関すること」
「2型糖尿病の発症以降は、インスリン感受性が維持されていても膵β細胞機能は徐々に低下すること」
が報告されています。
要するに、膵β細胞機能は糖尿病発症前の段階からとっくに低下していて、疾患進行とともにさらに悪化すると考えられています。
つまり現状では2型糖尿病は、進行性の不治の病とされています。
これでは、糖尿人はまるでお先真っ暗ではないですか(;△;)
しかしこれは、従来の薬物療法(SU剤やインスリン注射など)と、従来のカロリー制限食(高糖質食)を実践した場合のお話です。
結局、従来の治療法では「食後高血糖」が防げないので、膵β細胞が進行性に障害され続けて、インスリン分泌能が徐々に低下していったものと考えられます。
それならば、スーパー糖質制限食実践で食後高血糖を正常にコントロールすれば、膵β細胞の進行性の障害は予防できると考えられます。
IGT(食後高血糖境界型・予備軍)の段階で、正常に比し50%のβ細胞量しかない可能性があると、述べました。
糖尿病発症の段階ならもっと減っています。
ただ、剖検の結果は兎も角としてβ細胞は段階的には「壊れている細胞」、「疲弊している細胞」、「元気な細胞」の3種類のβ細胞があると思います。
壊れている細胞はもう元には戻りませんが、疲弊しているβ細胞はスーパー糖質制限食で、追加分泌インスリンの必要がほとんどなければ休養できて回復します。
スーパー糖質制限食で、食後高血糖はリアルタイムに改善します。軽症の糖尿人なら空腹時血糖値もそれに伴い速やかに改善します。
一方「糖毒」(*)状態のやや重い病態の糖尿人もおられます。
こちらもスーパー糖質制限食で、「糖毒」の悪循環が解除されれば、血糖コントロールも良好となります。
そして、美味しく楽しくスーパー糖質制限食実践を続けていけば、食後高血糖もなく、β細胞の新たな障害もなく、健康な人生をまっとうすることができます。
(*)糖毒
① 高血糖の持続→膵臓のランゲルハンス島のβ細胞にダメージ→インスリン分泌低下
② 高血糖の持続→筋肉細胞レベルでのインスリン抵抗性増大
高血糖があると①と②が体内で生じます。
インスリン分泌低下と抵抗性増大が生じれば、ますます高血糖となります。
≪高血糖の持続→インスリン分泌低下とインスリン抵抗性増大→高血糖の持続→≫
この悪循環パターンを、臨床的には「糖毒」 と呼びます。
江部康二
膵β細胞からのインスリン分泌と糖尿病の病態進展との関係は、過去いろいろ研究されてきました。
それで諸説あるのですが、「糖尿病を発症した時点で、膵臓のβ細胞量は35%残存で65%が失われている」というのが剖検研究からの仮説です。
同様に剖検による研究では、IGT(食後高血糖境界型・予備軍)の段階で、耐糖能正常の状態に対して、β細胞量は50%減少していることが報告されました。
つまり、糖尿病発症前の段階から、インスリン分泌の低下がすでに認められたわけです。
また他の多くの研究から、
「血糖値上昇と膵β細胞の機能低下が相関すること」
「2型糖尿病の発症以降は、インスリン感受性が維持されていても膵β細胞機能は徐々に低下すること」
が報告されています。
要するに、膵β細胞機能は糖尿病発症前の段階からとっくに低下していて、疾患進行とともにさらに悪化すると考えられています。
つまり現状では2型糖尿病は、進行性の不治の病とされています。
これでは、糖尿人はまるでお先真っ暗ではないですか(;△;)
しかしこれは、従来の薬物療法(SU剤やインスリン注射など)と、従来のカロリー制限食(高糖質食)を実践した場合のお話です。
結局、従来の治療法では「食後高血糖」が防げないので、膵β細胞が進行性に障害され続けて、インスリン分泌能が徐々に低下していったものと考えられます。
それならば、スーパー糖質制限食実践で食後高血糖を正常にコントロールすれば、膵β細胞の進行性の障害は予防できると考えられます。
IGT(食後高血糖境界型・予備軍)の段階で、正常に比し50%のβ細胞量しかない可能性があると、述べました。
糖尿病発症の段階ならもっと減っています。
ただ、剖検の結果は兎も角としてβ細胞は段階的には「壊れている細胞」、「疲弊している細胞」、「元気な細胞」の3種類のβ細胞があると思います。
壊れている細胞はもう元には戻りませんが、疲弊しているβ細胞はスーパー糖質制限食で、追加分泌インスリンの必要がほとんどなければ休養できて回復します。
スーパー糖質制限食で、食後高血糖はリアルタイムに改善します。軽症の糖尿人なら空腹時血糖値もそれに伴い速やかに改善します。
一方「糖毒」(*)状態のやや重い病態の糖尿人もおられます。
こちらもスーパー糖質制限食で、「糖毒」の悪循環が解除されれば、血糖コントロールも良好となります。
そして、美味しく楽しくスーパー糖質制限食実践を続けていけば、食後高血糖もなく、β細胞の新たな障害もなく、健康な人生をまっとうすることができます。
(*)糖毒
① 高血糖の持続→膵臓のランゲルハンス島のβ細胞にダメージ→インスリン分泌低下
② 高血糖の持続→筋肉細胞レベルでのインスリン抵抗性増大
高血糖があると①と②が体内で生じます。
インスリン分泌低下と抵抗性増大が生じれば、ますます高血糖となります。
≪高血糖の持続→インスリン分泌低下とインスリン抵抗性増大→高血糖の持続→≫
この悪循環パターンを、臨床的には「糖毒」 と呼びます。
江部康二
減量の目的で約2ヶ月前に糖質制限始めました。減量の効果はもちろんですが極度の乾燥肌が改善し長年に渡る化粧品及びシャンプージプシーから解放されました。今まで洗面所やドレッサーに化粧品の瓶が並んでる状態だったのですが今は最低限のもので済んでます。お財布も助かってます。マインドもとてもクリアーになり、衝動的に行動して後悔する悪癖もだいぶ減りました。
先生には感謝でいっぱいです。
一つ質問があります。この間うっかりですがファストフードのフライドポテトの中サイズを一気に食べてしまいました。直後から強烈なめまいと眠気に襲われ、動けず友人にタクシーを呼んでもらって帰宅しました。前も一度うっかりですが糖分の多いワインを飲んで似たような症状を起こしてます。
こういう時はどう対処すればいいですか。
ちなみに私は糖尿病の気配はなく、健康診断でそのように判断されたことはなく家系にも糖尿病はありません。
すでにブログなどでこのような症状を紹介済みなら過去のどの部分を読めばいいか示唆していただければ幸いです。よろしくお願い致します。
先生には感謝でいっぱいです。
一つ質問があります。この間うっかりですがファストフードのフライドポテトの中サイズを一気に食べてしまいました。直後から強烈なめまいと眠気に襲われ、動けず友人にタクシーを呼んでもらって帰宅しました。前も一度うっかりですが糖分の多いワインを飲んで似たような症状を起こしてます。
こういう時はどう対処すればいいですか。
ちなみに私は糖尿病の気配はなく、健康診断でそのように判断されたことはなく家系にも糖尿病はありません。
すでにブログなどでこのような症状を紹介済みなら過去のどの部分を読めばいいか示唆していただければ幸いです。よろしくお願い致します。
パンプキン さん
機能性低血糖と思われます。
糖質の多い食品を摂取すると症状が起こります。
糖質制限食なら、この症状は起こりません。
一回の食事の糖質量を意識して、機能性低血糖が起こらないように用心しましょう。
扉ページの、カテゴリーの、「機能性低血糖」の項をご参照頂けば幸いです。
機能性低血糖と思われます。
糖質の多い食品を摂取すると症状が起こります。
糖質制限食なら、この症状は起こりません。
一回の食事の糖質量を意識して、機能性低血糖が起こらないように用心しましょう。
扉ページの、カテゴリーの、「機能性低血糖」の項をご参照頂けば幸いです。
2016/06/27(Mon) 21:14 | URL | ドクター江部 | 【編集】
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